再会した幼馴染が引きこもり寸前だったから面倒見る   作:たーぼ

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アニメ一期が終わった後はどうすればいいんだろうと今から悩んでる。
二期まで更新止めておくかオリジナルでたまに繋ぐにしてもどこかで限界来そう感ある。
アニオリの補完や展開の仕方が神がかってるからどうもアニメ一期の先へ少し進みにくさあるんだよなあ。

くそう、アニメ準拠でやってる弊害がここに……。

何はともあれ久々に優人とぼっちちゃんだけの二人回。




27.黒歴史はバレた時が一番怖い

 

 

 正体を聞いた訳でもない。

 彼女から言われた訳でもない。

 

 ただ俺の言葉に彼女は時間が止まったかのように硬直していた。まるで壊してしまったおもちゃを隠していたのに見つかった子供みたいだ。

 しかしそんな硬直も次第に解ける。現実はすぐに戻ってきた。

 

 

「……えっ!? な、なんでっゆうくんがそれを……あっえっ、いや……な、ななな何の事かな~……?」

 

「いや苦し紛れすぎるだろ」

 

 何でゆうくんがそれをの時点で認めてるようなものじゃねえか。よくそのまま流せると思ったな。

 座布団を手に取り後藤さんの前に座る。彼女も観念したようで床にへたり込むように座った。もう言い逃れできないと考えたのだろう。

 

 一応最終確認しておくか。

 

 

「後藤さんがギターヒーロー。これで間違いないよな?」

 

「あっ……」

 

「俺には正直に答えてくれ」

 

「……う、うん……」

 

 よし、本人が認めたなら間違いない。確信は持ってたけど万が一って事があったら恥ずかしいし、とりあえずはこっちも一息つける。

 

 

「で、でも……何で分かったの? い、一応バレないようにしてたのに……」

 

 正座でもじもじしながら後藤さんが聞いてきた。

 バレないように、ねえ。

 

 

「普通に背景とギターが同じ。ピンクジャージもな」

 

「はぅあっ!?」

 

 俺が指差して言うと彼女はまさかそれで!? みたいな顔してこっちを見ている。

 むしろそんな顔されて見られた俺がまさかそれでバレないと思ってたの!? と言いたいんだが。なんかこう、肝心なとこで頭が回らないんだよなあこの子は……。

 

 

「俺は基本ネットで音楽とか動画流す時は作業用BGMとして流すから最初は画面とか全然ちゃんと見てなかったけど、結束バンドに関わる事になって色々動画漁ってる内にいつも聴いてる動画ももう一度よく見てみようと思ったんだ。新発見とか勉強にもなると踏んでな」

 

 後藤さんは俯きながらもこちらの話をちゃんと聞いている。

 

 

「んで元々見てたし気になる事があったからギターヒーローの動画を一から見直す事にした。そしたらどうだ。よく見たら既視感のある襖や畳、見た事あるギターとジャージがいつも映ってんだぜ。そりゃ分からない訳がないよな」

 

「う、うぅ……」

 

「初期らへんの動画はジャージの種類とかよく変えてたから確信は持てなかった。似てるけどこういう人もいるかもしれないって思ってた。だけど、後半になるにつれて俺と再会した時と一緒のジャージばっか着てるし、俺がリクエストした曲とかやたら動画上げてたろ? どうりで俺が聴き入る訳だ。何せ好きな曲ばかり弾いてるからな」

 

 むしろ今まで何で気付かなかったんだと自分で思ったくらいである。弾いてみた動画って楽器やる人以外はあんま手元とかちゃんと見ないよね。

 普通に曲の一部として聴くから勉強とかする時にちょうど良いやくらいにしか思ってなかった。ソースは俺。

 

 

「あ、ちなみに俺が最初に疑問に思ったのは6話のとこだから。ちゃんと『ん……?』って入れてるから」

 

「ろ、ろく……え……???」

 

「細かく言えば虹夏さんリョウさんと初めてライブした日って事だよ」

 

 後藤さんの顔が?マークになっていた。当然の反応だ。これで理解されたらそれこそこっちが反応に困る。

 

 

「ピンクジャージなんてそうそう家で着るヤツとかいないだろ。身バレ防止を怠るとそういう事も今後出てきちまうぞ。まあ以前までは身バレするような相手もいなかったし仕方ないっちゃ仕方ないけど」

 

「……あ、あの……黙ってて、ごめんなさい……」

 

 突然後藤さんが謝ってきた。

 あれ、何でそうなる? 

