原作コピーにならないかが心配。心配もクソも無いがな!
本編どうぞ。
前回のあらすじ!
なんやかんやあって購買に来たよ!
「あの、このメモに書いてあるものが欲しいんですが。」
「あとツナ缶が欲しいんだゾ!」
「ツナ缶は無しでお願いします。」
「何々?生クリームと卵と…これまたSweetなラインナップだ。OK!In Stock Now!今出してくるよ。」
「おぉ…本当にあるのか。」
「購買ってこんなものもあるのか…?」
少しして、サムが戻ってくる。
「はい、お待ちどう様。重たいけど持てるかい?今なら荷物運びにも使える宙に浮かぶ円盤1/100サイズが30%OFFでお買い得だよ?」
「なんだそれ、おもしろそうなんだゾ!」
「け、結構です!行くぞグリム!」
「ふむ、ちょっと気になるな…」
「監督生まで!」
「ぶにゃ~!もっと遊んで帰るぅ~!」
「OK、OK。それじゃあ小鬼ちゃんたちのまたのお越し、お待ちしてマース!Bye!」
「なんだかスゴい店だったな。」
デュースが呟く。
「ちぇっ。デュースのけちんぼ。」
「誰がけちんぼだ!…んんっ!監督生、そっちの缶詰の袋、重たいだろう。僕が持つ。重たい袋を持つコツがあるんだ。」
「そんなコツあるんだね…」
「ああ。タイムセールの時に母さんがとにかく買い込むから、毎回袋がメチャクチャ重くて。ウチは男手が僕だけだったから、そういう力仕事は僕が全部…っと、悪い。僕ばかり喋ってた。」
「…家の手伝いして偉いね。お母さんを大事にしてるのがよく伝わるよ。」
それに、ちゃんと大事にされてる。………私とは、大違い。
「…いや、全然そんなことはない。俺は、母さんを…痛っ!」
曲がり角で生徒とぶつかる。
「あ~!卵が!」
「くそ、6個パックがひとつ全滅だ!ビニール袋ん中が卵だらけに…!」
「ッテェな! どこに目ぇつけて…って……おおおお前ら昼に学食で俺のカルボナーラの卵割った奴らじゃねえか!?」
「いいい、いい加減にしろよな~!?」
「…角から飛び出してきたのは先輩たちじゃないですか。昼休みだって、卵が食べれなくなったわけでもねぇのにイチャモンつけてきて…こっちは今、卵1パック全滅したんすけど?」
「そうだそうだ!」
「なんだと?俺のせいだって言いてぇのか?」
「はい。卵、弁償してください。あと鶏にも謝ってください。」
「はぁ~?卵ごときで大げさな。」
「…あ?」
なぜかデュースがキレかけている。そこにキレる要素あったk…いやあったな、卵1パックって地味に勿体ないし。そんな物をタルトに使えない。
「まだ地面についてないから食えんだろ?細かいことごちゃごちゃ言うなよ。」
「割る手間が省けてよかったじゃん!」
「「あっはっはっは!」」
ふーん。じゃあ然るところに出しても、
「…ってんじゃねぇ……」
「…は?」
なんて?
「笑ってんじゃねぇっつってんだよ!!あ"ぁ!?ごときかどうかはお前らが決めることじゃねぇ!この卵はなァ、ヒヨコになれないかわりに美味いタルトになる予定だったんだぞ!!わかってんのか、え"ぇ!?」
「ヒッ!き、急になんだコイツ!?」
「卵6個分。弁償しねぇっつーなら6発てめーらをぶっ飛ばす。」
「えっ、ハァ!?」
「おう、それはいいなぁ…じゃあ私はその倍の12発。…あ、グリム荷物持っててね?」
「歯ァ食いしばれやゴルァ!!!」
「私達に喧嘩売った事、後悔させてやるよ!」
1分後。
「こ、こいつら、なんてマッドな野郎だ!6発や12発どころじゃねーじゃねーか!嘘つきっ!」
「ヤベエ!逃げろ!鶏さんごめんなさーい!!!」
「今度卵食う時は100回謝ってから食え!ダァホが!!!」
「今度絡んできたらマジで殺すよ!」
「ひぇぇ~!」
「ハア、ハァ…ウッ!!!」
「どうしたんだゾ!?」
「ま、まさか持病が!?」
「や、やっちまった…」
「な、何を!?」
「今度こそ、絶対、絶対優等生になろうと思ってたのに…!」
「…ええ?」
「俺はミドルスクールの頃、とにかく荒れてて…しょっちゅう学校サボって毎日ケンカに明け暮れてた。先生の名前は呼び捨て、ワルい先輩とツルんでたし髪の毛もメチャクチャ脱色してた。マジカルホイールで峠も攻めてたし…魔法を使えないヤツに魔法でマウントを取ったりするどうしようもない不良だったんだ。」
「今時なかなか見ないくらいテンプレなワルなんだゾ!」
「…」
それくらいなら軽い方では無かろうか?…いや、うーん。
「でも、ある夜…俺に隠れて泣きながら婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。自分の育て方が悪かったんじゃないか、片親なのが良くなかったんじゃないかって。…そんなわけねぇのに。母さんはなんにも悪くねぇ。悪いのは全部俺だ!だから、名門であるナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたんだ。……なのに、ちくしょう!」
「デュース…」
「…でもよぉ、全部我慢するのが優等生なのか?」
「…え?」
「オレ様だってさっきの不良どもにはあと10発くらいパンチしてやりたかったんだゾ!…その前にオマエラがやっつけちゃったけど。」
「それに、私だって何発もやっちゃってるしね。」
「お前たち…」
「正直スカッとしたし…確かに、無闇矢鱈に暴力を振るうのは良くないけど、こういうのなら大丈夫だよ。多分。」
それに、その思いがある限り、デュースは悪の道には進まないだろうね。/そういう親で羨ましい。
だから、安心して欲しいと思う。/私にはそんな親はいなかったのに。
「そっか…へへ、ヒヨコも安らかに成仏してくれるよな。」
「もしかして…えーと、落ち着いて聞いてください。食用として売ってる卵は基本無精卵。無精卵からは…ヒヨコは生まれないんだ。」
「え、えええ!?!?!?嘘だろ!?!?!?」
「いやうずら卵とかなら…って聞いてないや。」
まぁ…今まで知らなかったのなら、仕方ない、か?
