第一回イベントが終わりスペリオルはレベル上げに専念した
そして今日もそれは同じなのだが一つだけ違った事があった
「いや〜♪やっぱりイベント二位の人に護衛を頼んだのは正解だったわ〜♪」
それは今回は一人で来ているのではなく
イズという生産職の人と一緒に来ていたのだ
どうしてこうなったかと言うと
スペリオルは特に当てもなく出かけようとしていたのだが
その道の途中で困っていたイズを発見したのだ
話を聞くとどうやら本来の護衛を頼んでいたプレイヤーが
風邪でログイン出来なくなってしまったようで
自分一人で材料を取りに行く事になったしまいそこへスペリオルが現れて
レベル上げのついでに彼女の護衛も引き受けたという事だった
「それにしてもよかったの?本当に報酬とか出さなくて?」
「俺のレベル上げのついでですからね・・・流石にそれで報酬は貰えませんよ」
スペリオルとしては今の装備に満足しているので作ってもらうつもりはなく
更に言うのならばゲーム内でもお金もダンジョンやクエストを沢山クリアしているので
残念ながら欲しいと思えるほど困っているわけでもなかった
つまり今のスペリオルに報酬と呼べるようなものは何もないのだ
「う〜ん・・・なんだか申し訳ない気持ちになっちゃうけど
ここで無理強いするのもなんだしここは貸し一つって事にさせてもらうわね?」
「別に貸しにしなくてもいいんですが・・・まぁ何かあったら頼らせてもらいます」
「それにしても・・・流石は騎士様よね〜とても紳士的で優しいのね!」
「そうですか?自分はそう言うのをあまり意識した事はないのですが・・・」
「う〜ん・・・どうせだったらその仮面の下の素顔も見てみたいかも・・・」
「それだけは勘弁してもらっていいですかね?」
別に身バレを心配する必要はないのだが別に自慢できるような顔でもないので
スペリオルとしてはやはり顔を見せたくないというのが本音だった
後は単純に素顔を見せない方がカッコいいというちょっとした厨二心もあった
「まぁ私も嫌われたくはないし流石にそこまではしないわよ
でも〜・・・お姉さんとしてはいつかは見せて欲しいかな?」
「・・・倫理コードに引っ掛かるかもしれないので
胸を当てないでもらっていいですか?」
「大丈夫よ?これくらいじゃ反応しないって知ってるから」
なんで知ってるのとスペリオルは思わず聴きたくなってしまったが
とりあえずは黙っておく事にした
こうして特になんの問題も無く材料調達を終えてイズの店に帰った
「イズさ〜ん!ちょっと聞きたい事が〜!」
「あらメイプルちゃん?どうしたの?もしかして装備の新調?」
「はい!今度は真っ白の大楯を作って欲しいと思って!」
「それならここの洞窟がいいんじゃないか?白い魚の鱗が沢山取れるからな」
「なるほど!・・・って誰ですか?」
「・・・最初から居たんだが・・・気づいてなかったのか・・・」
スペリオルは自分の同級生に少しだけ呆れながらとりあえず話を続ける事にした
「・・・まさかそこまで尖った性能だったとは・・・
それじゃあその友達が来るまで洞窟にはいかない方がいいんじゃないか?」
「えっ!?どうしてですか!?」
「いやさっきも言ったけど白い魚の鱗が必要になるんだけど
メイプルさんだと多分集めるのに相当の時間が掛かるかと・・・
何せ釣りに必要なステータスはDEXなので・・・」
「はぅ!?」
スペリオルの言葉を聞いてメイプルはしょんぼりとした表情を浮かべていた
「うぅ〜・・・最初から一緒に行くつもりだったけど・・・
これで手伝ってもらう理由が出来ちゃったよ〜・・・」
「さっきも言ったがこればっかりは仕方がないからな・・・
まぁ時間さえ掛ければ初心者でも集める事は出来るはずだから
そこは根気よくやるしかないかな・・・どうしてもっていうのなら
友達に潜ってとってもらうといいよ
それじゃあ俺はこれで」
「あっあの!フレンド登録してもらっていいですか!?」
「・・・いいよ」
正直、バレたのではないかと不安に思ったスペリオルだったが
天然であるメイプルならばそれはないだろうと思いフレンド登録した
「それじゃあ今度こそ俺はここで・・・イズさんもまた何かあったら連絡してください」
「今日はありがとうね〜♪このお礼は必ずするから〜♪」
スペリオルが店から出るとメイプルはずっと抑えていた疑問をイズにぶつけた
「イズさんイズさん!あのスペリオルさんってどんな人なんですか!?
