FILM RED IF 歌姫と麦わらの子 クレド   作:黑米田んぼ

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待たせたね続きだよ!相変わらずですが話が進むと同時に筆の速度が遅くなるのが玉に傷。頭に浮かんでいるのに机に座ると途端に進まない。愚痴はここまでではどうぞ。


チャプター10 愛の裏返しは

「―――――すみません、おでんさん」

 隻腕とは思わない怪力でウタの持つ閻魔を弾き飛ばす。飛んだ刀は持ち主のゾロのすぐそばに突き立つ。

 

「・・・・・」

 12年待った父親を見つめるウタ。アメジストの瞳にその顔が映り嘗ての記憶が蘇る。

 

 

 

「―――――ねぇ、お母さん」

「なぁに?」

 大海原を一望出来る丘を背景にウタとクレドは話していた。

 

「この海の向こうにはわたしが知らない沢山の光景や沢山の人がいるんだよね」

「そうだよ」

「お父さんはこの海がお母さんのステージだって言ったんだよね」

「そうだよルフィったら生意気な事言うんだよね」

「・・・・・でもお母さん嬉しそう」

「・・・・・そう?」

「・・・・・行ってみたいなぁ。見たことの無い物を沢山見てみたい!」

「・・・・・なら、お母さんがもっと頑張らないとね」

「・・・・・どうして?」

「シャンクスがね世界一の歌姫になったら迎えに来るって言ったんだ。まだ私の歌が広まっていないからやってこないんだよね」

「・・・・・・・・・・・」

「大丈夫だよ。シャンクスが来なくてもルフィが来るかもしれないよ。独り立ちして自分の海賊団を作ったんだから私の歌が届けば何時か来るんだよ」

「・・・・・来るんだよね。何時か」

「・・・・・・うん。そろそろ戻ろうかちょっと体が冷えちゃったし」

「・・・うん」

 

 

 

「は、はは、あっははははははははっ!とうとう!とうとう来たんだね!シャンクス!!」

 驚愕、歓喜、怒り。幾つもの複雑な感情で狂った笑い声をあげ涙を流して笑うウタ。

「・・・・・ウタ」

 狂ったような笑い方をする愛娘の姿を見て何とも言えない顔をするシャンクス。他の赤髪海賊団の古参メンバーも同じような表情をする。

 

「―――――もう直ぐ私はあの子とルフィと一緒に新時代に行ける。・・・・・だから!」

 手を掲げ指揮者のように麦わらの一味以外のウタワールドに連れて行った人を動かす。

「ここでアンタとの色々なものを全部終わらせる!!・・・・・皆ァァァァァァ!!一番悪い海賊が現れたよぉぉッ!!―――一緒に倒しちゃおう!!!」

 民衆が海軍が海賊が天竜人が一斉にシャンクス達に襲い掛かる。

 

「―――――」

 敵を吹き飛ばそうとハウリングガブは息を吸い込むが。

「止めろハウリングガブ・・・」

 部下を窘めシャンクスはウタへと近づく。

 

「・・・・・お頭」

 何をしたいのか察するヤソップ一児の父親同士やりたい事は大体わかる。

 殺到する民衆は一斉にシャンクスに襲い掛かる。

 

「・・・・・」

 ウタは見つめる。自分が操る民衆によって袋叩きにあうシャンクスを。

「―――――・・・―――――」

 平民が海賊が海軍が次々とシャンクスに殴りかかる。

「―――――!?・・・ふっ・・・」

 海兵の一撃が顎に綺麗に当たり頬の血を拭うシャンクス。

 

「・・・・・ねぇシャンクス。痛い?」

「・・・・・ああ、かなり痛いな」

 ウタは問いシャンクスは答える。

「・・・・・本当に?」

「本当だ」

 多勢に袋叩きにされているが民衆の一撃はウタに操られているため低いのか。それとも四皇であるシャンクスの防御力が高すぎるためかそこまで効いているようには見えない。

 

