ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~   作:天野空

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第1話 動き出す秘密結社

【ホロライブワールド】のどこかのワールドにある洞窟。

その奥に進むと巧妙に偽装された別電子空間に繋がる扉があった。

そこに入ると広大な空間が広がる。

景色は宇宙のようで真っ暗だが所々に光が見える。

1本のくねくねと曲がった道の先に巨大な城が見えた。

この暗い世界においてもその城は自らの存在を主張するようにそびえ立っていた。

これこそ【ホロライブワールド】第六世代組秘密結社holoXの居城だった。

 

「はぁ、また目玉焼きか」

巨大なテーブルに5人の女性がついていた。

真ん中のお誕生日席に座る大きな2本の角を持つ女性ラプラス・ダークネスは皿に乗った目玉焼きを見て呟いた。

「仕方ないでしょ、ラプラス。

今回の引っ越しで蓄えをだいぶ使いましたから」

ラプラスの向かって右側に座るスーツの女性。

鷹嶺ルイが言った。

「そうだよ。

それにこよが作ったコックロボが作る目玉焼きは美味しいよ」

目玉焼きを上手にナイフで切り分けながら博衣こよりが言った。

「そうでござるぞ、好き嫌いをしていると大きくなれないでござる。

あ、おかわり」

一瞬で目玉焼きを食べた侍、風真いろはは空になったお皿を持ち上げ言った。

「こんな城なんかにするからだよ。

お金失くなるの分かるじゃん」

シャチのパーカーを着た沙花叉クロヱはフォークで目玉焼きをつつきながらぼやいた。

「な、建てる前はおまえ達ノリノリだったではないか」

ラプラスが怒る。

「ま、広いからこよはいいよ」

「そうでござるな、広いから運動もしやすいでござる」

「ま、大は小をかねるとも言いますから」

3人それぞれがフォロー?を言った。

「無駄に広くて何もないだけだけどね」

ボソッとクロヱが言った。

「く、くぅ~

吾輩だってもっと快適に過ごしたいわ!」

ラプラスは勢いよくフォークを目玉焼きに突き刺した。

「まぁまぁ一応、作戦は進んでいますから」

ルイはそう言ってラプラスをなだめた。

「お、さすが幹部。

それでどんな感じだ?」

「今は【魔界】で実地実験をしてますね」

「こよの計算ではあれでいけるはずなんだけどね」

綺麗に切り分けた目玉焼きを食べながらこよりが言う。

「ちなみに見張り兼護衛は彼女達がやってくれてるでござる」

2皿目も終わり3皿目に突入しそうないろは。

「こら、食べすぎるな。

しかし、いい人材を確保できたな」

「食に関して苦情が出ていますけど」

ルイは苦笑しながら言った。

「作戦がうまくいけば腹一杯に食べさせてやる」

「うまく行けば、だけどね」

相変わらずフォークで目玉焼きの黄身をつつきながらクロヱがぼやいた。

 

ここは【ホロライブワールド】の裏世界【魔界】。

そこのある場所に大きな槍が地面に突き刺さっており、その柄の先端が赤く点滅していた。

「あれって何の装置なんですか?」

槍の近くの岩にちょこんと座るメスゴブリンが頭の上にとまっている大きな鳥に聞く。

「私に分かるわけないでしょう。

私達はあくまでこれの護衛とこの槍にちょっかい出してくるやつがいないか見張る役ですから」

大きな鳥はそう言って翼をバサバサとならす。

よくそのゴブリンを観察すると少し胸のところが膨らんでいた。

そして、他のゴブリンのような醜悪な顔をしておらず、どちらかと言えばマスコットキャラのような愛らしい顔をしていた。

その頭に乗っている鳥もそうだ。

大きな羽を羽ばたかせているが、見た目はどう見ても精巧にできたぬいぐるみのようだった。

「しかし、なんで私達なんですか?」

ゴブリンがぼやく。

「仕方ないでしょ、他の人達は違う事を頼まれているんですから。

私だって城で丸くなって寝てる方がよっぽどいいですよ。

ああ、働きたくない」

「十分今も丸くなって寝てるけど?」

ゴブリンは頭の上で丸くなっている鳥に言った。

その時、鳥がいきなり頭を上げて周りを見渡す。

「どうかした?」

ゴブリンが不思議そうに頭の上の鳥に聞いた。

「何かが近づいて来てる」

バサッと一羽ばたきをして上空に上がる。

いた。

普通なら認識できないだろうが、この鳥は特別だった。

鳥はすぐさま下に降りてゴブリンの頭にとまる。

そして、今回の危機をゴブリンに伝えた。

「GMバイクが5台?