 

 

「いや、何で謝るんだよ。謝罪する必要なんかどこにもないだろ」

 

「でっでも……ゆうくんにまで、ずっと隠してたのは事実だし……」

 

「それはまだ隠しておきたい理由とか言えない理由があったからだろ? 今回に関しては俺が無遠慮に聞いたのが元々悪いんだから後藤さんが謝る必要ねえよ。むしろごめんな」

 

 誰にだって隠しておきたい事の一つや二つはあったっておかしくない。俺には特にそんなものはないが、後藤さんにとってはこれがそうだったんだろう。

 俺にまで秘密にしてたんだし少なからずショックは受けてるはずだ。

 

 しかし、それでも聞いておきたい事があるから俺は彼女に言った。

 

 

「虹夏さんにも言ったけど、俺は今結束バンドの役に立てるように色々教えてもらってるんだ。PAさんや照明さんに機材の扱い方とか、ライブの演出やいざトラブルが起きてしまった場合のフォローの仕方とかを。これでも以前よりは結構詳しくなった方だと思う。楽器の事についても今は調べたりして少しは知識も増えたよ。と言ってもまだ素人に毛が生えた程度だけどな」

 

「う、うん」

 

「あとは後藤さんのギターを弾く姿をずっと見てきたからか手癖も分かるようになってきたんだよ。目の前で弾いてる時と動画の時と似てる事がよくあった。それも気付いた一因ではある。その上で、後藤さんがソロでは上手いのにみんなと演奏すると下手になっちまう原因も何となく分かるようになった」

 

 そう言った時、彼女の表情が少し曇るのを確認した。

 どうやら後藤さん自身も大体分かっているようだ。思えば、直接言うのは初めてかもしれない。

 

 

「人の目を見れないからみんなのペースに合わせられず一人で突っ走った演奏をしてしまう。それが下手に聴こえる原因なんだな」

 

「……うん」

 

 彼女は首を小さく縦に振った。自覚があるだけまだマシ、か。

 しかし分かっていてもまだペースを合わせられないのはそれだけ後藤さんの欠点、人見知りやコミュ症が重度でこれからも問題になってくるという事だ。

 

 結束バンドのメンバーとの仲も決して悪くなくむしろ良好にも見えるけれど、それとこれとは話が別なのだろう。

 そう簡単に更生できれば俺も彼女も苦労していないし、これに関してはこれからゆっくり改善させていくしかないな。

 

 

「一応聞くけどメンバーのみんなにも黙ったままでいるのか?」

 

「あっえっと……い、今の私じゃ言っても信じてもらえないし、実力も全然出せてないから……。も、もっとこの性格を直してからちゃんと言おうと思ってて……ゆうくんにも、自信が付いたら言おうとしてたんだけど……」

 

「ふーん……そこはちゃんと考えてんだな」

 

 確かに今の状態で打ち明けても実力と普段の演奏が違いすぎて信じてはもらえないだろうな。

 今の性格が直るかどうかは別として、彼女なりにしっかり考えてるなら尊重してやるのが俺の務めだ。

 

 

「分かった。自信が付いて本当に自分から打ち明けたい時に言えばいいさ。俺もその時まで黙っておくし秘密は絶対守る」

 

「あ、ありがと、ゆうくん……」

 

 ひとまず安心といったような感じで、強張っていた体から力が抜けたように息を吐いた後藤さん。

 俺も聞きたい事は聞けたし家に帰るかぁ、とはならなかった。

 

 むしろ本題はここからだからだ。

 

 

「なあ、後藤さんって一人でギターヒーローの活動やってるんだよな?」

 

「? う、うん」

 

「じゃあ編集とかも全部自分でやってんのか?」

 

「そう、だけど……」

 

 思った通りだ。直樹さんとかが手伝ってるかもしれないと思いもしたが、どうやら全部自分でやっているらしい。

 ならちょうど良い。

 

 

「だったら俺にギターヒーローの手伝いさせてくれないか?」

 

「…………………………え、えぇっ!?」

 

 久々に大きい声聞いたな。

 

 

「な、なんで……?」

 

「編集はもちろんカラオケトラックとか打ち込みとか色々やる事あるのは知ってるし、最近は調べたり使い方もちょっと学んでるんだ」

 

 後藤さんの頭上に?マークがたくさん出ているが気にしない。

 そして彼女は押されると断れない事も知っている。

 

 

「ギターヒーローの動画、結束バンドの活動が本格的になった日から投稿してないだろ?」

 

「……あっうん……色々あって、忙しかったし……」

 

