IS<インフィニット・ストラトス> ~青年で男の娘はアリですか?   作:イイ日旅立ち

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題名で既に地雷臭がびしばしキてることと思いますが、以前頂いた番外編の意見でクロスネタです。とはいえ全然本編には関係ありませんし、都合上本編の物語が終わった状態となっています。


誰ともくっつかず終わったノーマルルートの後、湊君に訪れた新たな不憫の舞台は異世界!? てな訳で、三国時代に逝ってみよ~!

基本そんなノリで書いたので出来は一切保証出来ません。それでも『倍プッシュだっ……!』という方はどうぞそのままお進み下さい。では。


番外編~恋姫✝無双 湊「誰が姫かゴラァ!?」束「それは言わないお約束♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕、帰ったら絶対篠ノ之に土下座させてやるんだっ……!」

 

 

『あの、湊様。それは俗に言うところの、“死亡フラグ”なるものだと思うんですけど』

 

 

 

 

 いきなりでアレな一言だと思うけど、荒天の空の下、僕は完成した“布都御魂・●●”を装着した姿で吠えた。

 

 

 

 色んな事の決着が済み一段落していた折、急に篠ノ之に呼び出されたのが先日。

 

 

 田舎から遠く離れたIS学園に再びやってきたと思ったら、預けた筈のたまを返されて何やら新装備を施したらしくそのテストを行いたいとの事。

 

 

 他のISなりテスターがいるんじゃないかと尋ねてみるも、その装備にはより高性能なAIによる管制が必要らしくたまの演算能力でなければ発動すら覚束ない代物だという。

 

 

 まぁそれまでの紆余曲折で色々とお世話になっていたし、装備のテスターぐらい快く引き受けてしまったのが運の尽き。

 

 

 

『『―――――――――あ゛』』

 

 

『おーい二人ともー? 何で揃って“やっちまった”的な声を出してるのかなぁー? 三十路のおじちゃん不安になっちゃうぞーう?』

 

 

『そういえば湊様はもう27になるんでしたね。何で外見が未だ女子高生なのでしょうか? アンチエイジングの申し子ですか?』

 

 

 

 そんなの知るか。そのせいか最近やたら地元の同級生達から僻まれてるんだぞ僕は。特別何をしている訳でもないのに秘訣を教えろだの、DNAを寄越せだの。発想が猟奇的になってきた時点で逃げに徹さなければ今頃僕は………うっわ鳥肌。

 

 

 

『あの、みっちゃん。落ち着いて、聞いてね?』

 

 

『……今たまに装備している装置の正式名称は【ディメンジョン・ドア・システム】。通称“DDS”って言って。暇つぶしに作ってみた平行世界干渉装置なの』

 

 

『今、色々と聞き逃したらいけない単語があったような気がするけど、とりあえず一言言わせてもらえば“小人閑居して不善を成す”ってこういう事を言うんだね』

 

 

 

 要するに、ろくでもない人間に暇を与えると碌でもない事が起こるという意味。

 

 

 その言葉の意味をこの身で正しく体感しながら、聞きたくは無いがその先の言葉を促した。

 

 

 

『その装置はISで培った空間歪曲技術をより高度な演算と出力を以って机上の空論と言われてきた平行世界への世界壁干渉、そしてその世界を隔てる壁を突破して平行世界間を行き来する事を可能としているの。あくまで理論上でだけど』

 

 

『……何でそんなSFアイテムを作ろうと思ったのさ』

 

 

『ぶっちゃけ事件も無くなって暇だった。だから放置されてた夢物語扱いの理論を私達でアプローチかけてれば暇も紛れるかなと』

 

 

『思いつきでIS以上に世界揺るがしかねない物を作っちゃダメでしょうが!?』

 

 

 

 最終的に僕がIS学園での全ての用事を終えたのが一夏君達が卒業するのと丁度同じ頃。

 

 

 その頃には山積みしていた問題も粗方片付いてしまった事もあり、基本的に日常生活しか送ってこなかったのだ。

 

 

 

