ガンダムビルドネットワーク   作:川嶋 夜姫

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 6ヶ月ぶりぐらいかな?
ちまちま書いてはいたんですけどゲームしたり、寝たり、動画見たり、寝たりをしてめちゃくちゃ進めるの遅くなってしまいました。
書き溜めるのって大事ですよねぇ。


第4話「オデッサデイ」

 オデッサデイとは。

現在なおも続くリアルワールド内での戦争。

オデッサの地に初めて誕生の卵が飛来し、発見された場所。

その地での争いは、3つの大きな組織が総力を持って奪い合い、過去一に被害が出た日。

それにちなんで、大きな戦争を行う時にオデッサの日・・・・・。つまりオデッサデイと呼称するのだ。

 

 

 前回の戦いから2日後のこと。

パイロットスーツを購入したはいいが、GBNにはログインせず学生生活を送っていたリュウザキは、今日も今日とて朝早くに起きて食パンを食べる。

 

「土曜日にオデッサデイかぁ・・・・・。」

 

ぼそりとつぶやいた瞬間に脳裏によぎる声。

「宇宙か、オデッサデイやろ!」

GBNで初めてできたフレンド。

その人からの遊びの誘いであれば、それに乗るのが友達付き合いというもの。

 制服を着て、玄関を出て学校へ向かう。

いつも通りの道で通うのだ。

校門で先生達に挨拶をして、中へ入り下駄箱へ。

 

「お、リュウザキおはよ」

「おはよー、今日も早いね」

 

 同じクラスの人と挨拶もしっかり。

人柄は、挨拶である程度わかってしまう。

 教室の中へと入り、外が見える窓際の席・・・・・ではなく、中央の席に座る。

席に着くなり、鞄を机の横のフックにかけてノートとペンを取り出す。

自由帳・・・・・と言えば幼稚だろうか?

真っ白な紙に、黒のシャーペンを突き立てて、ペンを走らせる。

 

(ネームガンダムはまだ、完成じゃない・・・・・。まだ1になったばっかりなんだ。

まだ改良の余地もあるし、改善するところもいくつもあるはず)

 

 以前のGBNでの戦い。

ドムトルーパーとの鍔迫り合いの最中にビームサーベルを最大出力で使用していた時。

ビームサーベルが耐えられる温度の上限値に達した瞬間リミッターが発動し、強制的にビームの刃が途切れる事態になった。

 

(ネームガンダムの足はピクシーを使ってるけど、あれじゃ宇宙戦はしにくいし何より重量的にダメだ)

 

 ガンダムピクシーはアムロ・レイ用に作られたガンダムの1機で、近接戦闘をメインとしたMSである。

特徴的なのは、2振りのビームダガーにそれを使用して高速で敵を切らんとする機動力。

だが、それを実現するために機体の装甲はかなり薄く作られており、ビーム兵器もダガーのみとなっている。

 

 

「うあ!!」

 

 改造案を考えたり、またはスケッチしたりして授業のほとんどを聴いていなかった。

すっかり放課後になっており、自分の意識が戻った場所は図書室だった。

 

「そこの一年、そろそろ閉めたいんだけどー」

 

「あ、はーい。今出ます」

 

制服の胸ポケットに学年を見分けるバッヂが付いている。

赤が3年、青が2年、緑が1年だ。まぁどうでもいいけど。

 

 図書室から出て、下駄箱で靴を履き替える。

苗字があ行のため、下駄箱の位置が高い。

身長は平均よりも小さいために、たまに方が辛い時がある。

 

「やっぱ1人で悩んでちゃ上手く思い浮かばないなぁ」

 

そう感じたリュウザキは、デパートに足を運び本屋に入った。

 ホビージャパン以外にも模型雑誌は置いてあり、ガンプラにも使える技術が掲載されている場合が多い。

特に戦車は、汚し塗装、ウェザリングと呼ばれる塗装方法などがよく載っているので、ザクなどの量産機を作る時はかなり参考になるが。

 

「ネームガンダムには向かないなぁ」

 

ガンプラバトル用で尚且つ、リアルな仕上げにするつもりはないために、今は必要でないと判断して、他の本を探す。

 

 辺りを見渡していると、見覚えがある人が本を手に取って呼んでいるのに目が止まる。

商店街の本屋でバイトをしていた時に、本を買いに来た女性だ。

 その女性は、その時と同じようにホビージャパン雑誌を呼んでいた。

 

「帰るか」

 

