ドラゴンクエスト ダイの大冒険Ⅱ   作:だいまどう

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ダイの剣がある場所はパプニカという説が濃厚ですが、この小説の中ではカール王国という設定で進めております。原作とは別物ということでお許し下さいませ…!



国王、アバン

気球は徐々に高度を落とし、カール王国東の平野に降り立った。

 

「無事に着いて良かったー」

「まったくだぜ……」

伸びをするマァムを横目に服のホコリを払いながらポップが言った。

 

カール王国の城の裏手をしばらく行った所にある丘の崖の上、ひっそりと主人の帰りを待つようにダイの剣がある。

岩に刺さっている剣を囲むように咲いている花たち。

その中で一際目立つ薄橙色の雛菊は、かつてアルキード方面に自生していた品種だという。

 

この剣はカール王国とテラン王国が共同で管理することになっていた。

しかし、実質的に機能していないテランは名前だけの存在となっており、主にカール王国がその管理を担っていた。

 

2週に一度は花の手入れをし、剣のホコリを払い、以前と変化がないかをつぶさに観察した。

そして、これは国王アバンの大切な仕事のひとつだった。

 

カール王国方面に向かって3人が歩いて行くと、遠くで煙が上がっている事に気がついた。

どうやら誰かが焚き火をしているようだ。

微かに何かが焦げる匂いも流れて来る。

 

さらにしばらく歩くと、火の側に佇む男のシルエットがはっきりと見えてきた。

──特徴のあるカールしたグレーの髪、がっしりした背中──

そして、軍服のような物を纏っている。

 

「アバン先生!」

ポップとマァムの目が輝いた。

2人が叫んで駆け出すと、焚き火の主はこちらを振り返った。

 

「おっ!遅かったじゃないですか。待ちくたびれちゃいましたよ!」

 

そう言ってアバンは弟子たちに手を振った。

 

「お久しぶりです!」

 

「先生、お元気でしたか」

 

「元気でしたよ。ポップ君もマァムもしばらく見ない間に精悍な顔つきになりましたね」

 

久々の再会を喜び合う4人だったが、呼ばれた理由が気になって仕方がないポップは早々に話を切り出した。

 

「アバン先生……ダイの事……」

 

「そうですね──さっそくお話ししましょうか」

 

「──と、その前に、大事な話があります。」

 

3人は息を呑んだ──

 

「焼き芋食べませんか!?」

 

ドッとズッコケる3人。

 

「秋は美味しい食べ物がいっぱいで良いですよねー!」

 

ゴソゴソと木の枝を焚き火に突っ込むアバン。

 

「みなさん、長旅でお疲れでしょう。サツマイモはデンプンに包まれているので、加熱してもビタミンCが失われにくいんです。疲労回復や肌荒れにも良いんですよ」

 

「あっ…はい」

 

マァムは差し出された焼き芋を受け取ると、

一口頬張った。

 

「美味しい!!」

 

「でしょう?さあさあレオナ姫もポップ君もどうぞどうぞ」

 

焚き火の周りで皆で焼き芋を頬張っていると、赤とんぼがアバンの肩に止まった。

 

「おや?君も焼き芋に興味があるんですか?」

 

「先生、焼き芋も良いけど、何で俺たちを集めたんです?」

 

ポップが指を舐めながら言った。

 

「そうそう、ダイ君の事でしたね」

 

「百聞は一見にしかずです。まず皆さんに見てもらいたいものがあります──」

 

3人はアバンに連れられてカール王国に足を踏み入れた。

街ゆく人々に気さくに挨拶をしながら、カールの街中をずんずん城に向かって歩いていくアバン。

──そしてその後ろを着いていく3人。

 

「アバン国王の後ろにいるの、大魔王を倒した勇者の仲間じゃないか?」

 

「えっ?本物?」

 

「あんなにかわい子ちゃんがいたのかい?」

 

「やっぱり凛々しいわねぇー!」

 

「うちの息子とお見合いしてくれないかしら……」

 

街の人々が噂をするのを聞いて、レオナとマァムは恥ずかしそうに下を向いている。

 

「ほら!あの子!なんだっけ魔法使いの…!」

 

「そうそう!大魔道士の、あの…」

 

ふふんと得意げな表情をするポップ。

 

「ポッポ!!」

 

ガクッと肩を落としたポップを見て、後ろの2人が何やらヒソヒソ話をしている。

 

レオナが走り寄り、半笑いでポップの肩を叩いた。

 

「ポップ君!気にすることないわよー!伝説っていうのは伝聞されていくうちにどんどん細かい所が間違って伝わったりするものよ!」

 

「まだ5年前だけどな……」

 

「おっー!ポップ君、大人気じゃないですか!」

 

アバンが嬉しそうに笑う。

 

一行がカール城が近づくと、アバンを見つけた門番達が敬礼をした。

アバンが城の隣の小径を指差すと、門番の1人が頷いた。

 

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