ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~ラプラスの野望~   作:天野空

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第8話 PvP大会での暗躍~中編~

「さて、いよいよですね」

ロックに入ったルイが【樹海】の入り口である門を見ながら言った。

大会当日、アナウンスで選手達は舞台に上がるように言われてルイ達も舞台に来ていた。

「楽しみでござるな」

変身バッチでムキムキな男性に変身しているいろはが言う。

「はぁ、なんかやる気でないけど。

やるからには負けられない」

そう言ったのは変身バッチで小さな女の子に変身しているクロヱ。

「いろはさんと一緒のグループになれればいいんですが」

と、手を胸の前でバシッと合わせるマモリ。

「ルイさん達と別グループでも、どうせ決勝戦で会えるだろ」

ぶっきらぼうに言うベルフェ。

「ま、そうなるように頑張らないとね」

仲間の2人を微笑みながら見るアスモ。

「そうですね、最終目標はホロメン3人と絆を作る事ですから途中で会わない限り、本選には出れるようにしないと」

「それはそうですが、この大会では絆は生まれないと先程アナウンスされていましたが」

ルイにアスモが聞いた。

「ええ、その点はこよりが対策をしてくれてます」

そう言ってルイは自分の目を見せる。

そこにはコンタクトが付けられていた。

「これはこよりが作ったコンタクトで、これでホロメンにこちらを認識された後、近くで数分間そのホロメンを見続けると絆が生まれるそうです」

「数分間?」

「詳しい時間はまだ検証してないので分からないみたいですね」

「大丈夫なのそれ?」

ルイにクロヱが言った。

「それに認識されて近くでとなるとこの大会だと、たぶん接近戦をしている時かと」

「それはかなり危険ですね」

いろはの言葉にマモリが答えた。

「まぁ、その時はお互いにフォローしていくと言う事で。

ほら、グループ分けが出ましたよ」

アナウンスが終わりグループが各リーダーにメールされたそうだ。

ルイはそう言ってメールを見る。

アスモもメールを確認した。

「私達はAグループですね」

「私達はEグループでホロメンの方と同じグループですね」

「ほんとですか?」

「よし!」

アスモの言葉にマモリとベルフェが声を出す。

「なんでよし!なんですかベルフェ」

マモリがベルフェに聞くと、ベルフェは笑いながら「リベンジできる」と言った。

「ま、仕方ないですね。

3人とも無茶はしないように」

そうルイは3人に言う。

『分かりました』

と3人は笑顔で答えた。

『…指定時間になりましたらグループ順に【樹海】へと突入してください。

では、よい戦いを!』

おお~!

アナウンスが終わった後、会場から拍手と大きな歓声が上がる。

「それでは、本選で会いましょう」

ルイの言葉に5人は各々頷いた。

 

 

「さて、始まりました。

第47回 樹海争闘戦。

進行をつとめさせてもらいます。

シカイです。

よろしくお願いします。

そして、ゲストにこの方を呼んでおります」

「こんこよ~!

ホロライブワールド第六世代組!

holoXの~頭脳!博衣こよりだよ~!」

アナウンス席でこよりが手を振る。

「えっと呼んだ方からこういうのを聞くのもなんですが、こよりさんは秘密結社holoXの一員ですが、こういった場所に出られても大丈夫なんでしょうか?」

心配そうに聞くシカイ。

「ん?大丈夫だよ。

ラプちゃんはダメかもだけどこよりは、ぜんぜん問題ありません」

「そ、それなら大丈夫ですね」

 

「何やってんだ、うちのこよりさんは」

【樹海】の門に入る前にアナウンスの声を聞いてベルフェがため息混じりで言う。

「今日用事があるって言ってたのこれだったんですね」

マモリが苦笑いしながら言った。

「ま、何か考えがあるのかも知れませんよ。

ほら、私達は行きます。

そろそろ出番ですから」

そう言って2人の背中を押しながらアスモ達は門へと入った。

 

「それでは、改めて今回の注目グループはありますか?」

シカイがこよりに聞いた。

「そうですね、こよが一番注目しているのはなんと言ってもEグループですね。

すいちゃん先輩にあくあ先輩、それにトワ先輩のチームがいますから、この優勝経験を持つチームにどう他のチームが戦うのか見物です」

「なるほど、他にはありますか」

「他ですか?

