再会した幼馴染が引きこもり寸前だったから面倒見る   作:たーぼ

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前回のアンケート結果を踏まえた上で、既に活動報告ではオリ主と各キャラの相性評価を書いたものが投稿されてるので良かったら暇潰しに見てってね。ついでにコメントとかくれると喜ぶよ。ワイが。
CP要素も含まれてるから一応何でも許せる人向けだよ。




122.苦手克服のためとはいえ荒療治は絶対ダメ

 

 

『え〜これは昨日私が体験した話なんですが……私が夜中寝ていると突然ドアをドンドン! と強く叩く音が何度もしたんです。こんな時間に変だなー変だなーと思いながらドアまで近づいてみると、カエセ……カエセ……と言ってきてるではないですか。それでこわいなーやだなーと思いながらも私はドアノブを』

 

「借金取りが催促に来たんですよね」

 

『え〜〜〜〜〜なんでオチ分かったの〜!?』

 

 アンタのお金事情を知ってるからだよ。というかマジモンの幽霊住み憑いてるんだからそっちの話した方がまだマシだろ。あれ、でもこの人は気づいてないんだっけ。

 志麻さんが霊感あっておかっぱ頭の女の子と足軽の幽霊とかいるってのは聞いた事あるけど。

 

 引き続き俺はカメラマンで一言も喋れないから全てのツッコミは虹夏さん達に任せるしかないのである。

 

 

『あれ〜? 怖い話ですか〜? それなら幽々も混ぜてくださぁ〜い』

 

「あっ内田さんだわ」

 

 ホラー話に釣られてひょこっと画面に出てきたのはシデロスのホラー担当……じゃないベース担当内田幽々さんである。

 ちなみにこの子はガチだからちょっと怖い。酔っ払いの借金取りの話なんてまだ可愛いレベルだ。だって普通に借金返せばいいだけなんだから。

 

 

『おっ良いとこに来たね〜。聞いて驚け皆の衆、幽々ちゃんは何とぉ〜霊感があるんだよぉ〜!』

 

『正しくは霊感ではなく幽々の力は魔力であってサタン様に悪の力をお借りしているんですねぇ〜。あっサタン様というのはこの人形のルシファーとベルゼブブちゃんの事なん』

 

「なるほど? ありがとうございます〜!」

 

 オタクの早口に着いていけなかったのか喜多さんが食い気味に乱入してった。

 俺がアニメの話をしてたら入り込んできて共通の話題に持っていく時の喜多さんとまったく一緒だ。なるほど、意味が分からんから無理矢理でも次に行こうとさせてた訳ね。ようやく分かった。泣くわ。

 

 

『……? あれれ〜、皆さんの後ろの奥の部屋からただならぬ気配を感じますねぇ〜』

 

「………………え?」

 

 流れ変わったな。

 どうしよう、いきなり雰囲気がガラッと変わったような感覚になってきた。え、ほんとに何かいる可能性出てきたの? 後藤さんのスタンドじゃなくて? 

 

 コメントの方も『ガチ展開キタコレ』『えっマジ?』『俺の中でUC流れ始めた』『バイト帰りだけど間に合った〜。今からご飯食べながら見ます』などと少し盛り上がりを見せてきている。お疲れバイト戦士。

 さてどうしたものか。流れ的には確認しに行った方がいいんだけど、内田さんが言ってるからマジで警戒しとかないとやばそう。さっきのこんにゃく辺りまで時間軸戻したい。

 

 そんなことを考えている内に興味と関心に抗えない陽キャ少女は一目散に奥の部屋へと向かっていった。

 まあ君なら行くと思ったよ。危険性より撮れ高の方が大事だもんねあなた。

 

 

「この部屋、さっき準備してた時は鍵がかかってたのに今は開いてるわ……まさか……」

 

『生霊……? ウェーブがかった長髪の女性が見えますぅ〜』

 

 ねえ、いよいよ肝試しどころじゃなくなってきてない? この別荘って昔戦地だったとか墓地だったりとかしないよね? 