それは多いね」

「うん、GMが5人だなんてスリースターズの暴走並みじゃない?」

ちなみにスターズとスリースターズとでは、力の差は天と地程違う。

スリースターズの暴走にもなると上位クラスのGMが最低5人は必要と言われていた。

「さて、どうしましょうか?」

鳥はまた丸まって呟く。

「もう、ヤル気ないなぁ。

ルイさんに怒られるよ」

ゴブリンは頭の上の鳥言う。

「大丈夫ですよ、ルイさんはそんな事で怒りませんから」

鳥はそう言って丸まったままだ。

「う~ん、一応いろはさんからは封印解除はしても良いって言われたけどなぁ」

「え?

封印外せるんですか?」

鳥が慌てて顔を上げる。

「私はね、そっちはパートナーであるルイさんに許可もらいなよ」

「ですよね」

そう言って鳥はまた丸くなる。

「こら!

仕事放棄するな」

ゴブリンはその場でどたばた足踏みするが、鳥は構わず丸くなっていた。

「あ、来た」

槍の近くの岩影からも見えるところまでGMバイクが来る。

「ま、まずは様子見ですね」

首を上げた鳥はそう言った。

「確かにね」

ゴブリンも岩影からGM達の動きを観察する事にした。

「あ、私さっきルイさんに報告はあげましたので」

「了解、案外仕事はきちっとするんだね」

「だるいですけどやる事はやってますよ」

 

「さて、どうします?」

鳥がゴブリンに聞く。

「どうしますも何も邪魔するしかないでしょあれは」

槍まで来たGM達は遠くから槍を調べていたが、今はすぐ側まで来て槍を抜こうとしている。

「今、ルイさんがラプラス様を起こしに行くって言ってたから時間稼ぎだけしときます?」

「了解。

第一封印解除」

鳥が上空に飛び上がった後、ゴブリンが目を瞑り封印を解除する。

ゴブリンは光に包まれそして、鬼人の姿に変わった。

その姿は先の戦いでいなくなった小姫マモリだった。

「おい、おまえ達、それに触るな!」

マモリの声に振り返るGM。

GMは何やら話している。

その中の大柄な男性がこちらに向かってロケットランチャーを構えた。

「相手はヤル気みたいですよ」

空中から鳥がマモリに言った。

「だね」

そう返事しているマモリに向かってミサイルが発射される。

そして、GMで動いたのは3人。

合計8つのミサイルをマモリは避けながらその3人との間合いを詰める。

「やるなぁ~」

大声で大柄な男性がマモリに言う。

マモリはすぐ目の前に迫った微笑を浮かべている小柄な女性と激突した。

マモリの蹴りを腕で受けカウンターに放たれた彼女の拳をマモリは手で受け止める。

「さすがは自称ホロメン」

小柄な女性は笑顔でそう言った。

「ふん、そのうち自称じゃなくなる、予定!」

マモリはそのまま足に力を入れて女性を吹き飛ばす。

くるりと回って着地する女性。

その横に大柄な男性とロングヘアの女性が集まった。

 

「ラプラス、いますか?」

holoX城のラプラスの部屋にルイがノックをして入る。

「なんだ?

今いいとこなんだ」

ベッドでゴロゴロしながら漫画を読むラプラスがそこにいた。

「なに昼間っからゴロゴロしてるんですか?」

「ええ、何もする事ないじゃんか」

「いや、世界征服するんじゃなかったんですか?」

「うん、そのうちする」

「はぁ~

それより、こよりが例の実験をしている場所にGMが現れたと使い魔の子から連絡が入りました」

「なに?」

ラプラスは起き上がる。

「どうします?」

「もちろん、そんな面白い事、無視するわけにはいかないだろう。

いくぞ」

ラプラスはベッドから勢いよく降りるとワープゲートを作り出す。

「御意に」

ルイはゲートに入るラプラスに頭を下げてから、後に続いた。

 

