FILM RED IF 歌姫と麦わらの子 クレド   作:黑米田んぼ

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お待たせしました。大事な話なのでちゃんと考えて作りました。

因みにクレドのユメユメの実は元スレにもあったりします。その上で書いている道中夢の世界を自在に出来るだけにしてモデルサキュバスとかモデルマーリンとか候補にもありましたが戦闘能力よりも便利性を考えてユメユメの実になりました。


チャプター8 天使達の演奏会

12年前

 

「―――――ではここで出産を?」

「そうなるねぇ、多分だけどここで準備した方が良いよ」

 ゴードンと老いた助産師が話をしていた。

「理由を聞いても?」

「ドラムに連れていきたいけどもう五ヶ月ぐらいだろう?あの子の体が幼すぎるのがねぇ、それに・・・」

「それに?」

「聞こえるんだよあの子のお腹から元気な声がね」

「?」

「この仕事をしていたら人の声って奴が聞こえるんだよ。まぁ、見聞色の覇気ってやつさ」

「はぁ・・・」

 

「―――――」

 ベットに横たわるウタ。

「―――――ぅぅっ。またお腹を蹴っている」

 幼いその体のお腹に宿る命が母であるウタに生きている事をアピールしている。

 

「ずいぶんと元気な子供だね」

 助産師がウタに語り掛ける。

「―――――先生。この子はいつまで私のお腹にいるんですか?」

「そう遠くないさそろそろ出産だよ」

「・・・・・大丈夫なんですか?」

「大変だよ。私が悪魔の実の能力者でも子宮を傷付けないだけで一番頑張らないといけないのはお母さんだからね」

「・・・・・」

「大変だけど自分で決めたんだろう?」

「はい、・・・この子に罪は無いから。私とルフィが悪いから・・・」

「そう思うなら頑張らないといけないよ」

「・・・・・」

 ウタは辛そうな顔を更に暗くする。

「しんみりし過ぎたね・・・ああ、そうだ。これをあげようか」

 助産師はウタに太陽十字架を渡す。

「・・・・・これは?」

「北の海の友達に貰ったものでね。置いていった親父さんと友達程じゃないけど神様が辛い事を解放してくれるかもしないと思って握っていなさい」

 

 

 

 

現代

「――――――先生。今も辛いです」

 現実世界では雨に濡れ冷えた体を震わせながらウタは一つの瓶を見ながらあの日貰った十字架を握りしめた。

「・・・・・ルフィ。アンタが悪いんだよ」

 瓶をバスケットに戻してネズキノコを再び食べ始めた。

 

「うわぁぁぁァァァァァァッッッ!!ぁぁぁぁぁっっっ!!痛てぇ!痛ぇよぉッ!!」

 打って変わってウタワールドの王城の一室では部屋の主であるウタはもう居らず残っているルフィはウタの記憶を追体験していた。

「ぁっ・・・ぁがあぁぁぁぁ・・・」

 12年前のクレドの出産の記憶を体験しているルフィは本来ホルホルの実で女にならないと体験できない地獄を味わっていた。

『痛いよ、痛いよルフィ!!イヤァァァァァっっ!!助けて・・・シャンクス。シャンクスゥゥゥゥッ!!』

「ッッッッッ!!・・・ウタァ!!・・・ぅぅっ・・・」

 体験する中で悲鳴と自分とシャンクスに助けを求めるウタにルフィは無力感を抱く。

「痛てぇ・・・こんな痛みをウタは受けていたのかよ・・・」

 記憶を体験するせいで痛みの後でも幻肢痛がルフィの体を駆け巡る。

 本来であれば男に出産する事などあらずその痛みを耐える能力は無い。・・・と言うよりこの痛みに悶えない者はビッグマムぐらいだろう。

 

「ぁ、ぁ、ぁぁ、ぁぁぁぁあっっ・・・・・助けてくれチョッパー!トラ男!この痛みはどうやったら治るんだ!」

 思わず自身の船医や元同盟者の外科医に助けを求める。

 

 

 

 

「・・・・・ねぇ、サニー」

「サニー?」

 音楽室に置いてかれたクレドはサニーに話しかける。

 

