作者としては英語が苦手なので翻訳アプリをそのままコピペしてます。英語が得意な方で変な意味のタイトルと感じていたらごめんなさい!その時はこうした方が良いなどのご意見もお待ちしております!
また、今回も見にきてくださってありがとうございます!数日経ちましたが、ようやく書けましたので投稿します!
まだアニメの1話まで行けてないところではありますが、何卒応援の程よろしくお願いいたします‼︎
喫茶リコリコに足を運んでから既に1ヶ月程経過していた。俺としてもここの雰囲気と、店長含めて店員さん達がフレンドリーにしてくれるものだから週5で通う様になっていた。
1ヶ月でこのお店の常連になったという訳で、通い始めて半月程で閉店後のボードゲーム大会にお声がけがかかってきて俺もその後に予定が無かったらフルで参加する様になった。
その日によって変わるが、やっぱり皆で気兼ねなく何か出来るというのは……どの年頃になっても楽しいんだろうな。それで今日は複数人参加型のボードゲームに興じている。
(ふむ、次に取るとしたらここの陣地だな)
サイコロを振って出た目まで自分の駒を進めて、後の展開を考えるなら取るべきところだと思って、ゲーム内で配られる資金を使って陣地を取った。
「おいおい……また良いところ取られちまったよ」
今発言したのは刑事の阿部さんで、常連さんの1人だ。それにしても今も勤務中では?
「い、一気に逆転されたぁ〜⁉︎ もしかして愛護くんって未来でも見てるんですか⁉︎」
「いやぁ〜……まさか今回も僕がビリかなぁ〜」
北村さんは俺の左隣に座っていて、いつも明るい女性の方だ。職業は何やってるかなんて分からないけど……
それでビリになるかもしれないと発言したのは米岡さんで、作家さんをやってるんだとか。ギリギリで食い繋いでいると言っていたけれど、大丈夫だろうか?
「もぅ、そうくんって何かズルしてるんじゃない⁉︎」
「ズルって……俺はいつも正々堂々とやってるんだけど……」
「毎回毎回そんな事言って殆ど1番じゃん‼︎ ズルしてないと出来ないと思いますぅ〜!」
「あぁ〜……なんか、ごめんね」
「そ、そんな困った様なか、顔したって……」
1ヶ月前と比べたら、錦木さんが自然な様子で俺と接してくれる様になった。まぁ半月経ったらチグハグな様子は無くなって、俺の事を渾名で“そうくん”と呼ぶ様になった。
そんな錦木さんは俺の右隣に座って俺と同じボードゲームに興じていた。最初の頃は錦木さん優勢だったけど、さっき俺の番でとある陣地を取ったところから一気に順位を逆転した。まぁ殆どそんな感じだから、いつも優しい錦木さんも拗ねている様だ。
(それにしても距離が近い気がする……)
最初の頃はそうでもなかった筈……なんだが、なんかボードゲームに誘われてから一気に物理的な距離が近くなった様な気がする。
(それ以外でもスキンシップが増えた気がするが……まぁ俺に慣れてくれたんだろうな)
そんな錦木さんをどうにか宥めようとしたんだが……
pipipi……pipipi……
「ん? ……行かなくては」
「えっ? そうくんどこか行っちゃうの?」
「ごめん錦木さん。急に用事が入ったみたいで今から行かなくちゃいけなくなった」
「そ、そうなんだ……うん! なら気を付けて行ってきてね‼︎」
「ありがとう。皆さんもすみません! 今日も楽しかったです! また誘って下さい‼︎」
そう言って俺は喫茶リコリコを後にした。
side 千束
そうくんと会ってもう1ヶ月が過ぎようとしていた。最初はチグハグな挨拶をしたり、いつもの私らしからぬ対応が彼に不信感を与えたんじゃないかなって、そう思っていたの。
でもそんな事全然無くて、彼は私と握手してくれた。まぁあっちから手を差し出してきたんだけど、その感触は今も忘れられない。
半月経つまでには、彼に対していつもの調子を出せなかった。それでもそうくんは何事もなかったかの様に律儀に返してくれて、いつの間にか常連さんにもなってくれていた。
先生が手を離せない時に彼が来て、コーヒーと和菓子を頼んだ事があった。私としてはまだ先生の腕前に届くには天と地の差が開いていて、それに個人的にもどこか気になっている相手に自分の淹れたコーヒーを出すのが少し、いやだいぶ躊躇っていたと思う。まぁ他のお客さんからオーダーで頼まれた時は、ミズキも私より碌に淹れられた試しが無かったから私が淹れたのをお客さんに提供したんだけどね?
