IS<インフィニット・ストラトス> ~青年で男の娘はアリですか?   作:イイ日旅立ち

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二月中に六本更新するとか言ってたおバカが通りまーす。いや、本当に遅れてすいません。自分で自分の不調をナメ過ぎていた……ッ。


IS番外編の二本目。新婚ネタですが今回のは導入で、後編に続くという形を取らせていただきます。特に理由はありません。えぇ、ありません。

あと極めて余談なんですが、真・三國無双7購入しました。新キャラという訳ではありませんけど、個人的には王異さんがストライクでした。まさかあのゲームにヤンデレ属性が付加されるとは……流石元祖ギャルゲ作った会社だけはあるぜぃ……! ちなみに男だと断固関平。あの不遇さが大好きです(ヲイ


番外編~暇を持て余した大人達の暇つぶし【前篇】

 

 

 

「新婚ごっこをしよう!」

 

 

 

 そんなことを言いだしたのは、ご存じ天災科学者篠ノ乃束。

 

 

 宿直室にやってくるなりいきなりの発言。なおかつ、意外性の在り過ぎる言葉に僕達は硬直……

 

 

「あっ、これUNO」

 

「青のドロー4だと!? くっ……仕方ない、虎の子の四色ドロー4だ。色指定は……赤だ」

 

「あぁっ!? ひ、酷いですよぅ! 私が赤を持ってないって知ってて……! うぅぅ、また手札がこんなに」

 

 

 ……することもなく、仕事が終わって暇だった柳崎と山田とやっていたカードゲームに興じていたので、特に大したリアクションは起こらなかった。

 

 というか、僕はかろうじて気が付いたけど二人の方は篠ノ乃の存在にすら気付いてないっぽい。

 

 入口ではドヤ顔で登場したままスルーされ涙目ないい歳の大人がいる訳だが、流石に無視するのも憚られる。

 一抜けでアガり、仕方なく炬燵から抜け出すことにする。暖かくなりつつあるとはいえ、仕舞うのには躊躇いを覚えてやまない魅惑のアイテムである。

 

 

「いらっしゃい、篠ノ乃」

 

「……み、みっちゃぁぁぁん~。皆が束さんを、束さんを無視するよぉ~」

 

「うん、皆UNOに集中してたから気付けなかったんじゃないかな。ほら、お茶出すからあがって」

 

「そしてみっちゃんも私の発言はスルーなんだね……」

 

 

 いやぁ、だって相手したら色々と面倒が確定しそうなこと火計の如しですしおすし。なんちて。

 

 最早見慣れた感のある篠ノ乃半べそ顔をテキトーにあやしながら炬燵に案内してお茶と冷蔵庫の中から柳崎リクエストで作っておいた塩大福を取り出す。何と言うか、一成人男性で現在進行形で無職と言っても過言じゃない人物の持つスキルとして、大福を作れるって中々じゃなかろうか。

 

 ……そんな風に、ちょっぴり優越感だか微妙な気分に浸ってみたり。

 

 

「まむまむ……うみゃぁぁ……」

 

「それは良かった。地元の方から仕送りで何故か色々送られてきたからさ、消費する意味も兼ねて作ってみたんだ」

 

「みっちゃんて家事において弱点って無いの? 女として色々とショックなんだけど…」

 

「…………掃除、かな」

 

「? でもこの部屋綺麗だよ?」

 

「いや、掃除自体は別に嫌いとか苦手って訳じゃないんだけど…………高いところに手が届かなくて」

 

「あっ」

 

 

 そして、微妙な気分は一気に急転直下。自分が大半悪いのだろうが、アルミサッシの上部分とか、椅子の上に雑誌を重ねたりだとかを掃除しようと思う度に背の低さをコンプレックスに感じなかったことは無かった。

 

 

「きょ、今日はそういうのじゃなくてさっ。というか私が開口一番に発した言葉に対するツッコミはないの!?」

 

 

 雰囲気を変えようと篠ノ乃がやや慌てたように既に封殺した筈のネタをふってきたが、おいそれと頷ける訳がない。

 

 

「(新婚ごっこだと……? 今は二人に聞かれてなかったから良かったようなものの、どうしてこの地雷原にダイナマイトをぶち込むが如き暴挙に……!)」

 

 

 いやまぁ僕が気にし過ぎているだけかもしれないんだけど、その単語は些か拙い気がしてならない。

 

 何せ新婚。というか、こと『結婚』を匂わすワードというだけでもヤバい。

 

 

 ――――――だって、ここにいる柳崎に山田、それに篠ノ乃の三人に僕は今……告白を保留中という心底わけのわからない状況に置かれているのだから。

 

 

