では、本編どうぞ。
『言わせてもらうわ、何が女王陛下よ!あなたはワガママで底意地の悪い暴君じゃない!』
…また、夢か。
『フ、フフフ…お前、今なんとお言いだったね?』
『アンタはワガママで底意地の悪い暴君だとさ?』
『うぎいいい!首をおはねー!』
『『『ワアアアー!!!』』』
『女王の命令だ、首を切れ〜!』
…なるほど。なぜ、不思議な国のアリスの夢を見ているか、ようやく分かった。
きっと、これは、おそらく。リドル・ローズハートの、そして、あり得たかもしれない私の末路。
状況的に、女王陛下がリドル、その他トランプ兵はハーツラビュルの寮生、アリスは…エースとデュースかな。その後のストーリーは知らないけど…あぁ、本当にこんな事なら絵留にちゃんと聞いておけば良かった。
「だけど…私はもう大丈夫。きっと。」
「カエデ〜、おっ、今日はもう起きてたのか。」
「あぁ、グリム。確か、今日が2人の決闘の日だったね。早く準備して応援しに行こっか。」
「お、カエデ。おは…ゴホン、お目覚めでしたか、お姫様?」
「もう!いつまで引きずるのさ。」
「あははは!…ま、その調子なら大丈夫か。」
「え…エースが人の心配するなんて…!」
「おい!」
「嘘嘘。じゃ、決闘頑張ってね。」
「準備出来たか、エー…どうした?」
「…なんか、こう、妹成分を摂取した気がする…」
「何言ってんだゾ。」
大丈夫だエース!カルデアに来たら母、妻、姉、妹、後輩、子供、前世の恋人がいるからな!全部自称だけど!
「…これより、ハーツラビュル寮の寮長の座をかけた決闘を行います。挑戦者はエース・トラッポラ、そしてデュース・スペード。挑戦を受けるのは現寮長であるリドル・ローズハート。では決闘の掟に従い、挑戦者のハンデである魔法封じの首輪を外して下さい。」
そう学園長が言うと、首輪が外れる。
「あー、やっと首輪が外れた!」
…また、すぐに着けられるのがオチだろうけど。言わなかったけど。だって、あの入学式でのユニーク魔法。あれの通りなら一瞬で終わる。
「私の投げた手鏡が地面に落ちて割れるのが始まりの合図です。」
やっと、始まる。
「では…レディ、ファイッ!」
ガシャン!
……うん、早いな。試合開始同時に首輪が着けられる。多分、オフウィズ言ってたんだろうけど、首輪の装着音と重なって聞こえんかったわ。
「ぐ…くっそ、魔法を具現化する暇も無しかよ!」
「ここまで手も足も出ないなんて…!」
瞬発力の差か?手鏡が割れるのとほぼ同時に魔法が唱えられていた。おそらく耳で聞いて即座に反応したんだろうね。それに対し、エースとデュースは目視で手鏡が割れるのを見ていた。そりゃ反応の差で負けるわ。
「フン、5秒もかからなかったね。その程度の実力でよく僕に挑もうと思ったものだ。恥ずかしくないの?やっぱりルールを破る奴は、何をやっても駄目。お母様の言う通りだ。」
…お母様?
「子分…」
「いや、うん。大丈夫、大丈夫だから。」
「ふな…」
「くっ…確かにルールは守るべきだ。でも無茶苦茶なルールを押し付けるのは横暴だ!」
「はぁ?ルールを破れば罰がある。そして、この寮では僕がルールだ。だから従わない奴は首をはねられても文句は言えないんだよ!」
「…つまんな。」
「…今、なんと?」
「つまんねーって言ったんだよ!ルールだって?はっ、ルールなんかなぁ!破るためにあるんだよ!どうせ訳分からんルールばっかりあるんだろ?食後の飲み物だって、曜日によって昼食を決められる筋合いは無い。」
「…ルールを破る?ルールは従うものだ。そんな簡単なことも分からないなんて君は一体どんな教育を受けてきたの?どうせ大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ。」
「…テメッ………!」
「ふざっっっけんなよっっっ!!!」
エースが思いっきり、リドルの顔を殴る。
「み、右ストレート…」
「綺麗に顔面にキマったんだゾ!」
「え、エース!?」
「…あー、もういい。寮長とか、決闘とか、マジどうでもいいわ。」
「痛…え?僕、殴られた…?」
「子供は親のトロフィーじゃねーし子供の出来が親の価値を決めるわけじゃないでしょ。お前がクソ野郎なのは親のせいでもなんでもねーってのがたった今分かった!この学園に来てからお前の横暴さを注意してくれるダチの1人も作れなかったてめーのせいだ!」
「何を…言ってるんだ?」
「正直トレイ先輩からアンタの過去を聞いてさ。カエデに境遇似てるなーって思った俺が馬鹿だった。ママ、ママってそればっかかよ!自分じゃ何も考えてねーじゃん!カエデの方がよっぽど良いわ!お前は魔法が強いただの赤ちゃんだ!」
「エース…」