ポタ。
インクが、貯まる。
「おっ、帰ってきた帰ってきた。随分遅かったじゃん?」
「色々あったもので…」
「それじゃ一気に仕上げよう。みんな準備はいいか?」
皆役割を分担してタルトを仕上げていく。
…デュースは使い物にならなかったが。
「な、なんとか形にはなった…?」
「は~、やっとここまできたって感じ…」
「あとはタルトのてっぺんにマロングラッセを乗せるだけなんだが…」
「眼鏡、オマエがやってくれ~。もう腕が上がらねぇんだゾ…」
「了解。それっ。」
トレイが魔法を使ってタルトを仕上げた。
「…うん、匂いはいいし、見栄えもそこそこ。お前たち、お疲れ様。後は、最後に粉砂糖をふりかけてっと…」
「「完成~!!」」
「かんせーい…」
エースとグリムは元気に、デュースは元気が無さそうに言う。
「…なぁ、コイツ、買い出しでなんかあったの?」
「ヒヨコショックがね…」
「俺が16年間信じてきたものは一体…」
「ま、なんでもいいか。それにしても、お菓子作りって時間かかるんだなー。メチャクチャ疲れたぁ…」
「おつおつ、おっ、タルト完成した?デコレーションかわいーね!マジカメ映え~ってカンジ♪1枚撮らせて?」
いつの間にかケイト先輩が来ていた。ケイト先輩は私達に構わずスマホでタルトの写真を撮っている。
「あーっ!アンタ、今さら何しにきたんだよ。」
「エース、先輩だから敬語。」
「いいよいいよ。可愛い後輩たちが頑張ってるかな~って様子見に来たんじゃん。あはは、めっちゃ疲れた顔してるし!」
慣れないことすると疲れるよな。というわけで、疲れた時には甘い物だ。出来たてマロンタルトを召し上がれ。」
あ、食べさせてくれるんですね…
「ケイト先輩、やっぱ完成見計らって食いにきただけじゃん!」
「まあまあ♪味見係ってことで!」
「ふわぁぁ…甘くていい匂いなんだゾ~。上に乗った栗がツヤツヤで、下のクリームがフワフワだ!いっただっきまーす!」
グリムのその語彙力はどこから…?
「んっ、やばっ!」
「んまーい!」
…あれ、今ケイト先輩の表情が……気のせいかな。
「スゴい、店に売ってるやつみたいだ。」
「これほどの味、あまり食べた事ないよ…」
「甘すぎず、それでいて濃厚なお味!お口の中が栗畑なんだゾ~!」
「栗畑…?」
「それ、褒めてるのか?」
ワイワイ騒いでいると、ふと、ケイト先輩が思い付いたかのように言った。
「そだ。ねーねー、トレイくん、アレやってよ。」
「アレ?…ああ、アレか。」
「アレって?」
「お前たち、好きな食べ物はなんだ?」
「オレは、チェリーパイとハンバーガー。」
「オレ様はツナ缶なんだゾ。あとは、チーズオムレツと、焼いた肉と、プリンと~…」
「強いて言えばオムライス、ですかね。」
「オレはラム肉のグリル・ディアボロソースかけ。」
「…監督生は?」
………好きな物。
……………適当で、いいかな。
「『そうですね、では、蜂蜜たっぷりのパンケーキで。』」
「……それじゃあ、いくぞ。…『薔薇を塗ろう(ドゥードゥル・スート)!』」
トレイ先輩が魔法をかける。
「…?これは?」
「ではマロンタルトをもう一口どうぞ。」
「ん?んんん?これは…マロンタルトなのにチェリーパイの味がする!」
「ツナ缶の味だ!はぐはぐっ!おわっ、今度はチーズオムレツ!鶏肉のグリルに、はぐはぐっ、プリンの味なんだゾ!」
…確かに、蜂蜜のかかったパンケーキの味がする。
「面白いでしょ?コレ、女の子とお茶する時に鉄板でウケると思わない?」
…そうなんだろうか。
「スゴいですね。味を変える魔法がクローバー先輩のユニーク魔法なんですか?」
「正確には、『要素を上書きする魔法』だな。味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる。効力は短時間しか持たないからドゥードゥル(落書き)みたいなものだ。だから俺はこの魔法をドゥードゥル、落書きって呼んでる。」
要素を上書き。…良いな。それさえあれば、あの時…
「トレイの『ドゥードゥル・スート』の魔法があればツナ缶食べ放題も夢じゃねぇってことかぁ。意地悪なリドルの魔法なんかより全然スゴイんだゾ!」