 いや自分で言ってて不誠実極まりない台詞だとは自負しているんだけど、普通思わないものでしょう? 同じ日に同じ場所に同じ時間に呼び出され、全く同じ台詞で『好き』だと言われることなんて。

 

 三人同時に告白という、そもそも告白というイベント自体同性からのを除けば初めてで、しかも三人に僕自身が思うところがあって感情の整理がまだ出来ていなかった時の追いうちのようなそれに、僕はその場で答えを出すことが出来ずに曰く、ガチで頭から黒煙を立ち上らせながら気絶したという。

 

 それで今も答えは出せず、三人には僕が自分の感情を整理できるまで待ってもらっているという、男である僕の方が未だに女々しさ満点なこの状況。

 

 何かに間違いであったりドッキリであれば……そんな鈍感ニブチンな勘違いができるほどおめでたい頭はしていないし、こんな時ほど五人もの女の子にアピールされても平然としていられる一夏君の精神が羨ましくてならない。

 

 僕にも同じものがあれば………いや、それでもあそこまで鈍感にはなりたくないよーなー……。

 

 

 ―――ま、まぁそれはさておいて。

 

 出来れば僕一人だけで落ち着いて考えたい問題が未だ残っているというのに、三人は告白したからか好意をより明け透けに出すようになったし、時間があるとこうして宿直室にまで足を運ぶのが常となっている。

 

 柳崎は元々ここに住んでいるけど、最近では家事を僕に任せきりにするのではなく自分から手伝うと言いだすようになったし、山田も夕食をおかずを持参して一緒に食べるようになったし、篠ノ乃は篠ノ乃でスキンシップの段階が一段抜かしで激しくなったように思う。

 

 それが以前までのようにただからかわれているだけだと思っていたあの頃の僕ならまだ良かった。

 

 だが、今の僕は三人をもう“異性”として見てしまっている。

 

 つまり、何が言いたいのかというといくら僕が女っぽ過ぎる外見と性格らしいと言われているとしても、中身はれっきとした男な訳で。

 

 見目麗しい三人の女性に告白され、好意を寄せられることが嬉しくない訳が無い。

 

 ましてや、ふっきれたからなのか当たり前のように抱きついてこられるとそれまで意識してこなかった女性特有の甘い香りややわっこさを自覚させられて理性がガリガリ削られる始末。その威力たるやものによっては零落白夜どころかちかねちゃんの天尾羽張クラス。

 

 よーするに、僕も色々と限界な訳で。そこに新婚ごっこなんて爆弾を置きたくないのだ。

 

 何とか話を逸らそうと混乱する頭を全力で働かせる。が、

 

 

「へぇ、面白そうだな。それ」

 

「子供の頃におままごとってやってことなかったから、少し楽しみだったりします」

 

「あり? らいちゃんにまーちゃん、私の話聞いてたの?」

 

「まぁな」

 

「たださっきのUNOの勝敗で大福を6:4で分けようって話でしたので、ちょっと真剣に遊んでたんですよ」

 

「うぅ、束さんは無視されたかと思って悲しかったよ? 兎さんは寂しいと泣いちゃうんだよ?」

 

「はいはい。わるかったわるかった」

 

「そこっ、誠意が感じられないよっ!」

 

「まぁまぁ。それよりも、配役はどうします?」

 

 

 ……既に二人とも乗り気でいらっしゃるー!?

 

 

 つか、篠ノ乃に気付いてなかったんじゃなくて、敢えて放置していただけなのか。それはそれでどうかと思うけど、よりにもよって二人して『子供っぽーい』とかいって笑い飛ばしてくれないだなんて……ッ。

 

 こうなってくると僕の発言力は無い。そこ、元から無いとかゆーな。自分でも自覚はあるんだから。

 

 

 

 こうして、いつも通り僕の意見は黙殺されて、暇を持て余した大人達による新婚夫婦ごっこが幕を開けることと相なった。ちなみに全編アドリブ。嫌な予感しかしねぇよぅ……。

 

 

『あっ、ちなみに湊様』

 

『もっちろんぼく達もさんかするからねー! すごくおもしろそうっ!』

 

『では私はご主人様にお仕えするメイドでっ。この設定だけは意地でも食いこませてみせるのですぅ!』

 

「もういいよ、どうせだれが加わろうが僕の未来というか扱いは変わらないんだからさ……しまいにゃグレるぞこんちくしょう」

 

『そんな湊様も大好きですっ! という訳で是非現実逃避の際は電脳世界までいらしてくださいね?』

 

『姉妹一同めいっぱいサービスするですぅ!』

 

『うんっ。いっぱいあそぼーねっ!』

 

 

 ………今度、簪ちゃんにカウンセリングでもしてもらうかな。割と切実に。

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