FILM RED IF 歌姫と麦わらの子 クレド 作:黑米田んぼ
過ちから生まれた子供とその親子の物語どうか見届けて下さい。
―――――楽しい宴が終わり私とクレドは12年住んでいたエレジアに別れを告げた。
ボロボロの私が療養するためにクレドと共にシャンクスのレッド・フォース号に乗船した。
ルフィとシャンクスどちらが私たちを療養を手伝うか揉めるかと思ったけどクレドがシャンクスの船に乗りたいって言った。正直私は意外だったルフィの船と友達って言っていたからルフィの船に興味を持つと思っていた。
でも、クレドはお父さんには自由でいて欲しいって・・・もう子供なんだから甘えても良いのに。
でも、ちょっと嬉しかった。懐かしいレッド・フォース号何年も寝食を共にしたもう一つの私の家そこに戻れたのは私としては懐かしさもあって嬉しかった。
昔私が使っていた部屋をシャンクス達が使いやすいように戻してくれたから私自身結構気楽だった。クレドも初めての船旅に興味津々だった。
赤髪海賊団は私のいた頃と比べると船員が色々と増えたりいなかったりして心配だったけどクレドは楽しんでいるようだから良かった。
船旅は楽しかった。12年前赤髪海賊団の音楽家だった頃を思い出せて楽しかった。
・・・・・でも、戦闘の時は相変わらず部屋いろと言われた。クレドもいるし体も万全じゃないからしょうがないってあきらめた。
それから暫くして私たちは巨人たちの国エルバフに辿り着いた。
私たちよりも何十倍も巨大な巨人たちに私もクレドも興奮した興奮しすぎて膝をついて暫く部屋から出してもらえなかったぐらいには。
シャンクス達の用事と私の体調を次の船旅の為に整えるために赤髪海賊団は暫くエルバフに滞在することになった。
エルバフでの生活はそこそこ楽しかった。エルバフは元々シャンクス達赤髪海賊団と中が良かったらしい。それに、シャンクスの友人でルフィ達の友人らしい巨人族のドリーとブロギーとも出会えた。
クレドもエルバフを楽しんでいるようだった。道中も幾つかの島を楽しんでいたからエレジアにあった巨人族の本で語られている巨人族にも興奮しているし新しい友達も沢山できたようだった。
過ごしていると沢山のシャンクスの友達である傘下の海賊団達がエルバフにやって来た。そんな海賊の人たちは意外と愉快で人が良い人たちがいっぱいいた。
シャンクスもウチの傘下弱くてな俺達が守ってやらないとって呟いた。電電虫で聞いていた海賊たちのイメージが違っていて碌でも無い理由で酷い理由で色々な事情で海賊になった人たちがいる事を知って私の世間知らずだって事いやってほど理解した。
もっとも、巨人族の国なだけに騒々しく出発する少し前もシャンクス達がよその海賊団と喧嘩になっていた。何処かで見覚えがあるはずなんだけど何処の海賊だったんだろうあの赤髪の海賊。
準備が出来て出発した私たちは療養の地であるとある島に着いた。
穏やかな空気緑豊かな土地で赤髪海賊団の縄張りでシャンクス達が守っているからか他の土地と同じく私たちに優しくしてくれてた。
穏やかな時間、美味しい空気で私はゆっくりと体を休めていた。
そんな中で世界の動きをルフィの同行を新聞を通して追いかけていた。
ルフィは相も変わらずハデに動いていた。エッグヘッドって場所で暴れてて海軍の包囲を突破してベガパンクって人を連れて行ったらしい。
それから私たちが離れたエルバフで更にひと悶着があったらしい。
穏やかな時間をクレドと一緒に過ごした。ゆっくりとした時間が流れたからこそクレドとちゃんとするべき話し合いをしておこうと思った。
そして、健康になった私はシャンクスと共に最後の島ラフテルにやって来た。
最後の島海賊王が宝を隠した辿った最果ての島。程なくしてルフィ達もやって来た。
