「案外大きい島なんですね──」
ノヴァは砂浜に立ち島全体を見廻して言った。
「うん。でもまぁ──歩こうと思えば1日でまわれちゃうんだけどね」
ダイが懐かしそうに辺りを見回しながら歩き始めると、ノヴァはその背中を慌てて追いかけた。
その時、不意にノヴァの背後から影のようなものが飛び出してきた。
「うわっ!」
ふたりは慌てて身を伏せる。
(こんな所に……!)
ノヴァは纏わりつくように飛んでくるドラキーを睨むと剣の柄に手をかけた。
すると、それを制するようにダイは言った。
「──ノヴァ、大丈夫だよ」
ノヴァは笑顔のダイに対して怪訝な表情を向けた。
「いや……いくらダイさんでも危ないですよ!」
「おまえ……迎えにきてくれたんだよな?」
ダイはノヴァを無視してドラキーに話しかけると、鳥でも止まらせるかのように腕をまっすぐ伸ばした。
ドラキーはダイの腕に飛び乗ると、嬉しそうにダイの顔に体を擦り付けた。
するともう一体のドラキーがやってきて、今度はダイの肩に止まった。
何が起きているのかよくわからないノヴァは目を丸くしたままその様子を見ている。
ドラキーがキーッという声を出して合図をすると、
何かの動物の群れだろうか──
遠くから足音がドドドドっと押し寄せてくるのが聞こえてきた。
( ……今度はなんなんだ──?)
足音はどんどん近づいてくる。
まるで地鳴りのようだ。
目を凝らすと空を飛ぶ生き物も見える。
どうやらキメラやガルーダといったモンスターのようだ。
ノヴァが戸惑っている間にいよいよ地鳴りのような足音は目前に近づいてきた。
砂煙と共に見えてきたモンスターの大群。
ぱっと見て分かるだけでも──
キャタピラー、マッドオックス、オーク、おおなめくじ、キラーパンサー、ゴーレム、じんめんちょう、ももんじゃ、ベビーサタン、ギガンテス、どろにんぎょう、コング、いたずらもぐら、パピラス、マドハンド、ダースリカント、おおありくい、ごうけつぐま、あばれこまいぬ、ギズモにサーベルウルフ……などなど──
数え切れないほどのモンスターたちがこちらを目指して血走った目で走って来る。
ノヴァはその迫力に気圧され、思わず海岸ギリギリまで後ずさった。
何かぶつかった、と思い後ろを振り返ると、そこにいたのは、スライムつむりにマーマン、だいおういかにヘルコンドル、マリンスライムにしびれくらげ……
ノヴァは思わず声が出そうになる。
そしてモンスターの大群はダイのギリギリまで近づくとぴたっと止まった。
それを見てダイはうれしそうに大声で叫んだ。
「みんな!ただいま!おれ、帰ってきたよ!!」
それに呼応するようにモンスター達は歓喜の雄叫びで返事をした。
知能が高いモンスターの中には涙を流しているものまでいる──
ノヴァが目を白黒させながら固まっていると、
ダイはこちらを向きにっこりと歯を出して笑った。
「ノヴァ。デルムリン島にようこそ──」
「は、はぁ──」
ノヴァは呆気に取られたように言うと、その場に尻餅をついてしまった。
それを見てベビーサタンが舌を出しながら笑った──