 本を買うのはやめて、家に帰宅してから過去に作ったガンプラの組み立て説明書を取り出して、読み漁る。

強化プランや改善点などが思い浮かぶと思い、全てに目を通したが。

 

「何も思いつかん・・・・・。」

 

 結局したことは、ネームガンダムの足をガンダムピクシーからブルーディスティニー3号機に付け替えただけ。

拙著性はよくなり、片足立ちでポーズをとってもあまり倒れなくなった。

 重力化での運用では、脚部に力を入れるのはかなり重視されている。

実際、前回の戦闘で勝ちはしたもののユウキが使うMSは脚部を両断されてしまって動きに制限が生じた。

戦闘によるダメージもそうだが、歩行時による負荷にも気を使わなくてはいけないのが、ビルドネットワークなのだ。

 

 

「で、前日になって頼ってきたわけね」

 

 GBNユーザー向けに作られたチャットツールアプリ、GBNチャットにてユウキに何か案がないかをオデッサデイ前日に相談していた。

 

「あれだねリュウザキくん。

テスト勉強とか直前にしそうだよね・・・・・。」

 

 ごもっともなことを言われて乾いた笑いをする。

そして本題に移ることに。

 

「そうだねぇ、ガンダムだしここはMSVにあやかってFSWSはどうかな?」

 

 MSV(モビルスーツバリエーション)とは、機動戦士ガンダムのアニメ終了時にバンダイがガンプラを販売、第一次ガンプラブームが起こり、その人気にあやかって打ち切りのために登場しなかったMSや、新たに設定を書き起こされたものをプラモデルとして売り出したシリーズであり、今では作品バリエーションが豊富になっている。

 

「FSWSって、なんでしたっけ?」

 

 クエスチョンマークを浮かべながらリュウザキはユウキへ質問を投げかけた。

 

「フルアーマーシステム・アンド・ウェポンシステムの略だね。有名なので言うとー・・・・・。」

 

 第1プランのフルアーマーガンダムは、初代ガンダムに簡易増加装甲を始めに、追加武器、補助推進装着を装備して性能向上させたMSで、増加装甲をパージして通常のガンダムとしても戦える。

第2プランのヘビーガンダムは、フルアーマーでは増加装甲なのに対しこちらは装甲、フレーム板厚の拡張されている。

 

「今から作るにしても、どちらも大変そうですね・・・・・。」

 

「他人事みたいに言ってるけどリュウザキくんのネームガンダムの話だからね!?

まぁ、増加装甲だけが何もガンプラの強化じゃないし、地上戦だから装甲盛ったら機動力の低下に繋がりそうだしなぁ・・・・・。」

 

 フルアーマーもヘビーも、宇宙でならスラスターの推進力を活かした戦闘が可能だが、地上では重力の関係で、自由に飛ぶのはほぼ無理だろう。

 

「あ、サクッと出来る方法があった」

 

 閃いたユウキは、スマホの様な物を取り出し端末を操作。1機のMSを表示する。

 

「陸戦型ガンダム?」

 

「そう!陸ガン!こいつは背中には武器が入ったコンテナを背負ってる。

・・・・・。ただ、ネームガンダムのバックパックにはビームサーベルもあるから、逆に戦力の低下に繋がるから・・・・・。」

 

「あ、そうだ!」

 

リュウザキが思い出してユウキの言葉を遮る。

 

「ネームガンダムにアタッチメントを増やして、武器の携帯数を増やす!そうすれば、陸ガンまではいかなくても、少し長く射撃戦が出来るはずだ!」

 

思い立ったら即行動は、モデラーなら誰しも行う行動だ。

 

「お役に立てて何より。

ちゃんと眠るんだぞー」

 

 

・・・・・そして、オデッサデイ当日。

 リュウザキは調整したネームガンダムのチェックをする為に、朝早くからゲームセンターへ赴いた。

 

 筐体にスマホをセットして、ユーザー認証を済ませてGBNへログインする。

ゲームセンターが開店する10時、GBNは全世界で展開されてるネットゲームな為すでに多くの人がログインしている状態だ。

 ミッションワールドに降り立って、早速機体のテストを行おうと、メニューを開いた。

 

「お、なぁそこのアンタ」

 

後ろから声をかけられ、リュウザキは振り返って首を傾げた。

 

「そそ!もしかして今日のオデッサデイやるために来た?」

 

「あ、はい、そうですけどそちらは…?」

 

白髪の青年が口を開け応える。

 