そうですね、AグループとBグループのこの2人ですね」

こよりが獅子の仮面を着けたプレイヤーといろはが変身したプレイヤーを指差した。

「おお、この2人に何か?」

シカイが興味深そうに聞く。

「はい、いい筋肉してますねぇ」

じーと見るこより。

「えっと、それでは予選開始です」

シカイは罰悪そうにスルーした。

 

「さて、予選が始まり前半戦、半分の時間が過ぎました。

この時間の中で特に注目したいのはAグループ。

まさか先程こよりさんが目を付けたプレイヤーのチームが大健闘でした」

興奮しながら言うシカイ。

「はい、こよの目に狂いはありませんでした」

こよりがうんうんと頷く。

「え、資料によるとロークさん率いるチームで体格がいい方がフウマさん、そして、驚異の回避力を持っている小柄な女性がサスマタさんですね」

「はい、サスマタさんが囮役になって攻撃を回避し、そこにロークさんの遠距離からの攻撃、フウマさんの近中距離の攻撃で倒すといったナイスな連携です」

シカイの言葉にこよりが頷きながら答える。

「まだ半分の時間しかたっておりませんが、Aグループのチームはほぼロークさんのチームに倒されております。

このチームがほぼ本選確実ですね」

「はい、後はBグループですね」

こよりはBグループの画面を見ながら言った。

「そうですね、こちらもこよりさんが言われていたプレイヤーのチームが活躍しております。

先程のロークさんのチーム程の圧倒的な活躍はありませんが、確実に相手を倒してポイントを貯めています」

「このチームもこれからの動きが気になりますね」

「そして、なんと言ってもEグループです」

「はい、トワ先輩率いるチームともう1チームアスモさんのチームですね」

(アスモ達、名前も姿も変えずに参加したんだね。

まだ派手にばれてはいないようだけど)

「どうかしましたか?」

「いえ、なんでもありませんよ~」

シカイの言葉にこよりは誤魔化しながら答えた。

「まだ、この2チームは戦ってはいませんが、かなり均衡してポイントを稼いでいますね」

「はい。

そして、そろそろ出会いそうですね」

「おおっと2チームが接近した!」

こよりの言葉が終わると同時にシカイが叫ぶ。

そしてEグループの決勝戦と言われた戦いが始まった。

 

 