妙な空気になる。
「いや…俺の魔法なんか、寮長の魔法に比べれば子どものオモチャみたいなものだ。レベルが違うよ。…さ!今日はもう遅い。タルトを寮長に渡すのは明日にして、寮に戻ろう。明日は『なんでもない日』のパーティーだ。遅刻するなよ?」
「はぁ…カエデ、また泊めてくんない?オレ、意地悪な先輩に寮に入れてもらえないみたいだし!」
「あらー。棘のある言い方~。」
「こらエース。あまり監督生に甘えるのはよせ。」
「そうだゾ!今日も泊まるなら宿賃払え!ツナ缶10缶!」
「えー!じゃあ野宿しろってのかよ~!」
「いや、そんなことしなくても泊まるくらいなら…」
「じゃあ、デュースもお目付け役としてユウの寮へ泊めてもらったらどうだ?副寮長の俺が外泊許可を出してやるぞ。」
「トレイくんってば、新人ちゃんに甘くない!?いいなー。ね、カエデちゃんオレも行っていい?」
「お前はダーメ。」
「ちぇ。さげぽよ。」
「じゃあ、監督生。うちのが2人も邪魔して悪いが、明日までよろしくな。」
「はい。では、また明日。」
「明日は『なんでもない日』のパーティー。絶対、この首輪を取ってもらうからな!見てろよ、寮長!」
「タルトを返すだけだし、何をやる気になってるの…?」
先輩2人と別れ、オンボロすぎてもはや寮では無いオンボロ寮に向かう?
「あ、そうだ。かんとくせーい?」
「ん?まだ何か問題が」
「なんであの時嘘ついたの?」
「ッ。」
え。
「嘘?」
「そう。トレイ先輩のユニーク魔法の時。あん時言ってたパンケーキってそんなに好きじゃないんじゃない?」
「……や、やだなぁ。あそこで嘘を吐く必要が無いじゃん。」
「…。…そうだぞ、何言ってるんだエース。」
「…そう。アンタがそれでいいならいいけどさ。」
「『うん、嘘っぽく見えたならごめんね。』」
「…まぁ俺は気にしないけど。」
「僕もだ。」
「……あ、調理室に忘れ物した。監督生、先行ってて。」
「あ、うん。分かった。」
「僕も行こう。また何か問題を起こしたら大変だからな。」
「何もしねーって!じゃ、また後で。」
「なぁ。」
「分かってる。やっぱり、何か隠してるよな。」
「監督生って言われる時とカエデって呼ばれる時。反応を確認したけど、カエデの方が良さそう。」
「…そうなのか。僕には分からなかった。」
「何が地雷だ?」
「…立場の違い?」
「…あー、分かる。こう、立ち振る舞いが優雅っていうか?」
「…あ、そういえば、さっき買い物に行った時、僕の母さんの話をしたんだ。その時…そうだ。その時の目がおかしかった。」
「おかしい?」
「ああ。なんというか、あれは…羨ましい、みたいな?」
「…つまり、親と何かがあったっぽいな。」
「…それに、昔ああいう雰囲気のやつらを見たことがある。そういう奴らは大抵、…事件を起こしてた。」
「事件!?いや、もしかしてそいつらの共通点って親を嫌ってた?」
「…あぁ。」
「とりあえず、親の話題は出来るだけ出さないようにしようぜ。」
「そうだな。」
改めて言います。
不知火楓は闇深。いわゆる毒親と呼ばれる物で、親戚に藤丸立花という勉学も運動も出来て、さらに社交的、性格も良い、みたいな人間がいるせいで楓の両親は常に立花と楓を比べていた。何をやっても、どれだけ頑張っても、「でも藤丸家の子には」「藤丸家の彼女に比べてあなたは」
教育的指導として娯楽を禁止され、目標水準まで達さなければ暴力も。
訴えようにも、両親は地方のホテルを経営しているお金持ち。もちろん外面は良いので、子供が過剰に訴えているだけだと。
そうして出来たのが、彼女。正しく狂った狂人であり、精神はとっくに限界を迎えていた。すでに壊れた彼女は新たに人格を生み出した。それが不知火・ボイドこと、不知火音切。彼女はまさしく前世の存在であり、その境遇から、中途半端に楓に知識が受け継がれた。
それから、リィンカーネーションズと出会い、そして、ツイステッドしている世界に。
では。本当の彼女の居場所はどこにあるんでしょうね?
毒親の手の内?リィンカーネーションズ?それとも…?