「そう。だから後藤さんが撮影や編集する暇ないなら俺が代わりに編集とかやろうと思ってさ。それなら後藤さんは最初にギター弾くとこだけ撮影すれば良い訳じゃん? こうすりゃ動画は投稿できるし俺が編集とかすれば後藤さんはその時間をバンドの練習に使えるって事。もちろん今はまだ後藤さんより技術も打ち込みもできないけど、それはこっから死ぬ気で上達する」

 

「えっあっ、ゆ、ゆうくんの気持ちは嬉しいけど……どうして、そこまでしてくれるの……?」

 

 おずおずと聞いてくる彼女に対してむしろ疑問を持ったのは俺の方だった。

 何で今更そんな事聞いてくるんだこの子。どうしてそこまでって……。

 

 

「そんなの俺がそうしたいからに決まってるだろ」

 

「え……?」

 

「勘違いしないでほしいのは、別に後藤さんのためとか結束バンドのためとかじゃないぞ。色々手伝ったりするのも勉強になるし今後役に立てるかもって思ったからな訳であって、全部自分のためだ。俺がやりたいからやってるだけ。今回の事はお互い悪くない提案だと思うし、お互いWINWINだろ?」

 

「あっまあ、うん……?」

 

「ついでに、俺が買った一眼レフは動画も撮れるからスマホで撮るよりも画質とか音質も良くなるはずだ。どうよ、優良物件だと思わね?」

 

「い、一眼レフ……良い音質……!」

 

 見事に喰い付いた。やっぱり根本的に音楽が好きだから音質などには拘りたいんだろうな。動画の質が少しでも良くなるなら尚更だ。

 

 

「まだすぐには戦力になれないかもしれねえけど頑張るからさ。時間ある時にでも教えてくれないか?」

 

「あっうっ、うん……あり、がと……!」

 

 彼女も納得したように応じてくれた。これで少しは後藤さんの負担も減らせるはずだ。

 まずは俺が編集やら何やら覚えないと意味ないが、後藤さんに教えてもらいつつ空き時間を活用したりしよう。

 

 やりたい事も終わったし今日は一旦帰って、明日から本格的に始めるかね。バイトに音楽についての勉強や筋トレ、それに編集作業などの勉強もプラスとなると結構やる事あるな。

 最近は家事とか手伝い程度にしかしてなかったしこう、やらなきゃいけない事がたくさんできたらむしろ楽しくなってきた。後藤さんの世話ももうデフォだし普通になってきたからなあ。何だかオラわくわくしてきたぞ! 

 

 

「で、でもゆうくん……そんなに前から私がギターヒーローかもしれないって思ってたのに……ど、どうして今まで聞いてこなかったの……?」

 

「ん?」

 

 帰ろうとしたら後藤さんが質問してきた。

 少し考える。そういやどうしてだっけ。なぁんか言うべきかどうか悩んでたような記憶はあるけど……あ、思い出した。

 

 

「いやまあ、さっきも言ったけどギターが同じだの背景やジャージも似てるだのと思ったりもしたんだけど、確信持てるまでにはちょっと時間を要してだな」

 

「な、何で……?」

 

「や、信じられないというか信じたくなかったと言いますか……」

 

「何を……?」

 

 え、何でまだ自覚できないのこの子。言わすの? 俺にそれを言わすの? 

 逆に言っちゃって大丈夫なの? また霧散して胞子撒き散らさない? 大丈夫? 言うよ? 

 

 

「いや、だって幼馴染が概要欄でリア充アピとか学校生活忙しいとかイケメン彼氏が~とかどうのとかさ、あり得ないような虚言ばっか書いてんだぞ? あまりにも真逆すぎてそんなの信じたくなかったに決まってんじゃん」

 

「ふぐぁッ!?」

 

 誰かに見えない何かを撃たれたのか壁まで吹っ飛んでった。言葉の衝撃って物理ダメージあるんだ。初めて知ったわ。

 虚言書くのが当たり前すぎて自分でも忘れてたらしい。噓を付き続けるとこうなるんだ……。俺も気を付けないと。

 

 後藤さんの口からは赤い血じゃなくて緑色の汁みたいなのが出ていた。さすが人間辞めてるだけある。紫色だったらナメック星人と呼んでやったのに。

 それだけ受け入れ難かったんだな。分かるぞ、俺も幼馴染があんな事書いてるの受け入れられなかったもん。当人知ってると悲惨ってレベルじゃない。

 

 

「しかも俺をイケメン彼氏に見立てて俺との出来事もたまに噓盛りまくって書いてたろ。どうりで親近感湧く訳だ。この人も似たような環境なのかなって当時は疑いもしなかった自分が恥ずかしい」

 

「ぶぇあッ!?」

 

 今度は全身真っ赤になって頭から噴火した。凄い煙が出ている。もしこんなのバレたら俺だって死にたくなる。

 変な噓は吐くものじゃないね。みんなも気を付けような。

 

 ちなみに過去に概要欄に書かれてた虚言(理想)と現実を一例として見るとこうあった。

 

 

 -虚言ver-

 

 今日は彼氏とお昼休みに図書室に行って勉強してた~! ( *´艸`)

 帰りにはタピオカ奢ってくれたしほんと優しいんだよ~! 

