演算演算演算…塩酸?   作:檜山俊彦

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戦闘訓練…?演算するんだよォ!★

 

 

 

side轟焦凍

 

 

「最上階の階段に一人、爆発物の近くに一人だ。爆発物に近い方は素足だな。」

 

 

「分かった。外出てろ、危ねぇから。ビルごと凍結させてから即座に切り込む。梓澤は俺が、そっちはもう一人を頼む。」

 

 

「…?ビルごと凍結させるのだろう?」

 

 

「そんなんじゃ終わらねぇよ。アイツ(梓澤)は。と言うより、今こうやって時間を与えていることそのものがマズい。この演習のルールはアイツの独壇場だ。」

 

 

「…!」

 

 

「そろそろ時間だ。気を引き締めて行くぞ。」

 

 

 

 

side梓澤梓

 

 

「梓澤梓です。よろしくお願いします。」

 

 

「か、カタいね…葉隠透です!入試の時はありがとう!梓ちゃんって呼んでもいい?」

 

 

「あ、はい、どうぞ…」

 

 

此奴も陽の者か…!

 

 

「にしても、入試首席VS推薦入学者か…凄そうだね!」

 

 

「アハハ…期待に応えられるよう頑張るよ。…この戦い、轟の初撃を躱せるかどうかが勝敗に大きく直結する。勝つためにお互いの“個性”を確認したいんだけど、どうかな?」

 

 

「うん!いいよ!私の個性は見たまんま。『透明化』!だけど服は透明にならないよ!」

 

 

凄いハイテンション…

 

 

「私の個性は『現象演算』。説明が難しいから端折って言うと、空気中の窒素を操る個性だと思ってくれればいいよ。」

 

 

「ぜ、絶対それだけじゃなさそうだけど…うん。分かった。あと、本気出すために手袋とブーツ脱いでいい?」

 

 

「あぁ、それはとど…!」

 

 

轟の個性が…と言おうとして閃いた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「脱いでも多分大丈夫だけど…一つ確認していい?」

 

 

「何?」

 

 

「バンジージャンプした事、ある?」

 

 

透明人間で、表情は分からないが…

 

 

「はへ?」

 

 

その声音は困惑のソレだった。

 

 

 

side Re 轟焦凍

 

 

俺は訓練が開始した瞬間に“右”でビルごと凍らせた。

だが梓澤がコレだけで終わる筈がねぇ。

 

 

建物の中に突入して…突如、前方から突風が吹く。

たたらを踏んで、直後、足元から爆音。

 

 

「これは…!」

 

 

恐らく圧縮窒素の解放。マズい…耳鳴りが…

俺のタッグパートナーも索敵用に“耳”を増やしたために動きが止まって…

 

 

その体に確保証明のテープが巻かれた

 

 

「…!」

 

 

テープだけが動いて…!

 

 

「ハァイ、ジョージィ…!」

 

 

目の前にはテープをもう一つ持って圧縮窒素を噴射。空中機動でこちらへ迫り来る梓澤の姿が。

右で凍らせて…ッ!

 

 

瞬間、着地した梓澤の足元から俺の元に“凍結”が迫る。

 

 

模倣贈呈(リフレクトアーツ)か!」

 

 

こちらも氷を出して対抗するが、出力は同等。

 

 

衝突した氷が空中に飛び散る。

幻想的な光景は突風で終わりを告げ、空いたスペースに梓澤は滑り込む。

 

 

床伝いの拘束(凍結)は壁や天井まで使った高速三次元機動で躱される。

 

 

当たらねぇ…!

