リコリス・リコイル/their other story   作:秋乃楓

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30_their other story(終)

翌日からレナは街中をパトロールしていた。朝起きても千束は居ない、店へ出向く必要も無ければ、何処かへ手伝いに行く必要も無い。新たに組んだファーストリコリス、葵衣という人と共に。

 

「浅水レナ、タワーの英雄。そう呼ばれてるの知ってた?」

 

葵衣は首を傾げる。とは言えレナも初めて聞いた

 

「いえ、知らなかったです…初めて聞きました。」

 

「テロリストに対して勇敢に立ち向かい、自身も負傷しながら最後まで戦った。そう言われてる。」

 

葵衣は呟くと立ち止まった。延空木、電波塔。その真ん中寄りに立っているのがクリエイティブタワー。

そこでレナはテロリストらと激戦を繰り広げたのだ。表沙汰にはされ無かったものの、知っている人は知っているらしい。

 

「殺戮人形(キリングドール)…そう呼ぶ人も減ったでしょう?感情を消して、躊躇う事も無い。そして容赦無く敵を殺す……か。」

 

 

「私は当初、人の感情という物が理解出来ませんでした。笑ったり泣いたり怒ったり…それらに意味が有るとは思えなかった。けれど、誰かの為に笑ったり泣いたりする事は勿論、怒ったりするのも大切な事だと気付かされました……。」

 

 

「成程。貴女と組んで何日か経つけど、面白い子だよね…ホント。転属先で何があったか知らないけどさ……。」

 

2人はそんな事を話しながら歩いて行く。すると、怪しい動きをする2人組を見つける。

 

「…浅水、アイツらに警戒して。殺す時は成る可く人混みを避けてね!」

 

葵衣は目付きを変え、歩き始める。

そしてレナもそれに続くと2人を尾行する。やがて、1人の女性へ目を付けた男はナイフを取り出す。それに気付いた葵衣は走り出すと男1人の横から回り込み、彼を路地裏へ突き飛ばすと額へ銃口を押し付けてその場で射殺した。

だが、もう1人は計画に失敗したと悟ると女性の腕を無理やり掴んで走り出す。どうやら誘拐する気らしい。

 

「くそッ……!私に構わず追って、浅水ッ!」

 

葵衣が叫ぶ。そしてレナは返事をすると

男の行方を追う。

 

「くッ……そこで止まれッッ!!」

 

レナはカバンの右側から銃を取り出し、セーフティを外す。そして走りながら銃を構えた。

 

[命、大事に!覚えといてね!]

 

千束の言葉が脳裏を過ぎる。そして男を路地裏へと追い込む。向こうは慌てている様にも見えた。男は逃げきれないと思い、レナの方へ女性を突き飛ばすと塀をよじ登ろうとする。

 

「逃がすかぁッ!」

 

銃声と共に弾が銃口から放たれ、コンクリートの塀に着弾する。それは丁度、男の両足の間だった。

 

「ひ、ひぃいい!?撃つな、撃たないでくれぇえ!!」

 

男は思わず塀を登るのを止める。

そしてレナの方を振り向く

 

「……動かないで。貴方を拘束します」

 

銃を向けたまま、レナは男へ近寄る。だが発砲音と共に男が血を流して蹲った。急所である心臓を射抜かれたらしい。

 

「浅水!…大丈夫?」

 

レナと女性の後ろに居たのは葵衣だった。彼女の銃口からは硝煙が昇っている。

 

「撃ったんですか……何で!?」

 

レナは振り向くと葵衣へ問い詰める。

そして彼女を睨み付けていた。

 

「何でって…貴女が危なそうだったから……それに、向こうだって凶器持ってるかもしれないし…無事で良かったじゃない、この人も貴女も。」

 

葵衣は最もらしい理由を述べる。確かに男が凶器を持っている可能性は有った。だが、レナは納得が行かない。

 

「ッ……この人は武器を持ってませんでした!!威嚇射撃だけで私が止めるだけで良かった…なのに、射殺する必要は無かったでしょう!?」

 

レナは更に食って掛る。だが葵衣はカッとなり、レナの胸倉を掴むと彼女の右頬を拳で殴り飛ばした。

 

