鬼と鬼殺とサムライソード   作:文明監視官1966

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クロ「もし私が鬼殺隊に反旗を翻したら冨岡義勇が魔羅を切ります」

冨岡「!?!?!?」


火遊び

 

拝啓、顔も忘れた母さん、父さん、そして何故か記憶に残っているボブ。お元気ですか?ボブ、あなたは何者ですか?なんで両親を差し置いて私の記憶に居座ってるんですか?怖い。

 

さて、話を戻して私は今・・・

 

 

 

夢と魔法の国、東京ディズニーラ・・・もとい、遊郭にいます。

 

 

むさい男と一緒に。

 

 

「いやぁぁぁぁぁ!!襲われるぅぅぅぅ!!助けてかがやーーん!!」

 

「襲うかアホが!!こちとら既婚者だ、たたっ斬るぞ!!」

 

「冗談だよ、そんな怒んなってお祭り男」

 

「やかましい!つーかやめろその地味な呼び方!」

 

「怒んなって宮○大輔」

 

「いや誰だ!?俺は宇髄だ!宇髄天元!!いい加減覚えろ!」

 

「いいぞソードマンさん!そのまま精神を攻撃し続けるんだ!」

 

「うるせぇたんぽぽ頭、一生寝てろ」

 

「何ゆえ俺にも辛辣!?」

 

そりゃ寝てなきゃ基本役に立たないし。

 

ってな訳でやってきました見栄と欲の街、遊郭。どーゆー場所かって言うと、まぁ、現代で言う風俗だよね(ド直球)

 

別に遊びに来た訳じゃないよ?そも、性欲より睡眠欲、睡眠欲より圧倒的に食欲な私からすれば別になんの魅力も無い場所だし。

 

ならなんでいるかっていうと、この私の隣にいる頭にジャラジャラと見てるだけでうるさい装飾品を散りばめた不審者、宇髄の嫁から鬼を探る定期連絡が途絶えたから直接潜入しようぜって感じの所に優しいかがやんが「手伝ってあげて」って言うもんだから仕方なく同行してやったのさ。かー、私ったらマジ天使。悪魔だけど。

 

「んで?どうすんのこの醜女三姉妹」

 

「醜女言うなぁ!」

 

「腹減った」

 

「あはは・・・」

 

私の目の前に広がる何ともおブサイクな3人。それぞれヘッタクソな化粧を施された炭治郎、伊之助、善逸だがあまりにも酷い。特に黄色。人って化粧1つでここまで化け物に堕ちれるんだな。

 

「説明したろうが。コイツらをそれぞれ、ときと屋の須磨、荻本屋のまきを、京極屋の雛鶴が居たとこに潜り込ませて情報を探るんだよ。」

 

「ほーん、で、お前は?」

 

「俺も別口で情報を探る。客として入っても鬼の情報は掴めなかったからな。」

 

「なるほどな、よし!頑張ってくれ!私は帰る。」

 

「待てや」

 

回れ右をして素早く帰ろうとしたらぐわしと首を掴まれる。首根っこではなく首だ。やだ、お手ておっきぃ。オランウータンみたい。

 

ギリギリと締め上げてくるそれにぶら下がりながらシャカシャカと足を動かし、何とか帰ろうともがく。離せ!私は帰ってかがやんの子供達をジャイアントスイングするんだ!*1

 

「お前も探るんだよ、御館様の命令だろうが」

 

「私の場合お願いだもーん。つーか、鼻くそどころか耳くそ程も興味無いんだよね遊郭とか。まだ道中で見た蕎麦屋の方がマシだ。美人なねーちゃんがいるのはいいけど、すぐ飽きたし。」

 

「ブー垂れるな!働かざる者食うべからずって言葉知らねーのか!」

 

「んだよ、個人的にも契約してやってんだから文句言うなよなー。」

 

そう、実は一部の柱連中とはかがやんの鬼殺隊全体に効果を発揮する契約とは別に個人契約を結んだのだ。まぁ鬼に少しでも有利になるなら使えるもんは使うって感じみたい。

 