 家では一緒の高校行くためにいっぱい勉強教えてくれて超捗った! やっぱ彼氏しか勝たん! (*ノωノ)

 

 -現実ver-

 少しでも勉強させないとヤバいのに人がいない図書室じゃないとできないからと言われ無理矢理そこで勉強させた。

 帰りには問題集を全然解けなくて落ち込んでたから仕方なくコーラを買い与えただけ。

 家ではもうマジで受験勉強しなきゃ合格しないと泣き付かれたので深夜までみっちり叩き込んだ。

 

 温度差凄くね? 

 悲しいけどこれ、現実なのよね。

 

 

「ぅ……あっ、ぁ……」

 

 呻きながら床でぴくぴく痙攣しているが、こんな彼女でもギターの才能と努力の量はピカイチなのだ。

 そこだけは俺も認めているし尊敬している。

 

 他のみんなが日々楽しく過ごしている毎日を犠牲にして、彼女はただずっと一人で努力を続けていた。

 そしてその結晶はネットでも人気を確保しつつ、着実に成果を上げている。普通の人では中々できない事を成し遂げている彼女は素直に凄い。こんなにかっこいい彼女をもっと知ってほしい。

 

 だからこそ俺は、そんな後藤さんを支えたいと思った。

 

 

「これからは結束バンドのためにもっと頑張らねえとな」

 

「ぁ……え……?」

 

 うつ伏せのまま俺の顔を見上げてくる後藤さんの目線に少しでも合わせるため、俺も屈む。

 

 

「お前の事だっつうの」

 

 人差し指で軽く額を突くと小さな声で「あぅっ」と鳴いた。

 それに少しおかしくなりつつ。

 

 

「俺は俺のやりたい事をやるから、お前もお前のやりたい事をやれば良い。それでもしなんかあったらいつだって俺が支えてやる、どうにかしてやる、引っ張ってやる。そのために力付けようとしてんだ。お前は何も恐れずに突っ走って行きゃいいさ」

 

 きっと、俺の期待に彼女はそんなすぐに応えられない。だがそれも分かり切っている事。

 その上で言っているのだから構わないのだ。俺は彼女のやりたい事を支えるだけ。結束バンドのやりたい事を支えるだけ。そこに何も変わりはない。

 

 本当にやりたい事はまだ見つかっていないけれど、当面のやりたい事は彼女達の側で力になってあげたい。

 それだけで十分だ。

 

 

「ゆう、くん……?」

 

「ほら、立て」

 

 手を差し出すと後藤さんも左手を伸ばしてきた。

 小さくて白く柔らかい、だけど指先だけがギターのせいで硬くなった手。努力の証。

 

 彼女を起こす。少し目線が下の少女に向かって俺は言う。

 

 

「まずは14日のライブ、期待してるぞ」

 

「……うんっ」

 

 後藤ひとりは、強く頷いた。

 

 

 

 

 ────

 

 

 

 

 そして。

 

 

 

 8月14日。

 結束バンド、スターリーでのライブ当日。

 

 台風8号が直撃した。

 

 

 






なんか主人公がどんどん無意識にぼっちちゃんを甘やかしにいってるんですけどそれは。
バイト、音楽や機材の勉強、編集や打ち込みなどの作業、筋トレや早起きと、だんだん過労に近づいてきている主人公の現状に笑う。苦労人まっしぐらや。


では、今回高評価を入れてくださった

☆10:大空の調和さん、ルシファー獣神化マンさん、ポテたまさん

☆9:煎茶555さん、ふもっちさん、ささやくさん、ダイス66さん、おニーサンさん、freonさん、うらあささん、sazitさん、Boss缶さん、よしよしjさん、植木の蜂さん、Sakuyaさんさんさん

本当にありがとうございます!
当面の目標はお気に入り4000と総評価数600目指す事にしました。過去小説でも成し得なかった事だから頑張んべ。
ということで高評価お気に入り等々よろしくおなしゃすー!!
もちろん感想ここすきもモチベに繋がるからどんどんくれーい!



アニメ予告映像できくり姐さんのライブあるのかどうかワクワクしてきたぞ!
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