演算演算演算…塩酸?   作:檜山俊彦

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新たなる戦い…?演算するんだ(ry)★

 

 

 

 

side梓澤梓

 

 

四限目の現代文が終わり、昼休み。

 

 

「なんだかんだテンション上がるな!オイ!」

 

 

「ここで目立てちゃプロへのどデケぇ一歩を踏み出せる!」

 

 

他にも飯田君、麗日さん、他にも皆それぞれが雄英体育祭に向けて盛り上がっていた。

 

 

私はそれを横目に欠伸をかみ殺してからお茶(カフェイン)を摂取する。

水筒をリュックに落として、そのまま深く息を吐いた。

そこに声がかかる。

 

 

「梓澤。昼飯、行くぞ。」

 

 

「わかったよ。行こうか。」

 

 

いつもより機嫌の悪い轟。まぁ大概彼の父親(エンデヴァー)のせいなのだが…

 

 

席を立ち、2人で廊下を歩く。

 

 

「なぁ………どうだった?」

 

 

要領を得ない質問に軽く首を傾げる。

 

 

「…結構曖昧な質問だね。自覚症状のこと?」

 

 

「…そうだ。」

 

 

「それなら昨日の内にわかったよ。」

 

 

「……早ぇな。」

 

 

返答が一拍遅れた。

恐らく

『少ない期間で分かった=日常生活に支障が出た』

と考えたのだろう。

そこまでじゃないんだけどなぁ…

 

 

まぁ、少し陰鬱な気分にはなったけどね。

 

 

「気にしなくても大丈夫。今の所生活に支障無いから。」

 

 

「なら、いい。」

 

 

それに、何故か轟に言いたくなかった。

 

 

心の中で自嘲する。

覚悟を決めた筈なのに、どこかで…

 

 

 

そこで、ふと聞こえたのは級友(クラスメイト)の声

 

 

「デクくんなんだろね。」

 

 

麗日さんと…

 

 

「オールマイトが襲われた際、一人で飛び出したと聞いたぞ?その関係じゃないか?」

 

 

飯田君か。

緑谷君は聞く限り別件らしい。

 

 

「蛙水くんが言う通り、超絶パワーも似ているしオールマイトに気に入られているのかもな。」

 

 

今の時間、“オールマイト”という単語。

オールマイトから昼食に誘われた…?

 

 

最初の戦闘訓練を思い出す。

一組目の最終盤、オールマイトは緑谷と爆豪の衝突を止められた筈なのに止めなかった…

それを思うと、有り得そうで少し納得した。

案外、師弟関係だったり…

 

 

そう思い、されど少し辟易とする。

 

 

平和の象徴が分かりやすい弟子を取ること以上に、

私の隣には隠れて怒気を発する轟の姿があったからだ。

 

 

私はそんな轟を宥めつつ、蕎麦を受け取った。

 

 

轟も蕎麦を受け取り、席に着く。

 

 

「「いただきます。」」

 

 

蕎麦を食べ始めると轟の態度が少し軟化した。

好物を食べたことで少し落ち着いたらしい。

 

 

2人で黙々と蕎麦をすする。

すると、轟が口を開いた。

 

 

「なぁ…自覚症状の内容って…どんなだ?」

 

 

唐突な言葉に息が詰まり、感情の整理が追いつかなくなる。

 

 

「ゴホッゴホッ…どうしたの?いきなり。君の質問はいつも突然だから別にいいけどさ。」

 

 

嘘だ。知られたくない。

心の中で得体の知れない恐怖が渦を巻く。

 

 

「すまねぇ…でも知っとかなきゃいけねぇ…じゃなきゃ俺は…」

 

 

そこで言葉に詰まる轟。

「言いたい、けど言えない」という所か。

いや、「言いたいことが分からない」の線もあるか。

 

 

ハハッ…なんて酷い現実逃避だろうか。

 

 

「ごめん。」

 

 

でも、

 

 

「今は…言えない。」

 

 

今は。

 

 

「そうか…分かった。」

 

 

何も知らないままで、いて欲しい。

 

 

「悪かった。先、戻っとく。……そんな顔も、するんだな。」

 