「タワーの英雄だか何だか知らないけどさ……何なの!?私のやり方に口出しして!!私達リコリスは、敵と認識した存在を排除して国を守る為に居るの!!不殺を掲げるヒーローごっこをしてる訳じゃ無い!セカンドの癖に……偉そうに私に指図するなッッ!!」

 

葵衣は吐き捨てる様に告げると女性を連れてその場を去った。レナは身体を起こすと殴られた頬を擦る。唇を切ったらしく、血が手の甲に付いた。

 

「私は…間違ってなんかない。どうして…どうして解ってくれないの……?」

 

路地裏を出て歩き出すと、雨が降り始める。通りを行き交う人達は突然降り出した雨の中を走っていた。

レナは雨に濡れながら1人で街を歩く。

自分も不殺を掲げてみたが誰からも理解されず、受け入れられない。

 

国の敵を倒す事が治安維持に繋がるのなら、犯罪を起こした彼等はどうなる?殺されれば家族や友達、恋人といった人達とは二度と会えなくなる。

 

「私には無理だ……今までみたいに平気で人を殺せない。それ所か同情や情けまで掛けてしまっている。私は組織の望むリコリスの姿じゃない……。」

 

ずぶ濡れになりながら、橋の下へ辿り着くと座り込む。黒く長い髪はびっしょり濡れ、制服も色が変わる位に濡れてしまった。考えれば考える程、苦しくなる。だが考えられずにはいられない。

 

「おーい、そんな所に居ると風邪引くぞ?キミ、セカンドでしょ?相方は?まさか迷子?」

 

聞き覚えの有る声がすると咄嗟に振り向く。そこに居たのは傘を持った千束だった。

 

「千束…さん…?」

 

レナは千束の方を見る。

 

「え、レナ?やっぱりレナだ!どったの、こんな所で。あーあ、こんなに濡れちゃって……どしたぁ?口も切れてるぞ?んん?こーんな可愛い顔にパンチした輩が居るな…許せん!全く!」

 

駆け寄ると千束はレナを見下ろす。

持っていた傘を畳むと隣へ腰掛けた。彼女の口元を少しハンカチで拭いてやる。

そしてレナは千束へ事情を説明した。

 

「そりゃあ向こうが悪いよ。レナはちゃんと私との約束守っただけのにさぁ……だからレナが凹む事は無いよ?敵だと思ったら直ぐ殺そうとするんだもん、あーいうの好きじゃないなぁ私。」

 

タオルでレナの髪を拭いてやりながら、うんうんと千束は呟く。

 

「私…帰りたいです、千束さん達の居る場所に。私はもう誰も殺せない……殺したくない……。」

 

声を絞り出し、震えるように呟く。下手をすれば泣いてしまうかもしれない

千束はレナを抱き寄せると背中を摩った。

 

「気持ちは解るよ、痛いくらいに。でも今のレナの居場所はDA……やっと戻れたのに本当にそれで良いの?」

 

「ッ…それは……。」

 

「もう少し頑張ってみたら?それで嫌なら帰ってくれば良い。待ってるよ?いつでも♪」

 

千束はそれだけをレナへ伝えた。

一旦離れ、カバンから何かを取り出すと彼女へ手渡す。

 

「…これ、先生が渡しそびれたって言っててさぁ?レナの専用マガジン。私が使ってるのと同じゴム弾が入ってる!コスパ下げてるから少し扱いにくいけど……大丈夫だよね?」

 

レナは受け取るとカバンへとしまった。

 

「ありがとうございます、何から何までお世話になりっぱなしで……。」

 

千束の方を見るとレナは頭を下げる。

そして千束は立ち上がると背伸びをした。

 

「それじゃ、またね。誰かに文句を言われても、バカにされても…貫き通せよ?目指せ、2人目の私!」

 

ポンポンと肩を叩くと千束は手を振りながら帰って行った。そしてレナも同じ様に立ち上がると千束の向かった方へ頭を下げ、少ししてから別の方向へと歩いて行った。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