対価はそれぞれだったが、宇隨の場合は忍術や忍具、そして調教した忍獣の提供。忍術の方は正直地味な物が多かったが特殊な足運びの利便性や、忍獣の面白さから承諾してやった。

 

「お前の身体能力向上に刀の斬れ味の上昇、殺傷能力向上にその他諸々。ほら、仕事は十分してる。帰るな。」

 

「それはそれ、これはこれだ!」

 

「私みたいなこと言いやがって」

 

それが許されるのは他人に厳しく、自分に甘い悪魔()の特権だぞ。そんな無駄話をしていると突然おブサイク2号の伊之助少年が噛み付いてきた。もちろん、この場合物理ではなく比喩である。物理なら殴り飛ばしてる。

 

「おいバケモンテメェ!あの時逃げねぇっつったクセに逃げやがって!どう落とし前付けるつもりだコラァッ!!」

 

「あーん?逃げないとは言ったが逃げないとは言ってねーだろ?」

 

「あぁ!?ん?あ、は、お?は?ど、どっちだ!?権八郎!!」

 

「多分揶揄ってるだけだと思うよ」

 

私の秒速矛盾理論におバカな伊之助少年は混乱し、目をぐるぐるさせながら炭治郎君に助けを求めている。悪魔と何かを約束する時は契約って事を明確にしないとね。まーこっちはそれを破棄することも出来るんだけどー!うひひ!

 

「んじゃ、入口でごちゃごちゃやってても仕方ないし、パパッと二束三文で売り払おうぜ」

 

「お前のせいだろ・・・まあ、それもそうだな」

 

「いや言い方!?やめてよなんか惨めになるじゃん!」

 

「今回は安く売れる事に意味があるんだ。よかったな、醜女で」

 

「ぶっ殺すぞ!?クソ柱にゲロ悪魔!!」

 

「口の利き方に気を付けろクソガキ!!」

 

「いなほっ!?」

 

この世のものとは思えない顔芸で罵倒してきたたんぽぽ頭を見事なボディブローで沈めるクソ柱。一番やかましい奴を完全に黙らせた後はそれぞれの店に赴き、何とか売っぱらってきたようだ。たんぽぽ頭が最後に売れたというかほぼ店に押し付けてきたらしい。ウケる。

 

私?その間適当な店に入って適当に花魁と駄べりながら飯食ってたよ?同行する意味ないし。かがやんから貰ったお小遣いがあるから遊び放題なのよね。まぁ交尾に興味ないから飯以外じゃ使わないけど。あ、興味無いだけで顔に良い奴は好きだぜ?目の保養になるからな。

 

 

 

 

〜この後は特に見所もないのでカット!!〜

 

 

 

 

 

という訳であの3人を売っぱらって数日が経った頃。私と宇隨は建物の屋根の上から遊郭を見渡し、今までの情報を整理していた。

 

「それで、()()は見つかったかにゃ?」

 

「いや、確かなモンはねぇ。どれも信憑性の低いものばかりだ。てかお前も探れ。殴るぞ。」

 

「えー、めんどい。遊郭の飯食い尽くしてからじゃダメ?」

 

「ふんッ!!」

 

「おぼふ!?」

 

屋根の上でゴロゴロ〜ゴロゴロ〜としてたら顔面を蹴られたでござる。この野郎、私のご尊顔を汚すとは。お前のムキムキ鼠にしこたま無駄なカロリー取らせるぞ!ていうか殴るって言ったんだから殴れよ!虚言癖!

 

私が悶絶していると露骨にため息を吐き、頭を抱える宇隨。ふーん、顔に見合わず意外と焦っているようだ。まぁ嫁3人が音信不通だしな、そりゃそうか。ここでもう死んでんじゃね?って言うと斬られそうなので黙っておこう。文字通り血の雨が降っちゃう。昼間から流血沙汰は目立つからね。

 

「数日探っても空振り。煙に巻かれてるみてぇに尻尾が掴めねぇ。この気配の隠し方の巧さ、地味さ・・・もしやここに巣食ってのは・・・」

 

()()ってか?」

 

「ああ、その可能性は大いにある」

 

