ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~ 作:天野空
しかし、2人ではこの状況は覆すことはできない。
そこに現れた新たなる戦力。
【ホロライブワールドEN】から【議会】が助けに来たのだった。
そして、始まる反撃の狼煙。
果たしてラプラス達は勝利する事ができるのか?
最終決戦が今始まる。
「減ったって言ったってこう沸きまくられたら決着つかないぞ」
「うるさい、つべこべ言わずに戦え!」
グリーンイーグルの愚痴にラプラスは叫びながら答える。
「しかし、GMの言うことも一理あります。
数は先程より少ないとは言え、倒した先で復活されてしまっては」
ラプラスの背後を守るように立つルイがラプラスに言った。
「確かに」
(だが、なぜこうも復活できる?
あれから1通りの影を倒しているはずだが、一向に核が見つからない。
なぜだ?)
「くそう、とかげの尻尾きりかよ。
倒しても倒しても出てきやがって」
ヒーロが愚痴を叫びながら巨大な影を斬る。
(とかげの尻尾?
そうか!)
ヒーロの言葉にラプラスが何かに気づいた。
「ルイ。
飛んで下の地面を視てくれ」
「分かりました」
ルイはラプラスに言われてすぐにジャンプ。
しかし、それを阻止しようと影の巨大な腕がルイを払い落とそうと迫る。
「させないでござるよ!」
しかし、それはいろはの一刀で斬り落とされた。
ルイはラプラスに言われた通り地面を視た。
「!!」
着地したルイはラプラスを抱き締め、その場から大きく後ろへと跳ぶ。
そして「ラプラス、足元です!」とラプラスに伝えた。
「やはりな!
あいつはあれから1歩も動いちゃいなかった!」
ラプラスは背後から紫の手を出現させると、さっきまでいた地面を貫いた。
「ぐぁぁぁぁぁぉ!」
空間全体に響くほどの叫び声。
コメント集の声だ。
「おのれ、おのれ~!」
先程までラプラス達がいた場所が突然黒く染まる。
「な、なんだ!」
「ヒーロさん、退避です」
グリーンイーグルにピンクウルフが声をかけてGMもその黒い部分から退避する。
「さぁ、種は暴いたぞ。
初めからずっと下に潜み、さも自分が出てきたように演出していたとはな。
どうした?
出てこないならもっと串刺しにしてやろうか」
ラプラスの挑発に、黒い床が周囲の影を取り込みながら盛り上がっていく。
そして、周囲の影を取り込んだソレはひときわ大きい黒いスライムのようになった。
そのスライムは大きな目を開く。
そして、体の半分を占めるような巨大な口を開く。
「良く分かったなぁ、ラプラスぅ~」
「あいつの愚痴のお陰だ」
ラプラスはそう言って、グリーンイーグルを見る。
「さぁ、どうする。
本体はもう丸見えだ。
お前はもう吾輩達にやられるだけだ」
「く、くはぁ、面白いな、ラプラス。
なんで俺様が下で大人しくしてたか分かるか?
それはな。
俺が出てきたらすぐに勝負がつくからだよ!」
そう言ってコメント集が体から触手を伸ばし、ラプラスとルイを攻撃する。
「ふん、そんなもの」
すかさずラプラスが紫の手でその攻撃を防いだ。
「は、はぁ、触ったなぁ」
その大きな口がニヤリと歪む。
「!!
ラプ!
離れて!」
ルイは何かを悟り、ラプラスを抱いて横に跳ぶ。
「お、おい!」
突然の体勢変化で紫の手は消え、コメント集の触手はそのまま地面を打ち付けた。
「ど、どうした」
ルイに聞くラプラス。
「ちぇ~もうちょっとだったのになぁぁ」
ニヤニヤしながらコメント集が笑う。
「コメントの侵食率が異常です。
さっきラプラスが受けた瞬間、凄まじい速度で侵食していました」
ルイはコメント集から目を離さずにラプラスに伝える。
「なに?
