ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~   作:天野空

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第6話 まつりちゃんを探せゲーム

「今日はいい情報を見つけた!」

大きな机につく5人の女性の1人が立ち上がり嬉しそうに言った。

「お、なんですか?」

その中の1人、ルイは相槌を打つように聞く。

その返事に気をよくしたのかラプラスは1枚の画像を机の上に出した。

「なになに?

まつりす主催『まつりちゃんを探せゲーム』でござるか?」

画像の文を読み上げるいろは。

「そう、吾輩が近くの町に偵察にいってた時に掲示板を見て見つけたのだ」

えっへんと胸をはるラプラス。

「偵察ですか…」

怪しそうにラプラスを見るこより。

「そ、そうだ、も、文句あるかぁ」

なぜかどもるラプラス。

「ま、真実はおいといてこれは本当にまつり先輩が現れるんですか?」

こよりはラプラスから画像に目を写し言う。

「確かにまつりすの人達の主催だからなぁ」

クロヱも画像を見る。

「そこは大丈夫みたいですね。

ほら、ここに書いてますよ」

ルイは画像の一部分を指差す。

そこには夏色まつり協力と書かれていた。

「まつり先輩好きでござるからなぁ」

いろははそれを見て微笑む。

「な、な、これで確実だ」

「でも、他の人より先にまつり先輩見つけないといけないみたいだよ」

こよりがある部分を指差す。

まつりと出会えるのは先着数名と書かれていた。

「う」

「たぶん、まつりすの一部の人主催だから、まつりすの人達も参加してくるよね」

「う」

「これはかなりきついんじゃない?」

「ふぇ」

「ほらほら、2人ともせっかくラプラスが見つけて来たんだからそういじめない」

「かんぶぅ~」

こよりとクロヱに言われるラプラスをフォローするルイに感動するラプラス。

「ま、見つけた本人が参加して頑張ると言ってるんですし、ね」

「ええ、吾輩がやるの~?」

思いがけないルイの言葉に驚くラプラス。

「もちろんです。

城にいても部屋でゴロゴロと漫画読むかゲームするかなんですからたまには外で体動かしなさい」

「いや、吾輩らゲームのキャラクターだし」

「問答無用!」

ラプラスの言葉をルイは一蹴した。

「それと、こより例の物はできてますか?」

ルイがこよりに聞く。

「うん、出来てるよ。

こよに不可能はないよ」

そう言って取り出すバッチ。

「それはなんでござる?」

バッチを見ていろはが聞いた。

「これはね、変身バッチだよ。

最近、ロックが怪しまれてるでしょ。

だから、ロックにこれを付ければ、あっという間に別のキャラに外見が変身するの。

もちろん、あらゆるセンサーに対応してて完全に誤魔化せる。

それと、こよ達も付けると別のキャラに外見を変えれるよ」

そう言ってバッチを付けるこより。

そして、あっという間に1人のヒューマン型の女性に変わる。

「ね?

それにこのバッチからはイベントキャラを他のプレイヤーキャラに見えるような電波を出してるの。

例の槍より出力はないからGMに探知される事もないよ」

「うん、これなら大丈夫ですね」

こよりを見て頷くルイ。

「では、今回はラプラスとこよりの2人でお願いします」

「ええ、こよも?」

「現地で性能の実験しないといけないでしょ」

「う、そうだけど」

「では、お願いします」

『は~い』

ルイに言われてラプラスとこよりは仕方なさそうに返事した。

 

「ここか集合場所は」

ラプラスとこよりは【バーチャル】の第2の町にある広場に来ていた。

広場には2人以外にも多くのプレーヤーが集まっていた。

「競争相手多いですね」

こよりは隣にいるラプラスに言う。

「しかし、なんかこよじゃなかった、私より大きいの違和感ありますね」

こよりは隣の狼顔になった背の高い亜人男性を見ながら言う。

「たまには吾輩も見下ろす目線を楽しみたい」

ラプラスはそうこより、ヒューマンの女性に言った。

ラプラスはロックを動かしながら変身バッチでショタキャラから背の高い亜人になっていた。

こよりは銀髪のロングヘアのヒューマン女性になっている。

「なんか腹立ちます」

「ええ~」

頬を膨らませるこよりにラプラスが焦る。

『あ~あ、お待たせしました』

広場に響くアナウンス。

『これより恒例のまつりちゃんを探せを開催したいと思います』

おお~!!

