FILM RED IF 歌姫と麦わらの子 クレド 作:黑米田んぼ
「んっ・・・ぁぅ・・・・・」
意識を覚醒させ柔らかいベットの感触に心地よさを覚える。
「・・・こ、・・・ここ・・・は」
目を覚まし見慣れた場所が視界に広がる。
「あ、・・・・・あれ?・・・おっ・・・起き上がる・・の・・・が・・・ぁぁっ!?」
ゴロンとベットから床に倒れ落ちる。
「――――――お母さん!?」
どたどたと走る音が響き部屋にクレドがやって来るのをウタは視認する。
「・・・クレ・・・ド・・・」
「無茶をしないでくれウタ」
一緒にやってきたゴードンがウタの体を支える。
「ぅっ・・・ごほっごほっ・・・」
咳き込み項垂れるウタ。ネズキノコの毒で弱った体を必死に立たせながらウタはゴードンに問う。
「皆は?何処にいるの?」
「・・・・・それは」
うつむくゴードンそれに合わせて。
ドォォォォォォォォォォォンンッ!! 巨大な何かが地面に衝突したような音がウタ達にも響く。
「なっ!?何!?何が起こって・・・・・あれ?クレドその麦わら帽子」
ようやくウタはその違和感に気づいたクレドの頭にはウタの良く知る麦わら帽があるではないかと。
「ねぇ、クレドその帽子の持ち主は何処にいるの?」
「・・・・・」
クレドは指を刺すその場所は先ほど巨大な物音がした場所だ。
「・・・・・馬鹿ばっか」
ウタは外に歩き出そうとする。
「ウタ止めなさい!安静にするんだ」
動こうとするウタを止めようとするゴードン。・・・だが。
「止めないで!」
ゴードンを見つめながらウタは思いを口にする。
「・・・・・体は大丈夫なのかねウタ?お医者さんはあまり激しい運動はしてはいけないと言われたのだが」
ウタの瞳にある熱意にゴードンは既に心が折れていた。分かっていたのだ今度は引き留めてはいけないと。
「大丈夫、でもちょっと疲れているから支えてゴードン」
「・・・・・ああ、分かった私の手を掴んでくれウタ。シャンクス達の場所は私が分かっている」
城を出るウタ。ゴードンとクレドに支えられながらルフィとシャンクスが戦っている場所に向かう。
――――――もう置いてかれたくない。その思いだけでボロボロの体に鞭打ってウタは歩く。
「お頭がルフィにデカいの当てられたァッ!?」
ラッキー・ルウのデカい声が響く。
「マジかよさっきまで振り回されたのに」
「一瞬気配消しやがったぞ偶然かそれとも盗みやがったのか!?」
「マジかよルフィの奴そこまで強くなりやがったのか」
「自分は皆さんがそこまで嬉しいのが分からないんですがね」
幼いルフィを知る古参の赤髪海賊団のメンバーは心なしか嬉しそうだ逆に赤髪新人であるロックスターにはどうしてそこまで自分達のお頭が麦わらに殴られたのが嬉しいのか分からないでいた。
「きっ、決まった!?」
思わずコビーも声をあげる。
「本当に麦わらが四皇を二人も倒してしまうのか!?」
「そうなったら麦わらが四皇最強になるのか!?」
ざわざわと多くの人。目の前で麦わらが新たに四皇を打ち倒すのを見届けれると錯覚する者が多くだろう。
「さて、それはどうかな」
ざわつく者たちを尻目に赤髪海賊団副船長ベン・ベックマンは不敵に笑う。
「・・・・・」
蛇龍王砲は四皇さえ通用する技。それを覇王色を纏った一撃は世界一のタフガイであるカイドウでさえダウンする代物直撃すれば9割は戦闘不能だろう。
「・・・・・」
手ごたえはあったはずだなのにルフィは未だに戦闘態勢でシャンクスが要る場所を睨みつけていた。
―――――来る。当たれば四皇でさえ致命傷である一撃を打ち込んでさえモンキー・D・ルフィは赤髪のシャンクスは反撃をしてくると信じているのだ。
土煙が晴れないせいでシャンクスは今どうなっているのか分からない。そんな時間が数秒たった――――直後。
「ッ!?」
土煙から飛ぶ斬撃がルフィに迫る。斬撃を相手にルフィは武装色で硬化した腕で弾くがそれが陽動なのは皆が分かっていた。
「上か!?」
土煙を煙幕にしてルフィに迫るシャンクス。黒い稲妻を伴って必殺の斬撃をルフィに叩き込もうとするのだろう。