「お母さんはね皆に歌を歌うのが大好きなんだよ」

「サニー」

 近くの椅子に座ってサニーを膝に置いてクレドは話しかける。

「三年前ね変なでんでんむしをお母さんが見つけてお母さんの歌はエレジアの外の人達にも届けられるようになったんだ」

「サニー」

「あの時はとっても楽しかったんだ。お母さんの歌はたくさんの人がすごいって褒めてくれて皆で喜んだんだ」

「サニー!」

「うん、良かったんだ・・・最初はね」

「サニー?」

「皆はお母さんの歌を聞いて喜んでいた。辛い今をお母さんの歌が救ってくれたって。・・・でも、段々あいつらはお母さんを・・・何て言うのかな?おかしくさせた」

「サニー?」

「配信を始めて最初はお母さんが歌を歌うだけの配信だったけど。だんだん配信を通してお母さんにアイツら辛い事をお母さんに言ってきた。お母さんはかなしそうだった。エレジアはわたしの名前しか知らない海賊のおじいちゃんがめちゃくちゃにしちゃったからみんなの悲しさを受け止めて上げてそんな世界が終わりますようにって色々な歌を作ったんだ」

「サニー」

「そうだよ。お母さんの歌はすごいんだよ。自分の思い出や配信を聞いて感じたものを元に作った歌は皆に褒められて。そして、だんだん、お母さんは救世主だって。辛い今を終わらせてくれる。街がめちゃくちゃになったから助けてって言ってきた。・・・助けてって言っているのはお母さんなのに」

「・・・サニー」

「お母さんはねよく寝ている時にお父さんと海賊のおじいちゃんの名前を良く言うんだ。その後置いてかないでって言うんだよね。配信止めようとか休もうとか言っても皆が待って居るからって言ってくるんだよね」

「サニー・・・・・」

 悲しそうなクレドを慰めるサニーくん。

「ありがとうサニー」

 慰めるサニーにクレドはサニーの頭を撫でる。

 

「―――――ねぇ、サニー。歌は好き?」

「サニー!」

「皆が楽しそうだよね。そう思うんだ。じゃあ、ちょっと演奏しようか。お母さん一曲終わった後のようだから皆に聞こえるようにしようか」

 クレドは分身し各々が楽器を構え始めた。

「サニー?」

「え?良いのアイツらにって?・・・お母さんが言っていたんだよ皆と歌うのは最高に楽しいって。お父さんも船で楽しそうに皆と歌を楽しんでいたんでしょ?・・・だからわたしもお母さんと歌を楽しみたい」

 ユメユメの実がウタワールド中を覆う。

 

「――――――3,2,1」

 

 ♪~~~♪~~~~♪

 

「――――――何?」

 会場にいる誰かが気づく。

 

 

「おや、ご機嫌な歌が聞こえてきますねヨホホホ~」

「ブルック!曲なんて聞いてないでこっち手伝ってくれ!」

 地下書庫で戦闘している麦わらの一味もまた気づいた。

 

「―――――はぁ、クレドったら。まぁ、良いか楽しいし」

 ウタもまたクレドの奏でる曲に気づき息を整える。

「すぅ―――――♪~~~♪」

 曲に合わせてウタが歌いだす。

「すごい!」

「何だこの曲は!新曲か!!」

「楽しい。わくわくする曲だ」

「中々良い演奏だえ。ウタ共々わちきの子守歌を演奏させるえ」

 カエルの子はカエル。誰もを笑顔にする天使の歌声を持つプリンセスウタの子クレドもまたどんな人を喜ばせる天性の音楽性に加えルフィの持つ万物の声を生まれつき手にしていたクレドはエレジアの声を通してゆっくりとその音楽性を成長させていった。

 故に、二人の演奏は瞬く間に観客たちの心を掴む。

 

「この歌は?」

「クレドの曲だ。最初にあの子が作った曲を私とウタと三人で整えた曲だ」

「・・・・・悪くない曲だが海兵あそこか?」

「はい。・・・ルフィさん大丈夫でしょうか?」

「何がだ?」

「・・・・・先ほどルフィさんがとんでもない程の悲鳴を上げている声がしたんだですよ」

「麦わら屋が悲鳴を上げるような玉か。偶然だろう」

「・・・・・そうでしょうか」

 そんな話をしながらロー達はルフィのいる場所へ向かう。

 

「―――――ん?」

「どうしましたお頭?」

「・・・・・いや、ウタの歌が聞こえた気がしてな」

「・・・・・・そうですか」

 

「はぁはぁ・・・・・」

 記憶による幻肢痛に苦しんでいたルフィ。気絶しそうになりかけていたがウタとクレドの演奏が聞こえてきたことで痛みが和らいできたことで耐えきれることが出来た。

 そして、出産が終わった直後のウタの記憶が流れてくる。

 

