はい、三話です。どうやっても原作コピーになってしまうぅぅぅぅ
本編どうぞ…
「ん…でぇっ!寮長!?」
エースが振り向くと、そこには赤い髪の生徒がいた。
「おっと、リドルくん。今日も激ヤバなくらいかわい~ね♪」
「ふん。ケイト。あまりおしゃべりが過ぎるとそのよく回る口ごと首をはねてしまうよ?」
みいやいや、勘弁してよ~!」
「ふなっ!?コイツ、入学式でオレ様に変な首輪つけたヤツだゾ!」
「あっ、SMプレイの!」
「監督生!?!?!?」
楓のリドルに対する第一印象はやはりあの特徴的な首輪なので。
「………キミたちは、昨日退学騒ぎになった新入生か。人のユニーク魔法を「変な首輪」呼ばわりするのやめてくれないかな。まったく…学園長も甘い。規律違反を許していてはいずれ全体が緩んで崩れる。ルールに逆らったやつはみんなひと思いに首をはねてしまえばいいのに。」
「そうやって殺人を推奨するの良くないと思いまーす。」
「比喩だからな比喩!…監督生も寮長も、顔に似合わず言うことこっわ…」
「学園長はキミたちを許したようだけど次に規律違反をしたらこのボクが許さないよ。」
「…ところで寮長、この首輪って…外して貰えたりしませんかね?」
「反省しているようなら外してあげようかと思っていたけど、先ほどの発言からしてキミに反省の色があるようには見えないな。しばらくそれをつけて過ごすといい。心配しなくても、1年生の序盤は魔法の実践より基礎を学ぶ座学が中心だ。魔法が使えなければ昨日のような騒ぎも起こさなくて、ちょうど良いだろう?さあ、昼食を食べたらダラダラしゃべっていないで早く次の授業の支度を。ハートの女王の法律・第271条『昼食後は15分以内に席を立たねばならない』。ルール違反は…おわかりだね?」
「はぁ、また変なルール…」
「返事は『ハイ、寮長』!」
「はい、寮長!」
「はーい、りょーちょー。」
「…よろしい。」
「まあまあ、俺がちゃんと見張っておきますから。」
「…フン。キミは副寮長なんだからヘラヘラしてないでしっかりしてよね。ボクはハートの女王の法律・第339条『食後の紅茶は必ず角砂糖を2つ入れたレモンティーでなければならない』を守るために購買に角砂糖を買いに行かなきゃならないから、これで失礼。全く、シュガーポットに角砂糖を切らすなんて重罪だよ…」
ブツブツ言いながらリドルは去って行った。
「…ひえ~…焦った~…」
「超カンジが悪いんだゾ、アイツ!」
「コラ!失礼だぞ!」
「そうだぞ。だいたいさっきみたいに絡んでくるやつがいるくらいだし寮長も大変そうじゃないか。」
エース達の同じ腕章をつけた生徒がコソコソ話す。
「寮長、行ったか?」
「俺、ハートの女王の法律・第186条『火曜日にハンバーグを食べるべからず』に違反してハンバーグ食べてたから見つかったらどうしようかと思った。」
「はぁ…食うものくらい自由にさせて欲しいよな~…」
「「……」」
「前言撤回。やりすぎじゃないか!!!」
「…寮長は、入学して1週間と経たずに寮長の座についた。少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思ってのことで、根は悪い奴じゃないんだ。」
「根が良いヤツはいきなり他人に首輪つけたりしないんだゾ!」
「それな!…で、ユニーク魔法って何?」
「リドルくんのユニーク魔法のこと?」
「ユニーク…ということは、寮長独自の魔法ということですか?」
「厳密に世界で1人かはさておき…一般的にはその人しか使えない個性的な魔法のことを『ユニーク魔法』と呼ぶ。そのうち授業でちゃんと習うと思うぞ。」
「リドルくんのユニーク魔法は『他人の魔法を一定時間封じることができる魔法』。その名も…」
『
「魔法士にとっては魔法を封じられるのって首を失うのと同じくらいイタいからね~。ってわけで、寮内ではリドルくんのルールには逆らわないほうがいいよ。」
「逆にルールにさえ従っていればリドル寮長も怖くないってことだ。」
「そういや、オレタルト買って帰らないとまたケイト先輩に追い出されるわけ?」
「何それ?」
「そうだね~。ハートの女王の法律第53条でそう決まってるからさ。あとリドルくんは特にホールケーキの最初の1ピースを食べるのを楽しみにしてるから、きっとホールじゃないと許してくれないよ?」
「仲良くしようとか言っといてそこは見逃してくんねーのかよ!」
「それはそれ、これはこれ。」
「しかし、タルトをホールでってだいぶ高くないか?」