こっちは運営の最新パッチを受けてるんだぞ」
「だから、言っただろう。
ただ下で潜んでた訳じゃないのさ。
俺様は下でお前らの分析、対策をしていた。
だから、今のお前達に俺様の攻撃を防ぐ力はない!」
ズバァ!
コメント集が話している最中にクロヱが触手を斬り落とす。
「別にやれるじゃん」
そう言って地面に降り、立とうとするクロヱ。
「ダメだ!
立つな沙花叉!」
「へぁ?」
ラプラスの声に、クロヱは立たずに座り込む。
その瞬間、頭上を通りすぎるコメント集の触手。
「ちぇ!」
通りすぎた後、すぐさまコメント集から離れるクロヱ。
「武器も捨てろ!」
「はい?」
続けざまのラプラスの命令に、クロヱは先程使った武器を投げ捨てる。
ガランと音を立てて床を転がる逆刃の鎌。
その刀身は真っ黒い何かが纏わりついていた。
「たった1回であそこまで侵食してる?」
武器を見たピンクウルフはその黒い何かが、小さなコメントの集まりだと分かった。
「ぜんぜん、パッチが効いてない」
こよりが分析をかけながらぼやく。
「は、はぁ、どうするよ。
攻撃しても防御しても、お前達は俺に取り込まれ、奴隷になるしかないんだよぉ~」
「くそ」
ラプラスの近くに集まるholoXとGM。
「どうすればいい」
ラプラスが呟く。
コメント集は余裕の表情でニヤニヤと笑いながら、無数の触手を体から出している。
「どうするも何も核を壊すしかねぇ」
グリーンイーグルはそうラプラスに言う。
「そんな事、言われなくても分かっている。
その方法を」
「ルイさん、核の場所は分かりますか?」
ピンクウルフがルイに聞いた。
「え?
あ、はい。
きちんと視る時間さえあれば」
ルイはそう答える。
その答えに頷くピンクウルフ。
「たぶん、あのコメント集の核はこれまでのと違い、すぐに破壊できるものではないと思われます。
ですが、時間さえもらえれば私達が必ず破壊する手段を用意します」
ピンクウルフはまっすぐラプラスの目を見る。
「…」
ラプラスはピンクウルフの言葉に考える。
「こより、ありったけの近接武器をいろはと沙花叉に渡せ」
「あ、はい」
ラプラスに言われて、こよりは武器のストックを2人に送る。
「いろはと沙花叉、今から吾輩と一緒にあいつの動きを止める。
やれるな」
「もちろんでござる」
「任しなよ」
ラプラスの言葉に2人は元気良く答えた。
「ルイは核を探せ。
おい、緑色のおまえ」
「なんだ?」
ラプラスに呼ばれてグリーンイーグルが返事をする。
「ルイが核を見つけ出すまで守れるか?」
「!!
任せろ」
ラプラスの言葉に、一瞬驚いたグリーンイーグルだったが、すぐに力強く頷いた。
「こよりは、そっちのピンクと一緒にサポートを頼む」
「任された」
「分かりました」
こよりとピンクウルフは元気に答えた。
「では、今から狩りの時間だ!」
ラプラスの言葉に、最後の戦闘が始まった。
ラプラス、いろは、クロヱはコメント集に向かって突撃する。
「は、はぁ、作戦は決まったのか?