エレジアで行われたルフィとシャンクスの二つの海賊団の激突の続き、それを私とクレドは見守った。
激戦だった。皆が皆全力ですべてをぶつけた戦いはエレジアの規模をはるかに超えていた。
その激戦を勝てたルフィは本当に強くなったんだなって思えたんだ。
激戦を制したことで名実ともに海賊王になったルフィ。そして私たちは最後の島で見た。思わず笑ってしまうような莫大な宝をそしてルフィのゴムゴムの実を大昔に食べたジョイボーイって人が残した夢と世界の真実を私たちは知ってしまった。
その直ぐに世界を賭けた頂上戦争が始まった。
きっかけはルフィの友達を手に出した事。孤独な王様が800年前の戦いを再び引き起こしたのだ。
私もクレドをゴードンに預け戦いに向かった。
私が私だけが出来る私の戦いを必死にした。
私だけじゃないルフィがルフィのお父さんやお義兄さん率いる革命軍、ルフィを慕い子孫に未来を渡すために戦った様々な人たち。・・・・・そしてシャンクスが戦った。
そして、ルフィは800年続いた支配と差別の時代を終わらせた。
ついでに大海賊時代も終わった。
ルフィの後海賊王の称号を手に入れたバギーって人が捕まって公開処刑されたから。・・・でも、とある場所でよく似た海賊を見かけたんだけど人違いかな。
世間でバギーって人が海賊王になったのに良いの?とルフィに聞いても偉くなりたいわけじゃないって言ったから私はそれ以上は言わなかった。
それから私とルフィは正式に夫婦になって色々な場所に航海をして新しい子供達をもうけてそれから――――――5年の月日が経ちました。
「―――――いよいよだな」
エレジアの港に集まった人たち。これから始まる一大イベントに心を躍らせていた。
「いよいよですねぇ」
「ああ、いよいよだ。お前さんとしては寂しくないのか?」
「寂しいと言えば寂しいですがあの子がそうしたいのならそうするべきですよ。ましてやルフィさんの子供ですからねヨホホホ~~」
「そうじゃの夢を追いかける者を止める事はできないしの」
ブルックとジンベエがしみじみと言う。
「材料はこれで良いでしょうか?」
「悪くはねぇな・・・ちゃんと材料の良い悪いは確かめて使えよ。もしクレドちゃんに腐った料理を食わしたら何処までも追いかけて海王類の餌にしてやるからな」
「わ、分かりました師匠」
「師匠じゃねぇ」
サンジとサンジを師匠と呼ぶ料理人が料理の材料を仕分けしている。
「流石に海賊王の船大工が作った船ウォーターセブンからエレジアまで楽々と行きましたね」
「アウ、そりゃあな。けど定期的に港で点検受けてもらった方が良いぜ」
「分かりました。出来るだけ壊れたりしないように頑張ります」
「アウ、頑張れよナミの海図も大事に使えよどんなにいい船でも航海士がだめなら直ぐにダメになっちまうから」
「はい、胸に刻んでおきます」
赤いオウムをシンボルとするスループ船の前で船を造ったフランキーと船の航海士を務める男が話をする。
「この薬草とレシピはこちらに頼みます」
1人のミンク族が運ばれていく荷物を自分の部屋に持っていくように指示する。
「全部運び終わったのか?」
チョッパーが訪ねて来る。
「はい問題無いです」
「そうか!じゃあクレドの事頼むぞ」
「はい分かりました先生」
二人が優しく手を重ねる。
「―――――とうとうこの日が来ちゃったんだね」
エレジアの城でウタは呟く。
「そう!この日が来たんだよお母さん!」
寂しげなウタとは対照的にクレドは楽しそうだった。
5年の月日は幼い少女を成長させるには十分だった。背は伸び体つきも母親譲りの女性らしい丸みを帯びていた。
