【凍結】混沌に雑ざるは、如何なるオモイか。 作:Cross Alcanna
ここ数日はそこそこ投稿頻度が高いと思いますが、時間が経つにつれて頻度は減ると思われます。私はかなりの気分屋だと自負しています。ですので、気が向かないと頻度が凄惨な事になります。が、出来るだけ途中で投げ出さないよう尽力します。どうか、ゆっくりとお待ちいただけると幸いです。
では、どうぞ。
「…何じゃこりゃ。この……大層居心地の悪い世界は。」
あの光に包まれ、目を開けて広がっていたのは…何とも言い難い奇妙な世界だった。
…お世辞にも、居心地が良かったり目の保養になるとはとても言えない。率直に言ってしまえば、
様々な所を見てみる。
右を向けば荒廃した都会のような景色が広がっている。生命体がいるようには感じ取れない。
また、左を向けば燃え盛ったクレーターらしきモノがある。緑は無く、炎の赤と空の黒、地面の茶色しか無い。弁当で言えば、色が無い男子の弁当、と言った所だろうか。
「…グッチャグチャだな。世紀末な世界にでも飛ばされたのか?」
──ある意味、正解かもね。
「うおっ!?何だ!?」
俺が独り言ちると、こんな世界から聞こえてくるとは思えない程、透き通った声が俺にそう話しかける。
誰かに話しかけられるとは考えもしなかったので、つい腑抜けた声が出てしまった。仕方ないだろう。俺は悪くない。
「やっほ~、やっとこのセカイに呼べたよ~。」
「……ん?お前が呼んだのか?てか、どうしてこんな所に初音ミクがいるんだ?」
「質問は1つずつでお願いしたいかな~?」
俺の知ってる初音ミクとは見た目がかけ離れているが、謎の直感が、"コイツはミクだ"と言っている。
まぁ、それは置いておいてだ。このセカイに呼んだと、コイツは言ったか?んじゃあ、この趣味が悪いセカイの主はコイツなのか?そんな憶測が飛び交う。
「まず最初に言っておくと、キミの言う通り、私はミクだよ。キミの知ってるあの初音ミクで間違いないよ。でも、厳密には違うんだけどね。」
やっぱり、第六感的直感は合っていたらしく、コイツはミクで間違いないようだ。…俺の知るミクとはかなり容姿が違うのが、気になる所ではあるが。
…という事は、この世界はミクの世界って事になるのか?…ミクって、こんなに趣味悪かったのか?少し見る目が変わりそうなんだが。
「このセカイが何か分からなそうだから説明するけど、ここはキミが作ったセカイだよ。」
「…ちょっと待て。こんな世界、俺には見覚えが無いぞ。」
ミク曰く、ココの創造主は俺らしい。おいおい、俺ならこんな歪な世界、目でも瞑らない限り作らないんだが。
何より、ココが俺の作った世界だとして、俺がこの世界を認知していない(或いはしていなかった)事がおかしい。自分が開発した作品を自分が知らない、なんて事は無いだろう。
人の発言を必要以上に疑うのはあまり好きじゃないが、あまりにも矛盾する言動には、どうしても警戒せざるを得ない。話の脈絡がズレているんだ、信用する方が難しい話だろう。
「それはそうだよ。このセカイは、キミの
「……俺の、本当の想いが?」
そう、と付け足すように相槌するミク。その顔を見るに、嘘を吐いてる様には見えない。これで嘘を吐いてるって言うなら、ミクはかなりのペテン師って事になるが。
それは置いといて。ミクの話を真だとして話を進めると、このセカイは俺の心情を映したセカイ、という事になる。
「あ、因みにこのセカイの情景は、キミの心の中を模してるよ。」
「…そういう事か。」
成る程、納得した。
まず、このセカイ。来た時から
次に、情景について。俺はさっきから歪だの居心地の悪いだの、果てにはイカれただの言ったが、それは強ち間違ってはいなかった。
……俺の作ったセカイとはよく言ったものだ。随分と、出来が良い。
「このセカイを作った身として言いたいんだが、変だな。」
「キミがそれを言うの?」
…………随分と辛辣だな、こん畜生。
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「このセカイが何かは理解できたが、ミク。お前がどうしてこのセカイに呼んだのかが分からん。」
ココがどこなのか、その問題は解決した(出入りの方法についても、さっき教わった)。
が、ココに俺を呼んだ動機が分からん。どの理由も、決定打にはなり得ない程に決定力に欠ける。
先程とは打って変わって、疑問を解く鍵が無さすぎる。ぶっちゃけると、お手上げだ。
「…キミは、自分の本当の想いを1人で見つけられる?」
「無理だな。」