どんな作戦だろうが、今の俺様には通用しないがなぁ」
コメント集は無数の触手を3人に向かって振り下ろす。
「く」
ラプラスは触手を避け、両手に紫の剣を作り出し、その触手を斬る。
斬った後、すぐさま剣を解除。
そしてまた、剣を作り出して攻撃した。
いろはもこよりからもらった剣で、触手を攻撃。
斬った剣はそのままコメント集に向かって投げつけ、すぐにストックの武器を出す。
クロヱも同じだが、暗器を使うクロヱはあらゆる場所から武器を取り出し投げつけ、触手の動きを最小限に抑えていた。
そんな3人の戦う相手をルイはじっと視ていた。
「く」
途中片目を押さえるルイ。
「だ、大丈夫か?」
時折くる触手攻撃をイーグルブラスターで牽制しながら、グリーンイーグルがルイに聞く。
「だ、大丈夫」
そう言ってルイはコメント集を見続けた。
コメント集はその名の通り、たくさんのコメントが集まってできた存在。
スライムのように見える姿も触手も、よくよく見れば小さな言葉の列が無数に流れて形を作っていた。
ルイはそれを視る事で、そのコメント一つ一つの内容まで視てしまう。
それは顔を背けたくなるような汚い言葉や、人を辛くするような言葉。
そういったものばかりだった。
コメントには人をあたたかくする、幸せにする言葉もたくさんある。
そういった言葉は人の心に残り消えていく。
しかし、人を傷つける言葉は、人を傷つけた後もそこに残り、また、誰かを傷つけようとする。
その集まりがコメント集だった。
ルイは探す。
その無数のコメントの中で始まりになったコメント。
それがこのコメント集の核になる。
「あった!」
ルイはとうとう核を見つける。
「やったっておい」
倒れそうになるルイをグリーンイーグルが慌てて支える。
「ありがとうございます。
でも、今はこの情報をラプに」
「どうすればいい」
ルイにグリーンイーグルが聞く。
すっと手を出すルイ。
グリーンイーグルはその手を取った。
流れ込むプログラム。
「これが」
「はい、このプログラムさえ渡せば、コメント集が核を移動させても見つけられる」
ルイは見つけたあの一瞬で核のサーチプログラムを組んだ。
「分かった。
必ず渡す。
しかし、あんたは1人で大丈夫か?」
「嘗めないでください。
これでも秘密結社holoXの幹部ですよ」
ルイはそう言って笑う。
「分かった。
無茶するなよ」
そう言ってグリーンイーグルは、ラプラス達の方に走り出した。
「ルイルイ?」
グリーンイーグルが離れ、その場に座り込むルイを見てこよりが叫ぶ。
「行ってあげてください。
ここは私1人で大丈夫です」
先程から2人は味方全体へのバフを常時かけ続けていた。
装備を毎回替えるこの戦いでは、バフもその時にかけ直さないといけなかった。
特にコメント集の侵食を遅らせるバフは必須だった。
「でも、1人じゃ」
「これでも優秀な先輩からバフのかけ方は教わっていますから」
ピンクウルフは力強く答える。
「分かったわ。
ルイルイを助けたらすぐに戻ってくる。
それまでお願い」
「はい!」
こよりはそう言うと、ルイの方へと駆け出した。
「くそう、まだなのか!」
ラプラスは触手の攻撃を避けながら戦う。
しかし、いろはやクロヱと違い接近戦が得意な方ではないラプラスは、動きに疲れが見えてきた。
「く、AIでも疲れるなんて、そんなリアリティーはいらないって」
ラプラスは触手を避けたが、着地に失敗して体勢を崩す。
「しまった!」
そこに迫る触手。
ザン!
触手が何者かに斬り裂かれた。
「大丈夫か?」
そう言ってラプラスを支えるグリーンイーグル。
「おまえ」
グリーンイーグルに驚きながら立てり直すラプラス。
すぐに来た追撃の触手を2人は避ける。
「ルイはどうした?」
ラプラスの言葉にグリーンイーグルは手を差し出す。
ラプラスはすぐに手をとる。
そしてプログラムを受け取った。
「ルイ、良くやってくれた。
それよりおまえ、その武器大丈夫なのか?」
先程触手を斬ったグリーンイーグルの剣を見るラプラス。
「ああ、こいつは特別製だからな」
グリーンイーグルはそう言って剣を見る。
刀身に纏わりつくコメント。
それをグリーンイーグルが剣に力を込める事で、刀身が炎に包まれコメントを消し去った。
「これくらいのコメントならこの通りさ」
グリーンイーグルの剣を見てラプラスはある事をひらめく。
「おい、今から言う場所を確実に斬り裂けるか?」
「うぉりゃ~!」
グリーンイーグルはコメント集に向かって走っていた。
「いろは、沙花叉、そいつを援護してやれ」
ラプラスの言葉に2人は頷く。
グリーンイーグルに迫る触手は2人がカバーしてくれていた。
「やれるな!
