ゴッド・オブ・ウォー《オラリオ》   作:スパルタ人

13 / 15


八か月近くもお待たせして誠に申し訳ありませんでした。

リリ編、第四話です。
文字数が過去最多の一万三千です。時間がある時に読んでいただければ。



器は潰えど、魂は不滅(シース・オブ・イングリッド)

 

 その日、ヘスティアは珍しくヘファイストスに呼び出されていた。

 

「ベル君に専属鍛冶師を?」

 

「ええそうよ。それもうちの子達の中から一人」

 

 オラリオの一角に構えられた【ヘファイストス・ファミリア】の店舗内にあるこの神室は、少し前にヘスティアがヘファイストスに、ベルのために《炉神の双剣(ブレイズ・オブ・へスティア)》を打ってくれと懇願した現場でもある。

 事務机に腰掛けた赤髪の女神は、さらに言葉を続けた。

 

「あの双剣は一般の鍛冶師の手に余るものよ。だからきちんと手入れするなら、あれと性質の近い『魔剣』に精通した鍛冶師の方がいいわ」

 

 鍛冶神であるヘファイストスの眷族には、ハーフドワーフの団長の椿・コルブランドを始め、魔剣を打つことのできる上級鍛冶師(ハイ・スミス)が数多く在籍している。

 その中には魔剣を打つことに特別秀でた、とある一族の青年もいるのだが――きっと、魔剣の腕目当てだと思われて意地を張られ、取り次ぐのは難しいだろうとヘファイストスは半ば諦めていた。

 

「なるほど。だから君のとこの鍛冶師と直接契約を結ぼう、ってことだね?」

 

 対してヘスティアにとってもこの提案は渡りに船だった。専属鍛冶師がつく事は冒険者としてもメリットは多い。オーダーメイドで作ってもらう事で、既製品より自分にあった武器や武具を身につける事が出来るからだ。

 何よりヘスティアもベルの「英雄になる」という願いの助けになるなら断る理由はないし、『神匠』の眷族ならばその腕を疑う余地もない。

 

「でも、あの剣ってそもそも手入れとかいるのかい? 天界でボクが見たときも素人目でも分かるくらいボロボロだったけど、お構いなしに神とか魔獣とか斬り捨てまくってただろ、あいつ(クレイトス)は」

 

「素手で巨人を縊り殺せる奴と比べないでよ。神創武器を素材にしたってだけで、《ブレイズ・オブ・へスティア》も錆びれば鈍るし基本的な手入れはいるの。それにしてもあれだけやけに扱いが雑だった気がするけど」

 

 神創武器と言えば神々にとってシンボル的な存在であるはずなのだが、クレイトスが神殺しに使う《ブレイズ・オブ・カオス》の扱いは、もう一つの神創武器である《リヴァイアサン》とは反対に、雑の一言に尽きた。

 ヘスティアの言う通り何千年と碌な手入れされていなかったのは見るに明らかだったし、ある戦いの後、血脂を洗い流すために双剣を神殿の外壁で雨風に晒しまくっていたのを目にした時は、流石のヘファイストスも鍛冶神として苦言を呈したほどだ。

 

 なんなら破壊されると決まった時のクレイトスの顔も珍しくどこか晴れ晴れとしていたような気もするし、後生大切にしていたようだった《リヴァイアサン》との扱いの差は歴然だった。

 一体過去に何があったのかと思いもしたが、結局その後鉄塊と化した《ブレイズ・オブ・カオス》も、どういう経緯か下界に追放されたクレイトスの後を追うように手元に戻ってきたのを鑑みるに、あの剣が相当に深い業を宿している事は明白だった。

 

「それに、まかり間違って私達以外の神々が双剣の素材に気づいて、そこからあなたの子とクレイトスの関係まで探られることになったら大変でしょう?」

 

「あー…………」

 

 ヘファイストスの言葉にヘスティアは納得したような声を出す。

 自身の唯一の眷族であるベル・クラネルが背中に差す双剣の原型があの戦神クレイトスの《ブレイズ・オブ・カオス》である事、そしてベルが義理とはいえクレイトスの孫である事を知る者は、この場を除けば誰一柱としていないとヘスティアは思っている。

 ついでに、ガネーシャ・ファミリアの『神の宴』で意味深な事を言い残したロキも、あれ以降は特に何の接触も無い事も記しておく。

 

「神々がその子に害意を向けるような事は無いでしょうけど、確実に何らかの厄介事は起こるでしょうしね」

 

「公言すれば効果的な悪神避けにはなるんだろうけどねぇ……」

 