「俺はセシル!オデッサデイって、小隊でやるのがセオリーらしくて、俺含め今2人なんだ。

よかったら一緒にどうかなって」

 

せっかくのお誘い。

1人ならすぐにokと返事をする所だが先約がいる。

 

「フレンドとやるって約束してて・・・・・。

返事来るかわからないけど、聞いてみます!」

 

 GBNチャットは、ゲーム内外問わずに連絡が取れるため、ユウキにメッセージを送ってみる。

前回の護衛ミッションの時に、ちょっとした雑談で働いてるというのを聞いているため、すぐには返事が来ないのは分かっていた。

 

「お返事もらえるまでしばらくかかりそうですし、また後ほど・・・・・。」

 

と、言葉を喋り終える前にセシルが喋った。

 

「じゃあそれまで暇だったら一緒に何かやらない?俺もフレンドがまだ来てなくってさ」

 

 お互い時間まで暇な身であり、リュウザキに至ってはオデッサデイ開始時刻まで特に何かをやる予定が無かった。

そのため返事はハイのみ。

 

「よし、そう来なくっちゃな!!」

 

 素早くミッションの受付を済ませ、ミッション開始地点へ移動する。

ステージは地上で、内容はMS20機の破壊だった。

 

「ネームガンダムはリュウザキで行きます!」

 

膝立ちの状態から立ち上がり、MSのカメラのライトが発光して、メインモニターに外の景色が映し出される。

 

「セシル、ダガーL!」

 

 セシルが操るMSは、ガンダムSEEDの地球連合軍製量産型MSのダガーLに少し手を加えた機体だ。白い四肢に紫の頭と胸。

 特徴的なのは手持ちの武器だ。

ショートビームライフルのバレル下にナイフを固定させている。

 

「難易度はさほど高くないが油断するなよー!行くぞ!」

 

 セシルの合図で、ミッションが開始する。

軍事基地の演習場のような場所。

格納庫からゾロゾロとMSが湧き出てくる。

 リーオータイプのMS群だ。

ガンダムWの言わばザクに該当するMSが向かってくる。

 

「こちらから仕掛ける!」

 

 先手を打ったのはリュウザキのネーム。

シールドで自身を守りながら、ハイパーバズーカを放ち、先陣を切っていたリーオーの足元に弾頭が命中し、1機行動不能にした。

 

「反撃が来るぞ!回避運動を怠るなよ!」

 

 忍者の如く足を走らせ、ビームを連射し1つ2つ撃ち抜き、倒しそびれた機体をナイフで斬り倒す。

 

「あの人上手い・・・・・。でも!」

 

 ネームガンダムも前進して、遅れを取らないように射撃を加える。

バズーカは直撃させずとも高威力な為、牽制にも役に立つ。

 あっという間に10機撃破に成功。

 

「なぁ、なんでネームガンダムって名前なんだ?」

 

 戦闘に余裕が生まれ、ちょっとした質問リュウザキに尋ねる。

 

「わかりやすくって、覚えやすくって・・・・・。

被らなさそうだから、ですね」

 

 オリジナルのガンプラを作った人ならば、名前をつけると言うことをするのはした事があると思う。

しかし、その名前が他の誰かと被ったり、または後々公式で使われたり等あると思う。

 わかりやすく、覚えやすく、被らない。

そのためのネームなのだ。

 

「なるほど、よく考えられてるな。

よぉし、残り半分油断せず行くぞ!」

 

 セシルとのミッションはこの後数回行われて無事に達成するのだった。

 

 

 エントランスに戻り、リュウザキ達は椅子に腰をかける。

いくらゲームとはいえ、フルダイブ型のVRゲーム。

脳の疲労からは逃れられないために、休憩は必須だろう。

 

「いやー2時間もぶっ続けは疲れるなー」

 

 セシルが背伸びをしながらそう言う。

喉が渇いてたために、テーブルの上にカップが2つと、パイロット用のスナック菓子が置いてある。

 

「お昼の時間ですけど、どうします?」

 

 時刻は12:30を回っていた。

ログインし、遊んだ時間から考えたら当然であろう。

 

「んーそうだな、食事を適当に取ってまたログインするよ。リュウザキくんはどうする?」

 

「なら自分もそうします。フレンドさん来たらまた顔合わせしましょ!」

 

 おう。と返事してセシルはログアウトし、目の前から姿を消した。

リュウザキも後を追うように、ログアウトするのだった。

 

 