 それがどうも天才達には窮屈に感じてしまったようだが、ならもっと外出て出会いでも求めろと。アラサーのクセに何やってんのかと強く言いたい。言ったら殺されそうな気がしなくもないけど。

 

 

 

『はぁ……で、その装置がどうしたの?』

 

 

『……言っちゃってもいいの?』

 

 

『言わなきゃ事情も何も分からn――――――』

 

 

 

 『い』と言い終える直前、突如強く発光した機体の制御が効かず目を閉じ開いた次の瞬間には、僕は“篠ノ之達の目の前から消えていた”。そして………

 

 

 

 

 

 

「―――――今に至る、と。そもそもここ何処? 見渡す限り荒野とか今時よくこんな未開の土地が残ってるもんだと感心しなくも無いんだけど」

 

 

『……一応衛星にハッキングを試みているのですが、何故か全然繋がらないんですよねー』

 

 

「まるで衛星自体が無いみたいに?」

 

 

『そう! まさにそんな感じです! というか私考えたんですけど、創造主達の作ったDDS、実はあれ正常に動いてしまったんじゃないしょうか?』

 

 

 

 平行世界を隔てる物を篠ノ之達は“壁”だと定義し、その壁に穴を開け世界同士の行き来を可能とするためにDDSを作った。

 

 

 ならこの場所の説明をつけるとするなら、答えは一つしか無いんだろう。残念なことに。残酷なまでに。

 

 

 

「『……………はぁ』」

 

 

「とりあえずどうしよ?」

 

 

『ここが異世界であれ知らぬ土地であれ、まずは先立つ物とが必要でしょう。RPG的に言うと、まずは情報集めってところです』

 

 

「地道に帰る手段、探していこっか」

 

 

『そうですねー………ですがどうしましょう、あの子達がいませんから今武装皆無なんですけど私』

 

 

「………多分、何とかなるよ。なんだったら殴り合いでもそこそこはいけると思うし」

 

 

『前途多難ですね』

 

 

「言わないでよ、考えないようにしてたんだから」

 

 

 

 篠ノ之の異常な発明品に慣れてしまうと、どうやら異世界に飛んだぐらいじゃ驚けなくなるらしい。この状況で取り乱さずに済んで良かったとは思うけど、絶対に感謝なんてしてやるものか。

 

 

 

 帰ったら絶対シバいちゃる……そう心に誓って、僕とたまは見知らぬ世界の空を宛ても無く飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・

 

 ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 一先ずの目標として僕達が掲げたのは、この世界に居る筈の人間を見つける事。

 

 

 ここを異世界と仮定するなら、もしかすると人間がいないなんて事も考え得る訳だけど、それだと話が進まないし何より状況が詰むので考えない。今ネガティブに走ったらちょっと立ち直れないので。

 

 

 ISの飛行速度、しかも従来のそれよりも単純な直線飛行速度なら進化が進み今や第五世代に到達したISも登場した現在でもたまのそれは未だ最速を誇る。それでも尚地平線すら見えないとなると、余程広大な土地という事になる。多分大陸ぐらいの大きさであるのは間違いない。

 

 

 

「しかみ全然文明が見えない……映画じゃあるまいし、動物だけの世界だとか星とか御免だよ。コミュニケーション大事だよぅ……」

 

 

『湊様湊様! 精神折れそうになって幼児退行しています! アラサーなのに全然違和感無いなんてチート臭いですね!』

 

 

「うるさいなぁもう! 童顔な事マジで気にしてんだからねこっち!?………おっ?」

 

 

 

 漫才でもしてなけりゃやってられない状況の最中、眼下に漸く人影のような集団が見えてきた。

 

 

 しかし様子がおかしい。

 

 

 

 確かに大勢の人間だとハイパーセンサーの超視力で見れてるんだけど、様子を窺う限りどうも黄色い意匠の布を身に付けた一団と、こちらは統一感の無い様々な意匠の服装の集団が争っている。

 

 

 

「(いや……これは争いっていうか、戦争、だよね……? でも)」

 

 

 

 幾らなんでも銃が一切ないというのはおかしい気がする。この世界では未だ剣や槍が武器の主流なのだろうか?