緑の」
ラプラスは両手を腰に構え時を待つ。
そして、絶好のチャンスが来た。
ズバァ!
グリーンイーグルはコメント集のある部分を斬り裂く。
「な、なんだとぉ~!」
グリーンイーグルの付けた斬りこみは、3人の誰よりも深かった。
そう、コメント集の奥に潜む核が見える程に。
「良くやった、緑の!」
ラプラスは核に向かって紫の手を伸ばす。
「や、やめろ~!」
ガシ。
「よし、掴んだぞ!」
ラプラスは核をスライムから引き剥がした。
「GM~!」
ラプラスは叫ぶ。
「はい!」
ピンクウルフはすぐさまコメント核の解析に入った。
「させるかぁ!!!!!」
スライムが触手を繰り出し、核を取り戻そうと伸ばす。
しかし、いろは、クロヱ、グリーンイーグルにより阻まれた。
「くそうクソウくそうクソウくそう!」
わめき散らし触手を振り回すスライム。
「くそう~~ーーーーーー!」
スライムは大きな口を開けて全て吸い込むように、吸引し始めた。
「くぅ」
ラプラスは核を掴んだまま、吸い込まれように耐える。
しかし、小柄なラプラスはその吸引力に耐えきれない。
が、「おまえ達」
吸い込まれそうなラプラスの体を、ルイ、こより、クロヱ、いろはが支える。
「ここで負けられません」
「ラプはどうか離さないで」
「がんばれちび総帥」
仲間に応援され、ラプラスの手に力がこもる。
しかし、ラプラスの紫の手は徐々にコメント核に侵食されている。
「まだか、GM!」
ラプラスの声にグリーンイーグルに支えられながら、ピンクウルフは解析を続ける。
しかし、長年溜まり固まったコメント核はそう簡単に解析できるものではなかった。
「ぐがぁぁぉぉあ!」
スライムが最後の手段とばかりに口から舌のような物を伸ばし、核を掴んでいる手をからめとろうとした。
「くそ!」
ラプラスの言葉に「ラプ殿すまないでござる」そう言って、いろはが紫の腕に乗り核に向かって走り出した。
「な、何してる!
戻れいろは~!」
焦り叫ぶラプラス。
「皆殿、後は任せたでござる」
いろはの言葉にルイ、こより、クロヱは頷いた。
「何を言ってるんだ?
やめろ~!」
いろはは4人に微笑むとスピードあげる。
目指すは迫りくるコメント集。
ダン!
いろはは核の手前でジャンプし迫っていている舌をチャキ丸で斬り裂いた。
「ぐぎゃゃゃゃゃゃゃゃ!」
叫ぶコメント集。
コメント集の最後の足掻きは、1人の女侍によって阻止された。
しかし、その女侍も後はコメント集に吸い込まれるのみだった。
(楽しかったでござるよ)
いろははそう心で思い。
最後に4人の顔を見た。
(ラプ殿、また泣いてるでござるか)
「そうだよ、ラプラス様を泣かしちゃダメだよ。
いろはさん」
「え?」
いろはの背後で声がした。
振り向いたそこには、可愛らしいゴブリンのぬいぐるみが。
「マモリ?」
「まだ、いなくなるには早いよ、いろはさん」
そう言ってマモリはいろはを力一杯ラプラス達の方に投げた。
「マモリ!」
いろはが叫ぶ。
「短い間だったけど楽しかったよ、いろはさん」
そう言ってマモリはいろはの代わりにコメント集の中へと吸い込まれていった。
「な、なんで」
ラプラスの前に4つのぬいぐるみが浮かぶ。
魚、犬、妖精、鳥。
「おまえ達」
「ラプラス様達、申し訳ございません」
魚レビィがペコリと頭を下げる。
「ここいらで俺達お暇するわ」
そう言って犬ベルフェが前足をあげる。
「短い間でしたが楽しかったですよ」
そう言って笑う妖精ベル。
「後少しの時間、私達が稼ぎます」
そう言って鳥ベルが背中を見せる。
残り3人もラプラス達に背を向ける。
「な、何を言ってるんだ?
