夕暮れがアスファルトを赤く染める頃虚は自分の前の家があった場所にいた。
目の前にはマンションが建っていた。
外観は二階建てで屋根付きの駐輪場が有りそこまで古くない建物だった。
「予想はしてたがやっぱねぇか」
虚は自分の家がないと分かると今日の寝床を確保するためにその場を後にしようとする。
するといきなりLINEの通知音が鳴った。
それを聞いた虚は不愉快な気分を顔に出す。
とても嫌な予感しかしない。
恐る恐るスマホを手に取りLINEを開く。
そこには案の定『のーでんす』からメッセージが来ていた。
『わしはお主の為に家を用意してやったぞい。優しいじゃろ』
『家の場所はお主の目の前にあるマンションじゃ』
『部屋番号は202じゃよ』
『鍵は今財布に送っておいたわい』
『設定としては昨日越してきた大学生じゃ』
『あとお隣さんたちへの挨拶の際の手土産も買っといたからしとくんじゃぞ』
『じゃあの』
虚は読み終わると無表情で階段を登り202の部屋の前に来る。
そして、表札に日之影とあるのを確認すると長いため息を吐いた。
「はぁーー」
(なんで数時間前に決めた名前がもう表札になってるんだ)
(いや…まあ理由もどうやったのかもわかるんだが…頭が理解するのを拒んでる)
強制的に考えを打ち切り財布を取り出す。
すると小銭入れに観光地によくあるキラッキラした剣のキーホルダーのトライデント版が付いた鍵があった。
これにも付いてるのかとげんなりしながら手に取り差し込む。
中に入ると特に変わったところは見つからずひとまず安堵する。
すると昼飯を抜いていたので腹が鳴った。
何か食べられるものがないか探すと冷蔵庫に紙袋二つにのり弁が入れてあった。
のり弁を電子レンジに入れながら紙袋を確認する。
中身はどちらも白い恋人で片方に付箋があり『挨拶用』と書かれていた。
面倒ごとは早く終わらせたほうがいいと思い二つとも手に取り玄関をくぐる。
すると201号室に学生服を身に纏った男性が丁度帰ってきた所だったので話かける。
「初めまして、昨日此方へ引っ越して参りました日之影虚です。
これからどうぞよろしくお願い申し上げます。」
「あとこれつまらないものですがどうぞ」
紙袋を両手で学生に渡す。
「ど、どうもご丁寧にありがとうございます」
「私の名前は須藤要です」
「これからよろしくお願いします」
疲れたような表情をした学生は少し気圧されながら紙袋を受け取る。
すると要はとても急いでいたのか直ぐに部屋に入ってしまった。
けれど虚はそこまで気にせず反対側の部屋に赴く。
もう一つも無事に渡し終わり自分の部屋に戻ると今日二度目の旧神の呼び鈴が鳴る。
虚は今度はなんだと荒々しくLINEを開く。
『無事に渡せたようで何よりじゃ』
『ご褒美として面白いゲームのURLを送ってやるわい』
『https://darwinsgame.com/?c=41212f65ab&q=fa1224876c5a5b』
『じゃあ楽しむんじゃよ』
とても胡散臭いメールに眉を顰める。
(あの神がただ単純に楽しんで欲しくてゲームを勧めるか?)
(いや、ねえなぁ)
(でもこっちのことはずっと見てるみたいだしなぁ)
(無視するとどうなるか分からねぇ)
(仕方ねぇ見てみるだけでもすっか)
URLを押してサイトを開く。
すると紫の背景にコートの着てりんごを持った蛇の画面が現れる。
何だこれ、と思いつつもタップする。
するといきなり画面から蛇が現れて襲いかかる。
それを認識すると時を移さず痣を発言させ拳を振るう。
拳は蛇を捕らえるがそこには何もいないようにすり抜ける。
(ーーッ!!)
驚愕し硬直してしまい首に噛みつかれる。
即その場を離脱するが蛇は煙のように消えてしまう。
噛まれた首を触っても跡は見つからず疑問に思う。
すると突然視界が青く染まり目眩がする。
嵌められた事を認識した虚は悪態を吐きながら意識を絶たれた。
残されたゲーム画面の所持シギルの欄に文字が現れる。
そこには【
ノーデンスは多分これからもちょくちょく出るよ!
アニメと漫画でダーウィンズゲームのゲーム画面違うんだよ!知ってた⁉︎