なんとか集う聖剣に勝利した楓の木だったが
辛勝という事もあり一度、作戦を見直す事にした
「はぁ〜・・・やっぱり暴虐を使わされちゃったか〜・・・」
『ごめんね〜』
「いやメイプルが悪いわけじゃなくて」
「それだけペインが強かったって事だな
俺も三位一体を使わされたし・・・奥の手はもうないな」
スペリオルもほぼ全ての手札を曝け出してしまったのでもはや出す物はなく
次の戦闘が始まってしまったら間違いなく対策をされてしまうだろう
「となると・・・やっぱり当初の予定通りに動いた方がいいかな?」
「だな・・・俺達の順位もいよいよ決まってきたし
今回の報酬は一位から十位までは同じ報酬だからな
それを考えたら・・・あの作戦を実行した方がいいだろ
・・・運営には申し訳ないけど・・・」
「ああ・・・終わった後で頭を抱える光景が目に浮かぶようだ」
クロムの同情する言葉に反応するかのように運営陣はくしゃみをするのだった
そして他のみんなもサリーの作戦に同意のようでしっかりと頷いていた
「それで?作戦の決行はすぐにいくのか?」
「そうね・・・メイプルがこの状態の時に出来るだけ倒しておきたいし!」
『任せて!全員倒してみせるから!』
「それじゃあこれから楓の木は全員、殲滅戦に作戦を変更するわよ!」
『おぉ〜!!』
こうして楓の木は拠点の防衛ではなく全員での殲滅戦に変更し
残っている中規模ギルドを潰しに向かうのだった
そしてそれから数分ほどして近くの森では地獄のような光景が広がっていた
怪物の姿となったメイプルがプレイヤーを潰したり喰ったりしており
『ウォォォォン!』
「ギャァァァァアア??!!巨人に襲われるぅぅぅうう!!??」
「逃げてくるなぁぁぁぁああ!!こっちにも巨人がいるんだぁぁあぁあ!!」
『・・・なんか追い込み漁みたいだな・・・』
一方ではサイコゴーレムとガンレックスが人間を相手に追い込み漁をしており
それを遠くから見ていた楓の木のメンバー全員がこんな事を思っていた
(・・・二人だけで十分だったかも・・・)
一方その頃、炎帝ノ国は他の中規模ギルドからの襲撃を受けており
ほとんどのメンバーがいないという苦しい状況に追い込まれていた
「諦めるな!必ず勝機はある!私に続け!!」
『おぉ!!』
なんとかミィの存在により気力を保つ事は出来ているが
もはや状況は絶望的でありミィも全滅するのは時間の問題だと思っていた
(このままではどちらにしても・・・!!)
「ミィ!」
「っ!?」
そして中規模ギルドの攻撃がミィを襲おうとしたまさにその時だった
『ふぅ〜・・・危ねぇ危ねぇ・・・』
「スッスペリオル!?」
その攻撃を直前に現れたスペリオルが全て防ぎミィを助けたのだ
敵であるスペリオルがどうして自分を助けてくれたのか
なんて事を考える事もなく今のミィの頭にあったのはたった一つだけだった
(はぁ〜///やっぱりスペリオルは王子様みたい〜///)
『あの〜大丈夫ですか〜?』
「えっ?」
そんな事を考えているといつの間にか後ろに怪物の姿をしたメイプルの姿があり
ミィは目の前に突然それが現れてしまい完全に思考が停止してしまった
するとメイプルも攻撃を受け過ぎてしまったのか怪物の姿が解けてしまう
「ありゃ!?あ〜・・・もうダメージが溜まちゃったか〜・・・」
「メッメイプル!?」
『おいおいどうするんだよこの後の作戦』
「大丈夫!もう一つとっておきの変身があるから!」
『・・・なんか凄まじく嫌な予感がするんだが・・・』
「いっくよ〜!機動武神天鎧王!」
メイプルがそのスキルを叫んだ瞬間
彼女の後ろには山と同等の大きさをした巨大な顔岩が姿を現した
そして彼女がその中に入ると巨大な顔岩は変形していき
雲を突き抜けるほどの巨大な巨人の姿へと変貌した
『・・・マジかよ・・・』
『へっへ〜ん!どうどう!?スペリオルよりも大きくなったよ!』
『いや問題はそこじゃねぇんだけど・・・』
「えっと・・・あれの数を増やすのかい?」
「正直要らない気もするけど・・・朧!分身!」
「ファントムワールド!」
そこへ更にサリーのパートナーである朧とカナデの魔法でその数を七体に増やす
その光景を見ていたスペリオルは先ほどの自分達よりも酷いのではないかと思った
『それじゃあいっくよ〜!輝道天鎧砲!』
胸と両腕の光球からとんでもないエネルギーが放出され
メイプルの前方が一気に焦土と化した
その光景を見ていた全ての人間がこう思っていた
(・・・この光景・・・なんかジブリで見たな・・・)
まさにあの地獄のような火の七日間の再来かと思うほどの暴れっぷりであり
実際は十分程度しかあの姿になる事は出来ないらしいのだが
あの姿を目の前にしたプレイヤー達はその十分すらも長く感じたのだった
「・・・あれもう反則なんて言葉じゃ収まらないでしょ・・・」
「全くだ・・・ていうかあれはもうプレイヤーとかボスとか超えてるだろ?」
「ああ・・・あれはもう神とか名乗った方が納得がいくぜ・・・」
「すごいなメイプルは・・・俺ももっと頑張らないとな・・・!」
こうして第四回イベントは予定よりも大幅に早く終わってしまったが
無事に楓の木は第三位にランクインする事が出来たのだった
一方その頃、運営側の方では・・・
「・・・やっぱり早く終わりましたね・・・」
「ああ・・・それにしてもメイプルは本当にやってくれるな・・・
イベントだけのフィールドとはいえもう使い物にならないぞ?」
「てか誰だよ・・・メイプルに機動武神天鎧王のスキルを渡したの・・・」
「いや自力で獲得されただけだよ・・・」
「もう今度からメイプルは別枠でイベントに参加させるか?」
「・・・それも視野に入れた方がいいかもしれないな・・・」
「まぁ・・・何にしても・・・」
『今日は残業決定だ・・・』