シャーレ活動備忘録   作:遊園市街

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現実の彼方、目指した場所は遠く

 トリニティの合宿所を発ってから2時間ほど経過した。時刻は既に深夜に差し掛かり、寝息すら聞こえてきそうな静かな街並みは不気味なほど凪いでいる。

 此処に至るまで何ら妨害行為はなかった。補習授業部の動きに気付いていない、という事はないだろう。ティーパーティーから派遣されたと思われる監視は出発の瞬間からつい数刻前まであったのだ。補習授業部の動きは既にナギサに掌握されていると断言して良い。

 

 ────仕掛けてくるとしたら此処からか。それとも、道中に妨害なんて設置しなくても勝手に争ってくれると思っているのか。それは定かではないが、何方にせよ皆のやる事は変わらない。全ての妨害を踏み越え、一刻も早く試験会場に辿り着くよう急ぐだけだ。

 

 少女達の背にはトリニティの静かな市街地。見慣れた場所、行き慣れた場所。それに反して、少女達の真正面に在る場所は見慣れてもいなければ行き慣れてもいない。

 

 錆びたポールフェンス。砕かれた外壁。割れた窓ガラス。点滅する信号。彩度のきついネオンがギラつき、時折発砲音やら炸裂音が聞こえ、人の悲鳴のような声もまた同じく。トリニティの中では見た事も無いような、一見しただけでも怪しい事が丸分かりな店構えは恐らく違法の商いをやっている店。

 

 寝静まる時間だと謂うのに活気と熱気が確かに息づくこの場所はゲヘナ自治区の外れ、トリニティとの境界地区。半ばスラム街となっている此処の現状はゲヘナの風紀委員会も当然周知していたが、トリニティ自治区との境界にあるという事が災いし、下手に突けば自治区侵犯に発展する恐れもあって手を出せていなかった。そして、手を出せない内にスラムは広がり、違法の種は強く根付き、今はこのように。

 

 甘い腐臭を放ちながら熟れる果実のような魅力的なパラダイスはブラックマーケットと酷似しており、少女達の知る自治区の様相とはかけ離れていた。

 

「ここからはもう、ゲヘナの自治区ですね」

 

 何処か固さがあるハナコの声。一歩行けばそこはゲヘナの自治区だ。トリニティ自治区よりも数段治安が悪く、最早無法地帯と呼んでも差支えが無い。道を歩けば銃撃戦は必須、人と出会う事と戦闘がそのまま直結する。

 

 だが、引き返す事は出来ない。少女達の目的地はこの先にあるのだ。故に、不安は全て呑み込み、抱えたまま足を前に動かす。何事も動かなければ、進まなければ変化しない。その変化が善いものであれ悪いものであれ、変化が伴うのであれば前進なのだ。

 

 少女達は努めて音を立てないように、不用意に誰かに喧嘩を売られたりしないように慎重に進む。だが、幾ら慎重に行動してもトラブルの種は向こうからやって来るもの。路地裏から不意に飛び出してきた、如何にもな恰好をした生徒が補習授業部の前に立ち塞がった。

 

「んー? 何だか見慣れない奴等だなぁ?」

「……相手にしてはいけません。先を急ぎましょう」

 

 じろじろと無遠慮に値踏みする視線がハナコを貫く。トリニティで何度も向けられた視線から粘度を抜いたようなそれを風のように受けとめつつ、相手にする事はなく先に進もうとする彼女であったが、肩を掴まれて歩みは止められる。

 

「無視とは冷たいねぇ、そんなに急いで何処に行くのさ?」

「わぁ、『無法地帯と言えばコレ』みたいな古典的な感じですねぇ」

 

 無視された事を侮辱と受け止めたのか、その顔は微かに怒りで歪んでいた。制服が皺になるほど力一杯掴まれた肩にハナコは一瞥、だが表情を変えることなく声音に皮肉を乗せる。非常に分かりやすい挑発に乗りかけた不良生徒であったが、ハナコのすぐ後ろでアズサが眼を光らせている事に気付くと一旦引き下がる。それを好機と見たヒフミは一旦話し合いで解決できないか自分達の目的を話し始めた。

