演算演算演算…塩酸?   作:檜山俊彦

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(ヴィラン)連合対平和の象徴(オールマイト)…?演算するんだよォ!

 

 

 

 

side緑谷出久

 

 

 

「私が来た!!!!」

 

 

 

 

僕達を助けに来てくれた平和の象徴(オールマイト)

でも、その顔は笑っていなかった。

 

 

思い出すのはかつての会話。

オールマイトは言った。

 

 

「私が笑うのはヒーローとしての重圧、そして己の内から湧き出る恐怖を欺くため」

 

 

と。

つまり、今のオールマイトには取り繕う余裕すらない

 

 

その時、フラッと梓澤さんが倒れたのを視界の端に見た。

と、同時に入口近くのゲートから跳躍したオールマイトによって相澤先生と一緒に梓澤さんも救け出された。

 

 

そのまま“脳無”と“死柄木”に一撃を入れてこちらまで再度跳躍したオールマイト。認識すら出来なかった…

 

 

(みんな)入口へ…相澤くんを頼む!意識がない!」

 

 

困惑する僕らの前で呻くような声がした。

 

 

「オー…ルマ…イ…ト…」

 

 

「大丈夫か!梓澤少女!」

 

 

「すみ…ません…で…しゃばり…ました…奴…らの…計…画の主目的…は平和の象徴(貴方)です…」

 

 

そう言って梓澤さんはオールマイトの額を指で軽く叩いた。

その瞬間、驚愕するオールマイト。

 

 

「これは…!」

 

 

「テレパ…シー…の真…似事で…す…役立て…下さ…い…」

 

 

そのまま意識が途切れたのか、梓澤さんの瞼が閉じる。

梓澤さんの身体を優しく地面に横たえて、(ヴィラン)に向き直るオールマイト。

 

 

「オールマイト…!ダメです!あの脳ミソ(ヴィラン)は…!対平和の象徴だって…!だから…!」

 

 

「緑谷少年。大丈夫!」

 

 

一瞬だけ振り向いた事で漸く見えたオールマイトの笑顔。

でもそれはどこか苦しそうだった。

 

 

「CAROLINA…SMASH!!」

 

 

“脳無”にクロスチョップを仕掛け、しかし何事もなかったかのようにオールマイトを拘束しようとしてくる。

 

 

「梓澤少女の情報通り…マジで全っ然…効いてないな!」

 

 

効かないのは“ショック吸収”だからな…脳無にダメージを与えたいならゆっくり肉を削ぐとかが効果的…それをさせるかどうかは別として…

 

 

「わざわざサンキュー!そういう事なら、やりやすい!」

 

 

脳無をバックドロップで叩きつけた衝撃音を聞いて、相澤先生を担いで入口まで歩く。

 

 

「なんでバックドロップが爆発みてーになるんだろうな…やっぱダンチだぜオールマイト!」

 

 

「授業はカンペ見ながらの新人さんなのに…」

 

 

梅雨ちゃんと峰田くんの言葉を聞き流しつつ、考えを巡らす。

 

 

確かに、オールマイトを“殺す算段”があるのかもしれない。

それでも、今の僕に梓澤さんのような大立ち回りができる訳でもないんだ。

寧ろそうだ。人質になんて取られたら足でまとい以下だ。

(ヴィラン)への憶測よりオールマイトを信じよう…

 

 

更に考えは巡る。

 

 

でも知ってるんだ。

通学中は毎日リアルタイムのヒーローニュースを見てるんだ。

今日の朝オールマイトが解決した事件は街を跨いで3件だった。

13号先生が授業開始前オールマイトが居ないという話の時に相澤先生に立てていた三本の指。

あれはきっと一日3時間の活動限界のことだ…使いすぎたって事なんだ。

 

 

それは今、ここで、僕だけが知ってる秘密(ピンチ)

 

 

でも…僕は今、相澤先生を担いでいて、梅雨ちゃんも梓澤さんを担いでる。峰田くんは体格的に1人で担ぐのは無理だ。

 

 

そしてオールマイトは、胸部の傷痕(ウィークポイント)を掴まれ、顔が苦悶に歪んでいた。

 

 

この状況にあって…僕は何もできない…!

 

 

死ぃねぇぇぇ!!