おまえ達、何を」
ラプラスの言葉に振り向き笑う4人。
ルイやこより、クロヱはラプラスを抱き締め泣いていた。
「やめろ、いくな!
これは命令だ!」
「マモリちゃんが待ってるから」
そう言って4人は光の玉になりコメント集へと向かっていった。
「GM!
何してる、まだかぁ!」
ラプラスの叫びが木霊する。
そして、4つの光がコメント集に入ると、先程までの凄まじい吸引力が止まった。
「くらえ!
ラストシュート!」
その時、GMの方から声がした。
グリーンイーグルとピンクウルフ、そしてブルードルフィンがライオンバズーカを構えていた。
そして、放たれる弾丸。
それは虹色の軌跡を残しながら、ラプラスの持つコメント核へとまっすぐに飛んでいった。
ズドン!
弾はコメント核にぶつかり中にめり込む。
そして、黒いダイヤモンドような核は膨らみ、そして、パンと風船のように割れた。
コメント集は最後の断末魔もあげられぬまま塵になって崩れていく。
「終わったのか?」
ラプラスは気が抜けたように呟いた。
「うん、コメント集の存在感知できないよ」
こよりが伝える。
「やったでござるな」
いろははラプラスの元に来てそう声をかけた。
「しかし、代償があまりにも大きすぎる」
ラプラスはそう言ってその場に座り込んだ。
「ラプ…」
ルイは優しくラプラスの頭に手を当て撫でた。
「勝利の余韻に浸っているところ悪いな」
いつの間にか周りを囲んでいた木の壁がなくなり、【議会】が立っていた。
「ぼく達も役目は終えたから、戻るとするよ。
ただ、今回の働きとして報酬を貰う」
「報酬?」
ラプラスは暗い顔をあげ【議会】を見る。
「そう、これだ」
【議会】5人が各々手を前に出す。
そこには光る玉が乗っていた。
「そ、それは」
【議会】が持っていたのは第X世代達だった。
「なぜだか分からないけど、この子達はほっておけなかったからね」
そう言ってハコスが笑う。
第X世代は【偽会】が作り出した存在。
【議会】の中に眠る【偽会】が働きかけたのかもしれない。
「大事にしてやってほしい」
ラプラスはそう【議会】に伝える。
「分かった」
ハコスはそう答え優しく微笑むと、5人はゆっくりとラプラス達に背を向けた。
そして、先に進むとその姿はブレ始め、消えていった。
「よかったんじゃない?
親元に帰れてさ」
クロヱはアイマスクを着けたまま言った。
「助けたかいがありましたね」
ルイも優しそうな笑顔でラプラスに言う。
「ふ、ふん。
もっとこき使ってやる予定だったんだ」
少し拗ねたように言うラプラスを4人は優しく微笑み笑った。
「お疲れ様」
そう言ってGMが近づいてきた。
「いつの間に5人になったんだ?」
ラプラスはGMを見て言った。
「私達はさっき合流してな。
今回は迷惑をかけた」
さくやはそう言って手を差し出してきた。
「ふん、少しは役にたったからな。
誉めてやる」
そう言って手をとるラプラス。
「すいません、うちの総帥が」
そう言って謝るルイ。
「いえいえ、こちらこそ。
迷惑かけてしまって」
そう言ってレイムは謝った。
「それでこれからどうするんだ?」
さくやがラプラスに聞いた。
「別にまた初めからやり直しだ。」
「ん。
ま、世界征服はともかく、そっちも色々と大変だろう。
城もこちらにばれてるし」
「う」
さくやの言葉にラプラスが胸を押さえる。
「ばれてたのか?」
「ああ、今回の件で運営が世界全体にスキャンをかけたからな。
城の場所も把握している。
そこでだ、今回の働きもあるし、1度運営と話をしたらどうだ?」
「運営と?」
「ああ、こちらも今回の活躍はきちんと報告する。
運営も封印をまたするような事はしないだろう」
「…」
さくやの言葉にラプラスは考える。
そして、仲間の4人を見た。
「我々はラプラス、あなたについていきますよ」
ルイの言葉に3人が頷く。
「ああ、わかった。
では、こうしよう…」
「はいはい、ラプ。
引っ越しの用意出来たんですか?」
円卓の席で1人座るラプラスに部屋に入ってきたルイが声をかける。
「え?
