再会した幼馴染が引きこもり寸前だったから面倒見る   作:たーぼ

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あけましておめでとうございます。
今年は幼メン最終回に向けて突っ走っていく所存です。



135.細かな時間の確認は絶対した方がいい

 

 

 あれから数日が経過した頃。

 俺達は金曜日という次の日が休みでウキウキな学生気分のままいつも通りスターリーに集まっていた。まあ学校が休みなだけでバイトとか練習とかあるから実質体は休めないんですけどね。

 

 

「ぼっちちゃんが作った曲司馬さんからOK貰えたよー!」

 

「てことはひとまず最初の難関は突破したって感じか」

 

「またほぼ私が直したけど」

 

「あぅ……時間かかってすみません……」

 

 今回は一応遅れた理由あるから大目に見てあげて。

 周りを見渡したところ元凶は今日はまだいないっぽいけど。

 

 

「確かに今回は結構時間かかってたね? 難しかった?」

 

「あっそれは……えっと、学校でもバイト先でも大山さんがギター教えてってどこまでも永遠に着いてきて作曲の時間が全然取れなくて……」

 

「何なら俺のとこに来て後藤さんの居場所しつこく聞いてきた事もあったな」

 

「ひとりちゃん顔やつれてたものね」

 

「あ〜〜、ギター手に入れたばかりだからモチベ高いんだろうね〜」

 

 しかも身近に後藤さんというギター上手がいるもんだから余計に意識も高くなってる説ある。

 まあギター買った直後はテンション上がるのも分からないでもないが。俺もそうだったし。

 

 

「た、頼ってくれるのは嬉しいんですけど、先輩先輩って言われすぎて家に帰っても夢にまで出てくるし……最近じゃ尻尾振りながら吠えてくる時のジミヘンが大山さんに見えてきて……」

 

「メンタル壊れる寸前だ……!?」

 

「虹夏さん、後藤さんのメンタルはいつも壊れてるようなもんですよ。今回のはそれにオーバーヒートがプラスされた感じです」

 

「余計ダメじゃんそれ!」

 

 そうだよ。だから大山さんには俺から今は結束バンドの大事な活動があるからもう少し落ち着いたらって事で、ここ数日は大人しくしてもらっているのだ。

 とは言っても元が騒がしいからあんま変わってないけど。10うるさかったのが9.8になったくらい。……誤差やん。

 

 

「で、でもこれでやっとミニアルバムの曲も揃ったし、あとはレコーディングに向けてひたすら練習あるのみだよー!」

 

「俺は今日バイトなんで、それが終わったらスタジオ行きますね。客観的な感想くらいなら言えるかと」

 

「うん、最近はあたし達の分までバイト頑張ってくれてありがとね優人くん!」

 

「いえ。今は恵恋奈も猫々もいるからバイト自体はへっちゃらですよ。あいつらのキャラもあってか暇もしないですしね」

 

 代わりにいつもの倍疲れるけど。ひどい時はライブ中の客より声うるさいからなあの二人。

 オタクと体育会系とか対極の存在なのに意気投合して合わさった途端に誰にも止められない合体獣出来上がるのバグだろ。ナーフしろ運営。

 

 

「……あっ、今日は私もバイトしようかなぁ……なんて」

 

「あとで猫々来るぞ」

 

「……練習頑張ってくるねゆうくん……!」

 

 はいよろしい。練習熱心な子は感心ですぞ。

 意気揚々とスタ練に向かう彼女達を見送り、俺は俺でバイトのためにキッチンへと向かう。

 

 

「優人さん優人さんっ、今日出るバンドえれのイチオシなんですよぉ! 終わったら語り合いましょう〜!」

 

 さっそく箒を片手にオタク女子がやってきた。

 

 

「いやバイト終わったらスタ」

 

 と言いかけて止める。結束バンドの練習となったら絶対こいつは邪魔はしないから自分も見たいと言い出すだろう。

 そしてそれを後から聞きつけた猫々も同調してくるに違いない。そうなった時点で詰みは確定。レコーディングに向けての練習はとても大事だ。だからこそ絶対にマイナス要素になりかねない自体は避けなければならない。

 

 つまり、俺一人の犠牲で済むなら喜んで沼に浸かろう。

 

 

「……分かった」

 

「さすが優人さん〜♡ えれ達なら永遠に語れますもんね〜!」

 

 勝手に永遠に巻き込まないでください。雷電将軍かよ。

 

 

「おはようございまーす!! 日直で遅れました〜!!」

 

 来たな合体獣の片割れ。

 

 