でもそうくんは……
「錦木さんのコーヒーも飲んでみたいんだけど……良いかな?」
気遣ってくれたかは分からないけど、私の淹れた物が飲みたいって……そう言ってくれたんだ。
(っ!/// まただ……またこの前と同じ……)
身体の中心から湧き出る様なこの気持ち……でも嫌な気分じゃない。凄く温かくて、いつまでも浸っていたい様な……
(おっといかんいかん!)
なんとかコーヒーを淹れて和菓子と一緒に彼の前に持っていった。彼が私の淹れたコーヒーを飲む。その時もそうだけど、彼が一口飲んでくれた後どんな表情になるのかが気になって仕方が無かった。
(もし不味そうな顔をされたらどうしよう……)
いつもはそう思わないはずなのに……彼に対してだけはそう思ってしまった。
「……あぁ、美味しい」
「っ! ほ、本当に? ……あっ」
(ついつい聞き返しちゃった……私のバカバカ!)
出した後にすぐその場から離れて接客に戻れば良かったのに、彼の呟きが聞こえて反応してしまった。本当に自分でもなんでそうしたんだろって思う。
(これはもう変人と思われたよね……)
そう考えてしまうくらい、私の取ってしまった行動は浅はかだって思った。
「あぁ、本当に美味しい。こういう事で嘘は付かないから、安心して欲しい。確かに店長……いやマスターって呼ぼうかな。比べてしまうとまだ荒い所は感じる。それでも、錦木さんが一生懸命に淹れてくれたし、それに君が思っている程不味いとか、そんな事もない。だからそんな不安そうな顔をしなくてもいいよ」
って、何偉そうな事を……ごめんね。って最後に付け加えてその言葉を私にくれた。気遣いとか一切感じない、彼のその言葉が……とても嬉しかった。そう言ってくれる彼の表情も凄く優しい。
何かの物語でヒロインにありがちな、主人公のヒロインを想う言葉と行動が凍ったヒロインの心を溶かしてくれる……それに似た様な事が、私の中でも起きてるんじゃないかと錯覚するくらい、とてもドキドキした事を忘れないと思う。
この半月の間にそんな一幕もあって、そこからは何だか彼に夢中だったと思う。本職の時は勿論切り替えて仕事をしたけど、でも喫茶店の中で働いている時は、彼がいつ来るか楽しみで待ち遠しかった。
彼だって私と違って学生で、学生の本分は勉強だったり友達との交流だ。それに彼にも帰りを待っている家族がいるし、そこまで私も踏み込もうとは思わない。
確かにそうくんの両親は既に亡くなっていて、彼を養子にした母親以外に身寄りが無いって話も聞いた。でもその母親との関係は凄く良いらしくて、偶に海外旅行にも連れて行ってくれるんだって! それで私達にもお土産を買って来てくれるんだ‼︎
(そういえばこの前、そうくんの前では一切お酒を飲まないミズキに対してその国名産のお酒を渡してたっけ?)
ミズキに聞いたらそんな事は話してないし、彼の前ではボロは出さない様に必死にしてたと聞いたんだけど……
(てかなにちゃっかり狙ってんだよミズキー‼︎ 歳の差考えろよ! そもそもそうくんは私のだかんなぁー‼︎)
おっと、なんか私の本心かどうか分からないものが出たけど、ともかくそうくんにはミズキがお酒好きな事がバレてる。何でか分からないけど……
ミズキも元私が本職としていた所の本部で働いていた人間だ。だから所属していた分個人情報とかのプライバシーはしっかりしている。例えハッカーからハッキングされようとしても逆探知されて返討ちにあうぐらい。
(まぁいくら考えても仕方ないんだけどねぇ〜)
それに彼がお土産を渡して帰った後のミズキ……凄く上機嫌だったし。なんか中々お目にかかれない様な代物だったんだって。
(それに私にくれた物も……)
それは赤色のブレスレットで、そこまで飾り気のない物だった。彼としては、私が普段赤色の服を着てるから、それに合わせれる様に、でもあまり華美にならない程度で選んでくれたんだって。
その事が……とても嬉しかった! 嬉しくて嬉しくて嬉しくて、彼にどうお礼を言えば良いかに迷ったくらい‼︎ 何とかお礼を言った時の彼の顔も……とても嬉しそうだった。無意識のうちに私のスマホで写真を撮ってしまう程、その顔も綺麗だったなぁ……
あっ、後お菓子も色々と貰ったんだ! グミで有名なHA○IBOとかバウムクーヘンとか色々と!