「そうなの?」
「げー。オレそんな金持ってないんですけど。」
「エースってば貧乏なんだね。」
「はぁ!?普通高いでしょ。監督生、タルトの相場分かってる?」
「5000くらいでしょ?」
「まあまあ高いと思うんだが…」
残念、楓は地方のホテルの支配人の娘…つまりは一応お嬢様の立場なため、若干金銭感覚が違っている。
「じゃあ作っちゃえば? あのタルトも全部トレイくんが作ったやつだし。」
ケイトはそう言ってトレイの方を見る。
「意外な特技ですね。」
「あのタルト、トレイ先輩が作ったの?売り物みたいでしたよ!」
「はは、ありがとうな。確かに器具や調味料なんかは一通り揃えてあるが……タダで提供するわけにはいかないな。」
「えぇ~!?金取るのかよ!?」
「はは、後輩から金を巻き上げるわけないだろ。次にリドルが食べたがってたタルトを作るのに栗がたくさんいるんだ。集めてきてくれないか?」
「どっちにせよめんどっ。で、どれくらい栗が必要なんすか?」
「『なんでもない日』のパーティーで出すとすると…だいたい2~300個くらいかな。」
「「そんなに!?」」
「多いな…」
「栗に熱を通して皮を剥いて裏ごしするところまで手伝ってもらおうか。」
「オレ様、帰っていいか?」
「僕も。」
「私も帰りたい。」
「鬼!悪魔!薄情者!」
「ま、まーまー!みんなで作ってみんなで食べたら絶対美味しいって。思い出作りってやつ?お料理ブロガーデビューもできちゃうかもよ。」
「ブロガーは別にいいっす。」
「寮長には内緒だけどマロンタルトは作りたてが一番美味いんだ。出来立てを食べられるのは作った奴だけだぞ。」
「おうおうオマエら!気合い入れろ!栗を拾って拾って拾いまくるんだゾ!」
「グリムってば現金すぎない?…ところで、栗拾いっていってもどこで拾えば?」
「栗の木は学園内の植物園の裏の森にたくさんあったはずだ。」
「よーし、んじゃ、放課後植物園の前に集合で!遅れんなよ!」
「ゴーゴー栗拾い!なんだゾ~!」
「おわー!本当にたくさん栗が落ちてるんだゾ。これだけあればマロンタルト食べ放題…ぐへへ。早速拾って…あいでっ!栗の棘が肉球に刺さったんだゾ!」
「そりゃそうだ。素手で拾うのは無理そうだね。拾ったものを入れるカゴかバケツも欲しいな。」
「植物園の中にどっちも有りそうじゃね?」
「行ってみるか。」
植物園の中、温帯ゾーンに入る。
「うっわー…思ったより中広い。」
「これだけ広いと管理してる奴がいるはずだな。手分けして探してみるか。」
「んじゃ、俺は右に行く。」
「俺は左に。グリムと監督生はまっすぐ奥へ行ってみてくれ。」
「なあなあ、コッチ来てみろよ。なんかフルーツがたくさんなってる!良い匂いなんだゾ~!」
「見た事ない植物がいっぱいあるな…っと、これは…尻尾?」
覗くと、ライオンの獣人が昼寝をしていた。
「アンタここの管理人さん?それにしては柄が悪いそうな…」
「ちょっ、グリム。この人寝てるのに起こしたら…」
「…本当にな。こちとら気分よく昼寝してたとこだってのに起こしやがって。最悪だ。」
「…すみません。」
「ん?お前…あァ、入学式で鏡に魔法が使えねぇって言われてた草食動物か。ふぅん………いや、待て。お前、まさか…」
「…何か御用ですか?」
「…はっ。本当にちっとも魔力の匂いがしねぇ。無抵抗の相手を痛めつけるのは気が進まないんだけどなァ。それに…まさかここに女がいるとはなぁ?」
「…っ。…あぁ、獣人というのは嗅覚がすごいのか。」
「そんなに警戒するなよ。取って食ったりしねぇよ。」
「それは信じられない。」
「ひどいなぁ?」
「うっ、なんだかわからねぇけど、コイツに睨まれると背中の毛がゾワゾワするんだゾ!」
「そんなに警戒するなよ。うっかり口がすべるかもしれないがな?」
「ユウ、早くずらかるんだゾ!」
「…もし、あなたが言いふらそうものなら、」
「レオナさーん!どこっすかー!」
声が響く。
「…あ?」
「もー。やっぱりココにいた。レオナさん、今日は補習の日ッスよ。」
「はぁ…うるせぇのが来た。」
「レオナさん、ただでさえダブってんスから。これ以上留年したら、来年はオレと同級生ッスよ?」
「えっ、この人ダブってんの!?」
「あー、うるせえな。キャンキャン言うんじゃねぇよ、ラギー。そこの…草食動物もな。」
「草食動物とはもしや私のことか?」
「オレだって言いたかないッスよ!もー、やればできるのになんでやんないんスかぁ。ほら、行くッスよ!」