顎に手を当てて考え込む宇隨にこちらもすこーし、真面目に話をしてやる事にした。原作知識はほぼ消えてるが、何となく臭いで何処にいるかは分かる。けどそれを素直に教えても面白くない、ので、適当に話してヒントを混ぜ込んでやろう。

 

「花魁に混ざってるって考えるなら噂話を辿ってけば見つかるだろうが、如何せん時間がかかるし現実的じゃないしなー。かと言って炭治郎君達からの吉報を期待していても埒が明かない。」

 

「・・・・・・俺は判断を間違えたな。アイツらは帰した方がいい。代わりに他の柱を手配して貰うよう御館様に報告する。」

 

「そこの判断は早いのねー、上出来上出きっ!?」

 

舐め腐った表情で上から目線に褒めてやったらクナイが眉間に突き刺さった。やだ、痛いでござる。全く、これからヒントを出してやろうって時に。

 

私は刺さったクナイを引っこ抜き、指でくるくる回しながら面倒くさくなったので宇隨に直接ヒントを伝えてやる。

 

 

「この遊郭で、私が鬼ならきっと表に出ずに()()に行くだろうぜ」

 

 

「あ?お前、何を言って・・・」

 

「んじゃ、腹減ったから飯食ってくるわー。あと頑張って。」

 

「あ、おい!!待てってもういねぇし!!」

 

言いたいことを言ったあとは直ぐに宇隨の下から去り、適当に飯を食いに行く。適当にぶらぶら歩いて、美味そうな匂いがしたらそこで花魁そっちのけで飯を食う。こういう場所だと、飯も美味いのが多いな。流石に常連にはなりたくないが。

 

「さてさて、宇隨程の男なら気付くと思うが。どうなるかな〜。」

 

ウキウキと肩を揺らしながら、山盛りの天ぷらを頬張るのであった。おいち。

 

 

 

 

 

「あのド派手変態野郎、言いたいことだけ言って消えやがって・・・」

 

クロエネンこと『クロ』が飯に行った後、取り残された宇隨はクロの残した意味深な発言に頭を悩ませていた。あの悪魔は気に入らない所はあるが、無駄な情報を残すほどの無能では無いと踏んでいる。だからこそ、宇隨は奴の言葉の真意を探ろうとしていた。

 

「ありゃ何処にいるか知ってるやつだな。チッ、含みのある言い方するんだったら素直に教えろっての。」

 

答えを知りながらもそれを教えずに人を玩具で遊ぶように揶揄い、楽しんでる人外にぶつくさと言いながらも思考を回していく。

 

「地道に行くってどういうこった。そりゃここじゃ目立つ真似は出来ねぇから地道に行くしかねぇだろうが・・・あん?待てよ?」

 

ここで、派手に冴えた宇隨の頭が疑問を持つ。

 

「表、とも付けてたな。表に出ずに、地道に・・・。()()()()()?」

 

 

それに気が付いた瞬間、宇隨の頭に閃が走った。

 

 

(そうだ、ここは人の出入りが特別多い遊郭。そんなとこを拠点にするのなら、目撃情報があってもおかしくない。だと言うのに少しも手掛かりが無い?違ぇ、見るべき所が違ぇんだ!!)

 

思えば、自分が探っていたのも人々の話や客層、事件の後追いのみ。表層のものばかりを見ていたんじゃ、奥に隠れる真実に辿り着ける筈もない。鬼は、何時だって闇を隔てた先にいるのだ。

 

「考えてみりゃ分かることだったぜ、ここは遊郭。()()()を見てたんじゃ分かるはずもねぇ!見るべきは()だ!つまり・・・!」

 

そこに辿り着けば速かった。即座に炭治郎と伊之助、善逸の所へ向かうが既に善逸は行方不明となっていた。しかし、焦る必要は無い。もし、この考えがあっているのであれば、彼は無事の筈だ。

 

最後に合流した伊之助のいる店、荻本屋に入ると直ぐに屋根裏や壁の中、そして床下を調べさせた。タイミングがいい事に、丁度伊之助が鬼と思わしきモノに接敵していた所だった為、直ぐに話が通り炭治郎と伊之助も迅速に行動してくれた。

