再会した幼馴染が引きこもり寸前だったから面倒見る   作:たーぼ

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もっとテンポ良く書きたいのに執筆してたら何故か中々展開が進まない。
あるあるだと思います。




69.やるべき事、為すべき事

 

 

 

「ぼっちちゃんも元に戻った事だし、同世代で今人気のバンドとかもチェックしてみる?」

 

「そうですね。曲とか聴いてみましょうか」

 

 後藤さんの赤ちゃんプレイ(違う)を強制的に終了させ元に戻した俺は自分のノートPCを立ち上げ起動した。

 こういうのって調べると結構出てくるもんだよな。

 

 

「えーと……『10代 ロックバンド 人気』と……お、出た出た」

 

「優人、なんか調べ方古いね」

 

「え、噓、調べ方に古いとか新しいとかあんの?」

 

 まじで? ネットで調べ物する時はシンプルな単語入力していくだけでいいんじゃないの? 

 むしろ新しい調べ方ってなんすか。オッケーギューギュル、10代で人気のロックバンドを調べてとか音声で認識するやつ? よく分からん。

 

 

「そんなことは今どうでもいいじゃん。それより見てみようよっ。優人くんスクロールスクロール!」

 

「え、あぁ、はい」

 

 何だかモヤるが仕方ない。

 記事のサイトを下にスクロールしていくと、『10代で人気絶大の若手ガールズバンド10選』みたいなタイトル記事だった。

 

 

「まずは、都内を中心に活動しているエレクトロロックバンド『ケモノリア』。四人で構成されていてダンスミュージックとロックを掛け合わせた斬新なサウンドが特徴、だそうです」

 

「ダンスミュージックか~、客も一緒にノリノリで踊れるようなバンドって考えると確かに斬新かも。手を振ったりヘドバンするだけがロックとは限らないもんね。今の時代楽しみ方は人それぞれだし」

 

「キーボードボーカルか。それも含めて珍しいですね」

 

 見た感じ年上っぽいし、バンド歴も長そうだ。

 都内って事は、この人達も未確認ライオットに応募してくる可能性は充分にあるのか。要チェックだな。

 

 

「次は……大阪のバンドですね。『なんばガールズ』、曲中にパロディを盛り込んだりで若者中心に人気を集めてると。いわゆるコミックバンドです」

 

「コミックバンド……って何かしら?」

 

「ん~俺もまだ詳しい事はよく分かってないけど、基本的に演奏よりも変な仕草や面白い歌詞で見る人を楽しませるようなバンド……って感じかな。日本で有名なやつだと、ヤバイロンT屋さん、フルフルズ、ザ・トリュフターズ辺りか。名前くらいは聞いた事あるだろ?」

 

「へぇ、あの人達ってコミックバンドだったのね!」

 

 多分全部が全部コミックしてる訳ではないと思うけどね。

 そういうのもやったりしてますよって事だと思う。俺もあんま聴いた事ないから知らんけど。

 

 

「優人くんいつの間にそんな詳しくなったの?」

 

「バンドに関わるってなった時から一応色々調べただけですよ。こんなものでも知識は多い方が役に立つかもしれませんしね」

 

 その後も色んなバンドが紹介されていた。

 改めてロックのジャンルだけでも様々なものがあると思い知らされる。しかも紹介されているバンドはみんな人気なだけあってレベルも高い。こんなのが未確認ライオットに出てくるのなら覚悟はしておいた方がよさそうだ。

 

 

「えーと、次のバンドはっと……あー」

 

「どしたの?」

 

「……いや、新宿FOLTで活躍中のバンドって書いてるんで、きくり姐さんが拠点にしてるとこだなぁって思っただけです」

 

「そういえばそうだね。何々? あ、『SIDEROS』って何か聞いた事あるかも。確かメタルバンドだよね!」

 

「ですね」

 

 危ない危ない。危うくヨヨさんに反応してしまうとこだった。ネットの記事に写真載ってるってやっぱ普通に凄いんだなあの人。

 ……あれ、でも何で俺虹夏さん達に気付かれないようにしたんだろ。別にやましい事ある訳でもないし隠す必要もなかったはずだけど。いや色々詰められそうで面倒くさそうってのはあるが。

 

 そういやヨヨさんは結束バンド、特に後藤さんに対してきくり姐さん関連の事があって敵視してるんだったか。

 俺の誤解は解いたけどその辺はまだ何も解決してないもんな。うん、やっぱもう少し黙っておこう。昨日の事もあったし面倒事はしばらく無しにしておきたい。

 