武装色で硬化したギア4の体でさえ切り裂く剛剣を流桜で受け止めるが――――それはシャンクスが仕掛けたフェイントだ。
「ガハッ!」
剛剣を囮に本命の武装色を纏った飛び蹴りがルフィの腹に突き刺さり今度はルフィが逆に地に落とされる。
「―――――独りぼっちは痛いよりも辛いだったな」
バウンドし体制を整えたルフィにシャンクスは追撃しながら本音をさらけ出す。
「俺だってウタと別れるのは辛かったに決まっているだろうがァ!!」
シャンクスはキレながらグリフォンによる剣術と蹴り技を放つ。感情的になり怒りで漏れる覇王色は周りの弱い者や電電虫の意識を刈り取る。
「俺だってずっとあいつと居たかった。あいつが世界一の歌姫になるのを見届けたかったさ」
目にも止まらない連撃。見分色の覇気を習得しているものでさえ見切れるのか妖しいレベルの技がルフィに撃ち込まれる。
「だがな!俺は海賊だ。危険と人の悪意の闇の世界だ。ウタとは住む世界が違うんだ。ましてや今や俺は四皇、俺を倒すためにウタを狙おうとする奴だっているだろうさ」
「だとしてもウタとちゃんと話せよ父ちゃんなら!!」
隙とは言えない隙を縫ってルフィがカウンターをシャンクスに喰らわす。
「そんな余裕が無かったんだよ!!」
「知ってる!!」
「何をだ!?」
「ウタが教えてくれたんだよエレジアが滅んだ理由をな!!全部あのお化けが悪いだけじゃねぇか!!」
「!?・・・あの時か」
その言葉を聞いて思わず驚愕するシャンクス。
「ルフィさん何を言っているのでしょうか?」
「さぁな。だが、これはあいつらの話だ。俺たちが入る話じゃないだろうさ」
拳と剣の炸裂音が響くためコビー達には二人の話声はかき消されるため聞こえない。
「「「「・・・・・・・・」」」」
対して話の内容を想像できた赤髪海賊団の古参メンバーは何とも言えない表情になる。
「言いたいことは良く分かった。・・・だがなルフィ。ウタを本気で思っているなら本気で俺を倒しに来い」
ルフィへの思いを聞きながらシャンクスは距離を取りながらルフィを挑発する。
「・・・・・どういう意味だよ」
思わず疑問が混じった言葉を返すルフィ。
「お前はまだ覚醒を使っていない。覚醒した姿で俺に挑んで来いと言っているんだよ。出し惜しみする時間はもう終わりだ。見せてくれお前の全てを」
「ああ、そうか。・・・・・良いんだよなシャンクス」
鋭い目でシャンクスを見つめるルフィ。それに対してシャンクスは。
「ふっ、何を言っている。俺は『赤髪』だぞ舐めた口を聞くなクソガキ」
「・・・・・はは、そうかよ」
不敵に笑うシャンクスにルフィは少し子供のような笑みを浮かべた。
――――――男と男の思いと怒りのぶつけ合いは終わった。これから始まるのは男の意地のぶつけ合いだ。
「・・・分かった。見ててくれよシャンクス」
ルフィは右腕を自分の心臓部分に当てて一呼吸置く。
「上がれ心臓の音…!!ギア―――
ドン、ドドン、ドン、ドドン、ドドドン、ドン、ドント・・・ドドント、ドンドット、ドンドット♪ドンドット♪
エレジアにドラムの音が鳴る。
「―――――来た」
全てをひっくり返す軽快なドラムの音が響く。
「あひゃっひゃっひゃ・・・これだァッ!この音だ!!ニシシ」
ルフィの黒髪が月光のように太陽の輝きのように純白の白に染まる。
「これが俺の最高地点。ギア5だシャンクス!!」
空想のままに戦い人々を笑顔にした解放の戦士。太陽の神ニカがそこにいた。
「―――――ふっ、ようやくお目にかかれたか」
手配書ではなく現実のニカを覚醒させたルフィの姿を見てシャンクスは少し満足げだ。
「ニシシシ、加減しなねぇぞ。覚悟しろよぉ、シャンクス!!」
笑いながらルフィは地面に拳を叩きつけ地面をゴム化させ布団の汚れを飛ばすように地面を数回揺らす。
「―――――うぉっ!?」
地面がゴム化して足場が不安定になりシャンクスの姿勢が崩れる。
「そこだ!!」
ルフィは距離を詰め覇気を込めた右ストレートをシャンクスに撃ち込む。
「うぉっ!?」
姿勢を戻し回避したシャンクスはすぐさま覇気とグリフォンで防御するがルフィの攻撃の衝撃が予想以上に強く防御を越えシャンクスが飛ばされる。
