ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~   作:天野空

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第25話 怪獣大決戦 発進!最終決戦ロボ ホロカイザー

「いくぞ。

者ども!」

スーパーホロックスの中からラプラスの号令が響いた。

『おお~』

周りにいる数十体のロボットから、プレイヤー達の声も聞こえた。

「では、プレイヤー部隊は2つに別れて、ホロサウルスの両腕を攻撃。

その間、スーパーホロックスは本体を攻撃します。

各機無理はせずに頑張ってください」

「了解です、ルイの姉御」

「分かりました、ルイお姉さま」

「なんか、幹部の方が人気ないか?」

ルイの言葉に返事をするプレイヤー達に、ルイの後ろでホロサウルスを指差し格好をつけているラプラスが、ぼそっと聞いてくる。

「さ、さぁ、行きますよ、ラプラス」

それを誤魔化しながらルイはロボットをホロサウルスに向かって発進させた。

「なんか誤魔化してないか?」

耳元でラプラスのしつこい追求を完全に無視してルイはホロサウルスを見る。

『うぉ~!』

両翼のプレイヤー達が、それぞれ気を引くように腕に攻撃を仕掛けている。

さすがこの到達できるプレイヤーが少ないと言われている近未来都市に来て、レアなロボットを購入しているプレイヤー達だ。

確実に仕事はこなしている。

「これは負けられませんね、ラプラス」

「ああ、ぶちかませ!」

ラプラスの合図にルイは攻撃を開始する。

多数のミサイルを発射。

続いて指からのビーム。

頭にあるラプラスに似た2本の角からの稲妻。

連続攻撃がホロサウルスに向けられた。

爆発するホロサウルス。

「や、やった?」

しかし、爆発の煙からほぼ無傷なホロサウルスが、姿を現し歩を進める。

「く、無傷か」

ホロサウルスを見て、ラプラスが悔しそうに言った。

するとホロサウルスが長い前足を地面に付け、背中を丸める。

「なんだ…」

そうプレイヤーが言った瞬間、ホロサウルスの背中にある無数のトゲがミサイルのように発射された。

「なんだと!」

そのトゲの狙いは近未来都市。

「しまった!」

プレイヤー達は後を追おうとしたが、突如起き上がったホロサウルスの腕を避けるのに精一杯だった。

 

 

「総司令!

ホロサウルスより眷族角が多数発射されました。

狙いはここ、近未来都市です」

「やはり、そう来たのね。

各班に連絡、飛来してくる眷族角を迎撃、または殲滅するように。

1匹でも残したら、暴れまわって被害が拡大する」

「了解です」

ロボ子さんの言葉に各オペレーター達は一斉に連絡を開始した。

飛来する眷族角。

(あれが地面に落ちればそこから小型のホロサウルスに変わる。

何があっても殲滅しなければ。

フレア、それにGMにプレイヤーのみんな頑張って)

ロボ子はそう願った。

 

 

「くそう、さっきより動きが激しくなってやがる」

プレイヤーの言うとおり、ホロサウルスは前に進むのではなく、自分の周りを飛ぶロボットと目の前のスーパーホロックスを潰すように動き始めた。

腕の鱗が飛び弾丸のようにプレイヤーを襲う。

正面のラプラス達には器用にその場で周りその長い尻尾で攻撃してくる。

ドガァ!

「うわぁぁぁ」

スーパーホロックスはその尻尾を避けていたが、とうとう一撃を受け後ろに下がる。

「大丈夫ですかラプラス」

操縦席で何とか踏ん張っていたルイが後ろのラプラスに声をかけた。

「なんとか大丈夫だ」

転んだラプラスは身を起こしながら、操縦席の椅子を掴む。

「しかし、このままでは」

ラプラスは画面いっぱいに映るホロサウルスを見て呟いた。

 

 