 

 

 それに他にも気になる事はある。

 

 

 服装が何処かで見た事があるような気がするし、使われている武器にも見覚えがある。そう、あれは鈴ちゃんが愛用していた“双天牙月”に似ているんだ。

 

 

 さらにそれぞれが立てている旗。“張”という旗は黄色い集団の物で、“劉”とか“曹”とか“孫”とかはあっちの統一感無い集団の物。

 

 

 

 ここまで来て流石に気付かない程僕はバカじゃない。具体的には、数学以外なら僕は平均ぐらいの点は取れる。

 

 

 その中でも歴史の分野は嫌いでも無かったので、興味のある世界史は高校を卒業して十年近く経った今でも覚えてる。

 

 

 その覚えている記憶の中に、今の状況と結びつく歴史が、頭の中に既に浮かんでいた。むしろ浮かんだからこそ、僕は現実を受け入れられずにいた。

 

 

 

「黄色い布……黄巾………それに劉の旗は劉備、曹は曹操、そして孫権………うわぁ」

 

 

『? 湊様、もしかしてこの世界について何か思い当たる節が?』

 

 

「節っていうか、多分、ここが何処でどういう世界か分かっちゃったかもしんない……」

 

 

 

 歴史浪漫に一度でも触れた者なら、むしろ垂涎の世界だろう。

 

 

 

 ………何せここはどうやら、世界史史上最も大勢の人間同士が火器を使わずにぶつかり合ったあの“三国志”の時代なのだから……!

 

 

 

「異世界っていうか、タイムトラベルとかマジで巫山戯んなよ篠ノ之アンチクショウ……! って、ん?」

 

 

『おや? ボケっとし過ぎましたかね? ちょっと地上に近づき過ぎてしまったようです。まぁたかだか石弓程度で私には傷一つつきませんが』

 

 

 

 思考にフケ過ぎてしまったようで、いつの間にかだいぶ高度が下がってしまっていたらしい。

 

 

 考えに没頭する僕を引き戻したのは、小石程度の衝撃とはいえこちらへの攻撃。いくらISの防御力が優れているとはいえ、流石に気を抜き過ぎていたか。いやそうじゃなくて。

 

 

 

『あ、あ、アレは何だ!? 鉄の塊が空を飛んでいるだと!?』

 

 

『妖術だ! あれはきっと妖術に違いない!』

 

 

「(いや妖術て……単なる科学技術なんだけど)」

 

 

『ですがもし湊様の仰る通りの時代ならば、私の存在は妖術のようなものですよねー。どうします?』

 

 

「いやどうするって……あっ、誰か何か言ってきてる」

 

 

『おぉ、あの黒髪爆乳の堰月刀少女ですねぇ。何ですか、何で三国時代に萌え少女がいるんですか湊様』

 

 

 

 僕がそんなの知るか。まさか三国時代に少女がいたとか聞いた事無いし。新説発見の記念すべき第一人者だというのに、何故か嬉しさは無かった。

 

 

 

「この鉄の化け物めっ! 我が名は関羽、字は雲長! 貴様にも意志があるのなら、私の挑戦を受けてもらおうか!!」

 

 

 

 そしてすげぇ単語が聞こえましたよーう?

 

 

 

 えっと、僕の知ってる“関羽”と言えば、中国において武神と今なお語り継がれている超絶有名人であり、「美髭公」という美しく長い黒髭を蓄えていた事でも有名なおっさんである。

 

 

 そう、おっさん(・・・・)なのである。決して少女では無いし、もしもあの少女が本当に関羽だとしたら世の歴史浪漫愛好家が皆等しく美少女萌えになってしまう。

 

 

 

「(………ここ、やっぱ異世界だわ。うん、だって美髭公が美少女とかありえねーもん)」

 

 

『ですよねー。しかも今ナノマシンを空中に散布して戦場を閲覧したんですが、女の子沢山いますよー。しかも武将っぽいポジションっぽいですし、おそらくあの黒爆少女も嘘を吐いていません』