アナウンスに広場の人達が歓声をあげる。

「なんでも、探しだせれたらご褒美もらえるらしいぞ」

「噂ではハグしてもらったとか」

「まじか、俺はほっぺにキスって聞いたぞ」

ラプラス達の近くのプレーヤーがひそひそ話しているのが聞こえてきた。

「さすがまつりさんと言うべきか?」

ラプラスはそれを聞きながらぼそっと呟く。

『では、今回のルールを説明します。

お手元に配った番号札があると思います。

今回は参加人数が多かったのでこちらでランダムで決めさせていただいたパーティーで行動していただきます。

では、今から番号札に表示された人とパーティーを組んでください』

アナウンスが終わると番号札に点が現れる。

「これがパーティーの相手かな?」

こよりが札を見ながら言った。

「吾輩達は一緒のパーティーみたいだな」

「参加登録を一緒にしたからね」

そう2人が話していると「こんにちは」と男性が声をかけてきた。

「あ、こんにちは」

ラプラスはそう返事を返した相手を見て驚く。

そこにはよく知った顔があった。

「よろしくお願いします」

「一緒のパーティーみたいっすね」

(本当に縁があるみたいだね)

ラプラスに専用通信でそう言うこより。

「こちらこそ、よろしく」と半笑いでラプラスは手を出す。

「よろしくっす。

俺はヒーロ、そして、こっちの女性はレイムさんです」

「はい、よろしくお願いします。

私はヨーテ、そして、こっちの亜人がシックスです」

握手しているラプラスの横からこよりが言った。

「頑張りましょうね」

そう言ってヒーロ達が笑った。

 

『パーティーは組めたようですね。

それでは、皆様にお渡しした番号札を確認してください』

アナウンスの言葉にラプラス達は手元の札を見る。

すると番号が消えていて何か文字が書かれていた。

「なんだ?」

「えっと?」

回りのプレイヤー達も同じらしく話し声が聞こえる。

『札から番号が消えて文字が表示されていると思います。

皆様には今からその場所を特定して向かって行ってもらいます。

そこに我らがまつりちゃんが待っております』

おお~!

アナウンスに声をあげるプレイヤー達。

ラプラスは札の文字を読み上げた。

「なになに?

その者、白き帽子と衣を纒い、天空の黄金の野に降り立つ。

なんかどっかで聞いたようなフレーズだな」

「天空って事は【ふぉーす】か?」

ヒーロがぼそっと口走る。

「あ、そうか」

「おい、【ふぉーす】に急ぐぞ」

ラプラス達の回りのプレイヤーがヒーロの声に一斉に動きだす。

それに続く他のプレイヤー達。

「おい、おまえ!」

ラプラスはヒーロに怒鳴る。

「え?え?」

「はぁ、変なところ抜けてるわね」

ラプラスに怒鳴られ周りを見渡すヒーロをため息混じりでレイムは見ながら言った。

「いつもあんな感じなんですか?」

こよりはレイムに聞く。

「ええ、ちょっと抜けてる」

そう言ってレイムは笑いながら答えた。

「ま、言ったものは仕方ない。

我らも【ふぉーす】に向かうぞ」

ラプラスは腕組みをしてこより達に言った。

「我らってなかなか面白い話し方するわね」

「ま、まぁ、彼も変なところあるので」

レイムに慌ててフォロー?するこより。

「お互い大変ね」

「はい」

レイムの言葉にこよりは素直に同意した。

「先輩いきますよ」

先導する2人。

案外ラプラスとヒーロは息があっているのかもしれなかった。

 

【ふぉーす】に行くには専用の門を通らなくてはいけない。

そこには普段モンスターがひしめいており容易に到達は出来ない。

その為、始まりの町で【ふぉーす】を選ばない限りなかなか【ふぉーす】に行くことは出来なかった。

「なんだよな…」

門までの道をモンスター一匹とも出会わず歩くラプラス一行。

「ま、あれだけの人数が【ふぉーす】に向かえばこうなりますよね」

こよりは半笑いで答える。

そう、先発隊になった他のプレイヤー達が門までのモンスターを殲滅していたのだ。

「ま、楽って言えば楽だけどな。

普段は一瞬だし」

「え?」

「ヒーロ」

「え?あ、いや、俺始まりの町が【ふぉーす】だから」

こよりに不思議そうに見られ、レイムになぜかたしなわれて焦るヒーロ。

(ま、GMっていうのは知ってますけど)