「ラプちゃん」

ロボ子は尻尾にやられ後ろに下がるスーパーホロックスを見て叫ぶ。

このままでは、ロボット隊は全滅する可能性がある。

「例の物はまだ準備できないの?」

ロボ子は焦った声でオペレーターに聞く。

オペレーターは目の前の画面を操作する。

「現在、発進可能まで約80%まで作業は終わっていますが、後2時間はかかるそうです」

「そんなに待てない!」

オペレーターにロボ子はそう答える。

「動くには動けるのよね」

ロボ子の言葉にオペレーターは頷くが「確かに動くには動きますが、武装の殆どがまだ装備されていません」

「動くならそれでいいわ」

オペレーターにそうロボ子は告げる。

「ダメです。

このまま行けば総司令は」

『その通りだバカやろう!』

オペレーターの言葉に続くようにメインモニターが切り替わり、作業服を着た女性が映し出された。

「作業長」

ロボ子にそう呼ばれた女性はスパナ片手に怒っていた。

『おい、総司令。

俺達はな、あんたの棺桶を作るのにこんなに頑張ってるんじゃないんだ。

総司令には勝ってもらいたい。

その為に俺達は頑張ってる。

それを分かってんのか』

作業長の言葉にロボ子は下を向く。

「確かにその通りです。

でも、ボクはボクだけが勝って帰ってくるだけじゃ嫌なんです。

みんな無事に勝って帰りたい。

後2時間待てば確かに勝機はあるかもしれない。

でも、その為に多くの犠牲が生まれる」

『それで今の状態でアレを出して、勝てると思ってるのか、武装も殆ど付いてないんだぞ』

「分かっています。

でも、もう時間がないんです!」

ロボ子は作業長を見る。

その目は真剣そのものだった。

『くそう、いつもはPONばかりする癖に、こんな時だけ熱血バカになりやがって』

「作業長」

『分かった、後30分だけくれ。

今装備させている武装だけでも付けさせてくれ』

「分かりました。

みんなに緊急回線を!」

ロボ子がオペレーターに言うと直ぐ様オペレーターは準備した。

『野郎共、後30分だ!

気合いいれろ!』

作業長の声と共にメインモニターも切り替わった。

「こちら、ロボ子です」

 

 

 

『後、30分どうにか時間を稼いでください。

増援をそちらに送ります。

お願いします。

どうか30分時間を稼いで無事でいてください』

そう緊急回線からロボ子の声が聞こえ、切れた。

「後30分か…」

ルイはその言葉を聞いてから直ぐに他のロボットに指示を出した。

ホロサウルスの周りを周りながら付かず離れずで攻撃する戦法だ。

ただし無理だけはしないように伝えた。

『了解』

すぐにロボット達は作戦を開始する。

「ラプラス」

ルイは背後のラプラスに声をかけ、後ろを見た。

ラプラスは腕組みをして何かを考えている。

すると突然ラプラスが声をかける。

(こより)

(あ、え?は、はい)

専用回線でいきなりいつもと違う呼び掛けをされ焦るこより。

(このロボットは我輩が渡した設計図通りに作っているんだよな)

(もちろん、夜寝るのも惜しんで昼寝して頑張って作ったんだよ)

(昼寝してるんかい。

なら、アレも実装してるな)

(うん、でも、機能的には50%程度だよ)

(わかった。

それで今は十分だ)

「ルイ、今から奥の手を使う。

マニュアルを確認して、電源を入れろ」

そう言ってラプラスは操縦席から出ていった。

ルイは画面を出してマニュアルを確認。

秘匿とされている場所を見つける。

直ぐに解除。

「まさか、こんな使用とは」

ルイはその秘匿情報を見て驚き呟いた。

 

『準備はいいですか、ラプラス』

丸い球体の中で腕組みして立つラプラスにルイの通信が聞こえる。

「いつでもいいぞ」

『分かりました、電源を入れます』

ウウゥゥゥゥと音がして、球体に明かりが点る。

「では、やるか」

ラプラスはそれを確認した後、背中から紫の腕を出し、球体に突き刺した。

球体の中で浮くラプラス。

その球体の中は全てモニターに変わる。

そう、ここはスーパーホロックスのもう1つの操縦席だった。

 

「おい、なんだあれ!」

ホロサウルスを牽制しているプレイヤーが、スーパーホロックスを見て言った。

プレイヤーが驚くのも無理はない。

今、スーパーホロックスは紫のエネルギーを体全体に纒、さながら繭のようになっていたのだ。

「な、何か出てくる」

他のプレイヤーの声と同時に繭から腕が現れた。

それは次々に現れる。

腕、足、そして、頭。

「あれって大きいラプラス?」

完全に現れたスーパーホロックスは紫のエネルギーでできた大人のラプラスだった。

 