 

 

「その略し方はどうなの……」

 

 

「お、おい! 何を一人? でぶつぶつと喋っている! しかも女の声まで……! 貴様本当に何者だ!?」

 

 

 

 あっ、そういえば僕今決闘フッ掛けられてたんでしたっけ。それに僕の声やたまの声が聞こえれば、そりゃ外見も相まって不気味に見えるよね。既に少女以外の兵士がこちらを見て敵味方問わずドン引きなので間違いない。

 

 

 しかしどーしたものか。もう空中に居てもしょうがないので既に着地して少女と相対している訳だが、本気で戦う気は無い訳で。

 

 

 しかもさらに状況は悪くなってきて、女関羽の近くに続々と桃色髪の少女や赤毛の幼女、さらには白くキラキラした制服の少年やその傍には赤毛の幼女と大差ない背丈の幼女。うん、嫌な予感しかしねぇ。

 

 

 

「愛紗ちゃ~ん! 大丈夫~!?」

 

 

「愛紗ー! その化け物は何だかヤバい気がするのだ! 鈴々も一緒に戦うのだ!」

 

 

「(これは……まさかロボット!? ただでさえ女の子だらけの三国志で参ってるのに今度はSF!? どうなってるんだこの時代は!)」

 

 

「はわわ、どどっどどうしましょうご主人様!?」

 

 

「あわわ、お、おち、おちついて朱里ひゃんっ!?」

 

 

 

『『『『噛んだ………』』』』

 

 

 

「(何だこの空気)」

 

 

 

 一応そこら辺には傷つき倒れた兵士とかもいるんだけど、あの集団の空気感は何なのか。まぁ戦場に女の子って時点で僕の中で色々と三国志に覚えていた浪漫が消えてってる訳なんだけど、そういえば身近な例で僕は既にあの子達ぐらいの少女と肩を並べて戦っていたんだっけこないだまで。………常識って、何だっけ?

 

 

 

「……と、ともかくっ! 喋れるんならそこのアンタ!」

 

 

「えーっと、それってもしかしなくても僕の事?」

 

 

『『『『『ご主人様!?』』』』』

 

 

『…あれだけの数の美少女にご主人様呼びをさせるとは………貴方、そのうち種馬とか呼ばれる運命にありそうですね』

 

 

「やかましい!? ていうか何だその嫌にリアルさを感じさせる不名誉な渾名は!? いやそうじゃなくて、話せるんならまずは俺の話を聞いてくれないか? そっちは多分、今の状況について色々と聞きたい事があるんじゃないか? 俺なら多分、アンタ達?の質問に少しは答えられると思う。さぁ、どうする?」

 

 

 

 どうするて……実質それって選択肢無いがな。この少年、イケメンで強かとか、伊達に美少女にご主人様呼びされてない。

 

 

 

 武将が女の子の世界で、しかもそこがやけに元の世界の歴史に似てて、篠ノ之の言う“平行世界”って言葉の意味が嫌なほど実感出来てしまう。

 

 

 

 最悪の出会い方ではあったけど、これが僕と後に三国の一角を成す【蜀】を建国する主要人物達、そして本来の意味での招かれざる招待客である少年。差し詰め僕はバグとかそんなところだろうか。

 

 

 

 

 

 

「(絶対帰ったら篠ノ之シバこう。うん、とりあえず泣くまで尻叩きしたる……!)」

 

 

『(むしろ喜びそうじゃないですか?)』

 

 

「(なら僕にどうしろと!?)」

 

 

『(決まってますよ! 創造主を喜ばせずに凹ませる方法、すなわち! 私と結婚すればいいのですよ!)』

 

 

「…………さて、どうしようも無いから君の言う通りついて行くよ。どの道行くあてなんて無いんだしね」

 

 

『あれぇ湊様無視ですか? 無視ですか!? ガチ告白スルーとかそれでも男ですかあーた!』

 

 

 

 やかましい。この非常識な現実を前にそんな冗談真に受けてられっかバーロー。

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