 

「確かなんだな!」

 

「ああ!確かに鬼の気配を感じたぜ!ビンビンになぁ!!」

 

「"臭い"も残ってる・・・!確実にさっきまで鬼がいた証拠です!」

 

「ならよし!徹底的に探すぞ!俺の考えが確かなら、手掛かりは必ずある!」

 

そして伊之助が最初に異様な気配を感じた部屋、まきをがいた部屋に行くと天井裏から壁へと何かが()()()跡が残っており、それは店の1階床下に続いていき、ある地点で途絶えていた。

 

そのある地点とは・・・

 

 

「やっぱりあったぜ!!()()()()()がよォッ!!」

 

 

絢爛豪華な遊郭の建物の裏側、とてもでは無いが人間、そして鬼ですら潜むのは難しいそこは人型が多いという先入観から余り探りはしなかったそこを鬼は移動ルートにしていたのだ。正しく()()だろう。

 

「地下!まさか地面の下に道を作ってたなんて!」

 

「目撃情報がねぇはずだぜ!!」

 

これなら、予め掘っておいた地面の穴から建物に潜り込み、誰にも見られることも無く人を捕らえる事が可能。そして目立たないよう捕食も地下で行っているだろう。そうすれば本体は表に居座れるので人が攫われた時のアリバイが出来る。更にそんな事が出来るなら地下を貯蔵庫にしているに違いない。

 

「ハッ!そりゃそうだ!見られたくないなら裏から入るしか無いわなぁ!」

 

宇隨の妻を思う気持ちによって冴えに冴えた頭は、気持ち悪いくらい的を射る思考を叩き出し完全に鬼の思惑を暴き出してしまった。これには流石のクロも苦笑いである。

 

「穴に入る事は出来ねぇ、だがどこかの地下にどデカい空洞が出来てる筈だ!そこを探すぞ!」

 

「はい!!」

 

「待ちな!俺は体中の関節を外せる男!頭さえ入ればどこでも入れるんだぜぇ!ここは俺様に任せな祭りの神ィ!!」

 

そう言ってゴキゴキと全身の関節を外し、心配になるくらいふにゃふにゃになった伊之助は頭から穴に突っ込み、ズルズルとミミズの様に這って行った。

 

「やるじゃねぇか!!空洞についたら派手に暴れろ!そうすれば見つけやすくなる!」

 

「頼んだ伊之助!」

 

「おう!伊之助様に任せろぉ!ガハハハハ!」

 

格上の宇隨に頼られたのが余程嬉しかったのか高笑いしながら穴の中を猪突猛進して行く伊之助。それを見送ると宇隨と炭治郎は直ぐに空洞を探す為に外に飛び出した。

 

「でも、探すといってもどうやって!?臭いを辿るにしても地面の下は流石に分かるかどうか・・・!」

 

そう言う炭治郎の鼻には遊郭全体を包む微弱な鬼の臭いが邪魔をして地下の方の臭いが辿りづらく感じている。それが普通の鬼ならば嗅ぎ分けられただろうが相手は上弦と思わしき鬼。微弱であっても濃度の高いそれは炭治郎の鼻を狂わせるには十分な強さであった。

 

そんな不安げな炭治郎に宇隨は自信満々に返す。

 

「問題ねぇ!大体の予想はつく!何処からも遠からず、満遍なく広げているとなれば場所は一つ!!」

 

炭治郎は頭の中で地図を広げ、最も条件に近しいものを探り、そして見つけ出す。

 

「そうか・・・!遊郭の中心!!」

 

「その通り!急ぐぞ!」

 

「はい!」

 

答えに辿り着いた2人は伊之助に遅れを取らぬよう、遊郭の中心地に向けて更に速度を早めた。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「なはははは!!待ってろ鬼!この嘴平伊之助様がテメェを細切れにしてやるぜぇー!!」

 

その頃、2人に頼られ絶好調となった伊之助は土竜もビックリするほど凄まじい速さで穴を進んでいた。全身の関節を外している為、ぐにゃぐにゃしてて正直ちょっと気持ち悪い。しかもかなりの速度の為更に気持ち悪い。