(にしたって千束さんの好みを結構把握してるかの様なチョイスだよね〜? 私も無意識のうちに好み喋ってたかなぁ〜……まいっか!)
それで今では彼も他の常連さんと混じってボードゲームに興じる様になった。最初見てた時は初心者だな〜って見てた。そう見てたんだけだ……
(後になるに連れて全然動きが変わってくるんだよねぇ〜)
いつの間にか逆転してるし、挙句の果てに1番になってる事が多いし‼︎ もう! そうくんと一緒の所だと1番になれないじゃんっ‼︎
だからいつの間にかそうくんに悪態をついていた。別にそうくんが何か悪い事をしたとか、そんな事は一切無いのに……
それなのに彼は悪態をついて拗ねた私をどうにか宥めようとしたりして、困った顔をしていた。その表情がどことなくいつもの綺麗ではなく、可愛いと感じたから、もう少しだけそんな彼の表情を見ていたいと思った事は事実だ。
だけどその顔を見た時、ホントに悪いなって事も思ったの。でも思いとは裏腹に口から出るのは、「私、拗ねてます!」っていう様な曖昧な返事しか出なくて……
「千束ちゃんどうしたの?」
「えっ? どうしたって、何がですか?」
「何だか愛護くんが離れてからいつもより元気無さそうに見えたから」
「もしかしてさっき彼に対して拗ねた事を気にしてるとか?」
「えっ? えっ⁉︎ そ、そんなに元気なさそうにしてました⁉︎」
「あぁ、遠くから見てもいつもの千束とは、違うなと感じたな」
「せ、先生⁉︎」
先生と私の付き合いは長い。だから私の機微もすぐに分かっちゃう。
「……うん、多分そうくんに対して拗ねた事を気にしてるんだと思う。何でか分からないんだけど……」
「おぉっ⁉︎ まさかまさか⁉︎」
「これはもしや……」
「恋ね‼︎」
「伊藤さんっ⁉︎」
伊藤さんは漫画家で、私とかそうくんに漫画の意見を求めてくる。私はその場その場の気分で返す事が多いんだけど、そうくんは今出来上がってる所を真剣に見たり、伊藤さんが漠然と思い描いている内容を聞いて凄く真剣に考えてる。
その意見を聞いた後日に描かれた漫画には、必ずと言って良いほど私とそうくんが出した意見がそのまま反映されてたりする。漫画家としてそれで良いのかなって思っちゃうんだけど、まぁ皆が満足しているんなら良いと思ってる。
「うんうん、その気持ちは間違いなく恋よ! 千束は愛護くんに対して絶対にそんな感情を抱いているのよ‼︎ よぉ〜し! これは良いネタを拾えたわ〜!」
「全く下世話だな〜……」
そんな言葉を残して伊藤さんが漫画を描くことに集中し始めた。阿部さんはそんな伊藤さんに呆れる様に呟いていたけど……
(これが……恋? なのかなぁ〜? でも……)
私はある事情で寿命が残り少ない。そんな人間が、もっとずっと長く生きる人の人生を一部でも奪って良いのだろうかと、そう思ってる。例え本人が良いと言っても、私がいなくなったら……そう考えると、とても悲しい。
『番組の途中ですがここで臨時ニュースです。中国都市部の1番高いビルにて立て籠もりが発生しました。犯行グループは人質を取っており、人質を解放する条件としては現中国政府が行なっている一部政策の取り下げを要求しており……』
「こんな真昼間からきな臭い事をしてるな」
そのニュースにいち早く阿部さんが反応した。現役刑事だからというのもあるけど、いつもの様な優しい雰囲気から一気に険しい表情になる。
LIVE中継で、今どんな状況なのかがTVに映し出されていた。ビルの周りには警察や軍人の人達が取り囲んでいて、更にその周りは野次馬でごった返していた。こうなっては簡単に包囲を突破するのは難しいと思う。
そんな時に発砲音が聞こえた。多分犯人達が、要求が中々のまれないからって窓ガラスに発砲して威嚇したんだと思う。現にビルの上の方から割れたガラスが落ちてきてたし。
そんな緊迫する状況の中で、誰かが空の方を指差して何か言っていた。それに釣られて他の人達も、そしてカメラもその方向を向いていた。そこに映っていたものは……
『あれは……っ⁉︎ し、白騎士です! 白騎士が上空から現れました‼︎』
現地の報道官が興奮した様に叫んでいた。
side out
立て籠もりが報道される数分前……