GM3人が何かを話している。

マモリは警戒を解かず構えたままだ。

その頭に鳥が降りてきた。

「槍は?」

「今のところ触ってないですね。

後ろの2人のGMはこっちを見てるだけ。

1人はもう1人を庇うように立ってるからもしかしたら1人は新人かも」

「なるほどね」

「あ、ルイさんから連絡。

ラプラス様と一緒に来るって」

「それは助かる」

マモリの言葉と同時にマモリの頭上にワープゲートが開く。

そして、2人の影が現れた。

その影に驚くGM達。

鳥はゲートの方に行き、その1人の肩に止まる。

「ご苦労様でした、ベル」

その影の1人ルイにそう言われて鳥は嬉しそうに羽を動かす。

「マモリもありがとうな」

もう1人の影、ラプラスに言われて、マモリも手を上げて答えた。

「まさか、あんた達がこの変な信号を出している槍を設置したのか」

大柄な男性がラプラスに言った。

「変な信号?」

「ああ、特殊なフィールドを張るためにそんな信号が出ると言ってましたね」

ラプラスに見られたルイが答える。

「だそうだ」

「何を企んでいるの?」

ロングヘアの女性がラプラスに聞いた。

「別に」

とぼけるラプラス。

「お子さまには分からない事だったかな?」

小柄な女性がラプラスをからかうように言う。

「あ、やばい」

ルイがラプラスの肩を掴もうとする。

が。

「な!

何を!

これはなイベントキャラ扱いの吾輩達でもお金をゲット出きるようにする為の装置なんだ!」

「はぁ~」

怒りながら作戦を言うラプラスの後ろで、ルイはため息をつきながら額に手を当てた。

「お金?

あなた達ホロメンは毎月推してくれる人がくれるお金が送られてくるだろ?」

「え?」

小柄な女性の言葉にびっくりするラプラス。

「そうなの?」

ラプラスはルイに聞く。

「その話は後で。

それより槍を回収して一旦戻ります」

「え?あ、わかった」

ラプラスはGMの方に振り返る。

「ふ、その話は後でゆっくりと聞かせてもらう(ルイに)

それではここらで解散にするかな」

ラプラスが3人のGMに向かって手を伸ばす。

すると紫の気が巨大な手となり3人を襲った。

何とか避ける3人。

手はそのまま延び槍を掴む。

「しまった」

槍の近くにいた青年が言った。

槍を掴み自分の元に引き寄せるラプラス。

「それでわな」

「ま、まて~!」

青年の声を背にラプラス達はワープに入った。

 

ラプラス達は城の大広間に戻る。

「それじゃ、ゆっくりと休んで下さい」

マスコットキャラバージョンに戻ったマモリとベルはルイの言葉に頷き、トコトコ自分の部屋に戻った。

「それで、さっきの話なんだが?」

ラプラスはルイに聞いた。

「はい?」

罰悪そうに返事をするルイ。

そこにクロヱが通りかかった。

「あ、いたいたルイ姉」

「ん?」

「今からちょっと外でご飯食べてくるから~」

そう言って歩いていくクロヱ。

それを聞いて額に手を当てるルイ。

「おい、そんなお金があるのか?」

ラプラスがルイに聞く。

「これは秘密にしときたかったんですが、あのGMの言うように私達には毎月推しからのお金が送られてきます。

ただ、この城は特殊な空間ですので、ここにいる間はお金は送られてきません」

「だったら、さっき外に出たからお金が入ったのか?」

ウキウキのラプラス。

「はい。

ただ、ラプラスには支給されません」

「な、なんで!」

ルイの言葉に驚くラプラス。

「それは運営からの再封印拒んでるじゃないですか」

「あ」

その言葉に口をあけるラプラス。

「ですので、ラプラスのお金は再封印されるまで凍結らしいです」

「ええ~!」

 

「ラプラス様叫んでるね」

部屋には他のみんなが揃っていた。

マモリは他のメンバーに言う。

「ま、自業自得だろ」

可愛い黒い狼のぬいぐるみになっているベルフェが答える。

「確かにそうですねぇ」

小さな悪魔アスモが頷く。

「で、これからどうなるんですか?」

宿り木に止まっているベルが聞く。

「さぁ、それはラプラス様達が考える事です。

私達は今はあの人達の使い魔ですからね」

そう言って少し大きめの水槽に入っている魚レビィが水から顔を出して言った。

「今回はゆっくりとさせてもらいましょう」

レビィの言葉に一同頷きその場に寝転んだ。

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