 

だが、そのおかげで地上の2人よりも速く空洞へと辿り着いた。

 

「お?出口か!?」

 

僅かだが見えた光に向かって突っ込む伊之助。彼の思い通り、それは空洞への出口、いや入口であり勢いそのままボンッと黒ひげ危機一髪のように飛び出した。

 

「ほっ!」

 

穴から出たと同時に体を広げる勢いで全身の関節を嵌める。そして豪快に着地すると直ぐに抜刀し蝋燭で僅かに照らされた空洞全体に響き渡るほど、どデカい笑い声を上げた。

 

「ガハハハ!ここが鬼の隠れ家か!祭りの神の言う通りデケェ空洞があったぜ!」

 

これは大手がらだぜ!流石は俺様!とニヤニヤが止まらない伊之助だったが、直ぐに頭上に広がる異常な光景に気がついた。

 

「あん?んだこりゃ、人間柄の布?いや・・・」

 

そう、彼の真上には何故か人が描かれた帯がズラリとぶら下げられていたのだ。しかも、その帯に描かれた人はまるで生きてるかのようなリアリティがあり、伊之助が触るとほのかに暖かく、脈まで感じ取ることが出来た。つまり、この帯の中にいる人は今も生きているのだ。

 

「この感触、生きてる。成程、この腹巻の中に閉じ込めてやがるのか。それで好きな時に出して食うんだな。」

 

伊之助の頭の中には山の中で見た小さい鼠みたいなやつ*2や、カラスや熊が過ぎっていた。似たような習性を知っていたからこそ、直ぐに目的に気がついたのだろう。

 

そんな帯にどうしたもんかと頭を傾げていると、1本の帯に目がいく。それを見て彼は呆れたようにため息を吐いた。

 

「何してんだこいつ・・・」

 

なんと、その帯には行方不明になっていた善逸がいたのだ。しかも爆睡している。これには思わず殴ってやろうと腕を振りかぶる伊之助だったが、背後から感じた殺気に素早く反応し、一瞬で臨戦態勢に入る。

 

「お前が何してるんだよ、他所様の食料庫に入りやがって。汚い汚いクソ虫が!!」

 

「あ?うお、なんだこのキモ蚯蚓!?」

 

伊之助の前に現れたのは帯に目と口が付いたぶっちゃけ気持ち悪い化け物であった。彼の言うキモ蚯蚓も見た目的にあながち間違いじゃない。しかしそんな罵倒を受けてそいつが激高しないはずも無く。

 

「誰が蚯蚓だクソ虫!!」

 

「ぬお!?」

 

人体ならば容易く切断出来る帯の攻撃を伊之助はその超感覚で即座に回避する。それに追撃を加える帯だが薄暗い地下でも肌から感じる敵の殺意や空気の流れを感じ取り、次々に攻撃を避けていく伊之助。

 

「なははは!すっとろいぜ!欲張って人間取り込み過ぎてとろくなってんだ!」

 

そう言いながら避けながら帯を切り裂き、中に囚われている人達を次々に解放していく。それに舌打ちをしながら軽くなっていく体で次々に攻撃を仕掛けるも、ひょいひょいと避けられてしまう。

 

(クソ!なんなんだこの糞ガキは!勘の鋭さが半端じゃない!どこから攻撃しても即座に反応しやがる!それに本体は何やってるんだ!さっきから()()()()()()()()()()()()!!何が起こってるんだ!!)

 

そうこうしている間にも次々と人質が解放されていき、更に宇隨の嫁であるまきをと須磨も戦闘に参加し始める。

 

「ありがとよ猪頭!おかげで自由になれた!あたし達も加勢する!」

 

「あ!?誰だテメェら!?」

 

「宇隨の妻です!アタシはあんまり戦えないので期待しないで下さい!」

 

「須磨ァ!!弱気なこと言うんじゃない!!」

 

「わーん!だってだって!まきをさん私が味噌っかすなの知ってますよね!?これだけの人達を守りきるのは無茶ですよぉ!!」

 

「だーらっしゃい!口じゃなくて手を動かせ!」

 

「ひーん!」

 

「何なんだアイツら・・・」

 

帯をクナイで壁や地面に縫い付けながらぎゃいぎゃいと喧しく喧嘩する2人を冷めた目で見る伊之助。そんなコントじみた空気だが、殺し合いの場であることは変わらず。帯は次々と攻撃を繰り出し、人質も関係なく蹂躙する。

 

(せめて、何人かでも喰ってしまえば!)