千束と最後にあったあの日から数ヶ月後。

気が付けば季節はもう夏の終わり頃で

街路樹も少しずつ色が変わり始めていた。街中を行き交う人々も少しずつ半袖から長袖へ切り替わったり、コートを着用する人も少なからず出始めた。

今日も誰も知らない所で犯罪の根を刈り取る者たちが動いている。全ては国の治安維持の為、そして人々を犯罪から守る為。犯罪者を消して消して最後にはその存在も出来事も無かった事にする。それが彼女達、リコリスの役目。

 

事件の後、紫髪の少女は夢を見つけた。あの日、自分の手を掴んで闇から引き摺り出してくれたから。その夢は少しでも多く、誰かの為に動く事。子供達が銃やナイフといった武器を握らなくて済む様な世界にする。自分の様な存在をこれ以上、生み出さない為。

 

自らの手で国を裁こうとした男の行方は未だに知らない。男は血の繋がらない自分の妹へ対し、自身の憎しみをありったけぶつけた。それでも彼女には勝てなかった。

法の目を掻い潜りながら男は自分の答えを探す。それがどんな形であろうとも…。

 

犯罪に加担したイルカの男。彼はどうなったのだろうか?不正アクセスが発覚した事から彼と、彼の仲間達は全員逮捕。更にイルカの男が運営していたサイトは閉鎖され、結果的には何も残らなかった。だがそれは未だ氷山の一角、いつまた似た様なサイトが立つかは誰にも分からない。

 

人の数だけ物語は存在する。それが果たしてどの様な結末を迎えるのか?

それはその人自身にしか解らない。

自分の手で切り開いて行かなければならない。誰にも自分自身という存在の代わりは務まらないのだから。

 

だからこそ、進んで行くしかない。

進む先にどれ程の困難が待ち受けようとも決して諦めない事。例え今は理解されなくても、いつかは理解して貰える人が何処かに必ずいるから。

 

そして彼女は今日も戦い続ける。街の安全と国の治安を脅かす存在を対処する為に

 

「えっと……私は浅水レナと言います。

階級はセカンドです。嘗て私は自分の失態で、とある場所に転属になりました。そこで私はファーストリコリスの方と、自分と同じセカンドリコリスの2人に会いました。そこで私が2人から教わった事…1つは自分の命を大事にする事。もう1つは敵だろうと相手の命を理不尽に奪わない事。この、命を大事にという考え方は今でもずっと私の中に残っています…だから、皆さんも覚えておいて下さいね。命は大事……ですから。」

 

その日、レナはサードリコリスになったばかりの少女達への特別講習という形で教室に居た。そして一通り、話を終えるとレナは教室を後にした。

 

長かった髪も何処かのリコリスと同じで肩くらい迄の長さに切り揃えていた。

 

「何故、私がこんな事を……スピーチなら百合さんでも良かったのに。」

 

ぶつぶつ言いながら廊下を歩く。

そしてノックすると執務室へ入る

 

「…浅水です、失礼します。」

 

部屋には楠木の他に秘書の人が1名。

振り返ると此方を見ている

 

「ご苦労だったな。急で悪いが、お前に特別な任務を与える。」

 

「特別な任務……ですか?」

 

「…今から空港へ向かい、島へ飛行機で向かって欲しい。そしてこの書類をあるリコリスへ渡して来い。消息を絶ってから連絡が途絶えていてな……。」

 

楠木が秘書へ目で合図すると書類とチケットを渡して来る。

 

「行先は…え?でも此処って……。」

 

レナはチケットに記載されている行先を確認する。そこには[東京→沖縄]と記載されている。

 

「頼んだぞ。説明は以上、作戦へ掛かれ。」

 

楠木はそう言い残すと

レナへ部屋から出る様に促す。そして疑問を抱いたままレナは部屋を出た。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

東京から沖縄まで飛行機で約3時間。

レナは半袖を着たまま空港の外へ出た。もう季節は秋なのに外は蒸し暑い。

 

「暑い…そして此処が沖縄。それにしても、リコリスが何でこんな所に?」

 

空は青く澄んでいる。レナは空港へ来ていた車へ乗ると目的地へ向かった。そして暫く走った後に車が止まり、再び外へ出る。目の前には森が拡がっていた。

 

