キリギルリツカ   作:森羅万象チョコ

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忘れた頃にアイツがやって来る


キリギルリツカ

「投影完了、射出(シュート)!」

 

いくつもの剣がソロモンを狙う。

 

「ふん」

 

しかし、それら全ては難なく防がれてしまう。

 

「流石にグランド名乗るだけはあるな・・・!」

 

魔術王ソロモンとカルデアの戦いの火蓋が切って落とされてから既に暫くの時間が経っていた。

ソロモンはほとんど無傷。

 

「このままでは埒が開かないな」

「カルデアの準備は?」

「先程通信が途切れる直前の段階で残り30%程だとドクターがおっしゃっていました」

 

しかし、カルデアもただ無闇に戦いを挑んだ訳ではなく、作戦があった。

今はそれまでの時間を稼いでいると言うことだ。

 

「ふむ、では残り20分程稼げば良いだろう。エルキドゥ!」

「拘束だね、わかるとも!」

 

ギルガメッシュの声に応えてエルキドゥがソロモンを鎖で拘束する。

 

しかし、ソロモンはすぐに拘束を解くと、魔術を使う。それにより、召喚したサーヴァントの影が半分消し飛ぶ。

 

残り10分

 

「ククク、フハ、フハハハハハ!」

 

ソロモンも立香達もボロボロになっていた。

 

「英雄王がいる時点でよもやと思ったが、ここまで我を追い詰めるとはな、カルデア」

 

傷ついたソロモンが立ち上がりその影が大きく膨れ上がっていく。

 

「折角だ、我が真体を拝謁させてやろう!」

 

周囲にいた魔神柱達が玉座に集まりソロモンごと隠してしまう。

 

「とうとう正体を見せる気になったか、魔術式」

「やはり我が正体を見抜いていたな英雄王。いかにも、我は魔術王ソロモンの分身であり、機構であり、使い魔。そう、」

 

魔神柱の中からソロモンに比べると大柄な体躯の何かが現れる。

 

「我が名はゲーティア。魔神王ゲーティアである」

 

圧倒的なプレッシャーが立香達を襲う。

しかし、それを鼻で笑い、ギルガメッシュは口を開く。

 

「その程度、今の我でも容易く終わらせることが出来るが、此度はそのような無粋な方法では終わらせん。時間稼ぎにもいい加減飽きた、そろそろ頃合いであろう?」

「令呪をもって命ずる・・・『来い、カイニス』!!!」

「やっと俺の出番か、おせえぞマスター!」

 

キリシュタリアの令呪により転移してきたのは黄金の鎧を見に纏った神霊、カイニス。

キリシュタリアの契約サーヴァントである。

 

『マスター、間に合ったか!』

「ナイスタイミングだよ、エミヤ!」

 

立香達の時間稼ぎは全てこのときのためであった。

ことの発端はバビロニアでの道中でのことであった。

 

『そういえば、この特異点から帰還したら次はいよいよソロモンだけど、なんか作戦とかあるの?』

『ふむ、色々考えてはいるが、これと言って面白そうな物がないな』

『では、こんなのはどうだろうか』

 

 

 

 

「グァッ!クッ、なんだこの威力は・・・!」

「オラオラ、こんなもんかよオイ!」

 

カイニスはゲーティアを圧倒していた。

 

「せ、先輩、ビースト反応のあるゲーティアが押されています!通常であればサーヴァント一体に追い詰められるような強さでは無い筈なのですが、カイニスさんの反応はサーヴァントというよりも神霊そのものに近いです!」

「エミヤ達がしっかりやってくれたってことだね!」

「フハハハハハ!キリシュタリアめ、これ程までサーヴァントを育てていたとはな!」

 

 

キリシュタリアが提案した作戦、それは、

 

『強化上限まで強化したカイニスでゲーティアと単騎決戦させよう』

 

120レベル絆レベル15のスキルマフォウマ宝具マカイニスによるゲーティア単騎攻略である。

 

「いやー、エミヤ達には苦労させちゃったね」

『全くだ立香。次からはもっと早く言ってくれたまえ』

 

この作戦は思いついたのがバビロニアであるため、カルデアに帰還してすぐに微小特異点(イベント)で稼いだ聖杯をカイニスに突っ込んで種火を食べさせるという作業を始めたのだ。

故に、終局特異点攻略の準備で忙しいカルデア職員達やマスターである立香とキリシュタリア、作戦会議等で忙しかったギルガメッシュでは作業の時間を取れなかったため、バビロニアから帰還したあとから終局特異点攻略が開始してからもエミヤらサーヴァント達が椀子蕎麦方式でカイニスに種火を食べさせたり、強化用の素材をかき集めていたのだ。

 

