side梓澤梓
『麗日・緑谷』のAコンビはビルへの潜入に成功…したのだが。
「いきなり奇襲!?」
爆豪の襲撃を回避する緑谷君。
間一髪…という訳でも無さそうだ。
予想はしていたけれど、それでも間に合わなかった。
と言った所だろうか。
「爆豪ズッけぇ!奇襲なんて男らしくねぇ!」
「奇襲も戦略!今彼らは実戦の最中なんだぜ!」
切島君には悪いがここはオールマイトに同意だ。
そして、爆豪が右の大振りを仕掛けるが…
次の瞬間、爆豪の背が地についた。
一本背負い。明らかに読んでいた動きだ。
「ヒーロー側に“爆発物”の場所は知らされない。敵側がこうやって罠も張れる辺りやはりヒーローが不利か…」
私が呟くと同時に爆豪の追撃。喋っている内容が分からないのが少しもどかしいが…恐らく麗日さんに先に行くよう指示をしたな。
自分が標的なのはわかっているという事か。
それにしても、判断と小技が凄いな…
蹴りを防御しつつ確保を証明するテープを巻こうとした。
追加で大振りが来ると分かった途端、それを放棄して避けた。
私と違い思考加速無しでこれだ。
今度秘訣を聞いてみようか。
すると、緑谷君が逃げるようにして引いた。
撤退…時間はこの条件だと守戦をしている
しかし、無策ではヒーロー側が苦しいのも事実。
いつ、どう仕掛ける?
最上階の爆発物は…
なるほど、飯田君は浮かす物を排除して択を狭めたか…
麗日さんが苦しいな、これは。
それにしても、爆豪。必死に仕掛けないな。
勝てるからか?いや、そういうタマではない。
少しづつ、頭が冷えていく。
間違いなく自分の手で仕留めようとする筈。
…待っている?何を?
今爆豪に必要なのは、“力の証明”。それによる上下関係の再構築。とするならば…大きい一撃の準備か。
どうやってだ…?
爆豪の“個性”。爆発してるのは手から出る物だろう。掌が直接爆発する個性では手袋が既に弾け飛ぶか、威力が控えめかの二択だがそれがない。
個性把握テストで少しづつ記録が伸びていた事から、時間経過で増える物…手汗か!
だとすれば…
“溜まった手汗で大きい一撃”…しかも、あの篭手が装飾品でないなら…!
「オールマイト、マズいかもしれません。」
「梓澤少女…?」
「爆豪、溜まった手汗を緑谷君に向けて一点解放するつもりです。」
モニターに視線を戻すと、爆豪と緑谷君が相対していた。
「…!爆豪少年!ストップだ、殺す気か!」
篭手に刺さったピンが、抜かれる。
直後、轟音。
凄まじい揺れが襲ってくる。
「先生、止めた方がいいって!爆豪アイツ相当クレイジーだぜ!殺しちまうぜ!?」
「…爆豪少年、次“ソレ”撃ったら強制終了で君らの負けとする。屋内戦において大規模攻撃は守るべき牙城の損壊を招く、ヒーローとしては勿論、
オールマイトにだけ分かる材料があったのか、続行を宣言。
しかし、近接戦に戻るのだろうが…
緑谷君のカウンターに合わせ爆破で目眩し。
上を通過し、そのまま背面を爆破。
個性のコントロールが上手い…
恐らく慣性まで考慮して爆破の威力を微調整しているのだろう。
推薦組からも同じような意見が出ていた。
しかし…右の大振りをしっかり叩き込んでから一本背負いの真似事…意趣返しか。
私が言うのもアレだが、みみっちいな。
逃げるようにして爆豪から離れる緑谷君。
だが彼はまだ一度として“切り札”を使っていない。
爆破して空中から躍りかかる爆豪。
視界の端、最上階を映すモニターで麗日さんが柱に張り付いた。
緑谷の叫びに呼応し…て…
爆豪の右の大振りに、緑谷君のクロスカウンター。
狙う先は爆豪…ではなく天井。
空気砲の要領でブチ抜いて…!
最上階まで届いた衝撃に対応が遅れる飯田君。
石礫を石柱で打ち飛ばしてその隙に麗日さんが、爆発物に、触れた。
「ヒーローチーム、
オールマイトの宣言で第一戦が終了。
黒いコスチュームの男子生徒、確か常闇君の“勝負に勝って試合に負けた”というのはかなり的を得てるように思う。
オールマイトがいつの間にか爆豪の隣に居る。
声をかけているようだが、何時そこに?
本当に、凄いな、ナンバーワンというのは。
「まぁ、今回のベストは飯田少年だけどな!」
お、飯田君が一番驚いている。
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
蛙水さん、そこはオールマイトが事前に言っていた“状況設定”の話なんだ。
オールマイトに意見を求められて挙手したのは推薦組、八百万さん。
「爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。
そして先程先生が仰っていた通り屋内戦での大規模攻撃は愚策。」
「緑谷さんも同様ですね。」
「麗日さんは中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴すぎた事。ハリボテを爆発物と認識していたなら誘爆の危険は犯さなかったと思いますわ。」
「対して飯田さんは相手への対策をこなし、且つ“爆発物の争奪戦”を意識していたからこそ、最後対応が遅れてしまった。ヒーローチームの勝ちはこれが『訓練』だからという甘えから生まれた反則みたいなものですわ。」
飯田君…感極まってるなぁ…
「常に下学上達。一意専心で望まねば、トップヒーローになどなれませんので!」
なるほど、これが推薦組か。
自信満々だ。
なんて思っていると、次のクジ。
B『障子・轟』ヒーローチーム。
I『梓澤・葉隠』
出番か…
相手は轟。
強力な相手だ。
“戦闘中にフルスペックなら”という但し書きは着くけれど。
さて、やるとしますか。
連投ォ!
第6話、どうだったでしょうか?
次回は左を使わない初期ろき君率いるBコンビと梓率いるIコンビが激突します!
戦闘描写…できるかなぁ…?
よろしければ評価、感想よろしくお願いします。