本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズン4 作:JUBIA
【笑の鳴き勇】
「どーもー! こんばんわー! ガラコンガでーす!!」
ガララアジャラとババコンガ。
今話題のお笑いコンビである。
二頭は『モンタの神様』への出場を目指し、日夜、漫才の練習をしていた。
ガ「…………」
バ「…………」
ガ「できてんのは、最初の挨拶だけかよ!?」
バ「俺さ、漫才じゃなくてコントやりてぇな」
ガ「はー? コントって、どんなコントだよ?」
バ「うーん、ファミレスの店員と客、とか?」
ガ「ありがちじゃん」
バ「うーん、じゃぁ、銀行強盗とお巡りさん、とか?」
ガ「それもよくあるヤツじゃん」
バ「お前もなんかネタ考えろよ」
ガ「なんだと? 締めるぞ、ゴルァ!」
バ「あ゛? 屁ぶっかけるぞ、グルァ!」
ガバ「……ハハハハっ」
ガ「じゃぁさ、プロレスは?」
バ「どんな風に?」
ガ「俺がお前を締めて勝負がつくって時に、お前が放屁で逆転するっていうヤツ」
バ「それこそ、まんまやんけ!」
ガ「なんだと? 締めるぞ、ゴルァ!」
バ「あ゛? 屁ぶっかけるぞ、グルァ!」
ガバ「……ハハハハっ」
バ「うーん、やっぱ漫才か」
ガ「どっちだよ!?」
バ「いや、やっぱコントだな! それも誰もやったことのない、目新しいヤツで」
ガ「たとえば?」
バ「うーん、今ゆるキャラ流行ってるよな?」
ガ「流行ってるな」
バ「着ぐるみでやるのって、どうよ?」
ガ「俺ら、着ぐるみ作るゼニーねぇだろ!」
バ「じゃ、頭だけとか」
ガ「は?」
バ「お前がテツカブラのお面付けて、俺がウルクススのお面付けるとか」
ガ「なんで俺がテツカブラなんだよ。やだよ」
バ「じゃ、ネルスキュラ、か?」
ガ「……なんか、微妙じゃねぇか!」
バ「そんじゃ、ケチャがいいのか?」
ガ「なんでそうなるんだよ? 締めるぞ、ゴルァ!」
バ「あ゛? 屁ぶっかけるぞ、グルァ!」
ガバ「……ハハハハっ」
バ「いっやー、ネタ考えてる時が一番楽しいわ」
ガ「完成しねぇけどな」
ガバ「ハハハハっ」
モンタの神様への出場は、叶うのか?
頑張れ、ガラコンガ!!
【3卓談義(進化論)】
ここは、とある酒場。
今日も3卓では、いつも仲良し4人組のハンター達が、酒を酌み交わしていた。
A「ねぇねぇ、どうしてモンスターって、亜種とか希少種とかいるんだろうね?」
C「生息域が変わったりすると、それに特化できるよう進化するからじゃないかな?」
B「俺らだって、祖先は猿だぜ?」
A「じゃー、私達って……ババコンガ亜種と同じなの?」
C「くすっ。ババコンガ亜種はすでに存在するから、ババコンガ希少種ってところじゃないかな?」
B「希少って言う割には、人口多いけどな(笑」
D「フフフっ」
A「でもさー、亜種って体の色が違うけど、属性とかかなり変わるモンスターと、ほとんど変わらないモンスターがいるよね?」
B「ああ、クックとかゲリョって、ほとんど変わらねえな」
A「バサルちゃんの亜種は、ピンクだからカワイイよね♪」
D「フフフっ」
C「一番大きく違うのは、なんといってもキリンだよね」
A「あー! 亜種になると、氷で攻撃してくるもんねー」
C「僕が思うに、あれは唯一の宿敵、ラージャンに勝つための進化なんじゃないかな」
B「おーっ、確かに! ラージャンって、氷に弱いもんな」
A「ラージャンvsキリン亜種の戦い、見てみたーいっ♪」
D「フフフっ」
D「お姉さん、これオカワリお願いしますね」
B「おっ? 今日は飲むねぇ。何かいいことでもあったのか?」
D「フフフっ、最近、狩りが楽しみで、楽しみで……フフフっ」
A「えーっ? なんでー?」
D「フフフっ、最近の狩場には、アルセルタスやゲネルセルタス、さらにはネルスキュラという、大型の虫が増えてくれて……私の楽しみが増えたのですよ、フフフっ」
A「……」
B「……」
C「……」
A「あっ、おばさん! お会計お願いしまーす」
D「フフフっ。それでですね、もしも私がネルスキュラで、亜種に進化するとしたら……睡眠針と麻痺針を……」
C「さっ、明日も朝早いから、今日はこれでおひらきかな?」
B「だなっ!」
A「そうだねっ♪」
D「あっ、まだ私の話には続きが……」
ABC「ごちそうさまでしたーっ!」
D(今日はオールで飲む、という約束は嘘だったんですね。……ではまたの機会に、続きを皆さんへお話ししてあげなくては。楽しみですね、フフフっ)
【ネルスキュラから愛を込めて】
俺は、泣く子も黙るネルスキュラ。
俺が歩けば、皆、一様に道を空けてくれる。
無用な戦いを避けられるのは、いいことだ。
しかし、最近、女子モンスター達からの好感度が、著しく下がっているのは気のせいだろうか?
女子モンスター達のそばを横切ったあと、ヒソヒソと聞こえてくるのは、あまりよろしくない話ばかりだ。
「なんか、ネルスキュラって、気味が悪いよね」
「そうそう。あの見た目が気持ちが悪いって言うかー、生理的に受け付けないって言うかー」
この見た目にケチを付るなら、俺ではなく、俺を産んだ母に言ってほしいものだ。
いや、それだと母がかわいそうだな。
こんな風貌に、進化させた祖先に言ってもらいたいものだ。
それに「生理的に受け付けない」という言葉は、いくらこの俺でも、心の奥底にズドンと突き刺さるものがあってだ……。
もう少し、やんわりと、ソフティーに、遠回しに言って頂きたいものだ。
「知ってる? ネルスキュラって、ゲリョスを吊り下げるのが好きなんですってぇ」
「えーっ? なにそれっ!? まるでホラーじゃない!!」
あれは、俺が趣味でやっていると、本気で思っているのか?
ゲリョスは、俺にとっての餌だ。
保管方法として、地べたに置いたんじゃ、クソムシが群がるだろう!
衛生的、かつ長期保存がきくよう、天日干しにしているのだ!
こちらの事情も知らないで、よくもまあ勝手なことを言えるものだ。
しかし、だ!
俺は……何を言われようが、どんな風に思われようが、世の中の女子モンスターが大好きだーーっ!
特に、あの子。
今度会った時、俺から世界一の愛を込めて、小粒モンスターの繭包みをプレゼントするんだ!!
喜んでくれるかな?