再会した幼馴染が引きこもり寸前だったから面倒見る 作:たーぼ
もしもシリーズ二つ目。
ちょうど31日なのでハロウィン回。
バレンタイン回の時みたいに会話形式だで。
あくまで番外編としてお楽しみあれ。
~佐々木次子の場合~
「よし、いたずらするわ」
「一発目から選択肢がねえッ! せめてお菓子なかったらにしてもらえません事!?」
「だってこういう時の清水って無駄に用意良いじゃん。絶対お菓子持ってるでしょ」
「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれたなさっさんや。バレンタインの時と同様、こういうイベント事とはほとんど無縁の生活を送ってきたわたくし清水優人。しかぁーし! 今となっては友達も知り合いも増え青春イベントの一つ一つを噛み締める余裕ができたのさ! つまりっ、絶対にいたずらされないようお菓子は大量に持ってきているのであーる!」
「ふんふん、それで?」
「だからいつハロウィン定番のトリックオアトリートを言われても迅速に対応できるって事よ! 今日の俺に死角などないッ!」
「まあお菓子持ってるのは予想してたけどね」
「そうだろうそうだろう。そんな君にはお菓子をあげるのでいたずらはやめてね」
「へえ、ご丁寧に市販じゃなくて手作りなんだ。やるじゃん」
「かぼちゃクッキーにしてみた」
「王道だね~。あんがとさん」
「良いって事よ。さて、じゃあ俺は田中達と一緒にリア充男子共へ合法的な
「あ、せっかくだしそのクッキー、清水がウチに食べさせてよ」
「る…………え?」
「聞こえんかった? あーんしてって事」
「いや聞こえてるけど……。な、何故に俺がそのような事をしなければならないので? つーか普通にハズいから嫌なんですが……」
「なに、くれないの? じゃあいたずらだね~」
「や、だからこれあげるって言ったろ!? それで成立してんじゃんっ」
「けどそれってウチが受け取り拒否したら貰った事にはならないっしょ?」
「なん……」
「さあどうする清水~。ウチにあーんして食べさせるか、諦めていたずらされるか。どっちが良い?」
(普通に考えて諦めていたずらされる選択肢は論外。せっかく防止できるアイテムが手元にあるのにそれを使わないのはただの馬鹿だ。さっさんの事だからそんじゃそこらの凡人よりもエグいいたずらなのは間違いないだろうし……。だとすると……やっぱり食べさせるしかない、か? あーん、で? ……いいや、やるしかない。ここでやらなきゃ男が廃るっ。そうだ、たかがクッキー一枚をさっさと食わせるだけでいたずらなしで済むなら迷う必要はどこにもない! やるぞ清水優人! 勢いで乗りきれ!)
「お、やる気になった?」
「やってやるさ、平穏のためならばなあ! ……あっえっと、じゃ、じゃあ……あ、え、あっ、あーん……」
「言葉の割にめちゃくちゃ照れてんじゃん。何で清水が目瞑ってんのさ。あーんするなら目瞑るの普通こっちじゃね」
「普通を抜け出す事も時には大事なんですのよ! という訳でそっちから来てっ。これ以上は俺が持ちません! ハズい!」
「ふ~ん、まあいいや。はい、ちーずっと」
「……………………え? 今なんかシャッター音が聞こえたような……」
「おー、良い顔してんじゃん清水」
「……あの、佐々木さんや……あなた今何をしやがりましたのでせう……?」
「はい隙ありぃ。あーんっ」
「あっ」
「……ん、いたずら完了。清水の場合はこうすればいたずらもできるしお菓子も貰えるからお得だよね~」
「全部していきやがった……だと……!? さっさんの悪女! 魔性の女! ワカメ! 陽キャ!」
「どんどん悪口レベル低くなってるけど。ウチにとっちゃ全部褒め言葉になるから意味ないよ~」
「ぐぬぬ……佐々木さんめ~……!」
「からかい上手っしょ?」
「それはもう違う作品なんだわ」
~喜多郁代の場合~
「優人君、お菓子持ってきてるんでしょ? せっかくだし交換しましょうよ!」
「別にいいけど……あれ、ハロウィンってそういうのありだったっけ」
「今時ご丁寧にトリックオアトリートって言う人なんかほとんどいないわよ。九割くらいは仮装したり軽いパーティーするくらいじゃないかしら?」
「じゃあお菓子交換は残りの一割って事か」
「イベント事なら最大限に楽しまなきゃ損じゃない? 私はもう友達と結構交換してるわよ」