 

急いで蕎麦を完食した轟が言った言葉に理解が追いつかない。

 

 

私は、一体どんな顔をしているのだろう。

 

 

今、手鏡が無いことに何故か安心しつつ、暫くしてから私も蕎麦を食べ終えた。

 

 

かつて間違えて口に入れたしまった、輪ゴムみたいな感触だったと思いつつ。

 

 

 

そのまま五限、六限と続いた。

珍しく冴えた目でヒーロー基礎学を終えた放課後。

 

 

1ーA教室の扉の前に数多の生徒が集まっていた。

 

 

 

「出れねーじゃん!何しに来たんだよ!」

 

 

「敵情視察だろ。ザコ。」

 

(ヴィラン)の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭(たたかい)の前に見ときてぇんだろ。」

 

 

爆豪の傲岸不遜な物言いに峰田君が指をさして震えている。

緑谷君曰く“あれがニュートラル”らしい。

 

 

意味ねぇからどけ、モブ共

 

 

「知らない人のこと取り敢えずモブって言うのやめなよ!」

 

 

飯田君。私もそう思う。

そして緑谷君は先程からアワアワしっぱなしだ。

 

 

「どんなもんかと見に来たが、随分偉そうだなぁ」

 

 

すると、集団の後ろから声がした。

 

 

「ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」

 

 

前列の人達を掻き分けて一人の男子生徒がこちらへ歩いてくる。

爆豪の噛みつきを意に介さずそのまま言い放つ。

 

 

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ…」

 

 

そのまま爆豪の前に立った男子生徒はそのまま言葉を続けた。

 

 

「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴。結構いるんだ。知ってた?」

 

「体育祭のリザルトによっちゃあヒーロー科への編入も検討してくれるんだって。逆もまた然りらしいよ。」

 

「敵情視察…?

少なくとも俺は調子乗ってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞーって言う宣戦布告しに来たつもり

 

 

そう、中には虎視眈々とこの席(ヒーロー科)を狙ってるハングリー精神に満ち溢れた人だっている。

彼もその一人なのだろう。

 

 

「隣のB組のモンだがよう!(ヴィラン)と戦ったつうから話聞こうと思ってたがよぅ!えらく調子づいちゃってんなオイ!」

 

 

これは…爆豪め、かなりヘイトを集めてくれたな。

その本人は…オイ。何勝手に抜け出そうとしてるんだ?

 

 

「待てコラ!どうしてくれんだ!おめーのせいでヘイト集まりまくちまってんじゃねぇか!」

 

 

ナイスだ!切島君!

 

 

「関係ねぇよ。」

 

「上に上がりゃ。関係ねぇ。」

 

 

爆豪はそう言い残し人垣を押し退けて帰った。

そうするとゾロゾロと人垣も消えていく。

 

 

帰宅したか、己のクラスに戻ったのだろう。

 

 

爆豪の言葉は、分からなくもなかった。

 

 

体育祭まで二週間、私も手札を増やさねば。

A組、B組のヒーロー科だけでなく数多の生徒が相手だ。

成長の遅れは即ち後退になってしまう。

 

 

そう思って席を立って周りを見回す。

いつの間にか帰っていた轟の席を一瞬見て、その後校舎を出た。

 





めちゃくちゃ間空きました…すみません。
これからはこのぐらいがデフォになってしまいそうです。

第十五話、どうだったでしょうか?

越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)について解説すると言ったな。
アレは嘘だ。

…すみません。普通に入れるタイミングが見つかりませんでした。今のプロットでは早くて職場体験編になってしまいそうですので、妄想しながらお待ち頂けると幸いです。


最後にご精読ありがとうございました。
よろしければ評価、感想よろしくお願いします!

体育祭編中、または終了後に書く幕間の内容を募集します。

  • 轟視点パート2
  • 前回アンケ2位タイ耳郎視点
  • やっぱ主人公っしょ!緑谷視点
  • 行け!爆発さん太郎!爆豪視点
  • 推薦入学者その2八百万視点
  • 掲示板形式“雄英体育祭実況スレ”
  • 大穴、相澤先生視点
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