「赤ちゃん…だって?この僕が?何も知らないくせに!」
「あ〜、知らないね!知る訳ねぇだろ!あんな態度で分かると思うか?甘えてんじゃねーよ!つーか親の事カエデに謝れ!」
「うるさいうるさいうるさい!黙れ!!お母様は正しいんだ!だから僕も絶対正しいんだ!」
…はぁ。
「うるっせぇこの赤野郎が!キャンキャン喚くんじゃねーよ耳障りだわ!そんなにお母様の事が好きなら家に帰ってこう言えば?ママー、僕ちゃんママの言う通りのことしかできないのー、ってな!」
「…首をはねろ!」
「遅い!」
飛んできた首輪を上へ蹴り飛ばす。
「遅い遅い。ウルクで戦ったキングゥの方がよっぽと速かった。というか、あーごめんね!赤ちゃんだからそんなゆっくりなものしか出来ないんだごめんねー!!!つーかなんでもかんでも魔法したんじゃねーようっざいわ!」
「新入生の言う通りだ!もううんざりなんだよ!」
生卵が飛んできてリドルにぶつかって割れる。
「えっ、コントロール良…」
「なんだ…卵?寮生が投げたのか…?」
「誰だ!僕に卵を投げたのは!」
しかし、誰も答えない。
「フ…ハハハ、アハハ!!!うんざりだって?うんざりなのは僕の方だ!何度首をはねても、どれだけ厳しくしてもお前たちはルール違反を犯す!どいつもこいつも、自分勝手な馬鹿ばっかり!いいだろう、名乗り出ないなら全員連帯責任だ!全員の首をはねてやる!」
たくさんの首輪が寮生に向かって飛んでいく。
「う、うわああ!」
「逃げろ!」
「ぐええっ!首輪がっ…!」
「アハハハ!どうだ!誰もボクに手も足も出ないだろう!やっぱりルールを厳守するボクが一番正しいんだ!」
「おやめなさいローズハートくん!君らしくない!」
「おいお前!なんでも自分の思い通りになるはずないだろ!そうやってすぐ癇癪起こすところが赤ちゃんだって言ってんの!」
「今すぐ撤回しろ!串刺しになりたいのか!」
「やだね、絶対にしねぇ。」
「うぎいいいいい!!!!!」
「ガチでやばいって!お前ら逃げろ!」
「うわわっ!薔薇の木が全部浮き上がっていくんだゾ!?」
「薔薇の木よ!あいつの身体をバラバラにしてしまえ!」
「いけない!避けなさい!」
「……ッ!」
「『イミテーション・キングゥ』」
「…あ…れ…生きてる?ってなんだこれ、鎖…?」
「『あはははは!串刺しだねぇ?分かるとも!』」
「…カエデ?」
「『はぁ…エース、君も早く逃げたら良かったのに。おかげでハーツラビュルの奴らに魔術を見せちゃったじゃないか。』」
「うげ…その作り口調気持ち悪い…」
「あ、そう?じゃ、やーめよっと。ま、私が止めなくてもトレイ先輩が上書きしただろうけど。とりあえず寮生の首輪外してあげて下さい。」
「…魔法封じの首輪が外れた!」
「言っただろ、俺のユニーク魔法は少しの間ならどんな要素も上書き出来る。だから…リドルの魔法を俺の魔法で上書きした。」
「うっそ、そんなんあり!?チートじゃん!?」
「くっ…!首をはねろ!首をはねろったら!なんでトランプしか出てこないんだよぉ!」
魔法封じの首輪だけでなく、鎖で防いだ薔薇の木すらもトランプに変える。
「リドル、もうやめろ!これ以上はお前が孤立していくだけだ!みんなの顔を見てみろ!」
「ほ、本気でやるつもりだったのかよ…」
「流石にやりすぎだろ…」
「ば、化け物だ…」
「は…?トレイに魔法を上書きされた…?僕の魔法より君の魔法のほうが優れてるってこと?」
「そんなことあるわけないだろ!いったん落ち着いて話を聞け!」
「君も僕が間違ってるって言いたいの?ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに!いっぱいいっぱい我慢したのに!僕は…僕は……信じないぞ!!!!!」
学園長が切羽詰まった声で叫ぶ。
「いけませんローズハートくん!それ以上魔法を使えば、魔法石がブロットに染まりきってしまう!」
ブロットってなんですかー!!!いきなり新単語を出さないでほしい。
「僕が…僕こそが!絶対!絶対!!正しいんだーーー!!!!」
リドルの体から黒いインクのようなドロドロとした液体が流れ出てくる。
その液体はやがて形を成し、ドワーフ鉱山にいた化け物と似通ったものへと変化した。
リドルの服装も変わり、右目にオーラが漂う。
…それで、なーんか似たようなもの見たことあると思ったら。
「ボイド・イドラじゃねーか!」
…あ、良いこと思いついた。セプテムでの再現、してみようか?
vsキングゥは転生者FGOバビロニア編を読んでください(この話更新時にはまだ出てない)
セプテムの再現も転生者FGOを見てほしい。見なくても良いけど!
そういえば「串刺しだねぇ分かるとも」って何が分かるんでしょうね???