「さすが陽キャ思考。後藤さんからじゃ一生かけても口から出てきそうにない言葉だな」
「否定材料が微塵も出てこない辺り、私もひとりちゃんに慣れてきたものね~。あとでひとりちゃんにもお菓子あげなきゃ」
「そうしてやってくれ。今はどっか薄暗いとこ行ってるだろうし。ほい、これお菓子。クッキーな」
「ありがと。私のは市販だけどマカロンあげるわっ」
「おう、ありが……な、なあ、喜多さん」
「何?」
「マカロンってお菓子にしては結構な値段しなかったっけ? まさか友達みんなにこれ配ってんの?」
「え、う~ん……別にそうでもないわよ。基本は安いのをたくさん買ってるから安心してちょうだい。優人君にはいつもバンドの活動でお世話になってるからちょっと良い物あげようって思っただけっ」
「あーそっか、じゃあありがたく頂戴しておきまさぁ」
「うん、その代わり大事に味わってね。あ、そういえば二日前に伊地知先輩と話してたんだけど、今日のライブは……って、ちょっとごめんなさい、ロイン来たみたい」
「へいへい、どうぞ~。陽キャのロインは即確認即返事がモットーだもんな。大変なこって」
「(さっつーから……? 何で同じクラスなのにわざわざロインを? ……あっ)」
「マカロンって基本総じてめっちゃ甘いから一つか二つで満足しちゃうよな~。でもこのかぼちゃ風味のマカロン美味いな。難しそうだけど今度作って後藤さんに試食してもらうか。……ん? こっち見てどうしたよ喜多さん。あ、このマカロン美味かったよ。ありがとな」
「ねえ、優人君」
「ん? どうし……あ、あのう、き、喜多さん? なんか急に目元に影が差してませんか……? 雰囲気が一瞬で重くなってきたんですが……」
「私とは普通のお菓子交換なのにさっつーとはあま~いトリックオアトリートをしたそうね?」
「……え、それってどういう」
「ロインで送られてきたのよ。優人君がさっつーにあーんする写真が」
「急にとてつもない頭痛に苛まれてきたので俺は保健室もしくは学校早退させていただきますさようならッ!!」
「逃がす訳ないでしょ! さあトリックのお時間よ優人君ッ!」
~シデロス、廣井きくりの場合~
「いつも通りロインでいきなり新宿FOLTに来いと言われて来たはいいけど、何この状況」
「見て分かるでしょ。ハロウィンパーティーよ」
「分かんねえよ。何でライブハウスでハロウィンパーティーしてるのかがもう分かんねえよ。ライブしろよ」
「せっかく姐さんが主催してくれたってのに何よその言い草!」
「ちなみにヨヨさん。このパーティーって何かお菓子とか食材の持ち込みは各々自費だったりします?」
「そうよ。だから私は鍋用にお肉をいっぱい買ってきたわ」
「おいハッセ何でこの可哀相な人にハロウィンパーティーは金がないきくり姐さんがみんなに食料をせびる目的で開いた極悪パーティーだと教えなかったんだ!」
「言っても無駄だからっスね」
「だねぇ~」
「ですぅ~」
「シデロスはもはや陥落済みか……」
「おっ、ゆうきゅん来てんじゃーん! 何々~? ゆうきゅんも私のために食べ物貢いで……パーティーに参加してくれんの~?」
「もうほぼ全部言ってるよ誤魔化せないほど本音漏れてたよほんとどうしようもねえなアンタ!? 後輩に食料貢がせてプライドねえのか!?」
「そんなのあったら借金生活なんてできねえZE! それよりゆうきゅんトリックオアトリート~!」
「せっかくのハロウィンらしい決まり文句の一人目がこの人とかッ!」
「なんだよ~お菓子ないならいたずらするぞ~うりゃ~!」
「近いし酒臭え!? だぁーくっついてくんなぁ!」
「あっずるい!」
「ずるいと思うなら遠慮なく剥がしてくんないヨヨさんや!? それか志麻さーん! 志麻さんとイライザさんはいずこー!?」
「あのお二人なら自宅で普通に過ごしてるっスよ。パーティーの意図を分かりきってるんで元からここに来るつもりもなかったって事っスね」
「救世主いねえのかよ! ならふうさん助けて!」
「う~ん、私じゃ難しいかなぁ~。あ、そうだゆうと君、それより私かぼちゃケーキ作ってきたんだけど、食べてみて~」
「相変わらずのマイペースっ。あとで一切れだけ貰ってくからそれよりで済ませないでくれると助かるんだけど! じゃあ幽々さんでもいいからこの酔っ払い引き剝がすの手伝って!」
「霊体ならどうにかできるんですけどぉ、実体だと難しいですぅ~」
「この状況で一番ハロウィンっぽいこと言ってるよこの子! 助けてほしいのにむしろ違う恐怖埋め込んできたんだけど!?」
