IS<インフィニット・ストラトス> ~青年で男の娘はアリですか?   作:イイ日旅立ち

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連休であげるとか言った奴は何処のドイツだぁ!?←ブーメラン


すいません、もう本当すいません。正直言えばリメイクに踏み切るまでの踏ん切りが中々つかず、もっと言うとサイトに慣れるのにもまだ一苦労していた事もあって書きためてた物を載せ直すのがメンドryかったのもあって遅れました。


以前のサイトにあげていたものの反省を踏まえて、あちこち省きながら進めると思いますのでご了承ください。ではっ。


第一話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『全国一斉適性検査?』』』』

 

 

 

「あ、うん。うちみたいなド田舎でも召集かかるぐらいだし、結構国も本気みたいだねぇ」

 

 

 

 

 授業の終わり。

 

 

 

 僕は予め石動先生からもらっていた紙に書かれた内容を読み上げ、男子生徒の皆は全く同じ動作で首を傾げた。僕よりも大きな子が殆どではあるけど、その姿は思わず苦笑を零す程度には可愛いと思う。

 

 

 

『てかあんなん動かせたのってそもそも何でなん?』

 

 

『イケメンだからですね分かります。ニュースに写真でてたけどありゃ顔面だぜ絶対』

 

 

『ふむ……つまり、イケメンはISをも動かせる、と』

 

 

『『『『リア充なんて爆ぜればいいのに』』』』

 

 

「こらこら、揃いも揃って負を撒き散らさないの。皆には皆の良いところがあるんだから、そう僻まなくたって……」

 

 

 

 特に他意があった訳じゃないけど、何やらイケメンを僻みはじめた皆をフォローしようと最後まで言葉を言おうとした瞬間、教えていた筈の『摺り足』で背後に摩擦熱による煙すら幻視出来そうな勢いで詰め寄られた。

 

 

 皆が皆僕より大きいため囲まれると割と迫力に圧される。その気圧された状態のまま、男子の一人の手を『ガシィッ』と掴まれた。そして、

 

 

 

『ありがとうございます湊先生』

 

 

「あ、あぁ、うん。そりゃ、どうも…?」

 

 

『俺達は勘違いをしていました。例え世間があのイケメンをイケメンと言っても、俺達には凡百の醜女よりも可憐な湊先生のその一言さえあれば良いのだとッッ!!!』

 

 

「あの、僕の言葉に神的価値を見出されても……!?」

 

 

 

 というか僕どんだけ担がれてんの。“凡百の醜女”とか、この女尊男卑の世の中でよくもまぁ言えたものである。

 

 

 

 見下ろされる視線は熱く潤み、何だか背景にバラが見えなくも無いけどそれが何を意味してるのが僕にはサッパリ分からない。

 

 

 分からないけど、それがあまり良い意味に見えない事だけは確かだろう。

 

 

 

「あの、そろそろ手を離してもらえると僕は嬉しいんだけど……それに道着から着替えたいし」

 

 

『湊さん……!』

 

 

「そんな目で僕を見ないでくれないかな!? 学生時代に強姦されかけたトラウマが蘇りそうなんだけど!」

 

 

 

 悲しい哉、外見が未だ少女でしか無いせいでトチ狂ったバカから襲いかかられた事は一度や二度じゃない。

 

 

 あまりにそういった手合いが多かったからか、それを見かねた当時の学友の案内で町に一つだけある“とある武術”を教えている道場に連れていかれ何とか暴漢ぐらいなら撃退出来るようにはなったものの、相手が怖くない訳じゃない。

 

 

 

 どうして同性から性的な(そういった)目で見られなければならないのか。

 

 

 

 別に同性愛を否定したい訳じゃないけど、僕の場合そういうのとはまた違う気がする。恋愛の末にじゃなく、飢えた獣に喰われそうになる恐怖感がどうしても先立つため受け入れる用意が出来ない。

 

 