「操作はこちらで預かる、幹部はプレイヤー達に指示を出せ。

では行くぞ」

大人ラプラスはドシンドシンとホロサウルスに向かって走る。

ルイはすぐにプレイヤー達に伝達、ホロサウルスの左右から攻撃するように伝えた。

左右からの攻撃にホロサウルスの動きが止まる。

しかし、尻尾は健在で大人ラプラスを狙い振るわれる。

だが、その攻撃も大人ラプラスは両腕で掴み防いだ。

『ラプラスビーム!』

ラプラスの声と共に角からレーザーが放たれる。

尻尾はレーザーに焼かれた。

ギャワワワワワー

ホロサウルスの苦しそうな声が響く。

「プレイヤー達を待避させろ」

ラプラスの声にルイが指令を出す。

散るプレイヤー達。

「ロボ子さん、悪いですが出番はないですよ。

ラプラスブラスター」

大人ラプラスは手のひらをホロサウルスに向ける。

そして、そこから凄まじいエネルギー波を打ち出した。

エネルギーはホロサウルスに当たり凄まじい爆音と煙を上げた。

その煙はホロサウルスを包み込み舞い上がった。

「や、やったー」

「すげぇ、やりやがった」

「かっこいい、ラプラス!」

プレイヤー達の声を聞きながら、操縦席で深く息を吐くラプラス。

「幹部、お疲れさまだ」

『ダメです、ラプラス!

バリアを!』

息を抜いたラプラスに突如ルイの声が響く。

「く!」

ラプラスはすぐさま目の前に巨大なバリアを展開した。

それとほぼ同時に、ホロサウルスを包んでいた煙を貫いて一条の光が大人ラプラスに向かって放たれた。

「くそう、押される!」

とてつもない破壊の光をなんとかバリアで防いでいるが、ラプラスはそのままどんどん下がっていく。

「あの攻撃でもかすり傷程度!」

完全に煙が晴れ、両手を地面に付け大きな口を開きレーザーを吐くホロサウルスが見える。

その体にはいくつか傷はあったがどれも致命傷ではなかった。

ビービービー

『ラプラス。

ブラックBOXから警戒音』

(それ以上はシステムが持たないよ)

ルイとこよりから通信が入る。

「ここまでか」

そして、大人ラプラスはホロサウルスのレーザーで爆発した。

 

「嘘だろ」

「…」

爆発し、煙が上がり姿が見えない大人ラプラス。

プレイヤー達はその辺りを周りながらラプラス達の安否を確認する。

「お、おいあれ」

煙が徐々に晴れ、大人ラプラスではなくスーパーホロックスに戻った姿で座り込んでいる。

各場所から煙が出ているがなんとか無事のようだ。

「よかった」

「まって、やつが来る」

安堵もつかの間、ホロサウルスがラプラス達にトドメをさそうと向かってくる。

「させるかぁ~」

数機のロボットがホロサウルスに攻撃するが、まるで止められない。

「このままじゃ」

誰もがラプラス達の終わりを思ったその時。

ホロサウルスが後ろに大きく吹き飛んだ。

『ごめんなさい、おまたせ』

そう言って、スーパーホロックスの前に、巨大なロボットが立っていた。

ホロサウルスを吹き飛ばした手が、腕を上げた巨大ロボットの腕に戻ってくる。

『ロ、ロボ子さん…』

『ここからはボクが変わるよ』

ラプラスの弱々しい声にロボ子はそう答えた。

『うぉ~ロボ子さん来た~』

『はろ~ぼ~、ここからはボクが相手をするから、みんなは下がって、ラプちゃんも動ける?』

『何とか動けます』

ロボ子にルイがそう答えた。

『後は任せて、この最終決戦ロボ、ホロカイザーに』

 

 

「まさか、五帝の1体がここにあったとは」

「五帝だと?」

操縦席に戻ってきたラプラスはルイに聞いた。

ラプラス達は今、戦線を離脱してロボ子とホロサウルスの戦いを見ていた。

「はい、五帝は全て生き物と言うわけではないんです。

あれは青の五帝ですね。

後の2体は生物で白と黄がいます」

「へぇ~」

ラプラスはルイの説明を聞き、戦いが映るモニターを見た。

「やはり、あれを使うのが一番手っ取り早いですね」

「ん?何か言ったか?」

「いえ、何も」

ルイの方を見たラプラスだったが、ルイは両手で手を振っていたので、首をかしげた後、またモニターに目をやった。

戦いは膠着状態だった。

ロボ子の乗ったホロカイザーの武装は、ロケットパンチと胸全体から放つ、チェストビームのみ。

一方、ホロサウルスも先程のレーザーは放つ事はせず、腕と尻尾で攻撃していた。

お互いの防御力は凄まじいようで、傷一つの付いていない。

しかし、このまま長引けば、体力を回復したホロサウルスがまたビームを放つ可能性があった。

「おい、どうするんだ。

このままだと、ロボ子さんがやばい」

ラプラスは心配そうにモニターを見る。

「確かにそうですが、こちらはもう力を使い果たしてます。

スーパーホロックスは動く事も出来ません」

ルイの言うとおりメインモニターは映るが他に回すエネルギーは残っていなかった。

「お、おい、やばい、もう撃てるのか」

ラプラスはさらにモニターにかぶりつくように見る。

そのモニターでは尻尾に巻き付かれ動けないホロカイザーに、ビームを放とうと四つん這いになったホロサウルスの姿が映っていた。

 