 

「えっと、私達は試験を受けに行く途中でして、此処を通らないといけなくて……」

「……はぁ? 試験? こんな時間に? こんな場所で? 頭大丈夫?」

「ま、まぁそうなりますよね……」

 

 至極真っ当な反応にヒフミは肩を落とす。普通に考えたら、こんな時間に行われる試験なんてある訳が無いのだ。ましてや此処はスラム街、学校からは遠く離れている。嘘を吐くならもう少しマシな嘘を吐けよ、と言わんばかりの視線が痛い。だが、試験があるのも本当で、この先が試験会場なのもまた本当。いっその事、掲示板を見せれば信用してくれるかも……と思ったが、それよりもこの話は終わる。穏やかではない方向で。

 

「ま、理由がどうあれ、ここら一帯を歩くにはうちらの許可が必要なんだよ!」

「……ん? よく見たらその制服……トリニティじゃね?」

「マジじゃん。ひゅーっ、お金持ちのお嬢様たちがこんな所にねぇ。あれ? って事は、こいつらを攫ったら身代金がたっぷり貰えるって事?」

「おおっ! ナイスアイディア!」

「や、やっぱりまたこういう展開に……」

 

 いつかのブラックマーケットで出会った生徒達と同じような結論に達した不良生徒達は嬉々とした顔で自身の得物を手に取る。一触即発の張り詰めた空気を前にヒフミは息を呑み、皆を見渡した。ハナコは何処か仕方なさそうな表情、コハルは『本当にやるの?』と言わんばかり。そして、アズサは────覚悟か固まったような表情のままヒフミの肩に手を置き、L119A1(Et Omnia Vanitas)の引き金に指をかける。

 

「時間の無駄だ。突破する」

 

 言うや否や、放たれる弾丸。それが開戦の号砲だった。

 

 

 ▼

 

 

 弾雨が降る戦場を舞うように立ち回るアズサ。無力化した生徒の数は随一であり、彼女だけは野放しにできないと思った不良生徒はガトリングガンを構え、照準を定める。そして、向けられた銃口に即座に気付いたアズサは偶々近くにいた生徒の腕を引っ張って前に立たせ、即席の肉壁とした。

 

「ちょッ、待っ……!」

 

 悲鳴に近い制止の声。ガトリングを持つ生徒も気付くが、一度引いてしまった引き金は不可逆だ。全ての音がバレルを回すモーター音に掻き消され、アズサに向けられた弾丸は全て肉壁となってしまった生徒が身を呈して受け止める。数秒とはいえガトリングの掃射を真正面から受け止めてしまった生徒は一瞬で意識が消し飛び、ノックアウト。それを無造作に置いたアズサは視線を鋭く、ガトリングの射手に狙いを定めた。

 

「あ、アタシ達の仲間を盾にしやがって! タダで済むと────!」

「ふんッ!」

 

 一瞬の踏み込みで彼我の距離を踏み潰したアズサは銃床(ストック)で頭部を殴りつけ、たたらを踏んでがら空きとなった後頭部にすかさず肘打ちで追撃。頭に重い二撃を貰った生徒はそれ以上言葉を発することなく地面と熱烈な抱擁を交わして沈黙。一先ず、周りにいた生徒を一通り掃討したアズサは息を吐いて増援に行こうとするが……。

 

「ぐあぁぁぁっ!」

 

 炸裂した手榴弾の煙の中を裂く様に飛来する弾丸はハナコのSA80(オネストウィッシュ)M1917エンフィールド(ジャスティス・ブラック)。アサルトライフルと小銃の直撃を貰えば意識を保つことは難しく、大袈裟とも言えるような断末魔を上げながらばたりと倒れる。

 

「このッ! よくもッ!」

「ご、ごめんなさいッ!」

 