「此処に消えたリコリスが…ッ!」

 

レナはカバンから銃を引き抜き、森の中へ進む。すると2人組の声が聞こえる。仲良く喋っているのか?はたまた誘拐した側と仲良くなったのか?何れにせよ助け出す事には変わりは無い。

一定の距離を保つと自分のタイミングで前へ飛び出す。

 

レナは一発向こうへ撃つが弾を避けられ、相手側も発砲する。二人は森の中を動きながら互いに撃ち合いう形になる。

すると今度は別方向から発砲され、レナはカバンでそれを防ぐ。

 

「相手は2人……!それならッッ!!」

 

草木の中へ身を屈め、カバンの中からスタングレネードを取り出す。そしてピンを抜き、それを投げ捨てた。突如、凄まじい音や閃光が発せられる。向こうから悲鳴が聞こえ、レナは飛び出すと怯んでいる1人の方へ向かう。

 

「その場から動かないで!」

 

レナは銃を突き付ける…が、そこに居たのは予想外の人物だった

 

「なぁにぃ、もう…めっちゃ耳キンキンするし、目がチカチカするしぃ……ってあれ?レナじゃん?何でここに?」

 

聞き覚えの有る声がする。半袖と短パンといったラフな格好をした千束だった。

 

「え…?千束……さん?それじゃあ向こうの人は…?」

 

思わず振り向くと同じく耳を抑えながらたきなが出て来る。

 

「千束、やられました…フラッシュバンです。位置も距離も的確で……って何故此処にレナが?」

 

3人はその場に集まると固まっていた

そして諸々の事情を話す事に。

 

「なぁーるほど、それでこっちに飛んで来たんだぁ?つーことは楠木さんにバレてんな…前にも同じ様にしてたからさぁ……。」

 

浜辺へ座り込むと千束は背伸びをする。

 

「それと…これ、千束さんへ渡してくれって言ってました。」

 

レナはカバンから書類を取り出し、彼女へ手渡す。

 

「千束、これって……。」

 

「あー、間違いないね。」

 

千束と、たきなは揃って書類を見つめる。そしてレナの方へ向く。

 

「……セカンドリコリス、浅水レナ。本日をもって転属を命ずる!だってさ!」

 

千束が読み上げるとレナは驚いた顔で見ていた。

 

「転属って、此処にですか!?沖縄ですよ!?」

 

辺りを見回す。そこは美しい海のある浜辺の他に森林といった大自然しか無い。後は古民家が建ち並んでいる。

 

「ちょいちょい、落ち着けって。転属先って私達の所にでしょ?多分…。」

 

千束はたきなと共に、んー?と顔をしかめながら書類を見つめていた。

 

「恐らく、そうでしょう? 沖縄支部とか有るんですかね?DAって……。」

 

「あ、そうだ!チケット!チケット見せてみ!」

 

千束はレナへチケットを見せる様に促す。そしてレナはポケットから飛行機のチケットを取り出すと手渡した。

 

「あー、やっぱ片道になってる!!じゃあ帰って来るなって事かぁ……。」

 

事情を察した2人は頷くと微笑んでいた。

 

「私、何も変な事してませんけど……?」

 

レナはガックリと肩を落とした。

それもそのハズ、転属となる理由が何処にも見当たらない。

 

「錦木千束の真似をする子は本部に置いて置けない的な?」

 

千束は首を傾げると呟く。

確かに、レナは事ある度に非殺傷弾と体術を駆使して組み伏せて敵を確保していた。本来なら殺してしまうのを態々、その様にして捕まえている。

思い当たるのはそれくらいだ。

 

「確かに、噂程度に聞いた事は有りましたね。もう1人、千束と同じで変わったリコリスが居るって…まさか貴女だったとは。しかも髪型も千束っぽいし……千束、ちゃんと事情を説明して下さい…解りやすく、簡潔にお願いしますね。」

 

たきなは笑顔でじーっと千束を見ている。

いつの間にそんな事になっていたのか知らなかったらしい。

 

「だ、だ、だってさぁ、仕方ないじゃん!?弾だって用意するの大変だったし、後お店忙しくて話すタイミング無かったしぃ…許しておくれよぅ。あ、やっべ……!」

 