「チッ…今度俺の縄張りに入る時には気を付けろよ。草食動物ども。」
「おい、今度の計画。あの草食動物を警戒しておけ。」
「はぁ?なんでっすか。ただの1年っすよね?」
「…気にするな。俺の直感だ…」
「レオナさんがそこまで言うなんて…」
「…ぷはぁ~!!緊張したんだゾ!なんなんだあの凄みのある管理人さんは!?」
「いやダブってる先輩だろ。レオナ先輩…だっけ。あの…ラギー?って獣人の先輩が言ってたし。」
「…おっ、監督生とグリム。あっちにカゴとトングがあったぜ~。」
「…2人ともどうかしたのか?」
「ハッ、そうだ。栗拾い!いっぱい拾わないとタルトの食いブチが減るんだった。コワイ管理人さんの話は栗を拾いながらするんだゾ!」
「いやだから管理人じゃないって。」
栗を拾いながらさっきの出来事を説明する。
「…ってことがあったんだゾ。」
「いや、絶対ソイツ管理人じゃないっしょ。」
「黄色いベストを着てたから…おそらくサバナクロー?の生徒だろうね。」
「もしかしてナイトレイブンカレッジって不良が多いのでは…?」
「今更なのでは?」
「とりあえず、かなりたくさん拾えたしこんなもんっしょ。トレイ先輩のとこ持って行こーぜ!」
「にゃっはー!タルト楽しみなんだゾ~!」
「お帰り。ずいぶんとたくさん拾えたな?」
「ほとんどエースとデュースのおかげですけどね…」
「これならでっけータルトが作れるんだゾ!」
「その分、これだけの量を剥くのは大変だと思うが…頑張れよ。」
「こ、これ全部か…」
「気が遠くなる…」
「お菓子作りは下ごしらえが大切なんだ。」
「へーへー、わかりました!こーなったらとことんやってやろうじゃん!」
「やっと全部剥き終わった〜…」
「もう指と手首が痛くて動きませーん…」
「はは、さすがに骨が折れたなでもまだ終わりじゃないぞ。次は裏ごしだ。」
「嘘やん。」
「えぇっ!?まだやることがあるんですか…!?」
「だーっ!やっと裏ごし全部終わった!」
「腕が痛い…」
「………」
「監督生とか疲れすぎて表情抜け落ちてるし…」
「はは。お疲れ。苦労した分、きっと美味いぞ。」
「もう匂いだけでお腹いっぱいなんだゾ~。」
「このマロンペーストにバターと砂糖を加えて…最後に隠し味のオイスターソースを適量加える。」
「「オイスターソース!?」」
「そうそう。カキからたっぷり出た旨味がクリームに深いコクを与える。この『セイウチ印のヤングオイスターソース』。有名パティシエならタルトにこれを使わないやつはいないぞ。」
「マジか…かなりしょっぱいソースだよな。」
「でも確かにカレーにチョコ入れたりするし…アリなのかも。」
「お前ら料理した事ないんか???嘘に決まってんだろうがよ。」
「…プッ。アッハッハ!嘘だよ。監督生の言う通り、お菓子にオイスターソースなんか入れるわけないだろ。」
「なんだよ!本気にしちゃったじゃん。」
「ははっ!ちょっと考えればありえないってわかるだろ。なんでも鵜呑みにせず疑ってかかれってことだな。教訓、教訓。」
「コイツ、優しそうに見えてさらっと嘘をつくヤツなんだゾ…」
「次に生クリームを…あっ。」
「…?どうかしましたか?」
「お前たちがたくさん栗を取ってきてくれたから調子に乗ってマロンペーストを作りすぎた。混ぜる生クリームが少し足りないな…」
「僕、買ってきますよ。学内の購買部で売ってますか?」
「あの店、だいたい何でも揃ってるから置いてると思うぞ。ついでに他にも買い出し頼んでいいか?牛乳2パック、卵2パックアルミカップと果物の缶詰5つと…」
「…1人じゃ持ち切れそうにないな。監督生、一緒に来てくれるか?」
「いいよ〜。…実は購買部って初めて行くんだ。ちょっと楽しみ。」
「オレ様も行くんだゾッ!もう粉をマゼマゼするの疲れた~!」
「すいませーん…って、スゴい店だな。髑髏の水晶に、魔術書…これ、なんの剥製だ?」
「うわ~。本当に生クリームなんか置いてるのか?」
「そもそもここ本当に購買部?いや、疑ってるわけじゃないけど…」
「Hey!迷える小鬼ちゃんたち、ご機嫌いかが?ようこそMr.Sのミステリーショップへ。今日はなにをお求めかな。秘境のお守り?古代王のミイラ?それとも呪いのタロットカード?」
「ふなっ!?!?!?」
「うわぁ!?」
「びっくりした…」
いつのまにか、購買部の店長、サムが立っていた。
正直言ってハートの女王の法律で一番意味が分からないのは、124条の「体がずぶ濡れになったら、海の中で走って体を乾かさなければならない」ってやつです。