「まだまだァッ!」
飛ばされただけでは当然攻撃は終わらない。空想のままに戦うニカの戦い方のように常人には出来ないような変幻自在の軌道でルフィはシャンクスに迫る。
「ゴムゴムのォ~~
覇気を腕にまとわせ覚醒したニカの能力で更に強化された腕力でシャンクスに殴りかかる。
「甘い!!」
しかしながら四皇シャンクスはそんな分かりやすい一撃をもらうような簡単な海賊ではない。見分色の未来視でルフィの来るルートを先読みしすぐさまルフィの攻撃を回避し更に見分色殺しでルフィの見分色をかいくぐりグリフォンでルフィに襲い掛かる。
「あひゃひゃ、そんなそこだァ!!」
読みにくい見分色殺しを激戦で得た勘で被害最小限で済ますルフィ。そしてシャンクスと同じようにルフィも見分色でシャンクスを捉え応戦をする。
(全く強くなったもんだ・・・)
何処までも強くなったルフィを噛みしめながらシャンクスは目の前にいる敵を分析する。
五老星曰くヒトヒトの実幻獣種モデルニカの能力とは自由性のあるゴムの体に耐熱耐性を与える固有能力と動物系の特徴である身体能力と耐久力の強化。
そして覚醒する事で上記のゴムの体に更なる腕力と自由を与える世界でもっともふざけた能力とのこと。
「行くぞォシャンクス!!ゴムゴムの~~モグラ銃!!」
通常であれば決してシャンクスに当たらない地面に向かって突き刺さるスピードで飛ばされるパンチ。だが、浮上しシャンクスに迫る変化球の技だ。
「くっ、・・・はははっ・・・なんだよルフィ随分とふざけた方向に強くなったじゃないか」
覚醒したニカに常識は通じない。地面をゴムにし身体を自由自在に動かす。―――更に。
「ゴムゴムの雷!!」
空から落ちる雷を掴み幼い頃エースやサボと共に暴れた時の相棒だった鉄パイプのように構える。
「アハハハハ!!行くぞォシャンクスゥ!!」
雷を棒に見立てて我流の棒術でシャンクスに殴りかかるルフィ。
「ふっ、俺に獲物で挑みやがって後悔させてやるぞルフィ!!」
グリフォンに流桜を纏わせ関電対策を澄ませて武器戦を挑もうとするルフィを高笑いしながらシャンクスは迎え撃つ。
ルフィは長くギザギザした雷を更に伸ばしかなりのレンジを持つスタンロットに雷を改造しシャンクスに振り下ろす。対するシャンクスは冷静に回避し雷を振り回せない至近距離に迫る。
回避され距離を詰められると判断したルフィは伸ばした雷を圧し折り短めのサイズに加工しルフィの腹部に迫るグリフォンの一撃を防ぐ。
続けざまにシャンクスはローキックを放ち思わずルフィはそちらに気を取られその隙にシャンクスは覇気を込めたグリフォンをルフィの顔面に叩きつける。
だが、ルフィもまた見分色でシャンクスの本命を見抜き躱して距離をとる。
「行っくぞぉぉぉっっ~~~!!」
ルフィは空を飛び腕を雨雲に突っ込み漁るように大量の雷をかき集めシャンクスに向かって投げつける。
「マジかよ!?」
ビッグマムの天満大自在天神かよと驚愕しながらシャンクスは覇王色の覇気のバリアを張る。
シャンクスが雷のガトリングに対処しているその間にルフィは更に空へと飛ぶ。
「ルフィの奴一体何を?」
そう思ったシャンクスは見分色の覇気のレーダーを伸ばしてルフィを探す。
だが、シャンクスの疑問は直ぐに答えが出た。
「――――――えええ!!?」
この場にいる多くの者たちを代表してコビーが絶叫する。
雲を引き裂き現れたルフィはその右腕を小島一つ叩き潰せる程に超巨大にしていた。
「コイツで終わらせてやるぞシャンクス!!」
叫ぶルフィ。だが見分色でルフィの状態を把握できた者はルフィが大きく消耗している事に気づきこの一撃で勝負をつけるきだと理解した。
「――――――ああ、もちろん受け止めてやるさ」
自分の持つ覇気を構えているグリフォンに注ぎ込む溢れる覇王色の覇気が黒い稲妻となってシャンクスの周囲を鳴らす。
「ルフィ、越えて見せろ俺を
「当たり前だ!!!ゴムゴムの~~~!!」
巨大な腕が動き出す。憧れを目標を大切な幼馴染の父親に全てを込めて―――――。
「―――――
「―――――避!!」
百獣のカイドウを打倒した必殺の一撃と海賊王の一撃が衝突する。