「あ、優人先輩!!」

 

「何だ?」

 

「ヒッピー先輩がダメなら優人先輩がウチにギター教えてくださいよ!!」

 

「……………………………………俺別に人に教えられるほど上手くはな」

 

「一昨日くらいにヒッピー先輩が教えてほしいだけなら多分今の優人先輩でも教えられるって言ってたので!!」

 

 ……あのピンク野郎……。

 

 

「けど今日は恵恋奈と出演バンドについて語り合うから無理だぞ」

 

「じゃあ語りながらギター教えてください!!」

 

「無理難題って言葉分かる?」

 

「じゃあ猫々てゃに初心者用の簡単な課題を出してそれをクリアできるまではえれと語るのはどうでしょう!」

 

「それだぁ!!」

 

「ギター舐めんなよコラ」

 

 コード覚えたりとか指の位置の問題とか、ギターは最初の最初で挫折する率めちゃくちゃ高いんだからな? 

 あと君ら変なとこで結託しないでくんない。後藤さん達が結束バンドならこいつらは結託バンドか。

 

 そしてさっきからカウンター席に座りながら黙ってPC作業をしている店長を見る。

 こんな近くで騒いでるのに何も干渉してこないのは今は特にやる仕事も少ないからか、はたまたただ関わりたくないだけなのか、普通に仕事に没頭してるのか。

 

 

「店長、ちなみに助け舟お願いしたらどうします」

 

「諦めろ、沈め」

 

 どうやら関わりたくないだけだったらしい。おまけに助け舟は店長自ら真っ二つに引き裂いていきやがった。

 つまり俺はバイトが終わってもこの二人に付き合わなきゃいけないのか。こいつらも明日休みだから多分遅くまで残りそうなんだが。虹夏さん達のお手伝いしたかったんだけどな〜……。

 

 

 ──

 

 

 そして夜。

 

 

「で」

 

 バイトも終わり、後輩達に付き合わされていたヘルタイムも終わり、ようやく結束バンドの手伝いに行って張り切りすぎた結果。

 

 

「熱中してぼっちちゃんと優人くんだけ終電逃したと」

 

「「あっはい……」」

 

 ついでに終電も終わっていた。

 

 

「ぼっちちゃんはともかく優人くんが気が付かないなんてどしたのさ」

 

「いやぁ、みんなの練習風景見てたらついつい見惚れてしまって時間忘れてました」

 

「嬉しいけどポンコツ!」

 

 だってあの後藤さんもめっちゃ集中して練習取り組んでたし、第三者としての意見とか言ってる内にあら不思議。日付変わってた☆

 そういやリョウさんも喜多さんもここから家まで近い方ではあるんだっけ。だから遅くまでいてたのか。清水優人一生の不覚ッ。

 

 ん〜それにしてもどうしたものかね。

 終電終わってるしタクシー……なんてのは論外。だって電車でさえ地元まで約二時間かかるんだぞ。タクシーなんて使ったら時間もそうだけどどんだけお金かかると思ってんだ。

 

 かくなる上は。

 

 

「「あ、始発まで待つのでじゃあまた月曜日に」」

 

「置いてかないよ!? というか置いてけないよ!!」

 

 え、でも虹夏さんも一緒に始発まで待ってもらう訳にはいかないし……。

 

 

「大丈夫ですよ。俺達は適当にホテルかネカフェでも探して泊まるんで」

 

「絶対他意はないんだろうけど発言がどことなくアブない!」

 

「何がですか」

 

 危なくないですよ。一緒の部屋で寝た事なんてもう何十回もあるんだから。

 健全すぎてむしろ老夫婦ぐらいの安心感すらある。……ん? いいのかそれ。

 

 

「というか二人とも普通にあたしの家に泊まればよくない?」

 

「虹夏さん、冗談でも同世代の男子の前でそういうこと言っちゃダメですよ。俺だからまだネタだって判断できるけど虹夏さんほどの人からそんなこと言われると他の男子なら勘違いと共に爆発してます」

 

「ネタ……? 全然冗談で言ってないけど?」

 

 え。

 

 

「……後藤さん、俺の頬をつついてみてくれ」

 

「えっう、うん……ばびゃっ!?」

 

「うわああああああ!? 優人くんが風船割れる時みたいに爆発した!? もう完全にぼっちちゃんと同じ感じになってるじゃん!!」

 

「あっえっ……ど、どうしましょう……」

 

「……と、とりあえず優人くんの欠片かき集めてあたしの家行こっか。ぼっちちゃんも遠慮なくうちに泊まってってね。優人くんもこんなだしさ」

 