 こう言うと準備さえ出来ればOKみたいな気がするけど、この際気にしない。

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・それに、別に僕を愛して大事にしてくれて相性さえ合えば同性だろうと好きになる可能性も無くは無いし。僕自身が碌な恋愛経験が無いせいか、最近頓にそう考えるようになってしまった。悲しい事実かどうかはさておき。

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫です! 俺、湊さんの事大事にしますから!』

 

 

「いつの間にか話題がそっちに!? だ、誰かヘルプ――――」

 

 

 

 何やら犯罪チックな雰囲気に突入しようとしたまさにその瞬間だった。

 

 

 

『『へぶらぁっ!?』』

 

 

『『こぶふぅっ!?』』

 

 

 

 口から出てはいけない類の奇声をあげながら、取り囲んでいた男子達が横薙ぎに吹っ飛んでいく。

 

 

 それを茫然と見送っていると、吹っ飛んだ反対方向からやれやれと肩をすくめる存在がこちらに近づいてきた。

 

 

 

 ヨレヨレの白衣の内側にはグラビアアイドルが裸足で逃げ出すようなスタイルを内包し、その格好も上下ジャージで残念と言えば残念というか勿体ない。

 

 

 唯一彼女の気性を顕すような烈火のように紅い髪だけがそれなりに手を加えていると分かるように結い上げられている。というか、あの髪形は僕がセットしてあげたものである。

 

 

 

「……フンっ、相も変わらずガキ共に大人気だな、お前は」

 

 

「それを言わないでよ……。でも、助けてくれてありがとね?」

 

 

「別に良い。それに私が手を下さずとも、お前なら何とかなっていただろ」

 

 

「そうだけど……」

 

 

「? なんだ、体調でも悪かったか?」

 

 

「―――――教え子を本気でぶっ飛ばせなくて」

 

 

「このばーたれ」

 

 

「あにゅっ!?」

 

 

 

 モジモジしながらそう告げると、面と向かって溜息を吐かれながら拳骨をいただいてしまった。男子高校生をたった一発の(・・・・・・)蹴り(・・)で吹き飛ばした手合いの拳骨だけあって、芯に響く痛みである。

 

 

 

「うっ、うぅぅぅ………!」

 

 

「身の危険をさておき教え子どうの言ってるんじゃない。このアホ」

 

 

「普通に泣きそうな程痛いんですが……っ」

 

 

「知らん。余計な気を揉ませた報いと思うんだな」

 

 

 

 そう言いつつ、白衣の彼女は乱暴に、でもコブには触らないようしながら頭を撫でてきた。口と態度が一致しないのは今に始まった事じゃ無い。

 

 

 

 この人の名前は“柳崎來蓮”

 

 

 小学校を卒業しこの山村に越してきてから出来た友人の一人であり、白衣ジャージの着こなしを「格好良い」と言って憚らない変わり者でもある。

 

 

 そして僕が教わっている武術の姉弟子にあたる人でもある。道場を紹介してくれた人物こそ、何を隠そうこちら來蓮なのだ。

 

 

 

「……痛くないか?」

 

 

「うん。どちらかと言えば成人してもこの扱いの変わらなさの方が泣けるかもしんない」

 

 

「んなっ!? し、仕方ないだろうがっ。お前が何時まで経っても可愛いのが悪い!」

 

 

「僕のせいじゃないやい……」

 

 

 

 どんなに筋トレしても牛乳飲んでもいっそ自堕落な生活しても、変わらない外見は正直僕の手に余る代物なのかもしれない。自分自身なのに何たることか。

 

 

 

 口調は固く手も早いけど、一応僕の事を心配してくれてはいるのだ。邪険には出来ないけど、もう少し優しくても罰は当たらないんじゃないかな?