 

 

焦りを堪えつつも、徐々に後ろに下がっていく。

梓澤のコスチュームからマフラーが飛び出し、俺を捕えんとして迫る。

 

 

それを纏めて右手で掴み、凍結させていく。

 

 

だが、ここで響く声。

 

 

「葉隠さん!」

 

 

「了解!」

 

 

またもテープだけが動き、今度は俺を捕えようとしている。

もう一人の“個性”か…確か透明で見えなかった筈。

 

 

だが、このままなら梓澤が凍る方が早ぇ。

このまま避けてからもう一人を…

 

 

そう思って、一瞬、梓澤に視線を戻した。

 

 

そこには、凍結で天井に固定されたマフラー()()があった。

 

 

チェック(王手)。」

 

 

突如として床の感覚が消えた。

足払いされた、と理解した頃には…

 

 

「これで、チェックメイト(私達の勝ち)だ。」

 

 

(ヴィラン)チーム、WIN! 」

 

 

確保証明のテープを巻かれて、負けていた。

 

 

 

side Re 梓澤梓

 

 

轟と共にビルを解凍してから戻ってきた。

 

 

止まったタイマーに目を向ける。

残り時間は11分23秒。

 

 

息もつかせぬ速攻でなんとか制圧。

模倣贈呈(リフレクトアーツ)まで見せてしまったから、次はこうも上手く行かないと思う。

 

 

「今戦のMVPは梓澤少女だな!それにしても梓澤少女。かなりリスキーな戦い方だったが…どうしたんだい?」

 

 

「轟が相手であるなら半端な罠では容易く乗り越えられてしまうと思ったためです。」

 

 

轟の氷と炎の組み合わせは強力だ。

それを警戒したということにしておこう。

 

 

「梓澤!すげぇ戦いだったな!にしても、俺には何が起きたのかさっぱりだったぜ。」

 

 

「うーむ、じゃあ、少し解説を。何がなにやらの人も多いと思うし。オールマイト。講評の時間、貰っていいですか?」

 

 

「あぁ。大丈夫だ!」

 

 

「分かりました。では…開始直後、私はマフラーで葉隠さんを抱えたまま五階から重力に身を任せ落下。」

 

「このタイミングで事前に一階の壁際に設置した圧縮窒素塊10個を解放。轟達に突風を吹かせて出鼻を挫いた。」

 

「一方私と葉隠さんは一階まで降りた勢いのまま方向転換をしてビルに再突入。残った圧縮窒素を全開放して爆音を障子さんに浴びせ、怯ませた所を“葉隠さん”に障子君を確保してもらった。」

 

「更に、私が絶え間なく攻撃することで轟にその事実を考える暇を与えないよう立ち回ったんだ。」

 

「そして最後の攻防。今まで秘匿していた葉隠さんの存在を敢えて晒す事で轟の意識に迷いを作った。」

 

「そうして思考のままならない状況で轟に“私を先に捕らえる”か“葉隠さんの対処を優先する”かの選択を迫って、迷ってる一瞬の間にマフラーのブラフを使って意識の外へ。そのまま轟の体勢を崩して、確保。これが流れかな。」

 

 

皆してポカンとしている。

 

 

「さ、最初からこの展開を考えて…?」

 

 

八百万さんが驚愕、という感じで聞いてくる。

 

 

「いや、そこそこアドリブも混ぜたから…最初から考えていたのは不確定要素の高い障子君を先に排除して、完全に透明な葉隠さんと私で挟み撃ちって所だけかな。」

 

 

「なんで障子ちゃんが不確定要素なの?」

 

 

「私は轟と顔見知りだから“個性”も知ってる。でも障子君の個性は知らないから、何もできていない内に排除したんだ。」

 

 

「そうだったのね…」

 

 

こんな所か。これ以上は後の授業の進行に差し障る。

 

 

「こんなところかな……オールマイト。終わりましたのであとをお願いします。」

 

 

「よし!では…第三戦に行こう!ヒーローチームは…」

 

 

 

この後も訓練は続いた。

 

 

個性把握テストではそこまで分からなかった人もいたが…皆興味深い個性だ。発動系は式を仮組みしてみようか。

 

 

 

 

そして、授業の終わり。

 

 

「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我も無し!しかし真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」

 

 

オールマイトは総評の後、凄い速度で戻って行った。

 

 

その姿に少しの疑問を覚えつつ、更衣室に戻った。

 

 

 

 

尚、女子達の質問の嵐に晒され、酷く疲れた事を書き加えておく。





すみません!一日空きました!それにしてもヒロアカ世界にバンジージャンプってあるのだろうか…?
(初期案ではジェットコースターでした。)

第7話、どうだったでしょうか?

次回は爆豪、緑谷の言い合いを偶然目撃したりしなかったりすると思います。


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