 

 

その叫びと共にモヤの(ヴィラン)に襲いかかったのは、僕の幼馴染(かっちゃん)だった。

 

 

それに気づいた死柄木を切島くんが牽制した。

 

 

更に、脳無が“凍結”した。

 

 

「テメェらがオールマイト殺しを実行する役と聞いた。」

 

 

発生源に目を向けると、轟くんがいた。

 

 

「くっそ…いいとこねー!」

 

 

「スカしてんじゃねぇぞ!モヤモブが!」

 

 

「テメェら如きに平和の象徴は殺れねぇよ。」

 

 

 

「かっちゃん!皆!」

 

 

出入口をやられた…あ”あ”…ピンチだな…

 

 

「このウッカリヤローめ!思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる場所は限られてる!そのモヤゲートで実態部分を覆ってたんだろ!?そうだろ!?」

 

「全身モヤの物理無効人生なら()()()っつー発想は出てこねぇもんなぁ!」

 

 

「ぬうっ…!」

 

 

「っと…動くなよ?怪しい動きをした、と俺が思った瞬間爆破する!」

 

 

「ヒーローらしからぬ言動…」

 

 

あ”あ”最近の子供は凄いなぁ…攻略されてほぼ無傷。こっちが恥ずかしくなってくる…

 

脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ。

 

 

すると、脳無が“立ち上がった”。

 

 

「身体が割れてるのに動いてる…?」

 

 

「これが梓澤少女の情報にあった“超再生”の個性か…ここまでとは、凄まじいな…」

 

 

そう…脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された高性能サンドバッグ人間さ。

 

 

瞬間、爆風と土煙が巻き起こる。

かっちゃんが狙われた…?

 

 

しかしその幼馴染の姿は離れた所にあった。

 

 

「かっちゃん!?避っ避けたの…?凄い…!」

 

 

「違ぇよ黙れカス。」

 

 

煙の晴れた先には少し傷ついたオールマイトの姿。

 

 

「加減を知らんのか…?」

 

 

仲間を助けるためさ、仕方ないだろう?さっきだってそこの…あー向こうで担がれてる灰色髪の女子。俺を蹴り飛ばしたんだぜ?他がために振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー?

 

俺はな!オールマイト!怒ってるんだ…!同じ暴力がヒーローと(ヴィラン)でカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に!

 

なにが平和の象徴!所詮お前は抑圧のための暴力装置だ!暴力は暴力しか生まないのだと、お前を殺す事で世に知らしめるのさ!

 

 

「めちゃくちゃだな…そういう思想犯の瞳は静かに燃ゆるもの…自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ…」

 

 

バレるの…早…

 

 

「3対5だ。」

 

 

轟くんの一言。

 

 

「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた…!」

 

 

僕もそれに続く。

 

 

「とんでもねぇ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートしてれば撃退できる…!」

 

 

しかしそれを制するのはオールマイト。

 

 

「ダメだ!逃げなさい!」

 

 

「…さっきのは俺がサポート入らなきゃやばかったでしょう。」

 

 

「オールマイト…血!それに時間だってない筈じゃ…!」

 

 

言ってから気づいた、何を口走っているんだ僕のバカ!

 

 

「それはそれだ!轟少年!ありがとな!しかし大丈夫!プロの本気を見ていなさい!」

 

 

脳無、黒霧、やれ。俺は子供をあしらう。

 

クリアして帰ろう!

 

 

「おい、来てる!やるっきゃねぇって!」

 

 

僕は、遠くで見つめる事しか…

 

 

瞬間、死柄木が後ろに下がった。

少し離れた僕でも分かった。死柄木は“気圧された”んだ。

 

 

脳無の拳に自らの拳を打ちつけるオールマイト。

 

 

そしてそのまま真っ正面からの殴り合いに入る。

しかし、脳無の対応が遅れていく。

まるで腕や足に重りが付いているかの様に。

 

 

やがて、それは一方的な殴打になった。

 

 

「“無効”ではなく“吸収”であれば限度があるんじゃないか?私対策!?私の100%を耐えるなら、更に上からねじ伏せよう!!」

 

 

血を吐きながら…!やたらめったらじゃない、一発一発が100%以上の一撃なんだ…!

脳無が徐々に押されていく。上限を越え始めたのか!

 

 

「ヒーローとは常にピンチをブチ壊していくもの!!(ヴィラン)よ、こんな言葉を知っているか!?」

 

 

そして、決定的な一撃が放たれる。

 

 

Plus ultra!!(更に向こうへ!!)

 

 

 

脳無はUSJの天井を突き破り、飛んで行った。

 

 

漫画(コミック)かよ…ショック吸収を“無いこと”にしやがった…究極の脳筋だぜ…」

 

 

「やはり衰えた…全盛期なら5発撃てば十分だったろうに…」

 

300発以上も撃ってしまった。

 

 





3日程日が空いてしまいました!
すみません!

第11話、どうだったでしょうか?

マジの木偶の坊になってしまったデクくん。
申し訳ない。許してクレメンス。

そして、明日0時の投稿の時点で今のアンケートを締め切らせて頂きます。

50票近い投票、ありがとうございました!

今の所は轟の首位独走ですが、まだ12時間程ありますので番狂わせもあるかもしれません。
投票よろしくお願いします。


そして、ご精読ありがとうございました!
よろしければ評価、感想よろしくお願いします!

USJ襲撃編終了後、一つだけ幕間を書きたいと思っています。誰目線がいいでしょうか?

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