 

 

 

「むぅ……しょうがないだろ、私はどうせこんなものだ」

 

 

「自分を“こんな”とか言っちゃダメだってば。柳崎は普通の格好してなくても普通に綺麗なんだし、卑下する事無いと思うんだけどなぁ」

 

 

「余計な世話だ。それに、世辞は要らん」

 

 

「お世辞じゃないよ。あのね、たった二人っきりで同じ道場に通って道着の狭間から偶に見えた肌色にどんだけ僕が気まずかったと思ってんの?」

 

 

「んなぁっ!?」

 

 

 

 ええいこの際だから、言いたい事をまとめて言ってくれる。どうして校長の秘書業の代行をしている筈の彼女が道場にいるのか、その問いはさておき。

 

 

 

「そりゃ僕には男っぽさとか皆無ですよ? でも柳崎はそうじゃないじゃん。だからもうちょっと格好に気を遣ったりするなり仕草に注意してみたりしたらさ、きっと誰もほっとかないよ? 柳崎普通に綺麗だもん」

 

 

「う、うっさいボケ! というかそんな恥ずかしい事よくもつらつら言えるなお前はっ!?」

 

 

「だって事実だし。いつも傍で残念だなぁ~って思わずにはいられないんだよ」

 

 

「どうせ私は残念だよ!」

 

 

 

 まるで猫のようにこちらを威嚇する柳崎だけど、見目がいいからそんな事されても怖さなんて無いし、むしろ可愛らしいとさえ思える。

 

 

 

 

『・・・俺達忘れられてるけどさ、あんなの見せられると何かどーでもよくなってくるよなー』

 

 

『湊先生と柳崎先輩の掛けあいだろ? あれ見て二人にアタック出来なかったって部活のOBが言ってた』

 

 

『腐れ縁ならではって感じだよな』

 

 

『あれで付き合ってないかんなぁあの二人。もう付き合えばいいのに…………でもやっぱ湊さんが一生フリーでいて貰いたいと思う俺は異端なのかな?』

 

 

 

『『『『禿同』』』』

 

 

 

 

 

「大体! 可愛いとかそういうのはな、お前の方がよっぽど当てはまるだろ!? 小さくて白くてふわふわしててすっごく可愛らしいんだぞ! それに髪も桃色で綺麗だし三つ編みも可愛いし!」

 

 

「止めてよ!? 成人男性が可愛いだなんて言われたってむしろ屈辱以外の何物でも無いよっ!」

 

 

 

 今度はこちらのターンとでも言うように柳崎の反撃。立て続けに可愛らしいと言われて喜ぶような神経は持ち合わせていないというに、何をそんな顔を紅くして褒めやがってくれるのか。泣くぞこんちきしょん。

 

 

 

「だったら学園祭の都度メイド服だったりナース服だったりゴスロリ巫女服コスプレなんでもござれだった事をどう説明する!?」

 

 

「それ今関係無いよね!? ただ僕をいじめてるだけだよね!?」

 

 

「あれ凄く可愛くて写真全種類回収するの大変だったんだぞ!? 金が無かったからテキトーな輩連れだして脅sゲフンゲフン!……話し合いで譲ってもらったりだな」

 

 

「今“脅し”つったなお前!? その話し合いだって『OHANASI』だろ実は!」

 

 

 

 ちなみにここで言う『OHANASI』とは要するに“肉体言語にて仕る”という意味である。暴力に自信がある人間が好んで使う自分を押し通すための常套手段。良い子は絶対に真似しないでね? 湊さんとの約束だ!

 

 

 そして何気に聞き逃せないのが学生時代、僕の知らないところで売買が交わされていたとかいうコスプレブロマイド。あれお前が持ってたのか!

 

 

 

「ネガごと回収してしっかり処分しといたから、現物は今私と金を出した奴だけだな」

 

 

「さらりと最低な事言ったよコイツ。ボコした相手以外からは金とったのかお前は」

 

 

「でも同意の上だから問題無い」

 

 

「ドヤ顔で言うな、何か腹立つ」

 

 

 

 知らない相手が持つよりも、まぁ気は楽と言えば楽ではある。でも、僕の写真なんか残して何になるというのか。コイツの考えはたまに分からない。

 

 

 

 結局そのまま日が暮れるまで二人であーだこーだと駄弁りあってしまい、その日の柳崎の本来の用事だった【僕も適性検査を受ける】事を聞き出せたのは、学校から帰って二人で居酒屋に繰り出した直後だった。もっとはよ言えおバカ。

 

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