 

 

「動いて!」

先程のラプラスと同じような球体の操縦席に乗るロボ子。

その体には無数の配線が接続されていた。

ホロカイザーは対五帝用に作られた五帝の一角。

運営さえも何も出来ず見逃している五帝の内の三体を止める為、ロボ子専用機だった。

そのあまりの大きさととてつもない威力の武器を整備する為に、武装は毎回外していた。

それが今回仇となる。

何とか右腕だけ拘束から出す事が出来たが、ロケットパンチでは、あのビームを止められない。

(どうすれば)

そうロボ子が考えた時、その声がロボ子に届く。

『ロボ子先輩。

助けに来ましたよ』

それはフレアの声だった。

 

『フ、フレア?』

「はい、今、近未来都市の外壁近くのビル屋上にいます。

今からとっておきの武器を送りますから使ってください」

フレアはそう言って隣を見て微笑む。

『武器って?

ホロカイザーが装備できる武器なんてここにはないよ』

「ロボ子先輩」

焦るロボ子に優しい声が聞こえた。

『え?まさか』

「はい、白銀ノエルただいま参上です」

フレアの横で笑顔のノエルが立っていた。

 

「ノエルさんだと」

ラプラス達もフレア達をモニターで確認する。

「これは勝ちましたね。

ホロサウルスもまだエネルギーが溜まりきっていないのか、まだレーザーは放てそうにないですし」

ルイは静かにそう言った。

「まさか、アレ使うのか」

ラプラスはアレを思いだし身震いをした。

 

「運営並びにそら先輩達からの了承は得ています。

それと、そら先輩達からロボち頑張ってと」

『ありがとう、ノエルちゃん』

「もう時間がありません、そちらに思い切り投げるのでキャッチしてやっちゃってください」

ノエルはそう言うと【金剛眼】を使う。

そして、背中から背負った剣をゆっくりと取り出す。

それは、まさしく【ホロライブソード】だった。

 

「やぁ~!」

ノエルが【ホロライブソード】をホロカイザーに向かって投げる。

剣はすごい勢いで飛ぶ。

そして、それはどんどんと大きくなり。

ガシッ

ホロカイザーのところにつく頃には、巨大な剣へと変わっていた。

すぐに【ホロライブソード】で尻尾を斬るホロカイザー

あれほど攻撃され、かすり傷しかつかなかった尻尾が簡単に斬り落とされる。

グカァァァァ~

悲鳴のようなホロサウルスの声が響き渡る。

拘束を解かれたホロカイザーは【ホロライブソード】を構えた。

初めて後ろに下がるホロサウルス。

そして、ホロカイザーは剣を高々と掲げる。

グギャーーーー!

ホロサウルスはそんなホロカイザーに向かって破滅の光を放った。

しかし、ホロカイザーはその場から1歩も動かない。

「これで、終わりよ!」

ロボ子の掛け声と共に【ホロライブソード】が振り下ろされる。

【ホロライブソード】は破壊の光を真っ二つにし、そして、この先のホロサウルスをも真っ二つに斬り裂いた。

ホロサウルスは断末魔をあげることなく光に変わり消えていく。

「やった」

プレイヤーの誰かが呟いた。

それは他の人に伝染し、最後は近未来都市全体での歓喜の声に変わっていった。

 

「やったんだな」

ラプラスがスーパーホロックスの肩の上でホロカイザーを見ている。

「ええ、さすがと言うしかありませんね」

隣で立つルイもそう呟いた。

「あれが我輩達の野望を阻止する先輩達か」

「ええ、ですが、必ずラプラスの野望は成就させます」

ラプラスの言葉にそうルイは答えた。

 

「ありがとう」

その後、ラプラスの元にロボ子とフレアが来て、約束通り絆を手に入れる事が出来た。

「今回は本当に助かったよ」

「こっちも思った以上に都市に眷族角が来なかったから助かった」

ロボ子とフレアのお礼に照れながら明後日の方を向くラプラス。

そんなラプラスの後ろで、笑顔で頭を下げるルイ。

「また、ロボット直してこの都市にリベンジに来てね」とロボ子。

「私もそのうち、試し撃ちに行くよ」と物騒な事を言うフレア。

そんな先輩達に笑顔で答えるルイと、さっさとワープホールを作り帰ろうとするラプラス。

しかし、最後はラプラスもルイも先輩達に手を振り、振られながら帰って行った。

いつかまた交わるその日をお互いに楽しみにしながら。

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