「あっは、はい……お、お世話になります……」

 

「(……あれ、ていうか優人くん爆発したって事は……少なくとも勘違いしちゃうくらいにはあたしの事……ふ、ふーん……)」

 

「……?」

 

 

 ──

 

 

「……ばっ卍解!?」

 

「お、結構再生するの早かったね」

 

「か、欠片をくっつけていったからですかね……」

 

 目が覚めたら見慣れないマンションの廊下に立っていた。

 あれ、俺何してたんだっけ? 確か斬魄刀と一緒に修行してたような……あ、違うこれは夢の中の話だわ。

 

 終電逃してどうしようってなってたとこだったはず。そこからの記憶が曖昧だ。

 まず後藤さんと虹夏さんが目の前にいる。そしてここは見覚えのないマンションの廊下……いや、何となく見覚えがある……? 

 

 まさか……。

 

 

「虹夏さん、ここは……」

 

「あたしの家の前だよー。優人くんは洗濯物取りに一回来たことあったよね」

 

「なるほど、まだ夢を見てるのか俺」

 

「現実見てないだけだよそれ」

 

 虹夏さんの言葉が冷たい。やっぱ夢だ! 虹夏さんはそんな酷いこと言わないもん! 

 

 

「ゆ、ゆうくん……私達、虹夏ちゃんのお家に泊めてもらう事になったから……」

 

「ほら絶対夢だよ! 俺達のマイラブリーエンジェルニジカエルが軽薄に男を自宅に招き入れる訳ないだろう!!」

 

「優人くんもう深夜だから静かにして。近所迷惑だよ」

 

「はいすいませんでした」

 

 あれ、普通に虹夏さんだな。マジで現実なのこれ。夏休みの時といい虹夏さんといると夢と現実の境見分けるの難しくない? 

 

 

「あと軽薄じゃないから。ぼっちちゃんもいるし何より家にはお姉ちゃんがいるからね。だから大丈夫だよ」

 

「グッバイドリーム、ハローリアル」

 

 そういや店長いるんだった。一気に現実に引き戻された感ある。

 さすが店長、あなたはいつだって俺の心のセーフティーです。

 

 ……ん? そういう問題じゃなくね? 

 

 

「いやいや、後藤さんはまだしも俺は遠慮しときますよ。ネカフェ行くんで」

 

「まだそんなこと言ってんの? あたしは大丈夫だって言ってるじゃん」

 

「虹夏さん達がよくても俺がダメなんですって。女子三人と男一人ですよ? なんかこう、ダメでしょ。倫理的に」

 

「いつもあたし達四人といるじゃん。むしろ一人減ってる分マシじゃない?」

 

「いや……そうは言っても」

 

「何なら優人くん大山さん達とか含めて毎日のように女の子に囲まれてるでしょ? 連絡先も男子より女子の方が多いくせに倫理観だなんて、今更じゃない?」

 

 あれ、なんか一気に虹夏さんの語気が強くなっていってるような……気のせいですよね? 

 

 

「大槻さんともほぼ毎日ロインしてるんだってね?」

 

「な、何故それを……?」

 

「教習所で一緒になる事あるからよく喋るんだよ。その時に『私はよく清水優人とロインしてるけどね』って自慢されちゃってさ〜?」

 

 あのツンデレツインテール……今度会ったら覚えてろよ……。

 後藤さんもさっきから黙ったまんまで全然フォローしてくれねえしっ。何ならちょっと服の裾掴んできてるしっ。長年の経験で分かる。この掴み方をする時は抗議と抵抗を意味する掴み方だ。何で今? 

 

 

「優人くん」

 

「ひ、ひゃい……?」

 

「あたしの家、泊まってくよね?」

 

「……………………………………………………………………………………お、お世話になりますぅ」

 

 

 急遽、虹夏さん家でのお泊まり会が始まった。

 

 





年末はコロナになって死んでた。そして直近は年始に集まってた親戚がどんどんインフルになりだして怯えてるよ。
流行りは流行りでも流行病は勘弁しちくりぃ〜。みんなも体調には気を付けましょう。

では、今回新たに高評価を入れてくださった

☆10. カクリツさん、vongolaさん、火斗レアさん

☆9. 大福餅餅さん、鈴有希さん、せんじんさん、遊技林さん、イキョウさん、アリス・オラクルさん、ザラメ雪さん、南之魁さん、完全無欠のボトル野郎さん、亜鉛の、海さん

いつも感想高評価お気に入り登録ここすきthank you!

本年もよろしくお願いします〜。
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