「うわあああああああああ!!!???」
「お兄さぁぁぁん!!!」
「いやっ・・・いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ん・・・あぁ、あの小屋の住人か。普段なら喧しく思う所だが・・・奴の減らず口を聞いた後だと逆に新鮮だな。」
さむらゐそうどまんの首を握り潰した鬼、つーか無惨は実に清々しい表情で竈門家を見ていた。まるで長年身を蝕んできた病を取り除いたかのような開放感を味わいながら死に体となったさむらゐそうどまんを触手で更にバラし、ゴミのように捨てる。
バラバラと崩れたパズルのように雪の上に転がるさむらゐそうどまん。先程までのうるささが嘘のように静まり、雪景色も相まって彼が死んだという事を嫌という程示していた。
「ふぅ、詩でも一つ歌いたくなるようないい気分だ。こんなにも晴れやかなのは何時ぶりか・・・」
あの耳飾りの男が死んだと報告を受けた以来ではなかろうか?と今にも踊り出しそうなほど浮き足立ちながら竈門家に向き直った。
「さて、貴様らは鬼にしてやるか。あぁ安心しろ、気分が良いから痛みは少なくしてやる。」
普段の彼からは想像できないほど穏やかな顔で残酷な現実を告げる。このままだと原作通り竈門家は禰豆子を除いた全員が惨殺され、生き残った禰豆子も鬼になってしまう。
しかし肝心のサムライソードマンはそこで無様に肉塊になっている始末。これは正しく絶体絶命、万事休す。
もはやここまでか?
サムライソードマンから竈門家へと関心が移った無惨。怯えた表情で後退る彼らにその魔の手を伸ばそうと腕を上げる。
───────チンッ
「・・・・・・は?」
しかし、刀が納刀された様な音が聞こえた次の瞬間、その腕がズルリと斬り落とされた。
驚愕に目を向く無惨。鬼の祖である彼は例え刀で斬られても銃で撃たれても即座に再生し、斬れ落ちる前に傷が塞がってしまう。そんな彼の腕を再生させる間もなく斬り落としてみせた。
再生出来ないのではない、自身の細胞が
────やめろ、出てくるな!こんな時に!
ノイズが走り、一瞬あの男の姿が脳裏に過ぎる。同じなはずが無い、あんな自分を凌駕する化け物と同じ奴が産まれていいはずが無い!
トラウマを刺激され背中を蛇の如く這う悪寒を感じながら慌てて振り向くと、そこにはサムライソードマンの死体は無く、ただ血に染った雪があるのみ。
「なっ、奴は何処へ・・・!?」
「サプラァ〜イズッ・・・!!」
「ハッ!」
真上から聞こえた声に反応し、即座に見上げるもシンシンと振る雪があるのみで奴の姿は無い。だがその瞬間、無惨の視界の端に白の中で異常に目立つ黒いコートの先が写った。
刹那の時間。意識だけが先んじて硬直する体のまま、目だけを下に向けると
「イィヒヒヒャヒャヒャッ!ドッキリ大成功ォ〜ッ!」
"居合"の構えをした
「しまっ」
━━━━━━━━━シャリンッ━━━━━━━━━
一閃
今までの踏み込みよりも段違いの速さで移動した私はすれ違いざまに奴の首を斬ってやった。
傍から見れば瞬間移動したようにしか見えない程の速度。それを不意をつかれた鬼が避けれるはずも無く、ポーンっと軽く首が宙に吹っ飛んだ。血飛沫と雪飛沫が舞い上がる。ヒュウ、風情があるねぇ。
「知らなかったか?悪魔はよォ、『狡猾』なんだぜェ〜?」
ボトンと雪の上に落ちる鬼に舌を出しながらそう吐き捨てる。ここで一句!雪景色、冷血飛び散る、血達磨や。サムライソードマン。うーん、五百万億兆点!!
え?そんな事より私が起きてる理由?
そんなもん、バラバラにされた後に右手を動かして左手を納刀。復活したらもっかい抜刀しただけに決まってんじゃん。デンジのスターターみたいなもんよ。えへえへえへ、私ちゃん怪物なの。知ってたァ〜?
くく、不意打ちが決まると気持ちいいぜ。特に油断し切った奴にぶちかましてやった時はビンビンでイキそうになるくらいになぁ!!おっと、逝きそうなやつの前でいう事じゃなかったかな!?