 最後に残った生徒を仕留めたのはヒフミのSA80(マイ・ネセシティ)。謝罪しながら1マガジン分の弾丸を容赦なく叩き込む彼女は不良生徒の眼にはどう映っただろうか。

 

 何はともあれ、十数人いた不良生徒を全員残らずノックアウトした補習授業部の皆は息を吐いた。一先ず戦闘は終了。だが、別にこれが主題ではないのだ。各々リロードを済ませ、即応状態を維持。いつまでも入口で足踏みしていては試験時間に間に合わない。

 

「ふふっ。あれほど勢いがあったのに、意外と繊細ですねぇ♡」

「沈黙を確認。先を急ごう。先生、ガイドをお願い」

「任せて。可能な限りエンカウントを避けつつ、最短距離を駆け抜けよう」

 

 アズサは物陰に隠れて指揮していた先生を再び背負い、試験会場に向けて足を進ませる。ハナコもアズサの少し後ろ、彼の背後を守る様な立ち位置を取った。

 

「ま、待って! 置いて行かないでッ!」

「あ、あはは……手荒にしてしまってすみません。通らせてもらいますね……」

 

 

 ▼

 

 

 

 ゲヘナ自治区、第15エリア73番街。補習授業部の試験会場となっているビルのほど近くは数年前に更地にされており、雑多な街並みの中では一際目立つ空白地帯だった。撤去されなかった瓦礫の山と、形骸化した黄色い進入禁止のテープ。ひび割れたコンクリート道路の上、1人の少女と集団が対峙していた。

 

「……」

「……」

 

 片や私服を纏った、白翼を携えた少女達。彼女達は変装したティーパーティー傘下の生徒であり、先回りして妨害工作を行う人員だった。様々な根回しと情報操作によりゲヘナ自治区へあっさりと入り込んだ少女達はあとは与えられた命令に従って補習授業部を貶める手筈だったのだが……立ち塞がる生徒が一人。

 

 そう、その生徒は────バニーだった。バニーガールだった。ゲヘナの生徒でもなければトリニティの生徒でもない、本当に何処の所属か何一つ分からない彼女はバニーガールの衣装を纏っている。

 シミ一つない綺麗な真白い肌を惜しげもなく大胆に晒し、風に揺れるうさ耳を携えた見目麗しい少女。手に持つアタッシュケースも妙に様になっており、ミスマッチさなんて微塵も感じさせない。尤も、廃墟にバニーガールが居ること自体がミスマッチのため、絵面はよく分からない事になっているが。

 

 ────ミレニアムサイエンススクールが誇る特殊戦闘部隊、C&C。コールサイン04(ゼロフォー)、飛鳥馬トキが先達に倣いバニーを纏って立ち塞がっていた。

 

「……どちら様でしょうか?」

「偶々通りかかった、怪しくないバニーさんです。ぴょん」

「……そう、ですか」

 

 謎を消すために問いかけたはずであるのに、逆に謎が増えた少女は閉口する。此処は偶々通りかかる様な場所ではない。そもそも、彼女は通りかかった訳でもなく此処で少女達を待っていたのだ。まるで、初めから来ることが分かっているかの如く。

 加えて、怪しくないバニーも分からない。廃墟にバニーが居れば不審者でしかないだろう。

 

 少女はまるで理解不能な生き物を見るかのような目でトキを見て、微妙な表情のまま再び口を開いた。

 

「何故、そのような衣装を?」

「潜入用衣装ですから」

「……そうなのですか?」

「そうなのです……皆様も似たようなものでしょう?」

 

 暗に『見抜いている』と言っているトキに少女達の空気が凍り付いた。それと同時に、全くの謎に包まれた彼女の正体の一端を掴む。

 何処の学校の誰かは依然として不明であるが、彼女は間違いなく先生の差し金だ。何もせず静観するとは思っていなかったが、先回りを見抜いて人員を先行させるとは考えてもいなかった。では、何処まで見抜かれている? 恐らく全て。ナギサの狙い、少女達の目的……その全てを把握したうえで、彼はトキをこの場に配置した。