 イスに座ってPCを操作しているのは俺だけで他のみんなは左右や後ろから立ったまま覗き込んでいる形なので、左にいる虹夏さんが妙に近い距離で密着してきながら画像に写っているツインテールの女の子を指差した。

 

 

「このギターボーカルの大槻ヨヨコって子がリーダーみたいだね。前に新宿FOLTに行った時見かけたような気するけど……」

 

「いましたよ。主に俺と後藤さんをめっちゃ睨んでました」

 

「ヒィッ!? や、やっぱりあの人なんだ……っ!」

 

 何で今いないのに驚いてんだ。

 

 

「ふぅん、結成して一年足らずでワンマンできるほどの人気なんだ」

 

「まとめサイトには活動自体は三年前からしてるけどメンバーをクビにしまくってて現メンバーでは一年目らしいって書いてる」

 

「暴君じゃん」

 

「それまとめサイトなんで多分デマですよ。あと現メンバーといってもこの画像に写ってる人達は前のメンバーだから、今のメンバーはまた違う人達ですね」

 

 ヨヨさんの名誉のために一応軽いフォローだけ入れといてやろう。

 クビにしまくってるというかヨヨさんのコミュ不足のせいでみんな早々に辞めてってるのが事実だし。……いやそっちの理由も大概だな。

 

 

「あれ? 何で優人くんがそんなこと知ってるの? この記事には書いてないよね?」

 

「おっふ」

 

 やっべ、咄嗟にフォロー入れちまったせいでなんか変に勘繰られそうになってんだけど。

 この前ロインでヨヨさんから新しいメンバーが見つかったって連絡と写真が送られてきたから俺だけ知ってるの忘れてた……。

 

 俺のアドバイス通りなのかは分からないが、ロインで聞いたところによるとみんなヨヨさんより一つ年下らしい。つまりは俺と同い年の高校一年生だ。

 なのに演奏技術も高くヨヨさんの気持ちを理解してくれるメンバーのため、今のところは上手くやれているのだとか。

 

 話を聞いただけの俺にそこまで報告してこなくてもいいとは思うけど、ロインを無視したら無視したでうるさそうだからほとんど惰性で会話は今も続いている。

 というか俺がトークを打ち切るためのスタンプを送っても普通に送ってくる辺り、やっぱコミュ下手だわあの人。話題もないのに一日一回必ず今日の天気に関して送ってくるの何なんだろう。天気デッキか? 

 

 っと、今はそんなことよりどう切り抜けるかを考えなくてはいけない。

 ヨヨさんと知り合いなのを隠しつつ、みんなに納得してもらえる言い訳は……、

 

 

「あれですよ。俺もサポート役として役に立つために色々調べてたらたまたまこのバンドの記事を見たので知ってるんです」

 

「あ、そうなんだぁ。やっぱメンバーとっかえひっかえしてるんだね」

 

「ですねぇ」

 

 すまんヨヨさん、余計なフォロー入れたら墓穴掘りそうだからしばらく暴君扱いさせといてくれ。

 変に突っつかれる前に他の話題を提供するため、俺は動画サイトを開く。

 

 

「せっかくだしシデロスの動画も見ておきましょうか。拠点は同じでもきくり姐さんのバンドとはどう違った雰囲気のライブしてるかも興味ありますし」

 

 そんな訳で一番上にあった動画を再生してみると、

 

 

「おぉ~、やっぱ人気あるバンドだと観客の入りも違うね。それにメタルだから激しくてガンガンノれちゃうかも」

 

「しかもみんな演奏技術が高い。人気あるのも頷ける。優人、このバンドのライブ映像何個か再生してって」

 

「はい」

 

 お気に召したのかただ同じバンドマンとして気になるところがあるのか、リョウさんの言う通り俺はシデロスのライブ映像をいくつか再生していった。

 そしてそれを見ていく中で、みんなが薄々思っていた事を喜多さんが言ったのだ。

 

 

「というか高確率でライブ映像の最前に映り込んでる廣井さん邪魔すぎません?」

 

「喜多さん……せっかくみんな思ってても口にしなかったのに……」

 

「うん、FOLTでは絶対ライブしたくないね」

 

 最前列で酒飲みながら「もっと気合い入れてけ~!」とか言われるのマジで邪魔でしかねえな。

 うちだったら速攻で店長につまみ出されるぞ。何なら俺も手伝うまである。出禁レベルだもんこれ。FOLTでしか許されないだろ。

 