 作り物ならまだしもマジモンは俺もちょっと管轄外ですよ。何なら許容範囲外ですよ。だって物理攻撃効かんでしょあいつら。どう勝てってんだよ。

 

 

「開かずの部屋か。いいね、ホラーっぽいじゃん。開けてみる?」

 

「絶対イヤ! あたしもう部屋に戻るから! 内田さんが言うなら絶対ナニかいるもん! こんなとこいられないよ!」

 

「先輩! ホラーのセオリーでは単独行動する人は先に死にますよ!」

 

「そうやって面白がってるヤツも死ぬんだけど!?」

 

 死亡フラグ立ちまくりで逆に死なないフラグになってる可能性とかないかな。

 けど幽霊に呼ばれやすい後藤さんがおびき寄せられてないような……。いやしかし内田さんが何かしらの気配を感じてるってんなら嘘でもなさそうだよなあ。やべえ、俺も逆に気になってきた。ホラーのセオリーでは興味本位で近づくヤツも死ぬんだけどこれフラグですかね。

 

 すると部屋の中からガタゴトと謎の音が聞こえてきた。

 この別荘には俺達以外誰もいないはずなのに、だ。ちょっ、えっ、ガチ? 不審者じゃないの? 

 

 

「これって……ラップ音? 私達は全員ここにいるし……ほんとに何かいるのかしら……」

 

『安心してください〜。ぼっちさんとカメラマンさんに凄いのが憑いてるので生霊くらい瞬殺できますよ〜。何なら悪霊も一瞬で消せそうですね〜』

 

「余計不安になること言わないで!」

 

 喜多さんかきくり姐さんが根回ししてくれてたのか、内田さんも俺の名前は伏せてくれてるらしい。

 セリフの方はめっちゃ気になるけど。悪霊消せるとか俺と後藤さんに憑いてるのは何なの。守護霊の域超えてんじゃないのそれ。尸魂界に魂送させる死神憑いてる説ある? 

 

 

「うえ〜ん、あたしもうヤだよ優子ちゃん助けて〜!」

 

 まずい、虹夏さんが抱きついてきたっ! 恐怖で恥ずかしいとかどうでもよくなってるよこの人! 

 今の俺じゃスマホ構えてるし声出せないしで無理に引き剥がせねえ。年上の尊厳とかプライドかなぐり捨てちゃってますけど後々大丈夫そうですかあなた!? 

 

 というかちょっ……く、首がっ……虹夏さん力強すぎて普通に首が締まってるぅ……!? 

 変なとこでドラムで鍛えられた力発揮しなくていいからっ。密着度高すぎてむしろ余計にしっかり絞められてる感ある。こうして地味に解説できているのは俺が打たれ強くなってるからか既に死にそうになってるからのどちらかだと思う。

 

 あ、なんかふわふわしてきた。

 

 

「に、虹夏ちゃ……そ、それ以上はゆうk、ゆうちゃんが死んじゃいそうだからお、おおおお落ち着いてくだあしあえ……!」

 

「ひとりちゃんも落ち着いて!? 先輩っ、このままだと先に優子ちゃんが死んで幽霊になっちゃいますって! だからここは一旦離れましょう〜!」

 

「霊がいるかもしれない部屋の前でこんだけ騒げるのはある意味肝が据わってるのでは」

 

 一分後、無事俺は解放された。三途の川でお爺さんが手を振ってたけどうちの祖父は両方存命だからまったく知らない人だった。誰だよ。

 

 

「ハァ……ハァ……ご、ごめんね、優子ちゃん……。テンパってたとはいえあたし、変なことしちゃってたよね……!」

 

 ようやく自我を取り戻した虹夏さんは赤面しながら大変戸惑っているご様子だ。無理もない。怖いものは怖いのだ。

 ガチの可能性がある故に、耐性がゼロならばああなるのは必然だろう。リョウさん達が平気そうなのがむしろ異常なんだ。いやマジで。

 

 俺は一つ賢くなった。恐怖に駆られた人間は何をしでかすか本当に分からないと。

 あれが俗に言うSAN値ピンチなのかもしれない。誰かニャル子さん呼んできて退治してもらおうぜ。化物には化物をぶつけんだよ!! 

