洋館少女の暮らしぶり   作:あるいてごろりと

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エピローグ① ~リサ・トレヴァー~

私の名前はリサ・トレヴァー。

 

父はジョージ・トレヴァーで、母はジェシカ・トレヴァーである。

 

 

14歳を迎えた私は、学校生活や家族との団らんに小さな幸福を感じながら、穏やかに過ごしていた。

 

けれど私達一家は、とある事件に巻き込まれて海外へと行くことになった。

詳しくは教えてくれなかったけど、一家存命の危機に陥るような大事件だったらしい。

 

訪れた地はスペインで、私達を連れて来た執事曰く、「ここは私の生まれの土地なんです。」ですって。

あの日、スペインに初めて来たときにエマ叔母さんが私たちを出迎えてくれた。

私と母は優しく彼女に抱きしめられた。

涙を流して再開を喜んでくれた叔母さんを見ていると、何だか私も泣き出したり嬉しかったりでよく分からなくなってしまった。

父は、職場の人達にペコペコと頭を下げていた。

きっと、彼らも海外に暮らしを移すことになり、それを父が詫びているのだろう。

何で、父が詫びるのかは分からないけれども。

上司らしい人は、父の肩に手を置いていた。

父は感謝の言葉を述べていたので、きっと許してくれたのだろう。

 

 

私は急な暮らしの変化に最初はなれなかったわ。

学校に行っても、道端で会う人も皆笑顔で接してくれるのに私はぶっきらぼうな態度を取ってしまった。

きっと心のどこかで生まれた土地を離れることに不満を感じていたんだと思う。

仕方がないと納得させようとしても、私の心はすぐに馴染んでくれなかったわ。

 

けれど、時間というものは残酷とも聞くけれども私にはいい効果をもたらしてくれた。

少しずつだけれども、その土地で日々を送るごとに明るく陽気な人々といる時間が楽しくなってきた。

ある日学校に行って、「嫌な態度を取ってごめんなさい。」と謝った時にクラスの皆は「いいんだよ。今日から遊んでくれるよね?」と優しい声をかけてくれた。

 

中学卒業まではあっという間だったけども、彼らと過ごした日々と想いを救ってくれた感謝の気持ちを私は忘れない。忘れたくない。

 

高校は進路を考えて、隣町の学校に通うことにした。

同じクラスになった友人とは、休みの日に出かけて服を買ったり、映画を見たりするような仲になった。

彼女と小遣いを出し合って食べたパエリアはとても美味しかった。

 

美術部にも入って絵のコンクールにも参加した。

あまりいい結果ではなかったけれども、自分が描きたいものを描けた満足感の方が大きかった。

ただそれは強がりも入っていて、次は良い結果を残したいと思う自分がいる。

 

 

母は最近、ゴミ出しに行く近所の奥様方との井戸端会議を日課としている。

昨日も笑顔で両手にゴミを抱えて出かけて行った。

エマ叔母さんも近くに住んでいて、その会議に参加しているらしい。

 

父は以前頭を下げた職場の方々と新しい会社を立ち上げたようで、上司は社長となったらしい。

ただ父曰く、その社長は現場に頻繁にくるそうで、「また細かく指摘されるかもな。」なんて苦笑いで言っていた。

私の推測なんだけれども、父はそんな日々を満喫している気がする。

だって、母の話では「昔、現場監督さんと喧嘩していた頃は、朝から足取りが重たく弁当も残していたわ。」と言っていたのだから。

今の父は仕事場に向かう時に、玄関からスキップをしている。

正直いい年なんだからやめて欲しいが・・・。

弁当だって毎回空っぽだ。

 

皆、新しい生活に馴染んで今を楽しんで生きている。

私だってその一人である。

生きていれば何かしらの変化を受け入れなければいけない時はある。

それでも私は、この土地で生活をし、友人と遊び、そして2人の両親と過ごすこの暮らしぶりを少しでも長く楽しんでいたい。

 

 

ある朝、私は自分の部屋で絵を描いていた。

何回も下書きを修正して、ようやく色を塗り始めた段階である。

リビングから母の「朝ごはんの準備ができたわよ。」という声がかかる。

私は返事をして部屋を出る。

 

誰もいなくなった部屋の中央には、完成を待ちわびる一枚のキャンバスがあった。

 

そこには、家族3人が笑顔で描かれていた。

 

 

 




この作品は、元々悲劇の運命に翻弄された少女がもし面白おかしい生活を送れていたら、というコメディ作品にするつもりでした。
ですが、書いている内にもし裏でジョージが奮闘していたら?という話が書きたくなり路線を変更致しました。
そこからは・・・いや、その前からですが矛盾点を何度も発見しては修正するような日々となります。
それと人物名もずっと間違えたままで投稿していたことに今日気づきました。
その名もフェンタニル・ノーチェス。
どこで間違えたかというと、彼が登場した話からすでにマーチェスになっていました。
もはや、ノーチェスって誰?ってレベルでほぼマーチェスでした。

あと、本編でアンブレラ社が設立されたのって、トレヴァ―家が捕まった次の年なんですね。
完全なリサーチ不足ですが、「もしアンブレラ社がもっと早めに出来ていたら?」という設定だと思って頂ければ幸いです。
こればっかりは修正量が半端じゃなくなるので(汗)。

読んで頂いている皆さんには、お手数をおかけして誠に申し訳ありません。
このようなミスを繰り返しながらも一応、エピローグまで書き進めることが出来ました。

トレヴァ―家の話は今回で終わりとなります。
この作品は、他の登場人物で残り2つのエピローグをもってして完結としたいと思います。
拙い文章にも関わらず、ここまで読んでいただいた皆さんには感謝します。
ありがとうございます。
もしよろしければ、最後までお付き合いいただければと思います。
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