「・・・・・分かる?あの日置いてかれた気持ち。ずっと信じていた人に裏切られていた私の気持ちを!」

「・・・・・そうだな」

「・・・・・何であの日私も連れて行ってくれなかったの!?何で今まで来てくれなかったの!?私は待っていたんだよ!?」

「・・・・・それに関してはすまん」

 本音をぶつけながらゆっくりとシャンクスに近づくウタ。

「・・・・・ねぇ、シャンクス。コレなんだか分る?」

 ウタはバスケットから一本の棒状の物と小さな箱を取り出し棒を腰にさして小さな箱の中身をシャンクスに見せる。

「・・・・・それは?」

 箱の中身古く腐った生物のようなもの。シャンクスはおろかベックマンやホンゴウでさえ気づけない。

 

「・・・・・おい、ウタ。・・・それは・・・まさか・・・へその緒か?」

 ―――――ヤソップだけは謎の物体の正体に気づいた。

 

『―――――――――は?』

 ヤソップの言葉に赤髪海賊団は騒然とした。

「・・・・・へぇ、分かったんだ。流石は一児のお父さんだね」

 分かってくれたものが居たので若干ウタの表情が和らぐ。

 

「―――――う、ウタ・・・・・まっ、まさか」

「・・・・・ねぇ、シャンクス。私がエレジアを滅ぼしたあの日。置いてかれた子供って私だけだと思った?居たんだよ。・・・ここにね」

 ウタは自分のお腹に円を描いてポンポンと叩く。

 

「―――――ウタ。・・・お前・・・まさか・・・」

 シャンクスが絶句する。その言葉を聞いてエレジアに行く前ウタが何をやったのか全てを察する。

 

「・・・・・そうだよ。・・・私ね・・・ルフィと子作りしちゃってね・・・それでね・・・シャンクス達が行っちゃって暫く経った日に分かったんだ。―――――私の中に私とルフィの赤ちゃんが居るって」

 ウタは全てを告白した。

 

『――――――――――なぁッ!?』

 赤髪海賊団全員がその言葉に絶句した。

 

「・・・・・ねぇ、シャンクス。何で私を連れて行ってくれなかったの?・・・私はそっちが良かったよフーシャ村で全部教えられても皆が慰めてくれるでしょ」

 ウタはゆっくりとシャンクスに近づく。

「・・・・・それは」

 愛娘の告白にシャンクスの脳はまるでカイドウに殴られたかのような衝撃で揺れていた。それでウタの手にある刃物に気づかない。

 

「ウタそれは止めろ!」

 何をしようとしているか気づき止めようとするベックマンだが気付けば周りには邪魔はさせないと銃器を持った海兵がぞろぞろとおしおせる。

「くっ、殺すな!!武器を持たせるな!!」

 船長が動けないと判断して副船長として指示を出す。

「・・・・・くっ、文句を言うなよ。ウタ!」

 副船長の一声で赤髪海賊団は一斉に海兵たちの戦闘力を奪っていく。ベックマンもまた自分に銃を向けていたチャルロスの両手の甲を打ち抜き両手を一時的に封じる。

 

「・・・ねぇ、シャンクス。何でルフィに帽子渡したの?大事な麦わら帽子じゃなかったの?ルフィにはそれだけ期待していたの?私じゃあダメだったの?・・・ねぇ、シャンクス・・・私は・・・シャンクスの子供なんかじゃなかったの?要らない子だったの?・・・赤髪海賊団の音楽家なんかじゃなかったの?ねぇ、シャンクス。・・・シャンクス。シャンクスゥゥゥゥゥゥッッ!!」

「・・・・・ちっ、違う。俺は・・・!」

 シャンクスの正気が戻ったその時二人の距離は互いにあと一歩の距離だった。

 

「―――――シャンクスのバカァァァァァァァァァァッ!!!」

 ウタはシャンクスに飛び掛かった。

 

「―――――お頭ッ!!」

 赤髪海賊団の誰かの声がステージに響く。

 

「―――――」

 雨が降るエレジアの巨大な生き物の骨を元に作られたステージで赤髪のシャンクスは腹を短剣が突き立てられてもウタを抱きしめた。

 




『これは持論だけどね。愛ほど歪んだ呪いはないよ』—――呪術廻戦0巻五条悟
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