「アスモ、こっちでいいのか?」

ベルフェがソードを装備し進みながら聞いた。

「ええ、こっちで間違いないわ」

アスモは地図を見ながら言う。

「まさか、そんな手があるとは思わなかった」

そう言ってマップを見るマモリ。

アスモ達はアスモの提案で、出会った相手を倒さず、ダメージをある程度与えて逃がすといった方法を取っていた。

そして、逃げた相手を遠距離ギリギリのところで追いかけていた。

「さっきのチームがこっちに来てロストしたから」

アスモが言う。

「なら、この先に別のチームがいるか。

そろそろ当たりそうだな。

すいせい先輩のチームに」

ベルフェは嬉しそうに言う。

「もう、無茶しないでよ、ベルフェ」

そんなベルフェにマモリが言ったが、ベルフェはニコニコしながら進む。

「ま、言っても聞かないみたいだし、私達はそのフォローに回りましょうか」

ベルフェを見てアスモが苦笑しながら言った。

「いた」

ベルフェが誰かを見つけたようで姿を隠しながら言う。

その先には見えるのは確かにすいせいだ。

「1人…ってわけないわね」

「うん、さっきのチームも手負いだったし、他のチームを警戒してすいせい先輩だけ囮役で出てる可能性が高い」

アスモの言葉にマモリが答える。

「ま、なんにせよ、目標がいたんだ。

ここは戦わないとな」

やる気満々のベルフェ。

「仕方ない。

無茶はするなとルイさんから言われてますが、このままだと進めませんですし」

「だね。

それにベルフェも我慢できないみたいだし」

そう言ってマモリが笑う。

「じゃ、ベルフェはすいせい先輩を。

私とマモリは2人の戦いを確認しながら残りのあくあ先輩、トワ先輩の警戒を」

『了解』

「では、行きますよ」

アスモの合図で、ベルフェはすいせいに向かっていった。

 

「へぇ、無事だったんだ。

それとも誰かがよく似せたキャラを使ってるのかな?」

すいせいは目の前に現れたベルフェを見て言った

「それはないでしょう先輩。

約束通りリベンジに来ましたよ」

ベルフェは笑いながらソードを構えた。

「そっか、無事だったんならよかった。

今はラプラスちゃんとこにいるのかな?」

「なんの因果かそうなります」

「…それで、目的は?

私にリベンジする為。

じゃないよね?」

そう言いながらすいせいはハンドガンからナイフに武器を持ち変えた。

「俺的にはそうですが、違いますね」

ソードを構えるベルフェ。

「はは、相変わらず自分に素直だね、ベルフェは。

じゃ、深くは聞かない。

今はリベンジを受けるよ」

「ありがとうございます」

お互いに敵と認識する。

(すまないが手出しはしないでくれよな)

ベルフェがチーム通信でアスモ達に伝える。

すいせいも耳に手を当てて何かを伝えているみたいだ。

「さ、これで2人きり。

残りの2人はこっちの2人でやってもらおう」

すいせいが笑う。

ベルフェと同じ事をすいせいもしたようだった。

「それは助かります。

では、いくぜ!」

すぐさまベルフェは武器をハンドガンに持ち変えすいせいに打つ。

距離的には中距離。

近距離よりこっちに分がある。

それを見てにやりと笑うすいせい。

その手には同じくハンドガンが握られていた。

紙一重で弾を避け、カウンターのように弾を射つすいせい。

それをベルフェも紙一重で避ける。

お互いににやりと笑う。

ダン、ダダダ!

ダン、ダン、ダダ!

付かず離れず撃ち合う2人。

どちらも紙一重で避けながらカウンターで撃ち合う。

それはもう他の誰かが中に入れるような空間ではなかった。

「やるわね」

すいせいが笑いながら言う。

「スペックは同じですから!」

ベルフェが答えた。

この大会に参加した場合、キャラのスペックはどんなキャラであろうと強制的に同じにされる。

それは例えホロメンであろうとも。

「プレイヤースキルは同等ってことか」

「負けない」

すいせいの言葉にベルフェが答える。

その言葉を嬉しそうにすいせいは聞いていた。

「な!」

いきなりベルフェの体勢が崩れる。

その機を逃さず接近するすいせい。

その手にはナイフが持たれている。

ベルフェもソードに持ち変えなんとか体勢を戻そうとするが遅い。

すいせいのナイフがベルフェにヒット。

その後の蹴りでベルフェは後ろの木に蹴り飛ばされた。

「く」

直ぐに立ち上がりソードを構えるベルフェ。

(すいせい先輩がナイフだったお陰でダメージは少ない。

しかし、何が)

どうして体勢を崩したか分からず警戒するベルフェ。

そこにアスモから通信が入った。

(さっきのはステージの復元機能に足を取られたみたい)

(復元機能?)