 

「けどシデロスのレベルが高いのは事実だよ。当面はこの人達があたし達の目標って事になるね。でもこっちは曲も知名度も圧倒的に足りない……」

 

「そのために新曲作りに励むんでしょ。気圧されてる場合じゃないですよ虹夏さん」

 

「……うん、分かってる。最低でも〆切までにあと一曲は作ってミニアルバムとMVを作るのが目標。だからみんな、次は最高の一曲を作ろう! そしてその曲をデモ審査に送る! ぼっちちゃん、リョウ、それでいいかな」

 

 虹夏さんと同じように俺も二人を見る。

 その表情からはやる気も感じられたが、他に何かを隠してるようにも見えた。

 

 

「あっはい、頑張ります……」

 

「……まぁがんばるわ」

 

 次の新曲の出来でデモ審査が通るかどうかが決まると言っているようなもの。

 そりゃプレッシャーもかかる訳だ。それだけ重要な事だと二人も分かってるから先に重圧が勝ってしまうのも無理はない。

 

 

「あっリョウ先輩どうかしました……?」

 

「……ん? あぁごめん、何でもない」

 

 そんでそういう変化にいち早く気付いて自分そっちのけに相手を気遣えるのが後藤さんである。

 こういう時だけは鋭いのが彼女の美点か。メンバー間での支え合いも大事だからこそ、俺も自分の出る幕は弁えないとな。出しゃばりすぎても良い影響になるとは限らないのだ。

 

 

「ぼっち、作詞作曲者には印税が入るんだぜ。タワマン住めるくらいの凄いの作ろうぜぇ」

 

「あっはい……」

 

「生々しい話に持ってくんじゃないよ」

 

 前言撤回。ブレーキ役は常にいないとダメだ。いやツッコミ役と言った方が正しいか。

 リョウさん、いくらプレッシャーを誤魔化すとはいえ後藤さんを変な方向性に道連れにするのはおよしなさい。教育に悪いので。

 

 

「あたしはジャケット描くよ! 映像の編集は……優人くんお願いできる?」

 

「了解です」

 

「私は広報します! トゥイッターとかイソスタの!」

 

「喜多さん、俺も手伝うから広報はトゥイッターとイソスタ二人で分けよう。イソスタは俺からっきしだから喜多さんに任せる。トゥイッターは俺も大体把握してるから任せてほしい」

 

「了解したわ! 二人の共同作業ね!」

 

「それはちょっと違うかな」

 

 どちらかというと分担作業寄りじゃね。

 喜多さんは最近たまにぶっ飛んだこと言い出すから後藤さんとかリョウさんのアホさに釣られてきてんじゃねえかなって思う。普通に懸念事項である。

 

 

「動画といえば店長前にスマホでみんなのライブ撮ってませんでしたっけ?」

 

「おいこらやめろ!」

 

 と、ここでPAさんから思わぬパスが飛んできた。

 そういやなんかこっそりスマホ構えてた時あったな。俺はドリンクコーナーから見てたから直接画面は見えてなかったけど、虹夏さんもいるし結束バンドを記録してくれてたのか? 

 

 

「え、そうなのお姉ちゃん? でもなんで?」

 

「え? ……いやぁ、その、ライブのほら、あの、あれ……あれだよ、光……そうっ、照明がイルミネーションみたいで綺麗だなって……」

 

「苦しすぎる!」

 

 ……ほーん? これは何か隠してますねぇ? 

 

 

「虹夏さん、ホールド」

 

「あいよ!」

 

「ああああああああああやめろおおおおおおおおおッ!!」

 

 俺がやるとセクハラとか言われそうだしここは虹夏さんに任せておく。

 さてさて、スマホを拝借っと。

 

 

「ふむ、指紋認証ロックか。ダメですよ店長、音声認証と指紋認証はあらゆる生体認証の中でも超ガバガバの部類なんで。指紋なんて本人がいなくても日々生活してる圏内ならそこら中にべたべた残ってる指紋を採取して型取るだけでいいし、音声はここ最近のレコーダーだと簡単に録音したものでも突破される恐れがあるんですから」

 

「……何で優人くんそんなこと知ってんの。怖いんだけど」

 

「アニメとかドラマ見てると変な知識身に付く事って結構あるんですよ。どこまでが正確なのかは分かりませんけどね」

 

 とはいえ本人が目の前にいるので拘束中の店長の指でロックを解除。

 スマホとPCを繋いで動画をPCに送ってから再生ボタンを押してみる。

 

 その中身はというと、

 

 

「後藤さんばっかじゃねえか」

 

 確かに結束バンドのライブ映像ではあるが、四人の中でも後藤さんだけで五割くらい映像を占めている。

 ほんと後藤さん気に入ってんだなこの人。そりゃ喚き散らかしながら止めようとするのも納得だわ。にしてもそんな店長をしっかりホールドしてる虹夏さんの力も強すぎじゃないかな。ドラムってそんなに腕の力強くなんの? 

