ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~ 作:天野空
「なんかよく来る気がするな」
ラプラスは周りをいろいろと見ながら廊下を歩く。
今日はある人物に会う為に【学園】に来ていた。
ちなみに【学園】には学生しか入れず、ホロメンといえども許可無しでは中には入れない。
ま、ラプラスはそういう理を超えて行けるので、【学園】関係はラプラスが自然に担当する事になっていた。
「さて、待ち合わせは…」
ラプラスがキョロキョロしていると「どうかした?」と誰かが声をかけてきた。
「え?」
ラプラスが振り向くとそこには1人の男子学生がいた。
(なんで吾輩が見えるんだ?
そうかここは【学園】
イベント扱いの場所だから見えるのか。
忘れてた)
「どうかした?
ん?
なんかどっかで会った事ない?」
そう言われてラプラスはじっと男子学生を見た。
(確かこいつは前にここに来た時にも声をかけてきたな。
だが)
「知らんな」
ラプラスは知らないふりをする。
今、ラプラスは1人の女子学生に変装している為、知らないといった方が都合が良かった。
(しかし、前と違う姿のはずだがなんで会った事あるって言ったのだ?
もしかしてこれがナンパ?)
「そっか、なら勘違いか。
前もなんかキョロキョロして挙動不審な女子学生に会ったから、同じ人かと思った。
ごめん」
(挙動不審で悪かったな)
「ん?なんで怒ってるんだい?
あ、自己紹介がまだだった、俺はエリトアよろしく」
「ん、よろしく」
初対面ではない相手なので、ラプラスはペースを崩さず話す事ができた。
「それでどこかに向かってるのかい?」
「え?あ、食堂に」
「ああ、食堂か。
分かった案内するよ。
ここは広いからね」
そう言って先に進むエリトア。
その後をついていきながら、ラプラスはデジャヴを感じていた。
「さぁ着いたよ」
エリトアに案内されて食堂に着いたラプラス。
「うむ、ご苦労」
「はいはい」
ラプラスのお礼に笑いながら頷き、エリトアは手を振ってどこかに行ってしまった。
ラプラスはそんなエリトアを見送った後、食堂を見渡し目的の相手を探した。
すると、食堂の端の方に座るある人物を発見、近づく。
「迷わずこれた?」
「う、少し迷った」
その人物はラプラスの返答に笑いながら、席に座るように促した。
「この前は情報ありがとう」
「いえいえ、こっちもみこちゃんを助けたかったからね」
そう言って相手は微笑む。
「まさかAZKiさんから連絡がくるとは思いませんでしたよ」
「そう?」
AZKiはそう言って頼んでいたお茶を飲む。
「ご注文はどういたしますか?」
ちょうどその時にメイド姿のウェイトレスが注文をとりに来た。
「吾輩はいい」
「分かりました」
ラプラスはそう言った。
「これから用事があるの?」
「ちょっと野暮用です」
「そっか。
じゃ、この後でデートはできないか」
「え?あ、ええ?」
AZKiの言葉に動揺するラプラス。
そんなラプラスをにこにこ微笑みながらAZKiは見ている。
「冗談ですよね?」
「さぁね」
「もう、からかわないでください」
ラプラスは少し頬を膨らませて立ち上がる。
「今なら運動場に行けば会えると思うよ」
そんなラプラスにAZKiが言った。
「どこまで分かってるんですか?」
疑うような目でAZKiを見るラプラス。
「さぁ、私の中の私が知ってる事なら分かるかな」
そう言ってウインクするAZKi。
「あと、そっちにいる子にもこの世界で一緒にお話しできるのを待ってると伝えて」
AZKiは意味深に頭の上を指差しながら言う。
「分かりました」
ラプラスも意味は分かったのだろう頷き、AZKiに頭を下げて運動場へと向かった。
(やはり、ホロメンの中にいる4人には特に気を付けないといけないか)
ラプラスはAZKiと直接話す事でそう感じた。
運動場に着いたラプラスは探し人を見つける為に、全体を見回す。
すると、ある1ヶ所に野次馬が壁を作っているのを見つけた。
(あそこか)
ラプラスはその野次馬の方に向かう。
(見えないなぁ)
野次馬の壁まで来たが、割ってはいれそうにないし、変装したとは言え身長まで変えてないのでその壁の中まで見えない。
(仕方ない)
ラプラスはため息をついてから、野次馬の壁に歩きだした。
「うわぁ」
「なんだなんだ」
野次馬の壁のある場所から声がする。
野次馬が何かに捕まれて投げ飛ばされていた。
「何すんだよ」
「きゃー」
悲鳴は続き、野次馬の壁を突破して1人の女子学生が野次馬の囲いの中に入ってきた。
野次馬を作っていた人物もそちらを見る。
そして女子学生を見たその人物は嬉しそうに笑った。
「まさかそっちから来るなんて思わなかったよ」
「そうですか?