1人の男らしき人物が座っていた。らしきというのは、仮面で素顔がはっきりしないからである。目の辺りは金色の仮面で覆われていて、その金の仮面にはカツラが一緒に付いていた。それは背中にまで達するであろう白い長髪だった。
身につけているのはそのカツラ以外であれば、どこぞの貴族が着るような豪華で黒い外套だ。そして蓋は金色のラインが入っている。足元まで覆えるようなロングタイプで、これけらどこか寒い所にでも行くのではという程分厚いものに見える。
幸いにも鼻先からは何も覆われていない為、その輪郭で辛うじて男だという事が分かるというものである。
そしてどこかと通信しているのか、まるで独り言のように言葉を発していた。うん、これはボイスチェンジャーを使っていない限り絶対に男性である。
『今回の
「何も無いよ。ただいつもの様に、反抗グループに対しては鉄拳制裁して、人質を無傷で救出。負傷していた場合は傷口が残らない様に処置をして……でしょ?」
『えぇ。後は……』
「その犯行グループも1人も死なせない事。罪は然るべき所で受けさせて、今後は
『よく出来ました! 流石は私達の息子だねっ‼︎』
「当然だよ。だって俺は
『フフッ、嬉しい事を言ってくれるじゃない。帰ったらギュッてしてあげるわ』
『あぁ〜ずる〜い! なら私もする〜‼︎』
『私も忘れないで欲しい』
「……もうそろそろ現場近くだから切るよ? 別で指示があったらまた通信して」
『えぇ、分かったわ。いってらっしゃい』
『多分大丈夫だと思うけど、気を付けていってらっしゃ〜い‼︎』
「うん、行ってきます」
通信が途切れると同時に先程まで会話をしていた者は扉を横にスライドさせる。
そこから覗ける景色は、雲が右から左へと流れていく様子だった。つまりこの男は今飛行機の中にいるという事で、今まさに飛行機から飛び降りて立て籠もりが起こる場所に向かうようだ。
「では……行こうか」
そう呟いて男はその扉から空へと身を投げ出した。飛行機から完全に離れる前に律儀に扉も閉めて……
(1箇所だけガラスが割れている所があるな。丁度良い)
空中で体勢を整えながら、割れている窓に向けて一直線に落ちていく。そもそも空中では姿勢を整えるという行動自体高度な技だ。誰しもが簡単にできる物ではないだろう。
だがその者はいつもやってますと言わんばかりに軽々とやってみせる。
しかしもう1つ問題がある。上空から自由落下してきた際に生じた速度をどう減速させるかというものだ。彼の背中にはパラシュートなどの類は一切背負われていない。そもそもそうしたらそうしたで犯行グループに狙い撃ちされてしまう。
そうこうしているうちに彼は減速せずに割れた窓からビル内へと侵入。床と激突する前に右手を床の方に伸ばす。完全に伸ばし切るのではなく、少し肘を曲げる程度だ。
床と右掌が接地した瞬間、そこには凄まじい程の衝撃が加わってくるが、その衝撃を彼は逆に利用する。少し曲げていた肘をその衝撃吸収として使いながらも、斜め前へと進む為の運動エネルギーも曲げた肘をバネのように作用させる。
そこから得られた運動エネルギーを曲げた肘を真っ直ぐ伸ばす事によって解放。男の考えてた通りに彼の身体は斜め前へとバウンドするかの様に跳ねる。そんな不安定な姿勢を前転宙返りを2回挟む事で整え、漸く地に足を付ける。
「な、なんだっ⁉︎」
その着地した際に生じた音までは消せる訳も無かった為相手方に気付かれる。近くにいた1人が叫び、彼にアサルトライフルを向けていた。その引金が引かれる瞬間……
「すまないが君達と話している暇は無い」
引金を引こうとした男は、その言葉が聞こえたのを最後に意識を失った。男の叫びから他の仲間達もその方向を向くが、その時には既に倒れている男しか存在せず、同時に何者かに殴られた様な衝撃を持って次々と意識を駆られていった。
犯行グループによる立て籠もりから数分後、金色の仮面に白い長髪のカツラを付け黒いロングタイプの外套を着た男が、人質になっていた女性をお姫様抱っこしながらビル出入口から出てくる。それを確認したと同時に駆け出す警察と救急隊員、そこには記者やカメラマンも殺到してくる。