 お昼ご飯を済ませたリュウザキはふたたび、GBNへログインする。

 ログイン時には、メッセージが来ているのを示すホログラムが目の前に表示された。

それは、ユウキがお昼休憩の時に送ったものだった。

 

「3時には合流できるんだ!」

 

 “仲間達”と協力し、共に喜び分かつこと。

彼は無意識ながら憧れていたのだろう。

これからのミッション、これから挑むオデッサデイの楽しみ。

誰かと何かを成す経験こそ人は成長するもの。

 

「会う頃まで操縦をもっと上手くできるようにならなきゃ!」

 

 待っている間に練習を積み重ね、足手纏いになんてならない。

彼の心の中、GBNのβテストの時に共に来てくれた仲間の事を思っているのか。

もっと上手く、もっと強く。

自分だって戦えるんだと叫ぶように、レバーを握り、ペダルに足を置き、練習に励むのだった。

 

「ビームライフルの命中精度が・・・・・!」

 

 停止撃ちの状態であれば的に当てるのは容易いだろうが、戦場では自分も敵もそうではない。

常に動きながら、戦いは繰り広げれるわけでじっとカカシのごとく無抵抗でいるわけにはいかない。

 ジグザグに動き、時には飛んで、同じようにランダムに動く的に照準を合わせて銃身を向ける。

ビームの段速は早く、撃てば当たるものではある。

しかし、それでも動かれていては躱されてしまう。

 練習にどっぷりハマってしまい、ユウキからのログイン通知を受け取るまでそれが続いた。

 

 時刻は3時半ごろ。

リュウザキ、ユウキ、セシルとそのフレンドが喫茶店エリアで顔合わせする。

 

「はじめまして!ユウキと申します!」

 

 頭を深々と下げお辞儀をセシルたちの方へするユウキ。

それに続けてセシルも挨拶し、そのフレンドも。

 

「フェンと申します!」

 

 短髪の白い髪に、犬耳が生えた少女がフェンと名乗る。

 GBNでは普通の人の見た目以外にも、こう言ったケモミミや、全身メカや、SDガンダムなんかもアバターとして使用できるのだ。

リュウザキ、ユウキ、セシルは普通の人でフェンだけケモ耳族という状態だ。

 

「よし、じゃあ早速オデッサデイ申請するよー!」

 

 一番年上っぽいユウキが小隊長を請け負い、受付にてオデッサデイ参加の申請を行う。

 

 

 17:00時、世界の各所で軍事基地に防衛網が敷かれ始める。

そして、それを奪わんとする大部隊の動きも確認できる。

オデッサデイは大規模な戦争ということで普段はリアルワールドはモニターされないが、生配信で各地の状況を視聴できる。

 

「我が第203砂漠中継基地は、言わば安全な輸送経路の1つだ。

しかし、大事な防衛ラインでもある。

諸君らは、この基地をなんとしても死守していただく。

我々も数を揃えたが、敵も大部隊だ。

どう仕掛けてくるかはわからん。

ミノフスキー粒子を撒かれては、我々からの通信はほぼ期待できないであろう。その際は現場の、各MS隊隊長の判断に委ねる。」

 

 少し老けた面の、およそ180cmも身長がある軍の偉い人が帽子の位置を直し敬礼する。

 既に輸送され配備されたMSの列から、自分達のMSへ走る。

または、バギーなど四輪車で移動し乗り込む。

 リュウザキもネームガンダムへ、ユウキは前回のジムキャノンから変更し最初に乗っていたヘビーアームズをベースにバックパックだけマドロックのキャノン砲を装備。

セシルはリュウザキとミッションに行った際に乗ったダガーL、フェンは一部灰色の塗装を追加したGN-Xに大型の槍を持たせバックパックもコーン型からアストレア等に使われるタイプに変更した物に搭乗する。

 

 司令塔から無線連絡が入る。

 

「前防衛隊へ!