こよりは微笑みながらヒーロを見た。

「おい、門が見えてきたぞ」

「あ、ああ」

ラプラスに言われてヒーロはその門を見上げた。

なぜか目的の門は塔のような岩山の上にあった。

「これを登るのか」

なぜか嬉しそうなラプラス。

「高いよな…」

その高さにげんなりするヒーロ。

それでも【ふぉーす】に行く為には登らないといけなかった。

他のプレイヤーももう崖を登っている。

「よし、行くぞ」

ラプラスは元気よく崖を登り始める。

それにヒーロが続いた。

 

「あきた」

不意にラプラスが言った。

崖を登り始めておおよそ半分のところでラプラスの元気が切れた。

「おい、ここでか」

ヒーロは下からラプラスに追い付いていた。

「だってまだ先が長いじゃないか」

そう言われて見上げるヒーロ。

「確かになぁ、だけどここで諦めて後どうするんだよ」

「そうだけど」

「ほら、頑張れ」

ラプラスはヒーロにそう言われて次の突起に手を当てる。

ガコ

「あ」

突起が外れる。

たまにある運営が作ったトラップだ。

(やば)

ラプラスはそう思ったが体は外へと流れて行く。

すごく長いような気がする。

(これが死ぬ間際の感覚)

「何やってんだよ!」

ガシッ

ラプラスの手をヒーロが掴む。

「お、お前」

「俺たちパーティーだろうが」

そう言ってラプラスを引っ張り近くの突起に誘導するヒーロ。

「ありがとな」

ラプラスは素直にそうヒーロに礼を言った。

「次から気を付けろよ」

「ああ」

(案外いいやつだな)

ラプラスはそう思いながら岩を掴んだ。

「いいですね、男の友情」

「いざって時は頑張るなヒーロ」

そうラプラス達の後ろから声が聞こえる。

ゆっくりと振り向くラプラスとヒーロ。

そこは空中。

そして、円盤に乗ったこよりとレイムがいた。

「そんないいものがあるなら言え!」

ラプラスがこよりに言う。

「いや、言おうとしたらもう登り始めてたから」

「すごいでしょ、ヨーテさんが作ったんだそうよ」

少し興奮気味なレイム。

「さ、2人ともこっちに移ってください。

急ぎますよ」

こよりに言われて円盤に乗り込むラプラスとヒーロ。

「俺たちの努力って」

そう呟くヒーロに背中を叩きながらラプラスが励ました。

それから、門に到着した4人はすぐに【ふぉーす】へ。

今回はイベントなので通行証無しで通してもらえた。

【ふぉーす】に着いた一行はこよりが持っていた超高性能地図を使い、場所を特定。

第2の町の近くに巨大なすすき野原があるのを発見した。

普通の地図ならそこがすすき野原とは表示されないのでさすがはこよりの持つ地図と言ったところか。

「急ぐぞ」

ラプラスの号令に頷く3人。

4人は目的のすすき野原に走った。

 

そこにはもう数人のプレイヤーがいた。

「はぁ、1番ではなかったか」

「仕方ないよ、転移してた人もいたし」

こよりの言うように会場のあちらこちらで転移石を使っているプレイヤーもいた。

「でも、まつりちゃんは見当たりませんね」

周りを見渡すレイム。

「あ、到着した方ですね。

それじゃ、前の方に詰めてくださいね」

まつりちゃん命と書いたはっぴを着たプレイヤーに言われて前の方に行く4人。

「なんだ?」

「さ、さぁ」

ラプラスは不思議そうにヒーロに聞いたが、ヒーロもよく分からない。

しばらくそこで待つ4人。

どんどんプレイヤーが集まってくる。

そして、それを順番に並ばすはっぴプレイヤー

そして、夕暮れになった。

すすきはその夕日で黄金に変わる。

ラプラス達から少し離れた場所に待ち人が現れた。

白いワンピースに白い帽子。

「またせたね」

前の地面が盛り上がる。

すすきが消えて自然のステージへと変わる。

「今日はまつりの単独ライブにようこそ!」

うぉぉ~!

「まさか、ライブだったとは」

「めちゃラッキー」

周りのプレイヤーが小声で喜んでいる。

「なるほど、席の順番を決めてたって事ね」

レイムはステージのまつりを見ながら呟いた。

「まじかぁ、ホロメンの単独ライブなんて始めてだ」

ヒーロも興奮している。

そんな横でラプラスはじっとまつりを見ていた。

「残念だが、帰るぞ」

そうラプラスは隣にいるこよりに小声で言った。

「ええ、せっかくのまつり先輩のライブですよ。

なんで戻るんですか」

こよりは小声で言う。

「わかった。

吾輩だけ違う場所に行くから上手く2人を誤魔化しといてくれ」

「え?どこに行くんですか?」

「まつりさんに会いに行く」

そう言ってラプラスはそっと席を立った。

「もう、まつり先輩なら目の前にいるのに」

その後ろ姿を見送るこより。

「どうしたんだ?あいつ」

ラプラスに気づいたヒーロはこよりに聞く。

「さぁ、何か用事が出来たみたいです」

そう言ってからこよりはステージのまつりを見た。

今からまつりのライブが始まる。

 