「私に食いもんよこせやぁ~い!」
「姐さん! 私お肉買ってきたんでそれ食べましょう! みんなでお鍋囲めばきっと楽しいですよ! ちょっと清水、貴方は何か買ってきてないの!?」
「何の脈絡もなくここに来いって言ってきたのはどこの誰だこの野郎!? クッキーくらいしか持ってきてねえわ!」
「なぁんだお菓子あんじゃん! んもうっ、ゆうきゅんは焦らし上手だな~。最初から言ってればいたずらしなかったのにー。あ~、もしかして私とまだくっついてたくて黙ってたな~? ゆうきゅんのえっち~!」
「………………」
「……ねえ、なんか清水優人の顔変形してない? 私には鬼に見えるんだけど……」
「見えるっていうか、完全になってるっス」
「ワイルドですねぇ~」
「ユウトさんの上にいるヒトも怒気に満ちてるので影響されてるのかもしれませんねぇ~」
「あっはっは! ゆうきゅん顔おっもしれ~!」
「全員で一刻も早く姐さんから清水優人を引き離すわよ! これ以上はなんかヤバイ気がする!」
~伊地知星歌、PAの場合~
「で、気付いたらもうスターリー付近までいたと」
「はい」
「清水君ってキレると記憶なくして気付いたら周りに人が倒れてるタイプの人ですよね」
「少なくともそんなイキリトみたいな事を言われて嬉しいと思う俺はいませんよPAさん。アスナに似てる彼女もいませんしリア充は滅ぶべしの思想なんで」
「まあいつもお前に迷惑かける廣井が悪いから気にする事もねえよ」
「ところで一つ聞いていいですか」
「なんだ」
「どうしてお二人は頭にかぼちゃだの猫だののカチューシャを付けているのでしょうか」
「ハロウィンだからだろ」
「ハロウィンだからですね」
「あれ、もしかしてFOLTでやってたパーティーもあながち間違ってなかったの? 俺の認識が遅れてるだけで実はライブハウスもこういうイベントに乗っかるタイプだっけ???」
「誤解がないように言っとくと、最初にこれしようって言いだしたのは虹夏だからな。せっかくハロウィンとライブが被ってるから乗っかろうって渡してきたんだよ。文句があんなら虹夏に言えよ」
「何言ってんすか店長。文句ある訳ないでしょ。ハロウィン最高じゃないですか! てことはスタジオにいる虹夏さん達も今仮装中って事ですよね! ひゃっほーう☆」
「ほんとお前も良い性格してるよな」
「私は高校生らしくて可愛いと思いますよ」
「気になるんでちょっとスタジオ行ってきますわ。あ、そうだ。店長達にもクッキーあげますね。ハロウィンですけどいつもお世話になってるお礼も兼ねて。では!」
「……私らがあいつに勝ってるとこってなんだろうな。……年齢?」
「家政婦かおかえり係としてうちで雇いたいです」
「専属で引き抜こうとすんな」
~伊地知虹夏、山田リョウの場合~
「虹夏、優人、トリックオアトリート」
「優人くん来るの待ってたなお前」
「今日トリックオアトリート言ってきたの今のところクズベーシスト二人だけなんだけど。なんなの、がめつい人しか言ってこない卑しいイベントだっけこれ」
「既に優人がお菓子持ってる事は匂いで気付いてる。そして今日は合法的に食べ物を貰えるイベントだから貰いに行く。私にとってバレンタインとハロウィンはたくさん食料が貰える貴重な一日。集りに集るぜ」
「天使の仮装してるくせに言ってる事はクソだこの人」
「リョウにはギャップ狙いでこの仮装させてみたけどやっぱりクズ度が増しただけになったか~」
「天使とは程遠いですもんね。この際お金の使い方を見直させないとダ」
「喰らえド接近おねだりいたずら攻撃」
「ああもうすぐ自分の顔の良さを利用して近づいてきやがるこいつ! あと普段よりも近いッ!」
「お菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだいお菓子ちょうだい」
「お菓子ちょうだいbotかよ!? ええいめんどくせえ! もう袋ごとやるからあっち行きなさい!」
「作戦通り。よし、ライブまでこれ食べて英気を養ってくる」
「絶賛空腹中だったんかい」
「優人くんも大変だね~」
「俺はライブしないのにもう疲労度がエグいんですが……」
「ところであたしの仮装はどう? 似合ってるかな?」
「性格も見た目も天使なのにあえて小悪魔っぽいコスプレしてるセンスが最高で最強すぎて写真撮って家宝にしたいです!!!!」