 

「弾?レナ、マガジンを。」

 

たきなは手で合図するとレナへマガジンを見せる様に要求する。そしてレナはカバンからマガジンを取り出し、彼女へ渡した。

 

「青いゴム弾…成程。道理でお店の資金がカツカツな訳です……!」

 

「でもさぁ、レナ頑張ってるじゃん?そこは許して欲しいなー?千束さんの顔に免じてさー……!」

 

両手を擦りながら、千束はたきなを見ている。そして一息つくと話し出した。

 

「千束、後でお話が有ります!」

 

たきなはニコニコしながら微笑んでいる。声色が何処か怖い

 

「ひ、ひゃい…!」

 

千束は恐る恐る頷く。

今度はくるりとレナの方を向いた

 

「それは兎も角として、お帰りなさい。とは言え、最後に会った時より髪が短くなったのは気になりますけど……。」

 

たきなはレナの手を握る。

そして同じ様に彼女も握り返した。

 

「まさかマジで帰って来るなんてなぁ。私と同じ位に髪も切っちゃって……けど、若干私より長いのかぁ。」

 

「ダメですか?長いと動いた時にちょっと邪魔だったので、思い切って切りました。」

 

彼女のトレードマークでもある腰近くまであった長い黒髪はバッサリと肩辺りの長さまで切ってしまった。

 

「良いけどさぁー、私の楽しみが1つ減っちゃった…でもまぁ、それも良いかぁ。伸びたらまた結んであげれば良いし!うひひひ!!お帰りぃ、レナぁあ!」

 

がばっと千束は2人目掛けて抱き着く。そして3人は互いに笑いあっていた。

日が暮れる迄、遊んだり話したりと有意義な時間を過ごした。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

2人と出会い、それぞれに手を引かれた少女は歩き出した。自分が知らなかった世界へ。自分の生まれや境遇で誰に何を言われたとしても彼女は自分の生き方を曲げる事は無いだろう。操り人形の様に誰かに指示されて動くのでは無く、明確な自分自身の意思と決断で。

 

初めて2人に会ったあの日、彼女は当初自分の生き方や考え方に疑念を抱かなかった。それが正しいと信じていたから。

でも、今になって解るのは他にも選択肢が存在している事。それを手に取るか、取らないかは全て自分が決める事。

それも彼女達が自分へ教えてくれた。

 

だからこそ私は生きようと思う。

誰かに示された答えや生き方よりも自分で見つけた道を真っ直ぐ歩いて行きたい。そう決めたから。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「お前らー、仕事だってさ。ミカが呼んでるぞー」

 

クルミが遠くから手を振る。レナは合流した時に気付いたのだが、いつの間にか店は移動式の車になっていた。千束の話によると、どうやら移動式の店舗を持っているらしい。そして3人は身支度を整えてから現場へと向かった。

 

 

「さぁーて、行きますかぁ!今日も死なない程度に悪党をぶっ飛ばす!」

 

「千束、いつにも増して元気ですね。あと無茶しないで下さいよ?」

 

「私が2人をカバーします。背中は任せて下さい!」

 

 

「おう!頼んだ!いやぁ、頼もしい相棒がもう1人増えたー!嬉しい嬉しい!ありがとなぁ、2人とも!」

 

「嬉しいのは解りましたけど、そろそろ着きますよ?あまり騒ぐとバレます、静かにして下さい。」

 

ニコニコしながら歩く千束を前に、たきなが前方を指さす。そして3人は手筈通りの配置に付いた。

 

「うひひ、そんじゃあ行くぞー!!」

 

千束は2人へそう伝えると3人は突入。建物の内部では銃声や叫び声が響き渡った。

 

日本の治安維持の為に犯罪と戦う存在、彼女達の名前はリコリス。年端のいかない少女達で構成されている。

 

ーこの物語はリコリスの中の1人、浅水レナが錦木千束、井ノ上たきなを始めとする仲間達を通して自分の生き方や存在の意味を知り、苦難を乗り越えて成長していく物語。ー

 

 

END

 




此方で最終回になります!
ここまで読んで下さりありがとうございました!
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