ミノフスキー粒子を感知した!敵反応を確認したら各機の判断で迎撃せよ!!」

 

 司令塔からの通信が、ミノフスキー粒子散布の影響により通信障害で切断されると共にミサイル警報が鳴り響く。

 

「ミサイル?!迎撃に・・・・・!」

 

 リュウザキ機がジャンプする姿勢をとろうとしたところにセシル機が肩を掴んで、それを制止する。

 

「ミサイルは囮だ。

本命はMS部隊による強襲だ。行くぞ!」

 

「頼もしいなぁ、行こうリュウザキくん!」

 

セシルの後にユウキ、リュウザキ、フェンの順で並んで進む。

 

 基地の防衛はA〜Fまでのエリアが存在し、リュウザキ達は基地南側のエリアEを担当する。

 

「キャッチ!敵MS6機!!」

 

 ユウキのヘビーアームズに搭載されたカメラが、敵部隊を捕捉した。

装備的に長距離攻撃を行えるのはヘビーアームズに装備したキャノンと、ネームガンダムのビームライフルだろう。

 シールドにマウントしたビームライフルを装備するのにバズーカを後ろ腰にマウントさせようとしたところで別方向、正面からMSが3機ずつ接近する。

 

「フェン!いけるな!」

 

「もちろんです!!」

 

 大型のランスを突き出しながら、GN粒子を散布し突進をかける。

その後ろにダガーLが追いかけ、GN-Xを盾にする形になる。

 

「2人で3機を相手にするなら、こっちも行こう!」

 

「了解!!」

 

 シールドを前に突き出し、新たに接近する敵を迎え撃つ。

 仲がよろしいのか、リュウザキ達の方へ向かってくる敵機体は、ガフラン。

ヴェイガンと名乗る火星人が操るMSの色を蛍光グリーンに塗装した極めて目立つ。

 

「リュウザキくん!ビームライフルは効かないから!!」

 

「そうか!なら!!」

 

 ガフランの装甲には対ビームコーティングが施されている。

ビームは効かない。

しかし、今ネームガンダムの手に持ってる物は。

 

「頑丈な装甲でもこれなら!」

 

 バズーカから発射された弾頭は先頭を走っていたガフランの真下に着弾し煙幕をあげる。

 センサーによる視界確保のために不気味な機械音と共に目を光らせるガフラン。

しかし、それを行わせるのがリュウザキの狙いだった。

 

「さすがだね、リュウザキは!」

 

 背中に装備された2門のキャノン砲が火を吹き、1体目の、おそらく隊長機を撃破。

 そしてリュウザキもそれを見届けるだけではなく、煙から離れていた2体目のガフランに接近していた。

 

「ノーモーションで射撃できるこっちのほうが!!」

 

 ガフランは両掌に連射可能なビーム、尻尾のように見えるビームキャノンを持つ。

固定武装化しているため、トリガーを引いて発射すると言う行動をパスしている分、ほんの幾分か早く射撃が可能だ。

 その上ネームガンダムは発射してから弾が速度を出すのに少し時間がかかるバズーカ。

 中距離の射撃戦となれば分が悪い。

 

「しる・・・・・かぁぁぁぁ!!!」

 

 地面を蹴り、連射されるビームの雨を掻い潜って。

 

「おらぁっ!!!」

 

 機体の上半身を覆うほどの大きさのラージシールド。

それのグリップを掴んで反対向きに持ちリーチを稼いで、なんと敵をぶん殴ってみせる。

 

「ちぃ!だがこんなものじゃなぁ!」

 

 ガフランは腕を振り掌からビームサーベルを発生させて斬りかかる。

 一振り、二振りと斬撃を繰り返す。

 

「もう一回!!」

 

 三振り目、否、相手が振りかぶった瞬間シールドを相手の関節部にめり込ませ攻撃を阻止したのだ。

そして、その行動と同時に手からバズーカを放し、ビームサーベルを既に手に持っていたネームガンダムはガフランの首にそれを押し付けて。

 

「悪いが初戦でビーム弾く奴と戦ってるんでね」

 

 首の関節部を切断させて2体目の処理を完了する。

 

「小癪な!!」

 

 尻尾を正面に向け乱射しながらネームガンダムへ走る最後のガフラン。

両手はビームサーベル。

 距離はあるがバズーカを拾う時間はない、しかしこのままでもまずい状況だ。

 

「動きが直線的で助かるな!」

 

 右手を覆うように装備したガトリング、そのターレットが回転しビームの嵐がガフランを襲う。

 まるで嵐の中降り注ぐ雨のような弾丸。

しかし先ほど書いたようにビームコーティングが施されているために、防水加工したかのようにビームは弾かれてしまう。

 

「ビームは効かねぇんだよ!」

 

 ガフランがユウキのヘビーアームズの方へ顔を向けた。

 

「馬鹿なお前から片付けてやる!!」

 

「獲物を前にしてよそ見をするやつにやられはしないよ!!」

 

 隙ができ、リュウザキはガフランへの接近が出来た。

2体目と同じように今度は後ろから、首をぶった斬ってみせる。

 

「ナイスだよ!