デビルジョーク!とゲラゲラ笑いながら家族の方を振り返る。
ひっ、と上がった悲鳴を聞きあちゃーと思ったがまぁ仕方ない。自分で言うのもなんだけどこの状態の私ってマジで怖いからね。夜中に出会ったら色々な汁が出ちゃうと思うよ。レモンティーとか(ど下)
つってもどーせ一夜限りの関係だ、こんなもんだろ。・・・・・・なんかやらしい言い回しになったな。いやん!のび太さんのミラ・ジョヴォヴィッチ!!
「おのれ・・・おのれェェェ!!!」
「うわっまだ生きてたんだ」
首だけになりながら元気に叫ぶ鬼。そういや上弦になると首だけになっても生きてる奴とかいたもんな。なんかうにょうにょして再生し始めてるし。ってことはコイツぁ日光に当てなきゃ殺せないってことか。
「たくぅ〜めんどくさいなぁ。さっさと天日干しして殺してやっかぁ。」
そう言いながら近づく私だったが、突然動き出した鬼の胴体がぐにぐにと不規則に変形し始めたのを見て動きを止めた。
私の今までの経験からして、これはなんかやばい感じがする!ほら見て、血なまぐさい鬼の体からドリアンみたいに大量の棘が・・・・・・
「あ、これあかんやつや」
「喰らえェェェ!!!」
鬼がそう叫んだ瞬間、胴体が爆散し、夥しい量の棘が周囲に広がった。この程度なら私は問題無い。
しかし、この家族は別だ。
「全く、飯が美味かったボーナスだかんなぁ!」
家族の前に立って刹那に幾つもの斬撃を放ち、棘を切り伏せる。これがホントの刹那五月雨切りってね。
ついでに胴体も二度と今の技が打てないように細切れにした後、鬼の首が無いことに気づく。あっ、と声を出して気配の先を見ると既に体を生やした全裸の鬼がプリケツを晒しながら逃げたのを発見した。
「あぁあっ!?こんのケツ野郎ッ待てゴラァッ!!」
まさかのモノホンの鬼との鬼ごっこが開始され、両者凄まじい速度で駆け回る。
「おぉいッ!!おい!ケツ!ケツの鬼!!上弦のケツ!逃げんじゃねぇよクソが!あ、いまのクソはケツと掛けたとかそんなんじゃねぇからな!!」
「気狂いめ!おい鳴女ッ!!さっさと開けろッ!!」
プリンプリン☆とケツを揺らしながら走るプリケツ鬼がそう叫ぶと三味線の音と共に空間に襖が出現する。野郎、アレで逃げる気か!逃げるな卑怯者!逃げるなぁ!煉獄さんはうんたらかんたら!
「させるかァ!!その首、つーか命置いてけ!!」
叫びながら両腕を振りかぶり、刀をパージしてぶん投げる。黒ひげ危機一髪みたいに鬼の体に突き刺さりはしたが、勿論致命傷になんてならない。足を狙ったがクソエイム過ぎたな。だってぇ刀飛ばすなんてそうそうしないしぃ(ギャル風)
まあとにかく、殺し切れなかった鬼は終始こちらを睨みながら襖の奥へと消えていった。ピシャリと閉じた襖も、まるで最初から無かったかのように消失し、完全に鬼を逃してしまったのでした。
残ったのは夥しい量の血の跡だけ。それも積もる雪によって消えていく。まるで何事も無かったかのように。あ、くっせぇ臭いは残ったな。
「ちぇ、逃がしちまったぜ。あーあ、ざーんねん。自分の内蔵で縛って太陽が出るまで縛り付けてやろうと思ったのに」
そう言って左手を納刀し、人間の姿に戻った私は踵を返して家族の所へ戻ろうとしたが、あれ別に戻んなくて良くね?契約も終わってるし。と気づいたので別れの挨拶とかもなく私はその山を凍えながらも降りたのだった。ちゃんちゃん。
──────ってのが、あの日に起こった出来事なんだけどぉ。
「あれが炭治郎君の家族とはなぁ・・・」
「はい!『黒いお侍さん』と、弟達は言ってました!それであの姿を見てそうじゃないかと思ったんです!感謝してもし切れません・・・!」
「あぁ、うん、そう・・・・・・」
やだ、この子めっちゃ感謝してくるぅ。やりずらぁい。
・・・あれそういえば原作の鬼になってた長女、ね、ね・・・眠子?だっけ?あの子はどうなったんだろうか。私助けちゃったけど大丈夫かね?