すごいカッコいい鎧だったしまるで王子様みたいでした!!」
「おっ落ち着いてメイプルちゃん・・・私も詳しくは知らないけど
このゲームが始まってからやっているトッププレイヤーの一人で
その強さからNWOの騎士なんて呼ばれているのよ?」
「ほへ〜・・・なんかすごい人とお友達になっちゃった・・・!」
「メイプルちゃんもこの前の大会で三位だったんだから当然の事だと思うわよ?」
「えへへ〜♪」
褒められて嬉しくなったメイプルは早速、友達のサリーと合流する為に広場に向かった
その頃、スペリオルはもっとレベルを上げに行きたいと思いとある洞窟に向かった
そこはまるで社のような形をしており誰も見つけた事のない隠しダンジョンになっていた
「・・・とにかく進んでみるか・・・果たして何が出てくるか・・・」
スペリオルは少し笑みを浮かべながらゆっくりと洞窟を降りていく
途中でモンスターなども現れたが特に問題も無く倒していき
いよいよボス部屋であろう扉の前に辿り着いてゆっくりと開けていく
するとそこにはそれぞれ大砲に大斧に刀をもった三人のボスがいた
『よくぞ来た!ここは我ら殺駆三兄弟の迷宮である!
そして我の名は殺駆三兄弟の長男!古殺駆』
『同じく次男!今殺駆!』
『同じく三男!新殺駆!』
『『『さぁ!いざ尋常に我らと勝負だ!』』』
「・・・なんというか・・・凄まじく濃いメンツだな・・・」
スペリオルはその凄まじい熱力に圧倒されてしまうが
実際に戦ってみるとその強さが身に染みて理解できた
(なるほどな・・・流石に兄弟という設定なだけあって連携が上手い・・・
長男が遠距離から攻撃してきて動きを止めさせ
その隙に三男が懐に入ってきて俺の動きを牽制し
最後にパワーのある次男の一撃で俺のHPを削ろうとしてくる・・・
こりゃあ下手したらそこらのパーティーを相手にしてるのと変わらないんじゃないか?)
戦いの中でスペリオルは三人の特徴を瞬時に把握できたのだが
分かったからこそ自分がどうやって勝てばいいのか分かってしまった
「・・・なんか申し訳ないけど終わらせちゃうか・・・
オーノホ・ティムサコ・タラーキィ!!」
スペリオルは三種の神器を身に纏うと
まず最初に遠距離から攻撃してくる古殺駆を切った
『ゴォ!?むっ無念・・・!!』
『『兄者!!』』
「まずは一人・・・次は・・・お前だ!」
そう言って次にスペリオルが切ったのは
早い動きとすごい剣技が特徴の新殺駆だった
『グッ!?まさか僕がこんなところで・・・!』
『新殺駆!おのれ!よくも兄者と新殺駆を!もう許してはおかん!!』
どうやら最後の一人になった事でステータスが上がったようだが
今のスペリオルには勝つ事など出来るわけもなかった
「お前の攻撃力は俺の動きが止まって初めて効果を発揮するからな・・・
その動きを止める二人が居なくなってしまえばお前の攻撃を警戒する必要はない」
『ガッ!?そんな・・・我ら三兄弟が負けるなど・・・!!』
こうして最後の今殺駆も倒しスペリオルは初めてのダンジョンを一人で攻略した
そしてその報酬として三兄弟のいた場所に宝箱がありスペリオルは中身を確認する
ユニーク装備・武者シリーズ
烈火刀
STR+50
[破壊不可][烈火一閃]
閃光の薙刀
STR+40 AGI+10
[破壊不可][閃光の舞]
新タネガシマ
STR+90 リロード時間10分
[破壊不可]
武者の兜
VIT+40 DEX+10
[破壊不可][烈火の魂]
武者の鎧
VIT+50
[破壊不可][マウント装備][烈火の旗]
「へぇ〜・・・この鎧の侍版って感じか・・・!」
スペリオルはその装備を身につけると
今度は歴史に出てくる戦国武将のような姿になっていた
「う〜ん・・・これもいいけど・・・
騎士シリーズもいいよな〜・・・」
どっちを装備していればいいのだろうと思っていると
『スキル・換装を取得しました』
「ん?なんか新しいスキルを獲得したな?」
スペリオルは何故か獲得した新しいスキルを確認する
『スキル:換装
能力:予め登録しておいた装備と今着ている装備を入れ替える
取得条件:騎士シリーズと武者シリーズの装備を手にいれる』
「おお!これなら毎回装備を切り替えなくて済むな!」
新しいスキルによって悩みが解決した
スペリオルは嬉しそうな顔をしながらログアウトした
一方その頃、運営側では・・・・・
「ああ・・・またスペリオルに隠しダンジョンをクリアされた・・・」
「そりゃああの鬼畜魔王を倒した怪物だぞ?クリアされるだろ?」
「それだけじゃねぇぞ!なんかこっちも一人でダンジョン攻略して
ユニーク装備を手に入れた初心者がいるんだけど!!」
「嘘だろ!?そんなのはメイプルだけで十分だっての!!」
そう言いながら運営側がモニターをつけると
そこには嬉しそうにユニーク装備を見せるサリーと
それを褒めちぎるメイプルの姿が確認された
「まさかのメイプルの知り合いかよ・・・」
「・・・もしかして・・・
とんでもない奴にユニーク装備が渡ったんじゃないか?」
「・・・第二回イベントの後に予定しているギルド
・・・もっと先送りにするか?」
「いや・・・問題を先送りにするだけだ・・・もう覚悟を決めよう・・・」
「「「「はぁ・・・」」」」
しかし彼らはこの時にやはりギルドの実装を先送りにすれば良かったと
後で後悔する事になったのだった