 

そう考えた帯は3人の死角から体を伸ばし、その先にいる人質を喰らおうと襲いかからせた。

 

しかし─────

 

 

「『雷の呼吸 壱の型』」

 

 

 

 

 

 

霹靂一閃 六連

 

 

 

 

 

一瞬、されど6閃。超速無比なその斬撃は空洞の中に広がる帯を瞬く間に斬り裂いた。

 

 

「なぁ・・・・・・っ!?」

 

(なんだ!?今度は何が!?まるで落雷の様な轟音!?誰だ、一体どうやって!?)

 

余りの速さに絶句する帯。慌てて空洞内全域に目を走らせ、その正体を確認する。そして見つけたのは、空洞の天井近く。

 

異常な脚力を持って壁を蹴り、飛び上がりながら目にも止まらぬ斬撃を放っていたのは帯が取り込んだ中で醜い餓鬼。驚異とも何とも思っていなかった黄色い髪の溝鼠。

 

 

 

稲妻の化身、我妻善逸。

 

 

「シィィー・・・!!」

 

 

善逸は空中で体を反転させると、その凄まじい脚力で天井を蹴り再び雷光となって空洞内を駆ける。轟音と()()を鳴らして帯を斬り人質達を救い出すと一箇所に集め、守りやすくして伊之助の隣まで戻ってきた。

 

目を瞑り、鼻提灯を作りながら。

 

「・・・お前ずっと寝てた方がいいんじゃねぇか」

 

とうとう伊之助にまでそう言われてしまった善逸だが、当然彼がそれに反応することは無い。いつものツッコミはなりを潜め剣技に特化した状態の彼は代償として漫才が出来なくなってしまっている。でも普通に会話は出来る。なんでだ。

 

(クソクソクソ!!何なんだあのガキ!?なんて速さしてやがる!いや、それよりも!さっきの轟音、2()()()()()()()()()!?)

 

帯は先程、善逸が出した轟音に重なって聞こえたもう1つの音に気を取られていた。落雷のような音ともう1つ。

 

それはまるで、爆音の様な。

 

 

「まさかッ!!??」

 

 

 

 

ドゴォォォォォンッッ!!!

 

 

 

 

荒々しい爆発音、次いで天井を突き破る眩い火の大輪。土の(そら)を壊して、後ろに射し込む陽の光を背負いながら侵入してくる二つの影。

 

(爆発!?馬鹿な!?地上から地下(ここ)までどうやって・・・!?それに今誰かが・・・!)

 

影が地面に着地すると、土煙が上がりその姿が見えなくなる。未だ分からぬその正体。だが、侵入して来た時に僅かに見えた姿形。それだけ見れば須磨とまきをにとっては十分だった。

 

「あんだぁ!?今度はなんだってんだ!!」

 

「あれは・・・!」

 

 

「チィッ!!太陽の光がッ!クソッタレ!ぶっ殺してや───」

 

 

 

キンッ───────

 

 

 

 

「・・・・・・は?」

 

 

 

 

目にも止まらぬ、所では無い。その一瞬で帯はそう考えた。

 

土煙の中から放たれた斬撃は先の黄色い髪の餓鬼よりも更に、もっと、ずっと、格段に速い。気が付いたら全てが終わっていた。全ての帯が切り裂かれていた。身動き一つする事も出来ずに。

 

バラバラと地面に落ちる帯の一部が、太陽の光に当てられジュウジュウと焼かれていく。そんな事を気にする暇もなく、土煙から出てくる者に帯は全警戒を向けることしか出来なかった。

 

悠々と現れたるはジャラジャラと高価な装飾品を派手に着飾る伊達男。一騎当千の鬼殺隊、その看板たる柱を背負いし偉丈夫。

 