 

 ────穏便に、とは不可能でしょう。ですが、ティーパーティーの一員として優雅に穏やかに、話し合いから始めましょう。実力行使はその後です。

 

「退いていただけませんか?」

「申し訳ありませんが、それはできません。兎は気まぐれなので」

「……残念です。できれば手荒な真似はしたくなかったのですが……退いていただけないのであれば、押し通る他ありません」

「通れるとでも思っているのですか?」

「ふふっ、通れないとでも? ……全員、構え」

 

 売り言葉に買い言葉。先生からのお願い通り、誰一人として通す気の無いトキ。ナギサの命令に従い、補習授業部へ妨害を仕掛けたい少女達。相反するオーダー、互いに譲る気が無いのであれば争う他ない。交渉決裂、賽は投げられた。

 

 少女は余裕綽々な笑みで、まるで楽器隊を指揮するかの如く腕を運ぶ。すると、それに合わせて背後に控えていた生徒が一斉に銃を構えた。

 トリニティの所属らしく、銃は優雅さや優美さ、或いは祭典用や装飾品の様な、どこか形式張った形のもの。機能美、効率、合理性を第一に考えるミレニアムではあまり見ないものであるが……単なるボルトアクション式の古風な銃だ。

 この程度であれば如何様にも対処できる、と言わんばかりの表情でトキは笑みを浮べた。

 

「おや、バニーさんに銃を向けるなんて酷いですね」

「躾のなっていない兎は駆除するに限るでしょう? それが、害獣であれば猶更です」

 

 相手は一人。数で磨り潰せば勝てるだろうし、最悪此方側で数人脱落者を出せば相打ちには持ち込める。絶対に負けないという確信が少女達にはあり、犠牲を出すか出さないか、出すとしたら何人までが許容範囲か……その程度の話。正に、兎狩りに赴くような心境だった。

 

 実際、少女達の想定は正しいと言えるだろう。少女達はティーパーティー所属、フィリウス分派の戦闘部隊。正義実現委員会よりも練度や実力、人数で劣るが、それでも腕は立つ方だ。相手が普通の生徒であれば人数有利を取られた時点で苦戦は必須であり、勝てる道理はなかった。

 

 ────そう、()()()()()()()()()()()()

 

 少女達に間違いがあったとすれば、トキを普通の生徒と侮った事。彼女はミレニアムが誇る特殊戦闘部隊所属であり、未来科学の申し子。

 トリニティの戦略兵器と呼ばれる剣先ツルギとクロスレンジで真っ向から戦える美甘ネルを相手に、様々な条件が重なった結果とはいえ競り勝った少女なのだ。本領たるアビ・エシュフが無くともその力に翳りはない。寧ろ、『彼に頼ってもらった』という心理要因が彼女の背中を押している。

 

「バニー04、これより月に舞う兎となりましょう」

 

 アタッシュケースから新調したアームギアとG11K3(シークレットタイム)を取り出し……戦闘が始まった。

 

 

 ▼

 

 

 トキとティーパーティー所属の戦闘部隊が奇妙なファーストコンタクトをしている頃。便利屋68はゲヘナ自治区側から第15エリアに足を踏み入れていた。

 トリニティが幅を利かせる事ができるのは学園の自治区に近い場所だけ。それ以外の……例えばミレニアムとゲヘナの境界や、そもそもゲヘナ自治区内なんて全くの管轄外。如何にナギサの情報網が巨大であろうとも、何処で誰が何をしているかなんていちいち把握している訳もない。

 

 アルを始めとする4人のメンバーはゲヘナ学園の学生と謂う身分を充分に活用し、内側から補習授業部の助けとなるべく動いていた。

 

「この辺りは流石に人が少ないね……」

 

 カヨコはポツリと呟き、人目を避けるために被っていたパーカーのフードを脱いで一つ息を吐く。周りを見渡しても人は誰もおらず、不気味な静寂が場を満たしていた。

 