吾輩達が絆集めをしているのは、もう知れわたってるようですが。
それにしても大人気ですね、スバルさん」
「そんな事ないよ。
この【学園】でやたらうろうろするのがスバルだからだよ」
スバルに正体をばらされたラプラスは変身を解く。
『おお~』
野次馬からどよめきが聞こえる。
「そっちも人気者じゃん」
「そんな事ありませんよ」
スバルに言われてラプラスはぶっきらぼうに答えた。
「それより、1人できたの?」
「ええ、残りはいろいろと用事がありますし、2人は【魔界】に行きましたから」
「【魔界】?
まさかちょこ先?」
「よく分かりましたね」
「あちゃぁ」
ラプラスの言葉を聞いて、スバルは額に手を当てる。
「まさか、このタイミングで行ったんだ」
「何かまずいんですか?」
「ま、まずいと言えばそうだけど、今のちょこ先はやばい」
「は?
やばいと言ってもちょこ先生は攻撃型ではないでしょ」
「いつもはね。
ただ、今はかなり溜まってるから」
「はい?」
「ま、行った2人が無事に帰ってこれればいいけどね」
スバルはそう言って話を締めくくる。
「ちょ、気になるじゃないですか、そんな終わり方」
「なら、スバルに勝って絆をゲットするんだね。
ちなみに【学園】では絆はとれないけど、今回は負けたらスバル直々にあげるよ」
「なら、早々に決着をつけます」
そう言ってラプラスはスバルに向かって構えた。
「あ、戦うと言っても…」
「やっぱりここにいたか!」
スバルがラプラスに何かを言おうとした時、頭上から声が聞こえてきた。
そして、何者かがスバル達のところに降りてきた。
「ここで会ったが何年目だ!
今度こそ覚悟しろ」
飛び降りてきた男性がラプラスを指差しながら言う。
「あ、すいません。
お取り込み中に」
そう言って、もう1人飛び降りてきた女性がスバルとラプラスに謝っていた。
「おお、あれってGMじゃね?」
「お、今話題のGM戦隊?」
野次馬からそう声が聞こえる。
「へぇ、2人GM戦隊なんだ」
野次馬の言葉を聞いて2人に聞くスバル。
「はい、リィスと言います」
「ヒーロです。
助太刀します」
ヒーロはラプラスを指差したまま言った。
「別に助っ人するのは構わんが、吾輩に指を指すな」
「ぐわぁ」
突然ヒーロの足元から紫の手が飛び出て、ヒーロにアッバーカットを叩き込む。
たまらず背後に吹き飛び野次馬に突っ込むヒーロ。
「や、やったなぁ」
野次馬に助けられて立ち上がったヒーロはよろよろと戻ってきた。
「じゃ、仕切り直しですね」
ラプラスが構えるが「いや、戦うと言っても殴り合いとかじゃないから」とスバルが止める。
「勝負の方法はこれ」
スバルが1つのボールを取り出す。
「?」
不思議そうにボールを見るラプラス。
「勝負はドッチボールでつける」
スバルはそう宣言した。
では、ルール説明とうつろう。
ルールは3対3。
1度当てられると外に出て復活なし。
初めは3人コート内でコート外には3人一般参加のプレイヤーが手伝ってくれる。
一般プレイヤーからの攻撃はなしで、ボールを取ったら味方コートにパスをする。
当てられたコート内のホロメン、GMは外の一般プレイヤーと交代する。
一般プレイヤーはその時点でお疲れ様。
外に出たGM、ホロメンは攻撃OKとなる。
「で、こっちはスバルとGM2人だけど、そっちはどうする?」
スバルに聞かれてラプラスは微笑む。
「心配は無用です」
そう言ってラプラスの左右に地面から紫の手が生えてきた。
「な、なに、その某RPGに出てきそうな手だけの物は」
「ラプラスハンドです。
もちろん、これがアウトになれば外野に動かしますし、吾輩がアウトになった場合はその時点で負けで構いませんよ」
と胸をはるラプラス。
「ほう、ならこっちもスバルがアウトになったらスバルの負けで構わない」
ラプラスの言葉に感化されたのかスバルはそう宣言した。
「では、ルールは大丈夫だよね?」
いつの間にか来た審判衣装バージョンのおかゆが、ボール片手にスバル達に聞いた。
「いや、いいけど。いつ来たんだよ」
そうおかゆに聞くスバル。
「え?
だって面白そうだったからさ」
と楽しそうに笑うおかゆ。
「あ、そうそう、ラプちゃん。
スバルが負けたらさ、僕の絆もあげるよ」
「え?まじですか?おかゆさん」
「おい、おかゆ」
「まじまじ、どんとプレゼント」
スバルの言葉を遮りおかゆはラプラスにそう答えた。
「まじかぁ」
「と言うわけで頑張ってね、スバルちゃん」
はぁとため息をつくスバルにおかゆは笑顔で言った。
両者の代表、スバルとラプラスがおかゆのところにくる。
おかゆはボールを下に。
「では、試合開始!」
その言葉と同時におかゆはボールを高く上へと放り投げた。