「・・・まきを、須磨。遅れて済まなかったな。」

 

 

"音柱" 宇髄天元 推参

 

 

 

「天元様・・・!」

 

「わーん!天元様ー!!」

 

「おっと」

 

「くぉらぁ須磨ァッ!!あんた戦闘中に邪魔してんじゃないわよ!!」

 

「だってだってぇぇ!!」

 

天元の姿を見た二人は目を潤ませて・・・いや一人は号泣しながら彼に突撃して行く。彼はそんな彼女を抱き止めて、それを見たまきをが彼女を引き剥がしにかかる。そんな隙だらけなやり取りであっても、帯は仕掛ける事が出来ない。それほどまでに柱のプレッシャーは凄まじかった。

 

「伊之助!善逸!無事か!!」

 

「おぉ!お前も来たか紋次郎!」

 

「そっちも大丈夫そうだな」

 

「ああ、善逸・・・善逸?寝てるのか?起きてるのか?」

 

「そんな事よりも、今はあの帯を」

 

「そ、そうだな!!」

 

実は今まで善逸の戦闘状態を直接見た事がない炭治郎はこの状態の彼に若干困惑したが、それを振り切って帯へと向き直る。漆黒の刀身が加護を受けるように陽の光を反射して光っているのを帯は忌々しげに睨み付ける。*3

 

「チッ、これでは形勢不利か・・・仕方ない。人質が惜しいが、一時撤退だ。」

 

そう言うと、焼かれた一部を除いて斬り裂かれた筈の帯達が一斉に動き出し、それぞれ近くにあった穴から逃げ出していく。まるで鼠のように空洞から去っていった帯達を見て、伊之助は怒り心頭に穴に潜り込もうとした。

 

「待てゴラァ!!ぜってぇ逃がさねぇぞ!!」

 

「ほい」

 

「うご!?」

 

関節を外し始める伊之助の頭をぶん殴り、強制的に引き止める宇隨。何の変哲もないただのゲンコツだったが、彼程になるとその範疇では収まらない。地面に頭から突っ込み、巨大なたんこぶを作った伊之助は関節をはめ直しながら宇隨に突っかかった。

 

「テメェ何しやがんだ!」

 

「馬鹿、穴の中で待ち伏せされてたらどうする。そっから追わなくても直接本体を叩けばいい話だ。」

 

ぐるぐるパンチを仕掛ける伊之助の顔面を大きな手で鷲掴み、潰さない程度に潰して悲鳴をあげさせながらそう論する宇隨。言ってる事は正しいが絵面が酷い。そして彼から出た言葉に驚愕する炭治郎。

 

「叩けばいいって、本体の場所が分かるんですか!?」

 

「まぁな、嫁達を助けたくてこっちを優先したが既に検討は付いている。」

 

「なら尚更急いだ方がいいのでは!?このままでは本体に逃げられてしまいます!」

 

直ぐにでもそちらに向かいたいと言う意思をありありと見せながら必死に語る炭治郎に、宇隨はふっ、と軽く笑みをこぼした。

 

「心配すんな、俺達にはもう一人派手にイカれて心強い奴がいる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、京極屋

 

 

 

 

 

「よぉ」

 

 

 

「・・・お前は」

 

 

 

悪魔と鬼が、異形と異形が、恐怖と血の権化が。

 

 

一方が狂気的で猟奇的な笑みを浮かべ、一方が首を傾け下から汚物を見る様な目で睨み付ける。

 

 

「ご指名だぜ?相手してくれよ。蕨姫花魁(ゲロ女)

 

「痴れ者が・・・!」

 

 

サムライソードマンと上弦の陸"堕姫"が、店の廊下で対峙していた。

 

*1
危険なので絶対に真似しないでください

*2
リス

*3
実際にかかってるのは悪魔の加護




鬼滅で好きなキャラは縁壱と炭治郎、煉獄さんです。なぜならかっこいいからです。次点で甘露寺さんです。なぜならエッチで胸が大きいからです。あと胸の大きい隠の人。

エッチなキャラは皆大好き、常識だね?
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