以前、スペリオルから貰った情報を元に
シンはとあるクエストを受けようと考えていた
流石にスペリオルが受けられなかったクエストなので
報酬がどんな物なのかまでは分からないが
それ以上にシンにはこのクエストを受けたい理由があった
「なんでもこのクエストには
歴史上の有名な武将が出るって話だからな・・・!
やっぱり男としては戦いたいと思うのは当然でしょ!」
シンがこのクエストを受けた理由はむしろその中身である
有名な武将と手合わせをしたいと考えていたからなのだ
そこら辺に関しては彼も男だったという事なのだろうが
この時の彼はまだ知らなかったのだ・・・
この後でどんな相手と戦う事になるのかを・・・
「おっ?この戦場でクエストが発生するみたいだな・・・!
それでこれがそのクエストで間違いないんだよな?」
目的の場所に到着したシンは自分の画面に表示されたクエスト名を見る
そこには『鋼と隼の武将』と書かれておりすぐさまシンはクエストを受けた
するとどこから共なく無数の矢が飛んできてシンを攻撃する
「あっぶね〜・・・クエストを受けた瞬間にこれかよ・・・!
そしてアレが・・・俺が戦わなくちゃいけない相手か・・・!」
『我が名は鋼の猛将!夏侯惇!!』
『我が名は隼の闘将!夏侯淵!!』
『『我ら夏侯兄弟!命が惜しくない者だけ掛かってくるがいい!』』
なんとシンの前に現れたのはあの夏侯兄弟だった
彼らは間違いなく中国の歴史にその名を刻んだ武将であり
その強さはおそらく上から数えた方が早い方だと言ってもいいだろう
しかもそんな相手が二人同時など今のシンから見れば最悪と言っても過言ではない
「マジかよ・・・!確かに夏侯兄弟とか会ってみたい人物ではあるけど・・・
実際に戦いたいとは思うような相手じゃないっての・・・!崩剣!」
『甘いわ!蛇流絞斬・防!』
「なっ!?俺の崩剣をあんな簡単に!?」
『確かにお前の一撃は強力だが・・・我らは幼き頃から戦場を渡り歩いてきた・・・!
今更、そんな小細工混じりの攻撃程度で怯む我らではないわ!!』
そう・・・夏侯兄弟の強さは力や技ではなく
幼き日から戦場を生きてきたその圧倒的なまでの経験なのだ
それ故にどんな事であろうとも冷静な判断を下す事ができ
どんなに卑劣な相手であろうとも真正面からたたき伏せる事が出来た
その経験差を真正面から想い知られたシンはどうやって攻めるかを考えていた
しかし彼は忘れていた・・・彼らは兄弟だと言う事を・・・!
『兄者だけを見ていていいのか!?俺も居るんだぜ!?』
「っ!?しまっ」
『獄羅丸!!』
「ぐぁぁぁああ!!」
完全に油断していたシンは後ろから現れた夏侯淵の一撃を躱し切れず
一気にHPが半分近くまで減らされてしまう
「くっ・・・!一撃もらっただけでこんだけの威力があるのかよ・・・!」
『ほう?淵の一撃を受けてまだ立ち上がれるとはな・・・我らに挑むだけの事はあるか』
『だが!我らは貴様程度の実力者とも戦ってきた!これくらいでは揺るがぬ!』
確かに夏侯淵の言う通りこのまま戦っていてはシンの負けは確実だ
しかし二人共、お互いをカバーするように戦っており引き離すのは困難
残された選択肢は今のように戦いながらどちらかを倒すしかない
(となれば・・・まず狙うは俺の攻撃を防御出来ない夏侯淵の方からだ・・・!)
「行くぜ!崩剣!」
『ほう?兄者ではなく今度は俺の方に狙いを変えてきたか・・・!
確かに俺は兄者と違って防御に優れた技を持っているわけではない・・・
だが・・・!この程度の攻撃で崩れるような夏侯淵だと思ったか!?爆鋭突!!』
夏侯淵は飛んでくるシンの崩剣を衝撃で弾きながらシンに突っ込んでいく
しかしその瞬間にまるで狙っていたとばかりにシンの顔には笑みが浮かぶ
「待ってたぜ!この瞬間をな!シールドバッシュ!!」
『面白い!俺と力比べをしようと言うわけか!?』
「いや?あんたと力比べして勝てるわけがねぇからな・・・!
だから力じゃなくて・・・小手先で勝負するんだよ!崩剣!」
『何っ!?』
なんとシンの狙いは夏侯淵との真正面からのぶつかり合いではなく
その瞬間を狙って崩剣を当てる事だったのだ
しかし次の瞬間、シンの崩剣が当たったのは夏侯淵ではなく
『グァァァアア!!』
『あっ兄者!!』
なんとその兄である夏侯惇の方が攻撃を受けたのだ
それにより彼の片眼が傷付いてしまうがダメージはそんなになかった
「マジかよ・・・渾身の一撃だと思ったのに・・・」
『・・・いや・・・見事だった・・・よくぞ我ら二人の攻撃を防ぎ切った』
『全くだぜ・・・まさか兄者が個人での決闘で片眼を失う事になるとはな・・・
ここまで俺達が驚く事なんてないと思ってたんだけどな・・・』
『ああ・・・我らをここまで追い詰めたのはあの漢・・・張飛くらいだろう』
「そんなすごい相手と比べられてもな〜・・・俺はボロボロだし・・・」
『確かにな・・・あの時の奴は我らだけじゃなく他にも三人の武将があり
それら全てを相手にして生き残ったとんでもない漢だからな・・・!』
『でもお前だってすごい方だぜ?さてと・・・これ以上の話は無粋だな
それじゃあ俺達からお前に技とこれまで使ってきた相棒を託してやるよ』
そう言って二人が消えていくとシンはユニーク装備・隼鋼シリーズを身に纏っていた
シンはその装備の性能を確認してとても驚いている様子だった
「おぉ!流石にアレだけ苦労して手に入れただけの事はあるな!
・・・てか・・・スペリオルって毎回、こんなクエストをクリアしてるのか?
だとしたらアイツの場合は装備やスキルじゃなくて本人が化け物だな・・・」
今回のクエストでシンが一番学んだ事はたった一つ・・・
それはスペリオルがやはり化け物だという事だった