 

 

「そっそれは鑑しょ……監視だ!」

 

「まだ目つけられてた……」

 

 あまりにも見苦しい言い訳を真に受けて後藤さんの魂が口から抜けていた。

 普通なら好意的な解釈に落ち着くはずなんだがそこはさすがの後藤さん。被虐的思考ならお任せあれである。

 

 

「本当にひとりちゃんばっかですね」

 

「な、何かあった時の記録用にな……」

 

「何のだよ」

 

 鑑賞用ですか。鑑賞用ですね。鑑賞用だろ。

 映像を見ていくと確かに後藤さんばかりではあるが、一応他のメンバーもちゃんと映ってはいる。

 

 しかもこっそり撮ってたとはいえちゃんとライブ映像としても使えそうなカメラワークだったり各メンバーのアップなども撮影されている辺り、さすがは元バンドマンか。どことなく拘りを感じる。

 これなら上手く編集すれば普通に動画とかにも使えそうだな。

 

 

「ちょうどいいや。虹夏さん、このライブ映像を編集して動画サイトに投稿しましょう。ちゃんとした撮影は次からやるとして、せっかく映像があるなら使わない手はないでしょ。これなら知名度アップにも繋がると思います」

 

「お、いいね~! そんじゃさっそくお願いしようかな!」

 

「優人君頼もしいわ!」

 

「元々ギターヒーローを手伝うために編集作業の勉強してたのがここで役立てられるなら本望だよ。まあ任せてくれ」

 

 つっても今回の映像はほとんど後藤さんと、あとは全体の様子に各メンバーのアップだけだから簡単な編集で良さそうかな。

 こういう映像ならばシンプルな方がライブを見る人にとっても見やすいのだ。変に凝った編集はバンドと音楽を見にきた人の目に留まりやすいかもしれないが、あくまで俺達が見てほしいのは結束バンドだ。最初の動画はありのままでいこう。

 

 編集ソフトを起動して動画を取り込み、音声はそのまま流しながら映像だけを上手く切り取ったりアップにしつつライブ映像風のMVっぽくしていく。

 よし、これなら結構すぐ終わりそうだな。

 

 

「あっゆうくん、私は顔見えてないカットオンリーで……」

 

「さすがに最初の動画だし紹介も兼ねてるから全部カットはできないぞ。大丈夫だ、元々俯きがちだし照明も相まってハッキリ顔が映ってる訳じゃないから」

 

 店長のせいで後藤さんばっか映されてるから、そこは他の映像と合わせつつバランスを……、

 

 

「ねえ優人君、私の顔って編集できる? 加工アプリに慣れてるから何か素の顔って恥ずかしいのよね。ライブ中は汗とかかいちゃうし。上手く可愛い感じにできないかしら?」

 

「別にんなことしなくても喜多さんは素のままでも可愛いんだしそこまで気にする必要もないだろ。それにバンドマンにとってライブ中の汗は一番の宝石だぞ。むしろどんどん見せてけ」

 

「かわっ……!? そ、そう……ならそのままでも大丈夫かなぁ~なんて……あっ、じゃあそこの顔アップにして! 照明で汗と一緒に私が一番輝いてるとこ!」

 

 まあ一番目立つギターボーカルだから多少のドアップくらいは構わないか。

 ボーカルの人ってどこのライブやインタビューでも一番映像に映るもんな。

 

 

「優人くん優人くんっ、普段後ろで地味に頑張ってるドラムのあたしが映ってるとこはもうちょっとだけアップにしてくんない? なんかこう見てるとほんとドラムって顔映んないだなってなるからさ、顔上げて画角に入ってるとこはあたし多めでね!」

 

「虹夏さんのご要望とあらば断わる理由なんてありませんぜ」

 