(このエリアはステージ事態が破壊されたり傷つけられた場合、少ししたら元の状態に戻るの。

それをすいせい先輩は利用したようね。

ベルフェが次に進む場所を予想して弾痕を残し、その復元と足を置く時間を合わせたみたい)

(それで足元に違和感があったのか)

目の前のすいせいを見るベルフェ。

(あの戦いでそこまで組み立てられるとは)

ベルフェは嬉しさで笑みを浮かべる。

「やられたのに笑うって本当に戦闘狂ね」

すいせいはベルフェに向かって笑いながら言った。

「それはお互い様ですよ」

ベルフェも負けずに言い返す。

そして、また戦いが始まる。

今度は近中距離の戦いだ。

近距離武器と中距離武器を素早く切り替えながら戦う。

それはまるで弾丸と火花が飛び交うダンスステージのようだった。

そして、そのダンスステージも終わりに近づいていた。

ベルフェのソードの攻撃をナイフで受け流すすいせい。

そこにすかさずすいせいが蹴りを放つ。

バックステップで避けるベルフェにすいせいがハンドガンを撃った。

避けきれず肩に弾を受けるベルフェ。

そこにすいせいは追い討ちの如くナイフで攻撃する。

覆い被さるすいせい。

そして、決着がついた。

「やるわね」

地面に寝転がるベルフェに覆い被さるすいせいが静かに言った。

「楽しかったですよ」

そう言ったベルフェの胸にはナイフが突き刺さっていた。

「楽しかったか」

そう言って上半身を起こすすいせい。

その腹にソードが突き刺さっている。

(ごめん、やられたわ)

チーム通信で最後の言葉を言う。

(すごかったよ)

そう返事が返ってきた。

「また、戦っていい?」

「もちろんです。

リベンジです」

「そうね」

すいせいがそう言って微笑みながら立ち上がった。

光になって消えるソード。

そして、寝転がるベルフェもゆっくりと光になって消えていった。

最後のカウンターでベルフェが放ったソードは、後少しすいせいのHPを削る事ができなかった。

 

「不意打ちはあてぃし嫌いだから」

ベルフェ達の戦いを見ていたマモリに声がかけられた。

マモリがその声の方を見るとあくあがこちらにスナイパーライフルを構えている。

マモリがあくあを認識したその瞬間、スナイパーライフルが撃たれた。

「く」

弾を避けようと体を動かしたその先に弾を跳んできた。

マモリがそちらに避けるとあくあは初めから分かっていたのだ。

被弾するマモリ。

そして、「もらった!」と突如マモリの横からトワが現れる。

手に持つソードでマモリを攻撃する。

「気配感じなかったです」

そう言ってマモリは徐々に光に変わっていく。

「これは試合だから、トワは謝らないよ」

その言葉にマモリはにこっと笑い頷き消える。

そして、直ぐに近くにいたアスモにハンドガンを構えるトワ。

アスモも同じくハンドガンを構えているが、あくあとすいせいもスナイパーライフルでアスモを狙っていた。

「すいせい先輩は囮役でしたね」

アスモが静かに言った。

「そういう事。

2人の戦いに魅入り過ぎだよ」

「それ程かっこ良かったですから」

アスモが素直に答えた。

「なんか前の戦いの時より変わった?」

「そう思えるならラプラスさん達の影響ですね」

トワの言葉に笑うアスモ。

「そっか。

なら、今度別の時にお茶しよっか」

トワの言葉に驚くアスモ。

そして「はい、喜んで」と答える。

「それじゃ、今はバイバイ」

「はい、完敗です」

トワにアスモはそう答えた。

放たれる弾。

アスモは静かに光となって消えた。

 

(かっこよかったよ、アスモ達)

解説席で2チームの姿を見ながらこよりは思った。

「すごかったですね、先程の2チーム。

さすがこよりさん。

とても見応えある戦いでした」

「はい、こよりの目に間違いはありません」

こよりはそう言って胸を張る。

「それでは、後半戦もいよいよ終わりを迎えます。

最後の追い込みに各グループ入ってきていますね。

さて、本選に残るチームはどのチームになるのか、とても楽しみですね」

「そうですね、こよりも楽しみです」

そして、しばらくして予選は大盛況の後、終わりを迎えた。

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