 

 とりあえず流れはドアを開ける方向で決まったらしい。別荘の持ち主であるリョウさんも対処をするためにも正体くらいは知っておきたいとの事。割と正当な意見だった。

 落ち着きはしたが虹夏さんは現在進行形で怯えてる状態だ。だからかごく自然に俺の開いてる方の手をずっと両手で握っておられる。可哀想は可愛い。後藤さんは俺の背後にいないで画角に入ってください。出演者だろうが。

 

 

「こういうのは勢い……よーし、一気に開けますよ〜!」

 

 本当に勢いで開けられた部屋の中へみんな一緒に入る。

 スイッチの位置を知っているリョウさんが電気を点けると、

 

 

「ここは……?」

 

「が、楽器がいっぱいある……」

 

 一台のピアノを筆頭に壁にはギターとアコギが飾られてあった。

 ……いやその前に気になるのは音の正体だ。さっきの音はピアノでもギターの音でもなかった。例えるなら何かが移動するような音だったはずだ。

 

 で、視線を左に向けると。

 

 

「「あ」」

 

 いた。

 同じ方向を見たリョウさんと、音の正体が同時に声を発した。

 

 

「あら〜見つかっちゃったわ〜」

 

「いやあああああああたし達以外の声がするぅぅぅううううう!! これが生りょ……あれっ、リョウのお母さん!?」

 

『誤差の範囲ですぅ〜』

 

 そう、音の正体は生霊ではなく生リョウのお母さんだったのだ。何でいるんだろう。

 てか幽霊ではなかったけどほんとに誰かいるのを当てた内田さんめちゃくちゃ凄いのでは? ウェーブがかった長髪の女性って言い当ててるし。むしろそっちのが怖えわ。

 

 

「というか先に帰ったはずじゃ……なんでいる……」

 

「や、やっぱり子供だけしかいないのは不安だったから陰から見守ってたのよ〜! ごめんなさぁい!」

 

「本音」

 

「みんなと遊んでる可愛いリョウちゃんを何としてでもカメラに収めたくて」

 

「この過保護……!」

 

「パパにも頼まれたから仕方ないのよ〜!」

 

 リョウママ隠密スキル高すぎじゃね。よく今まで気付かなかったな俺達。

 ……ん? 待てよ。先に帰ってなくて実はずっと俺達を見てたって事は、海で遊んでる後藤さん達を見てたって事だよな。じゃあ俺が気絶した原因も知ってるんじゃ……? 

 

 と思っていると、何やらリョウさんがプルプルし始めた。

 その表情は若干赤い。そんなにおこらなくてもいいのに、子を心配するのは親の特権ですよ。

 

 

「……なら昼間のアレも見てたって事か……」

 

「え? ……あら〜……!」

 

「絶対追い出す……!」

 

 珍しくリョウさんがぷんすかしている。あれが反抗期ってやつか。俺には縁がなさそうだな。

 喜多さんと冷静になった虹夏さんがリョウさんを羽交い締めにして食い止めているのをしっかり撮影する俺。慌てながらも俺の隣を離れない後藤さん。美味しいパスタ作ったお前。

 

 わちゃわちゃしてる中、リョウママが俺に向けて親指立ててきたけどどういう意味を含めてるのかはまったく分からん。ちゃんと撮影してて偉いってこと? 

 どうやら話し合いの結果今度リョウママがリョウさんをお高い焼肉店に連れていく事で許しを得たらしい。そんな見え透いた釣り針に引っ掛かっていいのか山田よ。さっき焼肉食べたばっかでしょ。

 

 

「あの〜、そういえばピアノとかギターがありますけど、ここって……」

 

「ああ、私クラシックしてたからそのためのお部屋よ。休暇があるとよくこの別荘に弾きに来てたのよ〜」

 

 配信中という事もありすぐさま別の話題へ持っていく喜多さんにカメラマンである俺も柔軟に対応していく。

 肝試しの企画はどこ行ったんだろうね。

 

 

「へ〜! じゃあギターとかアコギも弾かれるんですね〜! 凄いわ!」

 

「それは収集癖のあるパパがインテリアに買っただけよ〜。お値段は50万くらいだって!」

 

「高っ!?」

 

 子が子なら親も親だった件。

 せっかく良いギターなら弾けばいいのに。勿体ないなあ。

 

 

「え〜というわけで残念ながら幽霊は出ませんでした〜!」

 

「リョウちゃんママで〜す! お騒がせしてごめんなさいね〜!」

 

 一応これで肝試し企画としてのオチはついたって感じになんのかな? 