 第15エリア……特に50番街から80番街までは廃墟の街だ。元々は多くの人が住み、活気に溢れた場所であったが、都市の機能の移転と住宅街の開発により自然と人の姿が消え去り、今では誰も住んでいない無人の街となっている。再開発の話は出ているものの、初期費用と投資した費用の回収率から後回しになっており、未だに手を付けられていない。

 一帯の大部分の建物は老朽化により取り壊されたが一部はそのまま現存しており、その建物を不良生徒が使用している……というのが、補習授業部が向かっている試験会場の実情だ。

 

 同じような景色が続く街並みを数分歩いていると、『この先77番街』と書かれている古びて錆びた看板が地に落ちていた。目的後を前にした少女達は一度立ち止まり、廃墟の街並みを見つめる。

 

「ここが77番街……」

「くふふっ、こんな場所でテストやるなんて普通じゃ信じられないよね~。受けさせる気ある? って」

「そこまで聞いてないけど、多分無いと思うよ。未受験って扱いにするためにこの場所を選んだって考えた方が自然」

「ま、また先生はトラブルに巻き込まれているのでしょうか……」

 

 詳しく聞かなかったため彼がどんな立ち位置で、誰に肩入れしているのかは不明であるが、彼はいつだって苛烈な渦の中で必死に手を伸ばしている。これも恐らくその一部で、大切なものを奪われそうになっている生徒を助けるため。彼の戦いの、彼の意志を一翼を担えるのは悪くなかった。信頼している人に頼られるのはいつだって嬉しいものだ。

 

「あ、アル様、あちらは始まったようです……」

 

 少し離れた場所で何か炸裂音が聞こえる。話に聞いていた別動隊。ゲヘナでもトリニティでもない第三の学校所属の生徒がティーパーティーの部隊を押さえると聞いていたため、その音だろう。

 

 動いている部隊はアル達を除いて2部隊。そのうちの一つはティーパーティーの抑えで、残る一つは待機中。待機中の彼女が動くのは大詰めとなった時か……または、全てが破綻した時。出来れば後者のパターンになってほしくないと思いつつ、だが不測の事態が起きてもリカバリーできるように気は張っておく。

 

『アルちゃーん、こっちは仕掛け終わったよー』

『わ、私も終わりました……!』

『1階に9、2階に7、3階より上は分からないけど……多分、50人もいないと思う』

「想定の範囲内ね」

 

 そうこう言っている内に、場のセッティングが完了し配置に着き終わる。アルは離れたビルの5階で狙撃態勢、ムツキはビルの入り口から少し離れた廃墟で銃を構え、カヨコとハルカは正面玄関。

 

「改めて作戦の概要を説明するわ。私達に与えられたミッションは旧センタービルの制圧。1階……特に112号室は可能な限り無傷で先生達に渡すのが望ましいわ」

『アルちゃん、ノリノリだね。先生の依頼だからテンション上がってるのかな?』

『そうかもね』

「……こほん! 兎に角、ビルの中に居る不良達を全員外に叩き出すわよ。そうしたら各自ポイントを更新して、先生達の到着まで待機。到着次第、先生達の護衛任務に移行するわ。試験が終わるまで誰一人通さないように。向かって来る者は例外なく撃ち抜きなさい……作戦の開始タイミングはハルカに譲渡するわ」

『わ、私ですかッ!?』

『いつでもオッケーだよ、ハルカちゃん』

『こっちも準備は出来てるよ』

 

 たった4人しか居ないと侮る事なかれ。彼女達はヒナが不在の風紀委員会ならば一蹴できる実力者。統率の取れていない不良生徒ならば、幾ら頭数を増やした所で脅威にはならず。

 

「さぁ────アウトローらしく、無慈悲に、徹底的に掃除しましょう」

 

 自信満々なアルの声に背中を押され────ハルカは決意に満ちた目で顔を上げた。

 

『さ、作戦開始しますッ!』

 

 その声と共に、旧センタービルの屋上に仕掛けられていた爆弾が一斉に起爆した。

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