彼は救急隊員達に女性を引き渡す。その女性はどうやら中国政府に所属するとある高官の1人娘の様らしく、犯行グループはどうにかしてその身柄を確保し今回の事に及んだ様だ。
その犯行グループは、軍隊や警察官達に周りをガッチリと取り囲まれながら次々とビルから出てくる。その時の顔はとても意気消沈しており、中には涙を流しているもの達もいた。
そんな犯行をたった1人で解決してしまった男……彼は記者団に囲まれて矢継ぎ早に質問を投げかけられたが、それらに対して流暢にそして焦る事なくその国の言葉で話していく。そして最後に何かを口にしてその場を後にしようとする。
だがそれを逃す記者団では無い。彼の歩いた方向に彼らもついていこうとした。だがそこに一陣の強い風が吹き込み、記者団は一瞬の事で目を瞑ったり彼から顔を逸らしたりした。その一瞬の隙に、彼は最初からいなかったかの様に姿を消したのである。
side ミカ
先程中国で起こった立て篭もり事件……それを空から急に現れた白騎士という存在によって10分足らずで解決してしまった。現地で取材をしていた報道陣はその興奮で冷静に状況を伝えれていないようだが……
(白騎士……旧電波塔事件を皮切りにして世界各国に現れる様になった謎の存在……か)
唯一わかっている事とすれば彼の性別くらいだ。
(そして稀にリコリス達が向かう現場でも目撃される……彼も事前に起こりそうな事を把握しているという事か)
DA……現在の日本の治安を維持する為に設置された部署で、テロや事件を未然に防ぐ存在だ。主な構成は孤児達で、その子ども達に一般学業を施しつつ日本の平和を脅かされない様に訓練、そしてテロを起こそうとした存在を殺めても良いと許可されている。
千束もその1人だ。ただ彼女は例え犯罪者でも人を殺さない。その信念を持ってリコリスのトップであるファーストの立ち位置にいた。
「今回も1人も死傷者が出なかったんだ……あの人も凄いなぁ……」
白騎士が出る事件やテロでは、彼が登場してから死傷者が出ていない。致命傷を負っていたとしても、何らかの方法でその者を治してしまう様だ。それも傷跡が残らない様に……
そして千束と共通している不殺……千束のはある程度聞いているが、彼は一体どんな目的でそうしているのだろうか? それも8年前からずっと……あの旧電波塔事件の時から。
現れた時、彼は木刀しか装備していなかったと聞く。そして彼と対面した者は、彼に一撃も攻撃を当てる事が出来ず気絶させられて……
(そして本来あの爆発で死んでいただろう者達も、彼によって全て助け出されている。あそこに派遣されていたDAもテロリストも関係なく)
あの時私はDAの本部でその場面を見ていた。当時8歳であった千束がすぐさま電波塔に向かわされて、他のDAでは敵わなかったテロリストを制圧した。
だがそれと同時にテロリストが仕掛けていた爆弾を起動させて電波塔を破壊したんだ。あの時は見ているこちらも本当に肝が冷えた。寿命が縮まる思いだった事を覚えている。
そんな時に奇妙な現象が起きた事を、私は今でも覚えている。爆発によって崩れ去る電波塔だったが、地上に落ちる鉄骨の落下速度が見るからに遅くなった、いやあれは宙に浮くといった表現が正しいか。
それにどんな手品かなんて分からないが、光の鎖みたいな物が地面から何本も出てきて電波塔本体が倒れない様に固定したんだ。その後日には今と同じ電波塔になっていたんだが……
(その映像が無くなっている……厳重にDAのラジアータで保管されていた物が削除されてたがで記録としては跡形も無く無くなっていた。当時でも最新鋭の技術だったラジアータがだ)
今でも極秘裏で調べられている様だが、進展は無い。
(そして1番謎な事は……彼が監視カメラやサーモカメラの類にも一切映し出されない事。彼の装備は……我々のはるか先の技術をいっているんだろうな)
ともかく私としては、今の日常が無事に続く事を願っている。特に……千束が今の寿命をまっとうできるまで……
side out
中国上空を巡回している輸送機がある。勿論国籍は中国のものではない。完全なる領空侵犯だというのに、中国の戦闘機は一機もその輸送機の周りにはいない。どうやら何らかの技術で捕捉されないようにしているのだろう。