ミクの質問に、俺は食い気味に答える。
自分についてある程度の分析をし、客観視したらすぐに分かる。
これを誰かに話でもすれば、「そんな悲観しなくても…」と言う善の心を持つ者が現れるかもしれない。
だが、これは紛れもない現実。覆り様がない事実に、他ならない。「やってみなければ分からない」という言葉も同時に投げかけられる事だろう。だが、
「これは重症だね…。それはさておき、そんな人達の手助けをしたりするのが、セカイにおける私達の役割なんだ。」
「……ん?その言い方だと、他にもセカイ?とやらが存在するみたいだが……?」
「?存在してるよ?」
「マァジかよ。」
てっきり、俺だけがこんな数奇な経験をしたのだとばかり思っていたが、そうではないらしい。
聞くところによると、人の想いの数だけセカイがあるようだ。こうしてセカイに入ったり出来るのには、条件があるのだとか。ミクに条件とやらを聞いてみるが、分からないとの事。
……だとすると、他にもこんな経験をしてる奴がいる可能性も否定できない訳だ。…まぁ、だから何だって話ではあるが。
「…どうしたものかな。夕食作ろうと思ってた所なんだよな。」
「あ、じゃあ戻る?ソレさえ再生すればいつでも来れる訳だし。」
「いや、折角来れたんだ。少し散策して回るとするかな。」
夕食?んなもん後回しじゃい。俺は自覚するレベルで好奇心が強いんだ。舐めんなよ(?)
真面目な話、自分の心情をこの目で見ておきたかったというのが大半を占めていた訳だが。俺も知らない、或いは忘れてたモノが分かるかもしれないしな。
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「そういえばミク、このセカイって誰でも入れるのか?」
「ううん、セカイに認められた人だけが入れるよ。ついでに言うと、このセカイではキミの権限が強く作用されるんだ。」
「権限?」
散策してる途中、不意に気になった事を投げかける。俺が期待していた回答以上にインパクトが強そうな話題が出てきた。
権限?何だその面倒くさそうなシステムは。
「このセカイに来た人に対して、これ以上居て欲しくないって思ったらその人を強制的に退出させれたり出来るんだ。」
「つまり、ある程度なら思った事が現実になるって事か。」
「正解~」
色々聞いてみて思ったが、随分創造主に好都合な仕組みだな。自分の心の中に入られてると考えたら、妥当ではあるんだろうけれど。
……ん?待てよ?って事は……。
「なぁ、それってセカイの創造主が人を拒み続けたりも出来る訳だろ?」
「うん、可能だよ。」
「…そういうケースって、本当の想いを見つけれるのか?」
「厳しいだろうね~。でも、私達は手伝いしか出来ないし、セカイの創造主には強く出れないからね。」
成る程。ミク達はあくまでアシスト機能止まりって事か。それに加えて、若干の服従機能付きと。まぁ窮屈そうだな。
推測の域を出ないが、このセカイ以外にもミク達は居るんだろう。恐らく、今ここにいるミクも端末のような存在なんだろうな。オリジナルは俺らの知らないどっかにでも居るんだろうな。それこそ、俺の事を覗き見してたりしてな。考えれば考える程、アニメとかに出てくる設定みたいだと思う。
「……ここは…」
そんな他愛もない思考を重ねていると、とある場所に辿り着いた。
…何だ?ここだけ不自然なくらい自然に満ちてるな。それに、雰囲気が穏やかだ。今まで歩いてきた場所みたいな気持ち悪い感覚もない。
俺の心情に重ねれば、何か分かりそうだが。どうにも、出てきそうにない。少し、もどかしい。
「…ここは、居心地が良いな。ずっと、居たくなる。」
何もかもを忘れて、ここに居続けたくなる。言わば、揺り籠の赤ちゃんという例えが適切だろうか。
セカイの粗方を探索して回ったが、こんな場所はここしか見当たらなかった。どれだけ歪なんだ、俺の心は。苦笑いしか出ないぞ。
「……もういっそ──」
──ここから先の言葉を吐き出せたら、どれだけ幸せな事だろうか。
──嗚呼、息苦しい。
はい、いかがだったでしょうか。
刹那のセカイは、中々に色々なモノが入り混じっているようですね。私の脳内にはイメージがありますが、読者の皆さんは想像できたでしょうか?もし読者の皆さんからの声があれば、そうした物のイメージイラストの掲載も検討したいですね。
この小説を書くにあたり、文字数をどうするか考えましたが、この程度の文字数が一番書き続けれそうだと感じたので、(読者の皆さんからしたら)物足りないと感じるかもしれませんが、ご理解の程宜しくお願いします。
では、また次回。