17歳になり大人の女性の顔とまだまだ幼い少女の顔が混じった美少女の美貌で楽し気に笑い太陽のように明るいその笑顔は身も全てを魅了するだろう。
「・・・・・ほんと、私の子達は何処までも飛びたくなる子ばっかりで寂しいよクレド」
「―――ごめんね。お母さん。それでも『私』はみんなと共に夢をかなえたいだ」
クレドは黒いショートズボンを履いてSONGとソフトクリームが書かれたラフなTシャツを着て背中にギターを背負う。
「―――――ねぇ、クレド。一つ聞いて良い?」
「なに?お母さん」
ウタに聞き返すクレド。一息置いてウタは言う。
「私の元に生まれてきて良かった?」
12年もの間ウタはクレドをゴードンと二人で育てた。その12年ウタは幾つもの後悔と自己嫌悪を繰り返した。だからこそウタは聞きたかった。本当に自分なんかが母親で良かったのかと。
「―――――何言っているのよお母さん」
クレドはウタに抱きつく。
「クレド」
抱きついたクレドにウタも優しく手を回す。
「私はお母さんとお父さんの子供だよ。誰が何を言おうとそれだけは誰にも否定させない。だから―――――産んでくれてありがとうお母さん」
その言葉を聞いてウタの目に涙が流れる。
「うん、ありがとう。私も生んで良かったよクレド。本当に私の元に来てくれてありがとう」
エレジアの城の部屋に流れる穏やかな風が流れる。
「あれ母ちゃんと姉ちゃん抱っこしているおれもおれも!!」
「ホントだわたしも抱っこ――!」
赤髪の少年と黒髪の少女が二人に抱きつく。
「あー、もう。やんちゃな弟と妹だな。あーもう」
黒髪の妹を抱き寄せるクレド。
「ふふっ、今日がお姉さんの旅立ちだったって覚えているよね」
ウタも赤髪の娘を抱き寄せる。
「いーな。おれも冒険したいな父ちゃん達ここ最近連れていってくれないし」
「あたしもー」
「ふふっ、アンタ達も大きくなったら仲間を集めて冒険に行けばいいのよ今が一番強くなれる方法がいっぱいあるんだから」
笑いあう姉妹達その光景を見てウタは柔らかく微笑んだ。
「あれルフィは?」
「お父さんはまだ寝ているよ」
「・・・・・はぁ、全くルフィったら相変わらずなんだから。寝すぎていたら起こさないと」
「うん。私の旅立ちをお父さんに見届けて欲しいからね」
「ああ、来たんだねクレド。・・・おやウタとルフィ君は?」
船に幾つもの荷物を運ぶのを確認し終えたゴードンの元にクレドがやって来る。
「まだ寝ているよお母さんが起こしに行ったよ」
「あははは、相変わらずルフィ君らしい」
その言葉を聞いてゴードンは若干呆れ気味な顔を見せる。
「話を変えるが・・・ここで良いのかねクレド?」
「何の話?」
話の内容が分からないクレドはゴードンに返す。
「旅の始まりをクレドの夢の始まりをこのエレジアで始める事にだよ。他にもあったんじゃないのかと」
ルフィの生まれ故郷フーシャ村を始め船旅の始まりなら幾らでもあるはずだと。
「何言っているのここしかないじゃない」
「そ、そうなのかね」
「だって、私は此処で生まれてここで沢山の音楽を学んだんだよ」
しっかりとした目でゴードンを見つめるクレド。
「私たちしかいなかったエレジアは今じゃあ沢山の人たちが音楽を学ぶためにやってきている。私はエレジアの音楽をもっと広げたいそれも私の夢だから私の始まりの場所エレジアこそが私の旅の始まりの港なんだよ」
「―――――そうか、なら私もちゃんと送り届けないとね」
満面の笑みで語るクレドをゴードンも優しく微笑んだ。
「クレド!いよいよだな」
「クレドちゃん見送りに来たよ」
人ごみをかき分けてサボとコアラがクレドに会いに来る。
「サボおじさん!コアラさんも!おじいちゃんは?」
サボを始めとした革命軍の面々が来たら自分の祖父であるドラゴンも来るのではないのかと思い聞く。