その輸送機の後部ハッチが静かに開く。開くと、さっき立て篭もり事件を解決した白騎士が輸送機の下から現れて、まるで吸い込まれるようにハッチから輸送機の中へと入っていく。それを確認した様にハッチが閉まる。
「今回も死傷者は0……俺としても良かったな」
そう言いながら白騎士は仮面を脱いで備え付けの椅子に腰を掛ける。なんとその人物こそ愛護蒼哉であり、先程まで喫茶リコリコにてボードゲームに興じていた人物である。そして蒼哉が椅子に腰掛けたのと通信が入ったのは同時だった。
『ご苦労様。見事な手際だったわ』
『まるで忍者の様な動き……』
『今回も凄くカッコ良かったよぉ〜!』
「ありがとう。俺としては……あそこで誰も死ななくて良かったと思ってる」
『そうね。貴方がテロや犯罪を未然に防いでいるからか最近はより巧妙になってきているし』
『そこは私に任せて。どんな犯罪も筒抜けにするから』
『それに、ソウソウなら大丈夫だよ! 私達も全力でバックアップするし‼︎』
「うん、お母さん達が俺の事を支えてくれるから……だから俺も全力を発揮できる。だから……本当にありがとう」
『『『っ⁉︎///』』』
「ん? どうしたの?」
『い、いえっ⁉︎ な、何でもないわよ⁉︎』
『う、うんうん! そうだよ‼︎ 何でもない何でもな〜い‼︎』
『蒼哉の笑みは破壊力抜群……んんっ! とにかく帰るように操作する』
普通にありがとうって言っただけなんだけど、通信……さっきもそうだけど目の前に映し出されてるお母さん達が慌てふためく。一体どうしたというんだろうか? 確か錦木さんや中原さんに普通にお礼した時も同じ反応だった様な……
にしても凄いよなお母さん達は……今回の立て籠もりは比較的俺が近かったから駆り出されたけど、当然の事ながら他の世界でも大小様々な事件やテロが起ころうとしている。それを未然に防ごうと尽力しているのがお母さん達だ。
1人1人役割が違って、1人は情報特化。それを現地の警察や軍隊に事前に通達している。今も尚他国の領空にいるのに警告とかが来ないのはこのお母さんのおかげでもある。まぁ酷くなりそうな時は俺が駆り出されるけど……
2人目のお母さんは整備担当。俺の装備とかが不調にならない様に完璧に整備してくれる。俺も出来る方ではあるが、お母さんと比べると手も足も出ない。それに斬新な発想で新兵器も開発したりする。例えばドローンとかがその例かな? あれは元々2人目のお母さんが最初に開発した物らしい。それも独自で……
そして最後に3人目のお母さん……この人こそ俺を拾ってくれた人だ。不思議な魅力を兼ね備えた人で、初めて会った時にこんなに綺麗な人が世の中に存在するのかと思ったくらいだ。ただそんな人が何で俺の事を拾ってくれたのか分からないし、未だに理由を聞いてもはぐらかされる。
それでそのお母さんは、凄く顔が広い。各国の政界首脳陣とも良好な関係を結んでいるし、財政界のパーティーとかにも出席しているくらい。その時に他のお母さん達や俺も一緒に連れて行く事もあって……
(最初の頃は俺が場違いに感じたなぁ〜)
俺はそう思っていたんだが、お母さん達から見れば最初から堂々としていたらしく、なんかパーティーに出席していた貴婦人の方々にも結構話しかけられた。俺は政界とかの話には疎いし、年頃の若者が何が好きなのか疎い所があるからあまり良い返事が出来ずに愛想笑いをしていたんだが……それでも皆顔を赤くしていたな。
まぁそんな過去の話は置いておいて、ともかく俺には勿体無いお母さん達という事で、こんな生活を送らせてくれる事にとても感謝している。
ただ、今気掛かりがあるとすれば……
(錦木さん……どうやって機嫌を直そうか)
今の俺の頭の中は、次錦木さんに会った時どう機嫌を取ったら良いかって事で、帰り着く輸送機の中でずっと考え込んでいた。
最初書いた時オリ主のお母さんは1人だけの設定だったのですが……1人だけで何事もこなすのは厳しいよなと書いてる時に感じたので複数人に変更しました。
まぁこのお母さん達も……とある作品を見ていたら勘付かれる読者がいらっしゃるかもしれません。名前もその作品に出てくるままを採用予定です。
アニメに至るまでもう少しかかりますが、何卒お待ち頂ければ幸いです。