SDガンダム的な男   作:迷える夜羊

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タイトル通りです


正体バレました

メイプル達が無事に森から離れたのを見送った

スペリオルはこれまでと同じくメダルを集めていた

思った以上に大量に見つかったお陰で

既に彼は二十枚以上のメダルを獲得していたのだが

 

「・・・流石にこれ以上は集められそうにないし・・・

 かと言って奪うのも面倒だな・・・どうしたもんか・・・」

 

そう・・・問題は二十枚を獲得した時点で

既にメダルを獲得しても意味はなく

今のスペリオルの手持ちのメダルが余ってしまっているのだ

しかし余っているとは言っても誰かに渡す予定もなく

どうしようかと悩んでいたまさにその時だった

 

「ん?なんか声が聞こえたな・・・ってあぶな!?」

 

「ちっ!仕留め損ねちゃったか・・・!」

 

スペリオルは咄嗟に盾で攻撃を受け止める事が出来たのだが

目の前にいたのはメイプルと一緒にいた例の少女だった

 

(この子は確かメイプルと一緒にいた・・・

 という事はおそらく白峯さんか・・・しかしどうしたものか・・・)

 

(この人・・・滅茶苦茶強い・・・!

 恐らくは第一回イベントの上位者・・・!)

 

スペリオルは剣を構えようとはせずただ様子を見ているだけだった

それを見てサリーも迂闊に手を出す事が出来ず

どうしようか考えていた時だった

 

「・・・はぁ・・・やめだ・・・ほれ」

 

「えっ!?」

 

スペリオルは戦う事を止めて自分の余っていたメダルを渡した

サリーはどうしてこんな事をするのか疑問に思っていたが

 

「お前と戦うのは俺にとっても不利益だと感じたからな

 それにメダルも余っていたし・・・戦って奪うよりも楽ではないのか?」

 

「・・・そうね・・・それじゃあありがたくもらっておくわ・・・

 それと・・・名前を聞いてもいいかしら?」

 

「スペリオルだ・・・そちらの名前は?」

 

「サリー・・・もしかしてスペリオルって

 第一回イベントの上位者だったりするの?」

 

「ああ・・・第二位だ」

 

「どおりであの強さにも納得だわ・・・それで?この後はどうするの?」

 

恐らくはこの後は自分を狙ってくるであろう人物を

やり過ごさなくてはいけないのだが問題はその場所

四六時中戦うわけにはいかないのでどこかでやり過ごす必要がある

 

「もしよかったら私達と一緒に来ない?

 上位プレイヤーがいてくれたほうが何かと安心だし」

 

「願ってもない事だが・・・いいのか?」

 

「もちろん!こっちとしてもそっちの方がありがたいしね!」

 

「ではそうさせてもらうとしよう・・・そちらはどうするんだ?」

 

「っ!?」

 

スペリオルは暗闇の中に話しかけるとそこからカスミが姿を現した

 

「まさかゲームの世界で気配を察知されるとは・・・」

 

「カスミ!カスミももしかして襲ってくるプレイヤーから逃げてるの?」

 

「まぁな。その時にお前達が戦っている音が聞こえて見に来たんだが・・・

 そういえばこの前はこの簪をもらってしまって申し訳なかったな」

 

「前にも言ったが俺は別に要らなかったからな・・・

 使ってくれる人間に渡した方が装備も喜ぶというものだ」

 

「えっ!?もしかして二人も知り合いなの!?」

 

こうしてスペリオルはサリーとカスミと合流して

イベント終了までやり過ごす事にした

 

「お帰り!あれ?カスミに・・・スペリオルさん?」

 

「あれ?もしかして知り合いだったの?メダルを分けてもらった縁で招待したの」

 

「そういうわけでよろしく頼む・・・」

 

「そういえばメイプル・・・そのモンスターはなんなのだ?」

 

「これはね!テイムモンスターって言って卵から孵ったんだよ!」

 

それからスペリオルは色々と情報交換をしている中でメイプルが気になった

 

「そういえばスペリオルさんって

 フルフェイスの兜で顔を隠しているのって何か理由があるんですか?」

 

「別に理由はないけど・・・今の装備が気に入っているからね

 もう一つあるんだけどそっちも何故か同じようなフルフェイスなんだよ」

 

「へぇ!見せてもらってもいいですか?」

 

「いいよ。換装!」

 

スペリオルはスキルを使って騎士装備から武者装備に変更すると

今度はメイプルだけではなくカスミも興奮していた

 

「この前は詳しく見る事は出来なかったがかなりの上物!

 おまけに刀や薙刀も相当の物と見た!それに種子島まで!」

 

「かっこいい!まるで本物の侍みたいだよ!」

 

「あ〜・・・嬉しいんだけど二人とも落ち着いてくれないか?」

 

ようやく離れてくてた二人に対してスペリオルは装備の説明をする

 

「こいつもユニーク装備で武者シリーズって呼ばれていてな

 まぁ名前の通り侍のような見た目の装備ってわけだ」

 

「それは分かったけどもしかしてさっきのスキルで装備を変えれるの?」

 

「ああ・・・と言ってもこのスキルは俺専用の物らしいけどな」

 

「そうなんだ・・・それじゃ取得するのは無理なのか〜・・・」

 

そんな話をしているとイベント終了のアナウンスが響いて

スペリオル達は元のフィールドに戻って報酬を選んでいく

 

(さてどうしたものか・・・スキルを二つ取るとしても

 残った枠一つをどうしたものか・・・ん?)

 

スペリオルが報酬を選んでいるとその中に奇妙な物が混ぜられていた

 

(錆びた剣?まるでドラクエみたいな装備だな・・・

 ってステータス低いな・・・でもどうしてだろう・・・

 俺はこいつに・・・心を惹かれている・・・)

 

どうせ悩んでいても仕方ないのでスペリオルはその剣を選んだ

そして他のみんなを見ていると何やらメイプルが

シロップを巨大化させてその背中に乗り空を飛んでいた

 

「・・・なんというか・・・相変わらずだな・・・」

 

「本当よね〜・・・どこまでも斜め上を行くわ・・・あの子・・・」

 

「だな・・・それにしても明日から普通に学校があるから正直キツイな」

 

「あれそっちもなの?こっちも明日から・・・

 そういえばメイプルは大丈夫かな?

 あの子ってこうした長時間のゲーム初めてだから

 明日は失敗しそう・・・」

 

「だろうな・・・おまけに天然だし」

 

「そうよね・・・あれ?どうしてアンタがメイプルのリアルを知っているの?」

 

「あっ・・・」

 

「ス〜ペ〜リ〜オ〜ル〜?」

 

「はぁ・・・とりあえず明日、正体を話すからそれで勘弁してくれ」

 

その後色々とありながらもスペリオルはログアウトし翌朝になって

学校に登校する途中で既に楓が失敗していた

 

「おはよう。メイプルさんサリーさん」

 

「えっ!?どうして私達のゲーム名を!?」

 

「・・・アンタがスペリオルだったのね・・・

 どうりで私達の事を知ってると思ったわ・・・」

 

「黙っていて悪かったな・・・

 あまりリアルをバラしたくはなかったし

 二人は学校でも人気者だからな・・・」

 

「えっ?私達ってそんなに人気なの?」

 

「知らなかったのか?

 クラスの付き合いたい女子のランキングで上位にいるんだぞ?」

 

「えっ!?そんなランキングあったの!?ほへぇ〜知らなかった」

 

「いやツッコむところそこじゃないでしょ!?」

 

こうしてスペリオルこと真斗は二人にリアルをバラし

これからは現実世界でも一緒に過ごすようになったのだった




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