ドラゴンクエスト ダイの大冒険Ⅱ   作:だいまどう

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竜達との邂逅

「メルル、何か分かったか?」

 

ポップが待ちきれず声をかけると、メルルは水晶玉に手をかざしながら答えた。

 

「…竜の像…そして湖が見えます…」

 

ポップは頭の中に情景を思い浮かべた。

 

「ってことは…あっ!もしかして…」

 

「…テランですね」

 

メルルが微笑んで言った。

 

「近いな…」

 

「えっ…!?」

 

メルルはびっくりした顔をして後ずさった。

 

「なんか…すいません…」

 

申し訳なさそうな顔をしている。

 

「えっ?いや…テランならここからすぐだな、って意味だったんだけど…」

 

ポップは頭を掻いて言った。

 

「あっ…なんかもう…私ったら…恥ずかしい…!」

 

メルルは顔を両手で押さえると、みるみるうちに耳まで真っ赤になった。

 

「俺がそんな事言うわけあるかよ…」

 

「ポップさん、たまに独り言なのか何なのか分からない時があるんですよ!」

 

「…こういうのなんだか懐かしいなー。3人で旅をした時を思い出すぜ」

 

ポップはずっと続いていた緊張がほぐれていくのを感じた。

 

「…2人にしてあげましょうか?」

 

マァムが後ろからやって来ると、ニヤニヤしながらふたりの顔を覗きこんで言った。

 

「もう!マァムさんからかわないで!」

 

ポップの顔は引き攣っている。

 

「おっと…こうしちゃいられねえ」

 

そそくさとその場を離れたポップは呼びかけた。

 

「みんな俺と一緒に来てくれ!場所がわかったぞ!」

 

ポップは部屋に閉じこもって出てこないレオナ以外の皆を、城のバルコニーに集めた。

 

「まとめて行けっかな…?」

 

自分の袖を掴ませるとルーラで翔んだ。

 

 

テラン王国_

森と湖に囲まれた神秘の国。

そしてメルル達の生まれ故郷_

 

地上に降り立つと、ポップ達は人影もまばらな町の北側を通り、湖に浮かぶ小さな島に向かった。

細い参道を渡った先にある祠には、竜の神が祀られている。

竜の石像の前までくると、メルルの水晶玉が光を放ち始めた。

 

「これは…!」

 

水晶玉から伸びた光が湖を照らすと、水の底から一筋の光が空に向かって伸びていった。いつの間にか辺りには靄も漂っている。

戸惑っていると、光のヴェールの中からある意外な人物が姿を見せた。

 

「久しぶりだな…お前達」

 

一同が息を飲んだ。

 

「話は聞いているな」

 

アバンがバランに会うのはこれが初めてであったが、彼がダイの父親である事はすぐに分かった。

 

「…あなたが竜の騎士バランだったのですね。しかし…どうしてあなたがここに?」

 

「…私は竜の騎士としての生涯を終え、この世界での実体を失った。しかし、その後、天界で新たな生を受けた。私の竜の騎士としての役目はまだ終わっていない、そう神々が判断したからだ。そして、私は最後の竜の騎士であるダイの魂を見守っていた…そんな折に命が下ったのだ」

 

「あの…ダイに何が起こったんですか?」

 

マァムが尋ねた。

 

「それは私から説明しましょう」

 

バランの周りの靄が生き物のように動いたかと思うと、あっという間に竜の姿に形を変えた。

その佇まいは魔王軍のモンスター等とは明らかに違う、気品と知性を窺わせる。

 

「あなたは…もしやマザードラゴンでは…?」

 

メルルがおずおずとした調子で訊くと、竜は穏やかに答えた。

 

「…昔そう呼ばれていた事もありました。しかし、今はバラン同様、神の計らいによって、僅かな間だけ魂を繋ぎ止めている、竜の紛い物に過ぎません」

 

「そんな事…」

 

マザードラゴンは落ち着いた様子で続けた。

 

「まず、地上の皆さんに今起きている事についてお話しします」

 

皆の顔つきが変わった。

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