「炭治郎君炭治郎君、家族を助けたとは言うが、君には鬼の匂いが染み付いてる。まさか誰か鬼になったのではないかね?」
「ッ!・・・・・・はい。実は、妹の、長女の禰豆子が鬼舞辻無惨の血を取り込んでしまい、鬼になってしまったんです。」
めっちゃそれっぽい感じに聞いてみるとやはり、長女は鬼になってしまってたらしい。あ、そうそう禰豆子ね。えー?でもどのタイミングで?あれか?棘のとこで血でも飲んじゃったかな?
「家族が言うには、さむらゐそうどまんさんが斬り落とした触手が動いて禰豆子に襲いかかったらしいんです。その時に・・・。」
・・・・・・あれ、もしかしてそれって最初に斬って放置してたやつ?
oh・・・じゃあ禰豆子ちゃんが鬼になったの私のせいじゃん。やべー、どうしよう。
・・・・・・。
うん、黙っとこう。心苦しいけどそれが一番だ。世の中には知らない方がいいこともあるからな。、あ?んだよ、悪魔にも罪悪感があるんだぜ。
「そうか、それで鬼を狩ってるのか」
「はい!鬼舞辻無惨の血が濃い鬼から血を取れば禰豆子は人間に・・・ッす、すみません。ナンデモナイデス・・・。」
いや、ほとんど言っちゃってるから意味無いよその誤魔化し。顔も嘘ついたから凄いことになってるし。まぁそこら辺は触れないから安心せぇよ。お互い隠してる事実があるって事で手を打とうぜ(クズ)
「にしても、鬼殺隊は何度か見たことあるけど柱に会うのは初めてだな。」
そう言いながら視線を凄い髪色の男に移す。みんな大好き、500億の男こと煉獄さんである。にしても何度観てもすげぇ髪だな。あと目、何その目。パワーちゃんみたい。
「うむ!!お初にお目にかかる!鬼殺隊 炎柱!煉獄杏寿郎だ!貴方が噂の『黒い侍』か!協力感謝する!」
「ああ、サムライソードマンだ。よろぴく。」
「さむらゐそうどまん!奇っ怪な名だ!だが印象に残る良い名だと思う!」
ハッハッハと笑いながら握手してくれる煉獄さん。え、やだ、優しい。好き(チョロイン)
だがそんなやり取りをしているとまた伊之助少年が騒ぎ出した。
「おい!いいのかよギョロ目!そいつァバケモンだぜ!?」
「確かに!だが彼は我々を助けてくれた!直ぐに敵と判断するのは早計だろう!」
「あぁ!?バケモン殺すのが俺らの仕事だろうが!んなバカみてぇな事言ってんじゃねぇよ!!」
ンンンン!!!まさに、正論!!(ど腐れ外道陰陽師)
対応的には伊之助少年は間違ってない。てか、山育ちの野生児のくせにそこら辺常識人寄りなんだよァ。なんでだろうね。
ぎゃいぎゃいと私を殺すと騒ぐ伊之助少年を煉獄さんと炭治郎くんが抑えていると今度は後ろの方から声が聞こえた。
「炭治郎〜!無事かぁ〜!?こっちは大変だよぉ、列車は横転するし、乗客も荷物も色々しっちゃかめっちゃかだし、気が付いたら出来てた傷が痛いし、まさか!俺、このまま死んじゃうんじゃ!?いやあぁぁぁ!!(汚い高音) 炭治郎ォォォォォ!!!!」
うるせぇ!!!
耳を塞ぎながら振り返るとぐねんぐねんと体をくねらせながら1人で発狂している金ピカ頭が目に入った。そう、一生寝てた方がいい男、我妻善逸だ。
汚ったない声で汚ったない動きをしてるのが凄い気持ち悪い。でも寝てたり気絶してると何故か人が変わった様に寡黙になり、凄まじい強さを発揮するこれでも強い奴だ。お前ずっと寝てろよ(辛辣)
「ねぇ聞いてる炭治郎!ねぇってばぁ!・・・ん?だ、誰この人?知らない人いるよォ!?」
「おうおうおう!お主ワシを知らないのか?柱であるこのワシを?」
「は、柱ァ!?この人も柱なの!?まじでぇ!?」
パワーちゃんみたいに一人称を変えそれっぽいことを言ってバーン!と胸を張る私に驚愕する善逸。目ん玉が飛び出そう、というか飛び出ている。それどういう仕組み?おもろ。
「いや、その人は柱ではない!」
「えぇ!?柱じゃないのぉ!?なんで嘘ついたんだよォ!!」
「ゲラゲラゲラ!!バレたー!」
オーバーリアクションで反応する善逸。ギャハハハ!いーね、その顔くっそ間抜け面!