 いやまあモノホンとか出てこられても困るだけだし何もない方がいいんだけどさ。

 

 コメントでは『無事でよかった……』『つまんない〜』『これが高校生の青春イベントか』と良さげな反応が来ている。

 あとは何が来てるかなっと。……『リョウちゃんママのファンになってもいいですか』……変なファン増えちゃった。見なかった事にしよう。

 

 で、次は……『おかわりいただけるだろうか……』。それを言うならお分かりいただけただろうか、な。これさっきの晩飯食ってるバイト戦士じゃん。まだ食ってんのかよ勝手におかわりしとけよ。

 結束バンドが個性的なメンバーだからか知らんけどファンにも個性的な人達が結構いるっぽい。個性というかクセが強い。癖者だ。

 

 

「じゃあ私は引き続き陰から見守ってるわね〜!」

 

「消えた!?」

 

「チッ、逃したか……!」

 

 リョウママ実は忍者だったりしない? 散っ! つってナルト達みたいにシュバって消えたぞ。

 

 

「う〜ん、どうする? 肝試し自体はもう終わったし、もうする事ないよね?」

 

「一応撮れ高は撮れましたしねぇ〜……。オチもついたから配信は終わっても大丈夫ですけど」

 

 結局後藤さんほとんど俺の側にいて全然映ってなかったんだけどそこは大丈夫なのか。

 元々影薄いから視聴者の誰にも気にされてない説は濃厚だけど。

 

 

「ではではみなさん、今日の配信来てくれてありがとうございました〜! 次回の配信も楽しみにしててくださいね〜!」

 

 喜多さんが締めの挨拶を言って手を振り十秒ほど経ってから配信終了のボタンを押す。

 ちゃんと切れているかを視聴画面からも入念に確認して、完全に安全だと分かってからようやく俺はマスクなどの装備を外していった。

 

 

「……ふぅ。みんなお疲れ様でした」

 

「優子ちゃんもお疲れ様っ、カメラマンありがとね。あっもう優人くんでいいのか」

 

「私は優子ちゃん呼び結構気に入ってますよ! ねっ、優子ちゃん!」

 

「勘弁してくれ……」

 

 優子はバカテスの木下優子かまちカドまぞくの吉田優子で間に合ってるから。シャミ子が悪いんだよ。

 

 

「後藤さんは次回の配信あったらもっとちゃんと映ろうな」

 

「あっうっ、ぜ、善処します……」

 

 ダメなパターンの返事だこれ。

 

 

「あーあ、それにしてもせっかく音楽から離れての気分転換に来たのに、結局音楽に戻ってくるとは……」

 

「俺はバンドマンの宿命って感じがして悪くないなって思ってますよ」

 

「そうかもしれないけどさ〜」

 

 要はメインの後藤さんとリョウさんがちゃんと気分転換できているのか、虹夏さんが気になっているのはそこだろう。

 後藤さんは分からないけどリョウさんは多分大丈夫だと思うんだよなあ。高級焼肉連れて行ってもらえる事になってるし。

 

 

「これ使えるかな。……お、全然いけそう」

 

 壁に飾ってあったアコギをリョウさんが手に取る。

 ここで真っ先に楽器を取るのはなんともリョウさんらしい。生粋の音楽好きだからこそ、スランプと言っても何だかんだ音楽とは切っても切り離せない性分なんだろう。まあ50万のギターと聞いておいそれと他人の俺達が手に取る訳がないんだけどもね。

 

 

「え、リョウ弾くの!?」

 

「むしろ半日も触らないと逆に具合悪くなるっていうか」

 

 毎日やるほどの日常的な行動をいきなりやめたらモヤモヤするような感覚みたいなものかな。

 それは専門的なものほど顕著に出やすいって聞くし。リョウさんくらいの人ならベースやギターを触るのはもはや生活の一部って事だろう。そこに関しては後藤さんも同じか。

 

 

 リョウさんがアコギを鳴らす。

 音楽から離れるための気分転換旅行。しかしそれは同時に音楽の手によってもたらされる場合もある。

 

 

 そう、バンドマンなら尚更。

 

 

 





前書きにも書いたけど活動報告にオリ主とヒロインキャラの相性評価を独断と偏見で書いたから興味湧いたら見てやってくだせえ。18人分書いてるよ。

ついでに活動報告は5000字までという事を知らずに書いたせいで、書き終わった後に気付いて泣く泣く削った部分が800字くらいあった事をここで報告しときます。やっぱつれぇよ……。


では、今回高評価を入れてくださった

☆10. ○○○はCOOLに去るぜさん、きつねのキュウビさん、スサノオマジックさん、The Warriorさん、vongolaさん、匂坂さん

☆9. 黒鏡水さん、タスマニアさん、タヌキ宇丼さん、イキョウさん、ザラメ雪さん、完全無欠のボトル野郎さん

いつも感想高評価お気に入り登録ここすきthank you!
次でワンチャン原作4巻終わりかも?
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