「ビックリするくらい疲労回復したね」
「虹夏さんは見るだけで癒しをくれる範囲ヒーラーですからね。眼福眼福」
「ちょっと何言ってるか分かんないかな」
「レポートにまとめて後日持って来ましょうか?」
「そこまでしなくていいから!」
「いいのか……」
「……あーあ、それにしてもリョウはフロア行っちゃったし、ぼっちちゃんも喜多ちゃんも着替え中でもうちょっと時間かかるから練習できなくて暇だな~」
「じゃあ俺と適当に何か喋っときます?」
「ん~、それもいいけど~……あっ」
「どうしました?」
「……ねえ、優人くんさっきリョウにお菓子全部あげてたよね?」
「ええ、まあ……面倒だったのでああするしかないと思って。あ、もしかして虹夏さんも欲しかったですか? ならまた作ってきますよ」
「じゃあ今は何もお菓子持ってない訳だ」
「? そうですね」
「そして今日はハロウィンだよ、優人くん」
「はあ……? えっと、それが何か?」
「小悪魔と二人きりだってのに、油断しすぎてるのも考え物だよね~」
「あの、虹夏さん? な、何でじりじりとこちらに寄ってきてるのか聞いても……?」
「時間潰しにはちょうどいいかなって」
「はい?」
「優人くん」
「は、はい」
「トリックオアトリート」
「え…………………………………………あっ」
~後藤ひとりの場合~
「ゆうくん……家に帰って来てからずっとぐて~ってしてるけど……、ど、どうしたの?」
「ハロウィンって結構疲れるんだな~って……」
「あっえっ……?」
「いや、何でもない。それより今日のライブも良かったぞ」
「あっ、ありがと……えへへ」
「けどまさか後藤さんの仮装が白い布被っただけの一反木綿だったとはなー。もう少し良いのあったんじゃねえの?」
「うっ……あ、あれが全身包み込んでくれて一番落ち着くから……」
「むしろよくあれでギター弾けるなって感心したわ。無駄に凄かったもん」
「あ、へへ、へへへ……そ、そうかなぁ」
「虹夏さんが小悪魔、リョウさんが天使(笑)、喜多さんが何かドンギで買ったハロウィンっぽいオレンジの軽装ドレス、後藤さんが一反木綿。……統一感全然ねえな。相変わらずの結束力だわ」
「あっうっ」
「まあファンの人達は結構笑ってくれてたから結果良しだけどさ。後藤さんにゃまだああいった衣装は難しいか」
「ぜ、善処します……いや、け、検討します……」
「期待値低くなってんじゃねえか」
「あうぅ」
「まあいいや。そんじゃそろそろ晩飯から時間も経ったしハロウィン用のデザートでも食いに行こうぜ」
「……え? でもリョウ先輩にお菓子全部あげたんじゃ……」
「あれはクッキーの話。後藤さんと家で食べる用に昨日美智代さんと一緒にケーキ作っといたんだよ。どうせ後藤さんは誰かにトリックオアトリートとか言える玉じゃねえし言われる心配もないからな。けど内心じゃイベント事には乗っかりたいタイプだろ?」
「うっ……」
「だから最低限でもハロウィンっぽい事させてやるかってなって、かぼちゃケーキ作った訳。まあライブで仮装するの知ったのが今日だからほとんど空振りだけど」
「そ、そんな事ないよ……ゆうくんが作ったケーキ、た、食べたい……」
「……ははっ、おう、んじゃ下に取りに行くか」
「う、うんっ」
「はあー、やっぱり何だかんだ後藤さんといんのが一番落ち着くわ」
「えっ!? そ、それってどういう……?」
「ゆーくーん!!」
「おっと、どうしたふーちゃん?」
「ふたりもケーキ食べたいから早く早く!」
「はいはい、美智代さんから聞いたのね。みんなの分ちゃんとあるから慌てなさんな。よしよし、お兄ちゃんと一緒にゆっくり階段下りような~」
「ゆ、ゆうくんさっきのってどういうぅ~……」
番外編だから、あくまで番外編だからシチュエーションとかいたずらの内容は各々のご想像という事でね。
あとキャラが多いので厳選させていただいた。
今回は全体的にコメディー寄りになったかも?
では、今回高評価を入れてくださった
☆10:プリスキンさん、スイテンさん
☆9:シーパラ聖地巡礼済みBさん、ニュルニュルベルグさん、タスマニアさん、鳩兎さん、モチモチこしあんさん、イキョウさん、ザラメ雪さん、完全無欠のボトル野郎さん
いつも感想高評価お気に入り登録ここすきthank you!!
投票者数も1300行ったね~。ありがとね~。
さて、来週はいよいよ幼メン投稿してから一周年だってよ。