 そうだよな。ドラムって客側からしたらほとんど顔見えないもんな。しかもライブハウスとかだとモニターもないからマジで顔が見えない。

 であればせめて天使の尊顔が映ってるとこくらいは目立たせてあげようじゃないか。それが信徒の務めだろう清水優人。

 

 

「優人、そもそもベースイントロなんだから私の編集から始めてよ。何事も最初が肝心でしょ。あと私の場合は顔よりも手元アップで。この手捌きで視聴者をベースの沼に引きずり下ろす」

 

「はいはい、じゃあイントロ手元からの徐々に顔に上がって全体にいくようにしますよ。それでいいでしょ」

 

 全員の要望を入れつつそれっぽく編集していくが、その間にもわがまま姫達の声が左右から俺の耳に響き渡っていく。

 

 

「ここをこうして」

 

「あっそこの顔だけはカットで……」

 

「えーと、ここはサビだし全体の方が」

 

「汗っ汗が飛び散ってる私をアップにして!」

 

「……やっぱCメロ部分は各々アップじゃなくて引きの方が良いか」

 

「はい優人くん、ずっと集中して疲れたでしょ。ジュース入れてきたから飲んでね」

 

「ありがとうございます。……えーラスサビはボーカル中心にし」

 

「そこはベース目立ってるんだから私を映すべき。こことか、ほらここも手もt」

 

「うがぁぁぁあああああああああああうるせぇぇぇええええええええええええッ!! 虹夏さん以外さっきからわがままばっかじゃねえか! ちょっとは黙れんのか貴様らぁッ!? 同時にあーだこーだ言われて理解できる訳ねえだろ! 聖徳太子か俺は!? 違うわぁ!!!!」

 

「はい優人くん怒らせたから三人たいじょー。完成するまで大人しく掃除しておくように~」

 

 ナイスサポート虹夏さん。

 さすが結束バンドのリーダー、対応が違いますな。三人にもぜひ見習ってほしいところだ。耳元で色々言われ過ぎて途中からはもはや呪いの呪詛かなって思ってた。

 

 三人を強制的に掃除させに行った虹夏さんが俺の元に戻ってきた。

 そしてイスを隣に置いて当然のように俺の横へ座ってくる。まあ虹夏さんなら最初の要求だけで何も言ってこないから全然いいんだけど。

 

 両肘をテーブルにつき両手に顎を乗せてニコニコ笑顔でこちらを覗き込んできた。

 え、何この可愛い生き物。頭の上のドリトスもピョンピョン左右に動いてるんだけど。あ、アホ毛だわあれ。可愛いから何でもいいや。

 

 

「ねえ優人くん」

 

「どうしました?」

 

「あたし、みんなのこと注意したよね?」

 

「? そうですね。さすがにうるさかったんでありがたかったですよ。これで集中できそうです」

 

「それなら良かった~」

 

 にへらと笑う虹夏さん。

 どうしよう、可愛すぎて逆に集中できなくなるかもしれん。よく顔に出てないな俺。もしかしたらポーカーフェイスのプロになれるんじゃないか。

 

 

「でね、あたし今ポイント稼いだじゃん?」

 

「はい。……ん? え? ポイント……?」

 

 最初普通に流しちゃったけどポイントって何。

 うちにそんな制度あったっけ。知らない内に誰か作った? てか何のポイントなの? 

 

 

「ということで優人くん」

 

「……なんでしょう」

 

 そして目の前の天使は言った。

 

 

「ご褒美としてあたしのカットをもっと多くしてくれたら嬉しいな!」

 

「……」

 

 

 

 この天使、打算的すぎない? うーん、許す!

 結束バンドが結束する時はまだまだ遠そうだと思う俺であった。

 

 

 

 





虹夏さんは清水がいる事によって原作よりも妹としての甘え気質を発揮しやすいのであった!!

そろそろオオツキン再来しそうだけど前書きにもある通り予告詐欺になりそうなので下手な事は言わないでおきまーす。


では、今回高評価を入れてくださった

☆10:strawberrycakeさん、SIORIさん、幕張魂さん、名も亡き蛸さん、ザラメ雪さん、ken.さん、波乱万丈さん

☆9:寝不足Alwaysさん、姉妹の兄で弟2さん、タスマニアさん、ドリアスピスさん、鳩兎さん、イキョウさん、完全無欠のボトル野郎さん

本当にありがとうございます!
おかげさまで幼メンの総合評価が25000を超えました。す、すげえや……こんな数字初めていったよ……。これからもゆったり更新で頑張ります。


リアルが忙しすぎるんじゃあ。
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