 

夕暮れの廊下をラプラスは歩く。

今の姿は変身を解いてロックだ。

ラプラスはある教室の前で止まった。

【学園】はまだ春休み、人はほとんどいない。

トントン

ノックをしてからラプラスは教室の中に入った。

「あれ?

いらっしゃい。

でも、まだ部活はしてないよ?」

そこには学生服を着たまつりが椅子に座ってポテトチップを食べていた。

ラプラスはそのまま教室に入る。

「制服着てないね。

ここの学生じゃないのかな?」

まつりはラプラスを見る。

「これを」

ラプラスはそんなまつりに札を見せる。

「これって」

まつりは札を受け取り見た。

「済のマークが付いてるって事はきちんとライブ会場まで行ったんだ。

でも、ライブまだ始まったばかりだと思うけど?」

目の前のまつりが不思議な事を言う。

ライブをしているなら目の前にまつりがいるのはおかしいはずだ。

「残念だけど本物には用がなくて」

「へぇ」

ラプラスの言葉に驚きそして笑うまつり。

「よく分かったね。

ライブしているまつりが本物だって。

いや、そうかあんたがはあとが言ってた不思議くんだね」

「不思議くん?」

「そう、いきなり部室に入って来て見学って言ってたのに料理が出来た時にはいなくなってたって」

(なるほど、あの時の事ははあとさんの中ではそういう風になっているのか。

しかし、そういう風に言ってくるって事はこのまつりさんは超AIではないんだな)

「僕はロックというんです。

不思議くんではないですよ」

「はは、そっかロックね。

よろしく」

まつりはそう言って笑った。

「それでそのロックくんはまつりに何か用?」

(そういや、考えてないな。

ライブ中にくればこっちには確実に興味を持ってくれると思っただけで、絆はもう繋いでる)

「ん?」

不思議そうにラプラスを見るまつり。

「この札をまつりさんに持っていけばご褒美がもらえるって聞いたので」

ラプラスは他のプレイヤーが言っていた事を思い出して言った。

「あ、そういう事か」

まつりが立ち上がる。

そして、ラプラスに近づいてくる。

ラプラスはプレイヤーが言っていた言葉を思い出す。

(ハグ、ほっぺにキス)

顔が赤くなるラプラス。

「それじゃ、目を瞑ろうか」

優しくいい聞かせるようにいうまつり。

ラプラスは目を瞑る。

ギュッっと優しく握られる。

「え?」

ラプラスは目を開ける。

そこには悪戯っ子のような笑顔で笑うまつりがラプラスの手を握っていた。

「さすがに君が考えてるような事はしてあげられないかなぁ」

そう言われていっそう顔を赤くするラプラス。

「ま、ここにいるまつりはゲーム内でのキャラだからしてもいいんだけど、やっぱりリアルまつりがいるからね。

そこは自重しないとかな」

そうまつりは笑いながら言った。

今この瞬間ライブを行っているのはリアルまつりがゲームに参加して行っている。

その為、今【ホロライブワールド】にはまつりというキャラクターが2人いるのだった。

「それじゃ、またおいで。

今度はまつりの部にも見学に来てね」

そうまつりに言われてラプラスはまつりにお辞儀して教室を後にした。

 

 

「あ、おかえりなさい」

城に戻ったラプラスをこよりが迎えた。

「嬉しそうだな」

「そりゃ、目の前でまつり先輩のライブなんて見る機会ないですよ。

それもリアルまつり先輩ですもん」

「やっぱり分かってたんだな」

「もちろんです」

ラプラスの呆れ声にこよりはうきうきで答える。

「それで、まつり先輩には会えましたか?」

「ああ、会ったぞ」

少し顔を赤くして答えるラプラス。

それを不思議そうに覗き込むこより。

「それより、そっちは何もなかったのか?」

ラプラスは誤魔化すようにこよりに聞く。

「えっと…

はい、何もなかったですね」

何か歯切れの悪い返事をするこよりだったが「ならいい、吾輩はもう疲れたから寝る」とラプラスは自分の部屋へと向かった。

「はぁ~い」

こよりはそんなラプラスを手を振りながら見送った。

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