「ここはどこだ?」
目を開いた男性は見渡す限りの海でぽつりと立っている柱の上であぐらをかいていた。柱には牙の生えた四足獣が九つ彫られていた。そして、海は全く澄んでおらず夜空との境界がわからないぐらい黒く見ていると全てが飲み込まれるように錯覚する。
「え、怖すぎ」
周囲を把握すると自然と口から溢れていた。意識を外に向けていると自分の中で何かが削られる奇妙で不快な感覚がするので無理矢理意識を内側に向ける。
「まずは現状把握だな」
声に出して状況整理をすることで静寂に包まれるのを防ぐ。そうしなければ自分が保てないような感覚に陥るからである。
「最後の記憶は……山?」
「大学の登山サークルでーーーーーー
一生懸命にブツブツと口に出しながら考えを巡らせていると、目の前で海が音を立てて割れていく。その光景に驚愕しつつ目を離せずにいると、翼の生えた馬がソリらしきものを引いて空を駆けて来る。よく見ると、ソリは貝殻でできており古代ローマのチャリオットのような形をしていた。そして、それに乗っているのは雲のような髭を靡かせ紺青色のトライデントを持った老人だった。
「…ッ!」
その存在の全容を認識すると突然激しい頭痛に襲われた。痛みを必死に抑え口を開く。
「あなたは誰、ですか」
言葉を発すると少し驚いたようになり笑みを浮かべる。
「人の子が我を前にしても精神を保つか、面白い」
「我が名はノーデンス。カダスの地を治めし王である」
ノーデンスはそう言い放つと頭を抱えている男性を見る。
「ふむ、その状態では話しづらかろう楽にしてやる」
手を前にかざすと急激に楽になってくる。男性はノーデンスに疑問を投げかける。
「なぜ私はここにいるのですか?」
「お主らが神を見たからだ」
「神を見てしまった者は消さなければならない」
「自分以外の人はどこにいるのですか?」
「心が壊れてしまった」
ノーデンスは淡々と疑問に答える。
「私はどうなりますか?」
ノーデンスにそれを問うとより一層嬉しそう笑い指を二つ立てる。
「一つこのまま消滅する」
「二つ我の遊びの駒となる」
「どちらかを選ばせてやる」
少し考え質問する。
「二つ目は何をするのですか?」
「我が能力を授け物語の世界に放り込み生活するだけだ」
「まあ普通の生活ではないがな」
「能力はどういうものですか?」
「お主が決めていいぞ」
「どんな物語は聞いても?」
「ならぬ」
男性はもう一度考えて答える
「二つ目を選ぶ」
「よろしいならば能力はなんだ?」
男性の答えを聞きノーデンスは笑みを浮かべながら問う。
「日之影空洞の身体能力、才能、スキルだ」
「いいだろう」
「ついでに我は受難の加護をやろう」
ノーデンスがそう言うと男性の体が黒く発光する。光が収まると次は自分のいる柱が変形して門を形作る。
男性は加護について聞こうとしたが門が開きそこから無数の黒い手が出てきて男性を引き摺り込む。
『せいぜい我を楽しませてくれよ人の子よ』
最後に頭の中でそう聞こえ扉は閉まった。
ノーデンスなんかもっと優しくない?って人もいると思うけど我慢してね。
本当にどうなるかは作者にもわからんよ。
失踪しても怒らないでね。
まじで不定期だぜ単位が年であくこともあるかも!
違う作品を書くこともあるから了解してね!