 神々――特にオリンポス出身の――は決して口には出さないものの、下界で広く強く信奉されているクレイトスを極端に恐れる傾向がある。

 口に出さないのは下界への神々の威光がどうだとか下らない理由だとヘスティアは思うが、天界で『おいた』をして実際に痛い目を見た邪神悪神未満の神の中には、その名を耳にするだけで心的外傷後ストレス障害(PTSD)を起こす者もいるくらいだ。

 

 もしベル・クラネルがクレイトスと祖父孫の関係であるとバレれば、きっと下界に住む神々の間で大混乱が起こる。

 実際、七年前の『大抗争』後に闇派閥の悪神達が『仲間割れ』で軒並み送還した事件でも、千年以上前に下界で死んだと思われていたクレイトスが乗り込んで来たのでは、という噂レベルの『ガセ』でも神々が普段の調子を忘れて恐慌に陥った程だ。

 

(あの時はヘルメスが『ガセ』だったって言って落ち着かせてたけど、もしかしてあの時は本当に…………?創設神(ウラノス)は何か知っているのかしら?)

 

 悪神殺しにしても、天界での復讐にしても、ヘファイストスには今更に感じられた。

 殺戮を楽しむような性分でも無いし、これまでを考えると下界に不利益となる行為をわざわざするような神でもない。

 仮に、あのヘルメスの言った『ガセ』が事実だったとして、クレイトスにはあの時オラリオに来ざるを得ない理由があったのではないか。

 

 何にせよいずれも、本神の口から聞かない限り想像の域を出ない。

 それよりも今は《ブレイズ・オブ・へスティア》をあてがわれるに足る鍛冶師を選抜するのに集中するため、ヘファイストスは思考を切り替えるのだった。

 

「とにかく、あの剣は基本的にウチで預かることにするから。適当な子が見つかったらそっちにも伝えるわ」

 

「うん、分かった。よろしく頼むよ」

 

 

 Ω

 

 

「では、ベルさんの10階層スピード攻略を祝って、かんぱーいっ!!」

 

「乾杯っ、です!」

 

「乾杯……と、ありがとうございます」

 

『豊穣の女主人』の一角の大テーブル。

 その卓を囲んで嬉々とした顔で音頭を取るシルさんと目を輝かせるリリに対して、主役に据えられた僕はやや控えめにグラスを掲げる。

 すると、看板娘の少女は不満ありありとした顔をした。

 

「もう、ベルさん。せっかくのお祝いなんですから」

 

「そうですよベル様! たった三日間で、しかもほぼソロで10階層を攻略するなんて普通に考えてとんでもない事なんですから!」

 

 シルさんに続くように「ダンジョンはそんなサクサク攻略できる所じゃありません」と、早速皿の料理を栗鼠のように口に詰め込むリリ。

 食べ物で頬をパンパンに膨らませる彼女を見て思わず吹き出してしまうと、きっと威嚇する小動物じみた視線を向けられる。

 

「ごめんごめん。でも、10階層を攻略できたのはリリがいてくれたからだよ。モンスターと闘ってる僕を後ろからずっとバリスタで援護してくれたりしてたじゃないか」

 

「援護する前に倒されてしまう方が多いですけどねー」

 

 完全に不貞腐れてしまったリリに、僕はあははと乾いた笑いを漏らすしかなかった。

 

「リリに助けられているのは本当だよ。僕と組んでくれてありがとう、リリ」

 

「……まぁ、ベル様がそこまで仰るのでしたら、そういう事にしておきましょう!」

 

 改まって僕が感謝を伝えると、リリは頭部の耳をピコピコと動かした。

 初めて会った日の、『サポーター』と『冒険者』の枠組みに囚われていた関係に比べると、だいぶ打ち解けられたと僕は思う。

 すると、今度はシルさんが口を開いた。

 

「ベルさんは相変わらず謙虚ですね。けど、それも過ぎるとかえって毒ですよ? こんな席では少しは羽目を外さないと」

 

「けど、こんな席を用意してくれて、しかも料理までタダなんてミアさんたちに申し訳なくて……」

 

 昼食のバケット返すついでに今日の探索で10階層を攻略した事をシルさんに話した途端、目を輝かせて店の奥に消えたかと思いきや、人手を使って特設で今座っている席を用意してくれたのだ。しかも料理は全てタダという信じられない厚遇っぷり。

 

「せめて代金だけでも」と女将のミアさんに掛け合ったが「いいからとっときな」とカウンターで一蹴されるし、いつのまにかシルさんが同席することになって僕の祝勝会みたいになっているしで。

 

 なんで僕にここまでしてくれるのか、思い切ってシルさんに聞いてみると。

 

「お祝いをしたいのもそうですけど……。怪物祭の時に体を張ってモンスターから私を助けてくれたお礼が、まだちゃんとできてなかったので」

 