 

 

 

「・・・・・これが赤ちゃん?」

「そうさ、本当はもっと後から生まれないといけなかったからねこんな風になっちゃうのさ」

 余りにも幼い未熟児のクレドを見つめるウタ。その目には涙が出ていた。

「ごめんね、私がいけないんだ」

「・・・・・かもしれないさ。でもね、子供は親を選べないんだ。だから、親が子供に愛情を注いであげないといけないんだ。それがやっちまった者の責任さ。こうして謝っているならお嬢ちゃんはそこらの海や大陸のゴミ共よりかは何十倍もましさ」

「はい・・・・・」

 本当はもっと時間をかけないといけないのにと責任を感じてしまうウタ。それを優しく慰めながら諭す助産師。

「そう言えば名前はどうするんだい?」

「あ・・・どうしよう。思いつかない」

「そうかい。・・・ならお嬢ちゃんはこの子をどう育てたい?」

「え?」

「この子をどう育てたい?強い子?優しい子?最終的にこの子がどんな大人になってほしいって願いを込めて名前をつけたら良いんじゃないか?」

「・・・・・じゃあ」

 少し考えてウタは幼子を抱き寄せて言う。

「―――――信じる。約束をちゃんと守って誰かを信じて噓をつかないような子になってほしい」

「良いじゃないかそれに似合う名前があるかな・・・」

「それなら良い名前があるのだが」

 二人の間にゴードンが割って入る。

「とある言語に『我は信ず』を意味し感謝の祭儀などの曲の構成要素にあるクレド何て良いんじゃないか?」

「・・・・・良いね凛々しくて良さそう」

「決まったんだね」

「はい。この子の名前はクレド。モンキー・D・クレド。私の残されたたった一つの宝物。誰かを信じられる子に育ってほしいから」

「モンキー・D・・・まさかね」

「・・・・・ふふっ、私の指を咥えている。可愛い。早く来ないかな」

 

 

 

「―――――ウタ。わりぃ。お前、本当に強いな」

 記憶の追体験が終わりルフィは椅子に背中を預けた。

 

「―――――ふぅ、楽しかった」

 演奏が終わってクレドは本体以外の分身を消して楽器を戻し始める。

「サニー!サニー!」

 とても良かったのかサニーもご満悦だ。

「ふふっ、サニーも楽しかった。・・・でもね、これじゃないんだ」

「サニー?」

 首をかしげるサニー。

「結局この演奏は私とお母さんだけの演奏。二人だけの楽団。夢でしか使えないからそこまで楽しくないんだよ」

「サニー」

「おじいちゃんが言っていたよ。エレジアにはもういないけど、海の外にはお母さんに並ぶほどの音楽家は沢山いるって、だからいつかサニーのようなすごい船とすごい仲間と一緒にこの海を存分に巡るんだ」

「サニー!」

「ふふっ、自分よりすごい船なんていないだって。面白いなぁサニー」

 クレドは扉を作り始める。

「ウタワールド中に響かせたからお父さんも聞いているはずだから感想聴きに行こうね」

「サニー!」

 扉を開けようと少し開いた瞬間。

 

「――――――トラ男!この拘束を解いてくれ!このままじゃあウタが死んじまう!」

 

「――――――――――え?」

 隙間から聞こえたルフィの言葉に唖然とするクレド。

 

 最後の主演が舞台裏に付き。少女が母の真実を知ったのと同時に夢の世界は堕落した竜の末裔の悲鳴によって残酷で辛い現実世界に引き戻される。

 

――――――――――親子の物語はこれより終曲へと移る。




さて、今回の話は良くも悪くも大事な話です。
出産は重大であり子作りはとても大事な儀式。安易にやってはいけませんね。
だからと言って18ものにきつく当たってはいけないと思います。
二次元と肉体的衝動。家庭は全く別でいないといけない。まとめてはいけません。まぁ、一般常識でしょうけどね。
TDG生まれの若者ですが何時かは父親になりたい身として家庭にはしっかりと考えてみないといけないかも知れませんね。
次回は文字道理大惨事。何が起こるのかは言えませんがアンチヘイト、キャラディスリのどうあがいても何人かは深刻な虐待をしちゃいます。そしてルフィシャンクスは最大の試練にぶつかっていただきましょう。
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