まだぁ~」
「まだぁ~じゃないですよ。
もう少しで出発なんですからね。
早く用意してください」
そう言ってルイは忙しそうに部屋から出ていく。
「はぁ、また引っ越しか」
その後、ラプラス達は運営と対談。
ラプラスは自分達の居場所の開示、運営のイベント協力をする代わりに、封印を受けない事と世界征服をする事を条件に出した。
運営はその2つを快く承諾し、ラプラスに新た役目を伝える。
それが今回の引っ越しに繋がっていた。
「あれ?
ラプ殿、もう準備出来たでござるか?」
円卓の部屋をこそっと覗いたいろはが、ラプラスを見つけ中に入ってきた。
「いや、まだ」
「まだでござるか」
ラプラスの答えに少し呆れ笑ういろは。
「いろはは終わったのか?」
「持っていくものが少ないでござるからな」
そう言っていろはは席に座る。
「あ~
こんなところでサボってる」
続いて覗いてきたのはクロヱ。
「別にサボってる訳じゃない。
そう、感傷に浸ってるんだ」
「へぇ、ラプラスがねぇ」
そう言ってクロヱも席につく。
「あ~
終わらないよ~
って何してるの3人とも」
そう言って慌てているこよりが顔を出す。
「感傷に浸ってるんだって」
クロヱの言葉に「へぇ~」とこよりは、ラプラスの顔を見て席につく。
「急いでるんじゃないのか?」
「ん?
そうだけど、こよも感傷に浸る」
ラプラスにそう答えこよりは席に座る。
「はぁ、何してるんですか?
4人とも」
最後にルイが顔を出した。
「引っ越し準備終わったんですか?」
「本当に行くのか?」
ルイにラプラスがぼやく。
「運営との取引でしょう?
ラプラスは【魔界】の魔王の役。
私達はその手下って役割」
「う」
そう、運営から提示された役割は【魔界】の管理。
その為に【魔王城】にラプラス達は引っ越す事になった。
「ま、これで魔界征服は完了したと言っても問題ないですよ」
「なんかなぁ、もらった感が否めない」
ルイの言葉にラプラスはぼやく。
「ちょこ先生も「やっと肩の荷が降りた」って喜んでましたし」
「そうだけどなぁ」
ラプラスの言葉にふぅと息を吐くルイ。
「そんな事言ってるとスペシャルゲストに会わせませんよ」
「え?」
ルイの言葉に立ち上がるラプラス。
「え?誰?トワ様?」
ヴォン
『悪かったなトワ様じゃなくて』
円卓の上に巨大なスクリーンが現れる。
そして、そこには5人組の姿が写っていた。
「あ」
ラプラスはその顔を見ると恥ずかしい気持ちや申し訳ない気持ちになった。
『世界征服できなかったみたいだな』
「うるさい」
画面の人物はニヤニヤしながらラプラスに言う。
その周りの人物も各々手を振ってアピールをしていた。
『それで、もういいんだろ?』
「ああ」
画面の人物はその言葉を聞いて優しく微笑む。
『それじゃ改めてよろしくな、ラプラス』
「ああ、よろしくな、ラプラス」
そう言ってホロライブ六期生と【ホロライブワールド】第六世代組は微笑みあった。
これにてホロライブオルタナティブver.IF 外伝 ~ラプラスの野望~完結です。
長い間お付き合いいただきありがとうございました。
いろいろと至らぬ点があると思いますが最後まで読んでくださった方本当にありがとうございました。
それでは、また次のお話で、お時間があるようでしたらお付き合いくださいませ。