「善逸、その人はさむらゐそうどまんさんだよ。俺達を助けてくれたんだ。」
「さむらゐ・・・?な、なにそれ?外来語?」
困惑を極めている善逸に近寄り、手を差し出す。ちょっとした悪戯心で心音と圧力を上げて彼の前に立って耳元で一言。
「『よろしくね?』」
「ッッッ!!!???」
ポツリと呟いた瞬間に、耳を抑えながらザザザっと後退した善逸。その目はまるで理解の及ばない怪物を見るような目で顔は酷く青ざめていた。くく、流石は音だけで相手の感情を読み取る男。私の内面もバッチリ感じ取ってくれたみたいだ。
「炭治郎!や、やばいよ!やばいよコイツ!に、人間じゃない!鬼じゃないけど、人間じゃない怪物だよっ!!」
「落ち着け善逸!確かにさむらゐそうどまんさんは人間じゃないけど俺達の敵では無いよ!」
「聞こえたんだ、コイツの『音』が・・・今まで聞いた事も無い位の不協和音で、この世の音とは思えないほど歪んでて、歯ぎしりみたいな嗤い声みたいな刃を研ぐような何もかもが噛み合わない不吉な音なんだ!関わっちゃダメな奴なんだよコイツは!」
ひっでー言い草、十割合ってるけど。にしても音聞いただけでここまで読み取れんのかよ。すげー特殊能力だな、サヴァン症候群とかか?頭よわそうだし(偏見)
「うぃひひひひ!お前そこまで分かるのか、面白い奴だなぁ。褒美にお前の持ってる金品を貰ってやろう」
「ひぃぃぃ!!しかも金集ってきてるしぃ!!助けて炭治郎ォォ!」
「あの、さむらゐそうどまんさん。その辺に・・・・・・」
「はっはっはっ!悪い悪い!反応がいいからついな!」
まぁ冗談では無いんだけど。ほら、少年ジャンプしてみ?ジャンプ掲載作品のキャラなんだからいい桁貰ってんでしょ?(クズの極み)
そんなコントをしてると、後ろで様子を見ていた煉獄さんがパンッと手を叩いて鼓膜破壊レベルの音を出し注目を集める。
「さて!件の鬼も滅した事だ!事態の後始末といこう!既に隠も来ているぞ!」
あ、ほんとだ。いつの間にか黒い服着た奴らがわさわさ動いてはるわ。煉獄さん見た後だと存在感無さすぎて分かんなかった。
「ああ!そうだった!列車は横転したままだった!行こう伊之助!善逸!」
「あぁ!?こいつどうすんだ!!」
「安心しろって、逃げやしねーよ」
逃げられねーの間違いだけどな。だって見てよ、煉獄さんが常に俺の事監視してんだぜ?逃げる素振り見せたら直ぐに捕まるわ。別に殺せば逃げれるけど、彼を殺すのはちょっとね。勿体ないというか。
その事に伊之助くんも気づいたようで渋々炭治郎くんの後を追いかけて行った。後ついでに金ピカも。
「・・・・・・チッ!逃げたら千切りにしてやるからな!」
「おぉーい!!置いてくなよ2人共ぉぉー!!コイツと2人なんてやだよォー!!」
最後までうるせぇなアイツ。
まぁそんなこんなで無限列車編は誰一人欠ける事無く、上弦の参を討伐するという鬼殺隊大金星で幕を閉じる事になった訳ですが。どうやらこの後も面倒事は続く様子。
悪魔だとバレてしまった私、グルグルの簀巻きにされるも最後の抵抗で善逸を亀甲縛りにして盗んだ馬で走り出し、リミットオーバーアクセルシンクロ*1をぶちかまし最高に高めたフィールで最高の力を手に入れ秘湯へと身を投じる。
だが、私に待っていたのは非情なる現実だった・・・!!
次回!鬼と鬼殺とサムライソード!
『フルチン柱の日輪刀は鬼殺隊最強!この魔羅は切れぬ!』
ぜってぇ見てくれよな!
下ネタを挟まないと死んじゃう病にかかってます。ご了承ください。