……サムイ……さむい…。頭がイタイ、体が裂ける。
眼球が焼けそうな程イタイ、身体中が悲鳴をあげているのがワカる。あれから、どれくらいの時間が経った?
一日?一週間?一か月?一年?…………ロジャーの処刑はどうなった?
目を開け………無理やりにでも体を動かせ!!
まずここから出るんだ……そうしないと、現場の確認すら出来ない…………と言うか。あれ……?
大きな違和感を感じながらも、なんとか這い上がり。
先程感じた、違和感の正体は。微かに残っている記憶の中で、千切れた筈の左腕がくっついていた事。
そして、視線が今までよりも高くなっていると言う物。
左腕には、ちぎれた後に修復した後の大きな傷跡。
130cm程だった身長は、推定180cm後半程に伸びている。
……だいぶ目が覚めてきたけど、さっきの比較にならない程、クソ痛い。と言うか、本当に何年経った?
それから、しばらくして。偶然立ち寄ったニュースクー
から、新聞を買うと驚いた。これだけの大きな変化があって、半年しか経ってないってマジ?
そして。ロジャーの処刑は、既に行われていた。
ギリギリ、見送る事が出来なかったらしい。
……と言うか、なんで私。寝ていただけの筈なのに、こんなに成長しているんだろう。そして、腕って治る物だっけ?
とりあえず。体を回復させてから、新しい服を作り直さ
ないとな………。
そうして、しばらくの休息に着いたランシャンは。体力を回復させた後、諸々の必需品を自分のサイズに合わせて
作り直し、鈍った身体を鍛え直し始めた。
目が覚めてから、1年近くが経った。
そこで発覚したのは。自分のインクと水を、一対一で混ぜ合わせる事で。微弱ながらも自分の領域として、触れて
さえいれば操作出来る事が分かった。
それが発覚した事で、私の力に幅が広がった。この方面を伸ばしていけば、体内でのインクの生成と供給速度の向上に加え。戦闘時の活動範囲を、海上まで広げる事が見込めるからである。
欠点としては。30分で、海中のプランクトンにインクが分解されてしまうと言う事ぐらい。後始末の手間が省けると言うだけ、まだマシかもしれない。
まぁ、そのせいで。時間が経つ程、操作しづらくなると
言うデメリットもある。 とりあえず、もうしばらくこの島で鍛えた後、西の海へと向かおうと思う。
時系列的に。もうすぐ、オハラにバスターコールがかけられる。具体的な時期は分からないけど、そう遠くはない筈だから今のうちに向かおうと思っている。
別に、ロビンの救済をしようって訳じゃない。
彼女にも、宿り木が必要だと思っただけ………間に合えばいいけど。
そんなこんなで海中を歩き、オハラに到着した訳だけど。
どうやら、遅かったらしい。
私の視界には。燃え盛るオハラと、巨人の氷像。
出発から1ヶ月、もう少し早めに終わ出れば良かったと思っている。おそらくロビンも、小舟に乗って行った後。
そして、私の視線の先には。未来の大将青雉こと、クザン中将が立っている。 私がここに来たのには、もう一つの
理由……それは、世界政府への嫌がらせ。
散々、嫌がらせを受けたんだ。少し返したって、バチは
当たらない。これはお礼参りも兼ねているし、一つ芝居でも打って見ますかね。
「………ヘェ、まさかオハラがこんな風になるなんてね。
所で、アンタ。島に残ってた二つの臭いの片方と、同じ
匂いがするわね……私の弟を殺したのはアンタ?」
「弟……まさか、あいつの姉貴なのか!?」
「あいつが、誰の事を指してるのかは知らないけれど。
子供の頃の私にそっくりよ。 その反応と言う事は、アンタで間違いなさそうね。
本当に………滅びればいいのよ。世界政府なんて」
その直後、青キジに近づき蹴りを入れる。相手は、それを防ぎ。カウンターで、凍らせようとしてくるが。
それを躱して、再びみぞおちに2発の蹴りを入れる。
武装色を纏った打撃は、自然系にも効く。だけどそれにかまけていると、カウンターを喰い易い。だからこそ、長い事相手の間合いにいない事。
持論だけど、これが私の自然系との戦い方。 時間もないし早めに………。
「血のお味はいかが?感覚的に、中将と言った所かしら。
まだまだ、行くわよ!!」
その後、5分程激しい攻防が続き。前回とは違いランシャンはさ程大きな傷を受けず、クザンの方が大きなダメージを負っていた。
「………オメェ、あいつの姉なんかじゃねぇだろ。
確実に俺の能力と、間合いを知ってる動きだ。 なんでそんな事になってるかは、知らねぇが。
この短期間で強くなりやがって…………」
「…バレちゃった?うまく芝居してたつもりなんだけど。さすがに、そこを見破れないと中将は務まらないか。
……気が済んだから、私はもう帰るよ。次会ったら殺してあげる」
そう言うと、ランシャンは海の中に潜り。彼は、そのまま姿を消して行った。