『たく、最後の方が強化に時間かかりすぎて間に合うかわからなかったんだぜ!?マジでヒヤヒヤしたわ』

「槍ニキもありがとう」

 

 

 

 

戦闘は常にカイニスが優勢。

これにはカイニスのスペックだけではなくマスターであるキリシュタリアの指示の正確さも関係していた。

 

「おいおい、やけに体が軽いじゃねえか!生きていた頃以上なんて騒ぎじゃねえぞこりゃ!」

「あ、あり得ん!何故たかが英霊風情にこの我が押されている!?」

「オレは英霊じゃねえ、神霊だ!」

 

カイニスにゲーティアが弾き飛ばされる。

 

「よし、カイニス、宝具だ!」

「いいぜ、キリシュタリア。しかと目に焼き付けやがれ!」

 

カイニスが跳び上がる。

 

「オレは自由だ!海も、大地も、オレを繋ぎ止めることはできぬ!見るがいい、飛翔せよ、わが金色の大翼(ラピタイ・カイネウス)』ッ!!

 

黄金の鳥へと姿を変えたカイニスがゲーティアに突撃する。

 

「ゴハァ!?し、神霊だと!?この魔力、威力、ハッタリでは無いとでも!?」

 

ゲーティアはカイニスの宝具を受けてもまだ立ち上がる。

しかし、それに追い討ちを仕掛けるように立香の声が響く。

 

「師匠、全スキルをカイニスにお願いします!」

「全く、師匠使いが荒いんじゃないかい、我が弟子?」

 

ライネスことキャスター司馬懿のスキルによりカイニスの魔力が半分超戻る。

 

「追加行くぞ!夢幻召喚(インストール)、『諸葛孔明』!」

 

立香が孔明を夢幻召喚すると、そのスキルをまたもやカイニスに使う。

ちなみに孔明ことロードエルメロイⅡ世はカイニスの素材を集めるためのレイシフトで過労死した。

 

「よし、もう一発行けるぜマスター!」

「駄目押しだ、カイニス!」

「おうよ!飛翔せよ、わが金色の大翼(ラピタイ・カイネウス)』ッ!!

 

再びカイニスが飛翔する。

それは確かにゲーティアに命中し、爆発した。

 

「ふむ、しぶといな。最大強化カイニスの宝具を二連打されて立ち上がるか」

「流石に魔力を装填する方法は無いんじゃないかい、我が弟子?」

「クッ、やはり対粛正(アルトリア・キャスター)グランドクソ女(プロトマーリン)奈落の虫(オベロン)もいないと火力が足りないかッ!」

「ルビが酷いな貴様」

 

すると、キリシュタリアが一つ提案する。

 

「なら、最後は私たちで終わらせるとしようか」

「ほう?」

「というと?」

夢幻召喚(インストール)、『マーリン』。さて、()()()()()()()()

 

そのスキルの使用により何かを察したのか、

 

「あー、なるほどね」

「まあ、ここまで我は何もしていないし、景気付けに一発行っておくか」

 

いそいそと何かを準備し始める三バカ。

 

「先輩、ギルガメッシュ王一体何を・・・?」

「夢幻召喚、『アルトリア・ペンドラゴン』」

「えーと、確かこの辺に・・・おっ、あった」

「恐らく見ることが出来るのは今回一回限りだろうけど、マシュ、君に流星を見せてあげよう」

 

カイニスの宝具によって巻き上げられた砂ぼこりが晴れるとゲーティアの目に飛び込んできたのは、三人の人影。

それらは自身を囲むように三方向に散らばっていた。

 

「一体何を・・・?」

「裁きの時だ、ゲーティア」

 

その人影の内の一人、英雄王ギルガメッシュがそう言う。

 

「原初を語る。天地は分かれ、無は開闢を言祝ぎ。世界を裂くは我が乖離剣。星々を廻す臼、天上の地獄とは創世前夜の終着よ。死をもって鎮まるがいい!」

「魔神王よ、今貴様の敗北を宣言する。今を生きる全ての人類の代表として、数多の決断、幾多の挫折、全ての繁栄を肯定しよう。この一撃をもって、獣は撃ち落とされる。変革の鐘を鳴らせ!スターズ、コスモス、ゴッズ、アニムス、アントルム、アンバース」

「束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流。決着を着けるぞゲーティア!」

 

三人は叫ぶ。

己の全身全霊を。

 

「『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!!」

「『冠位指定/人理保障天球(アニマ・アニムスフィア)』!」

「『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!!!」

 

隕石が降り注ぎ、世界を裂く閃光が狙い撃ち、人理の極光がゲーティアを滅ぼす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、魔神王ゲーティアの消滅を確認しました!」

「疲れたー!」

「これでひとまず終わりだね」

「よし、特異点が崩壊する!帰るぞ!」

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