「おい!早くハデに映せ!!見れねぇだろうが!!」
覇王色で電電虫が気絶してしまった者たちはあの手この手でこの先を見れないか必死に動いていた。
既存する中で最も古い四皇と新参で最年少の四皇のタイマンあらゆる意味で見たい者たちは幾らでもいる。
「座長!電電虫息を吹き返したようですもう直ぐ回線が戻ります!」
「マジか!?ハデに早く映せ!!」
急かすバギーほどなくして電電虫はクロスギルドからはるか遠くにあるエレジアの光景を映し出す。
「―――――げほっ、げほっる、ルフィさんは?」
激しい砂煙が二人の戦いを見守っている者たちを遮る。
ゴムゴムの猿神銃と神避の激突によって途轍もない衝撃波が地面を捲る。規格外の覇王色の覇気使い同士の激突は地形さえ変える人外の戦い。もし猿神銃と神避の激突をバギーが見ることが出来たらロジャーとガープが戦っている時もこんな感じだと言うだろう。
砂煙がゆっくりと晴れ見届けていた者たちは気づく。先ほどまで雷が落ちるほどに荒れていた空は雲一つ無い快晴の空になっていた。
ルフィとシャンクスは互いに全力を出し尽くし地面に倒れ伏していた。
「痛っててったくデカくなりやがって」
「シシシ当たり前だ。もうガキじゃないんだ」
「・・・・・そうか」
ルフィのその言葉にシャンクスは少し微笑んだ。
「―――――はぁっ、・・・はぁっ・・・はぁっ・・・ る、ルフィ。シャンクス」
大の字で話し合っている二人の傍にウタ達がやって来る」
「ウタ!!」
「おまえ体は!?」
「私より二人の方!!ボロボロじゃない!!・・・げほっげほっ」
大声を上げ思わずせき込むウタ。
「そんなに体を酷使するんじゃないウタ。大丈夫だお頭もルフィもこの程度なら直ぐに回復する」
そんなウタをホンゴウは落ち着かせて他の海賊団の医者と共に接戦をした二人の体を手当てする。
「チョッパーもう良い。・・・・・クレド帽子返してくれ」
チョッパーによって切られた場所や蹴られた場所を包帯やシップを張り終えたルフィはクレドに手を伸ばす。
「あ、・・・うん分かった」
慌ててクレドはかぶっていた麦わら帽子をルフィに渡す。
「・・・・・シャンクス約束だ。これ―――返すよ」
ゆっくりとシャンクスに近づき両手で麦わら帽子をシャンクスに差し出す。
「え?え!?ルフィ先輩どうしたんですかだべ!?ルフィ先輩の象徴である麦わら帽子を何で赤髪に!?」
その光景にバルトロメオが驚愕する。ルフィを敬愛するバルトロメオにはルフィの行動が理解できないのだ。
「何だ。まぁ、俺たちの旗を焼いたから知らなくて当然か」
困惑しているバルトロメオにベックマンは笑う。
「どういう事だべ!!」
四皇大幹部に突っかかるバルトロメオだがベックマンは余裕の表情を見せる。
「ハハハ、簡単な事だよルフィの麦わら帽子はなお頭の大事な宝物で立派な海賊に成ったら何時か返しに来いってな!」
笑いながらラッキールウが理由を言い放つ。
「「「「「ええええええええ!!?」」」」」
周りにいる者たちが一斉に驚愕する。赤髪と麦わらが並々ならぬ関係を持っているのは想像出来たがそんな経緯だったとはと驚く。
「・・・・・」
12年ぶりに愛用の麦わら帽子を見るシャンクス。親代わりから貰った大事な物でありルフィとの間に交わした約束の象徴。
「―――――なぁ、ルフィお前はまだ海賊王を目指すのか?」
そうシャンクスは問う。
「勿論だ!海賊王に俺はなる!!」
それにルフィは満面の笑みで答える。
「・・・・・ならまだいい」
麦わら帽子を押し戻す。
「いいのかよ」
思わずそう聞いてしまうルフィ。
「ああ、それに。今回は引き分けだ。それじゃあ踏ん切りがつかなくてな」
シャンクスは立ち上がるそしてルフィに言う。
「次は海賊としての戦いをしよう。赤髪海賊団がお前たち麦わら大船団の海賊王の道に立ちはだかる最後の壁だ。―――――ラフテルで待っているぞルフィ」
そう赤髪のシャンクスは言い放つ。
「―――――ああ、分かった待ってていてくれよシャンクス!!」
麦わらのルフィもまたそう返す。
次回は大分短いので早く出したいですねではまた次回。