こちらユウキ!まずは3機撃破!」

 

 ミノフスキー下でも、散布濃度によっては通信ができる。

遠すぎる場合は特殊な機器を使用しなければならないが、リュウザキ達とセシル達はそこまで遠いわけではない。

 

「こちらセシル、同じく先発隊を撃破した。」

 

 基地の360度全てが戦闘区域。

銃声が鳴り、煙が上がり、その度に散る者がいる。

戦争の臨場感を味わい、その愚かさを学ぶためにあえて人がとっつきやすいガンダムという作品を題材にした者はさぞ、どこかで誇らしげにしている事だろう。

 しかし、現実はそうではない。

フィクションはフィクションとして受け入れ、現実ではこんなことは起きていない起きるはずがない。

片耳を塞ぎ、片目を閉じて、聴く気も、観る気もないのがリアル、現実なのだ。

 仮想現実で、現実と変わりのない景色を生み出し、味覚や痛覚など再現しようとも。

100年の歴史は灰にはならない。

 

「まずい逃した!!」

 

 セシルがギラズールと格闘戦をしている間に、ゼーズールが防衛網を突破し、基地に接近を許してしまう。

 

「まかせろ!!」

 

 ヘビーアームズのキャノン砲により脚部を破壊して残った上半身に、5秒間のビームガトリングを掃射して撃墜する。

 

 戦闘開始から20分が経過し、ミノフスキー粒子も薄くなり始めた。

 

「こちら、エリアA防衛チーム隊長。

敵の姿が見えなくなったが終了時刻まで待機する。」

 

「Bエリアも敵の姿確認できず、待機するよー。」

 

 ノイズ混じりながら長距離通信が可能になり各エリアの隊長機または、隊長代理が報告を始める。

 

「20分ぴったりに粒子が薄く・・・・・?」

 

 リュウザキは不思議に思った。

そんなリュウザキの様子を真っ先に気がついたユウキが個人チャンネルを開き解説をする。

 

 オデッサデイはその戦闘の規模からあらかじめ開始時刻と終了時刻が設けられている。

 終了時刻に近づくとミノフスキー粒子が薄くなり始め、防衛チーム側は増援部隊が5分〜10分後に到着し掃討を始める。

 1人1人が相当な強さを持つため相手をしても旨みがないため、制圧側は撤退が推奨される。

 

「本拠地から近いから、最終防衛ラインであるここを突破でもされない限り平気だよ!」

 

 基地の周りを取り囲む壁まで下がり、望遠モニターでユウキは観測を始める。

 敵の反応は無く、それをリュウザキ、セシル、フェンに伝え、部隊全員に聞こえる回線に切り替えたところで別エリア担当から通信が入る。

 

「こちらエリアD!

こちらエリアD!

増援求ム!!

赤い・・・・・ザクが・・・・・!!」

 

 セシルがすぐさまに返事を返す。

一番近いエリアがEであるためだ。

 

「こちらエリアE防衛隊!何機残ってる?!」

 

「2機・・・・・。いいや・・・・・全滅だな・・・・・。」

 

 通信途絶の瞬間にリュウザキ機が走り出す。

残り8分の間、守り切れば勝ちが見えているだが。

その8分の間、赤いザクとやらに突破されて制圧される可能性だってある。

止めなければという強い思いで、考えるより先に飛び出した。

 

 エリアDにて。

 両腕が切り落とされ、足に大穴が複数空いた黒いディランザのコックピットが開く。

 コックピットから出てきた機体と同じく黒いスーツを見に纏う女性がヘルメットを外し投げ捨てる。

 黒く美しい髪が、戦場の風で靡く。

 

「あの”グフ”・・・・・。逃げずに何を・・・・・。」

 

 太陽の日が落ちかける時、紅の機体は燃え上がるかのように戦場を舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 警告音が鳴り響く。

危険サインの赤い照明がコックピットの中を照らす。

 

「まだ、やれる!!」

 

 聞き手を失ったネームガンダムが、立ち上がり、太陽を背にした紅の機体へと向かう・・・・・。

 

—次回「あなたを思って」




 初代ガンダムのアムロ・レイのライバルと言ったら誰を思い浮かべますか?
78-2のライバルMSは?
私は、アムロが初めて「勝ちたい」って言った相手がそうなんじゃないかなと思ってます。
よかったら、感想よりもそっちのコメントくれると嬉しいな、なんて!

あと、書き溜めてないです!
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