「あ~ドラゴンさん仕事で忙しいから代わりに見送ってくれって」
「そっか大変だよねおじさんたちが来てくれただけでも良かったよ」
「お~~いクレド待ってくれ!!」
そう言いながらルフィがウタと一緒に走って来る。
「おっ、ルフィ遅かったじゃないか」
「もう!娘の旅立ちを寝坊するなんてルフィくんたら」
「シシシわりぃ」
頭をかきながらルフィはクレドに近づく。
「クレドいよいよだな」
「うん。お父さんたちと一緒に旅した時とは違う新しい冒険が私を待っているんだって思うとワクワクするんだ」
嬉しそうに笑うクレドにルフィも釣られて笑う。
「そうか、ならよこいつをクレドに託すよ」
そういいルフィは首にかけた麦わら帽子をクレドに被せる。
「――――――え?待ってこれって」
「シシシこいつをお前に託すその麦わら帽子が似合う音楽家になるんだぞ」
「―――――お父さん」
「頑張れよクレド」
ルフィが拳を突き出す。
「うん!」
クレドも拳を突き出しぶつける。
そしてクレドとその仲間たちの船出の時がやって来た。
「クレド頑張って来いよ」
ゾロが手を振る。
「クレドちゃん頑張っていってね」
ナミも手を振る。
「クレド!楽しい冒険をしろよ!!」
ウソップも手を振る。
「行ってらっしゃい。貴方と貴方の仲間達の旅を祈るわ」
ロビンも手を振る。
麦わらの一味だけではない。フーシャ村の人たちがアラバスタの人たちがリュウグウ王国の人たちがドレスローザの人たちがワノ国の人たちがクレド達の船出を見送る。
「うん!皆ありがとう行ってきます!!!」
手を振る皆にクレドも手を振る。
「それじゃあ行きましょうかリーダー」
魚人の男がクレドに声をかける。
「うん。行こう皆。行こうオケアノスエコー最果ての海まで私たちの歌を響かせるために」
性別も違えば種族も違う同じ夢を追いかける仲間達に自分達を乗せる船の名前を呟きながら船首に歩み寄る。
決して楽しいだけの度じゃない事はクレドも分かっている。どれだけルフィ達が新しい時代を切り開きほとんどの海賊たちが冒険者や船乗りなっても海賊になる人間はいっぱいいる。
「―――――うん見守っててね。おじいちゃん、おじさん」
麦わら帽子をかぶりなおしてクレドは大声で叫ぶ。
「世界一の歌姫に私はなる!!!」
何時かの父親のように少女は叫ぶ。
――――――力、名声、愛、この世全てを手にした男海賊王モンキー・D・ルフィ彼が作り出した新時代は人々を海へ駆り立てた。世はまさに大冒険時代。
そんな大冒険時代に一人の少女が自分の夢の果てを叶えるために漕ぎ出す。少女の冒険がどうなるのかはそれはまた別の物語。
―――――――――おしまい。
色々とありましたがこれにて完結となります。最初の日付を見たら最初の投稿から一年たってない事が分かって意外だったなぁって思います。
正直書き始めた当初のエンディングはこんなにさわやかなエンディングではありませんでした。当初のエンディングはもっとしんみりしたモノになるはずでしたが多くの人のコメントを拝見して徐々に話が変わっていきこのエンディングになりました。
続編を望んでいる声も多いでしょうが正直言います無理です。
書いていた当初は色々と考えていましたがいざ書いているとこれ以上は蛇足で俺がプレッシャーで潰されます。
書いている途中逃げ出したい気持ちになる事も度々ありましたので無理やり頭を回して続きを書くのは苦行なので諦めて下さい。
それはそれとしてワンピース以外にも新しい小説のアイディアが幾つも湧き上がるので色々と書きたいですね。まぁ、執筆中の作品幾つもあるのですが(苦笑)
最後に素晴らしい作品のアイディア元になったあにまんと応援してくださった皆様に感謝を。
尾田栄一郎先生に乾杯。