「そんな、お礼だなんて……」

 

「ふふ。あの時のベルさん、とっても格好良かったですよ? ミアお母さんもお礼がしたいと思うので、楽しんで行ってください」

 

 何故か嬉しそうに頬を染めるシルさんに微笑まれ、僕も申し訳無さとそれ以外で思わず頬を赤くする。

『ダイダロス通り』での事をまだ覚えていたのに驚いたが、思い返せば返すほどかなり恥ずかしい事を言っていた気がする。

 そして「むぅ〜〜」と何故か唸り声をあげるリリからのジト目と、羞恥に耐えきれなくなった僕は、強引に話題の転換を測った。

 

「そ、そう言えば最近、リューさん達を見かけませんね? どうかしたんですか?」

 

「リュー達は18階層から帰って来てから、ファミリアの仕事で忙しいらしくて中々来れないんです。本当はあっちが本業なんですけどね?」

 

「……そもそも、二大派閥に次ぐファミリアの幹部を居酒屋で働かせている時点でおかしいんですけど?」

 

 余りにも当たり前の光景だったので忘れかけていたが、リリの言う通りだった。

 十人程度の女性のみで構成され、都市の治安維持が主な活動であるアストレア・ファミリアは戦力ではロキ・Fとフレイヤ・Fに劣ると言われがちだが、構成員のステイタスは総じてLV.3以上と実力派ぞろいには変わりない。

 しかも神様曰く「超が付くほどまとも」な女神のアストレア様が主神を務めているだけあって、何かと騒動や問題を起こす両派閥と違って、市民からの信頼度と人気も高い。

 そのため中にはこの店で従業員服で働く、見目麗しい彼女たちを目当てに通う男性客もいるらしい。最も、彼女たちに何か粗相をすればひとたまりもないだろうが。

 

「それも見越してリューさんたちを雇ったのだとしたら、ミアさん凄いよなぁ。……原因になったらしいアリーゼさんは全然来てないみたいだけど」

 

 完全に余談だが、後でリューさんに聞いたところ、アリーゼさんも一度『豊穣の女主人』で働かされたらしいが、その時ミアさんから「あんたは二度と台所に足を踏み入れるんじゃないよ!」と言われ、一日で追い出されたそうだ。

「あんなに落ち込んだ団長(アリーゼ)の姿は初めてでした」とは、リューさんの言葉である。

 

 

 空の色がうっすらと暗くなりだし、夜が近づいてきたところで、長いようで短かった僕たちの宴も終わりを迎えた。

 店の前で別れたリリの姿を消えるまで見送り終えると、背後からシルさんが声をかけてきた。

 

「ベルさん、明日もリリさんとダンジョンに行かれるんですか?」

 

「あ、実はそのことなんですが……」

 

 僕は今日のダンジョンでリリに言われた事を思い返す。

 

『普通に考えて一週間潜りっぱなしとかベル様おかしいですからね。いや絶好調なのはいいですけど、身体が疲れを感じないくらいハイになっているだけかも知れません。ダンジョンの中で急にぶっ倒れられたらリリの命にも関わるので、明日は身体を休めて下さい。ていうかリリが休みたいです』

 

 僕が積み上げたオークの死骸の山から全て魔石を抜き取り終えてから早口で捲し立てるリリの目は死んでいた。

 無事に休みを勝ち取ったリリが魔石でパンパンになったバックパックを背負ったまま浮足で歩くのを見て、相当疲れていたんだなと僕はとても申し訳ない気持ちになった。

 すると、それを聞いたシルさんは思わずといった風に吹き出した。

 

「フフフ。すみません、お二人ともいいコンビだなぁって。でも良かったです、ベルさんの事を案じてくれる人が見つかって」

 

「はい。僕も初めて組んだ人がリリで良かったです」

 

 これは嘘偽りのない本心だ。色々問題を抱えている他派閥の団員とはいえ、リリのようなサポーターは決して多くはないはず。

 僕は幸運に恵まれているのだろう。

 

「リリの言う通り、明日はゆっくり休むつもりです。でも、急に休みができたんで、何をすればいいのか分からなくて……」

 

「なら、気分転換に読書はいかがですか?」

 

「読書、ですか?」

 

 なるほど、確かに外に出ず時間を潰す方法として打ってつけだ。

 妙案と思った僕はシルさんの意見を採用したが、はてどのような本を読もうか。

 ホームにある神様の本か、いっそミーミルさんの書店にでも行って面白そうな本でも買おうかなんて考えていると、シルさんは「でしたら」と店の中に戻って壁に立てかけてあった『翡翠色の本』を取ってきた。

 

「これなんてお読みなってみませんか?」

 

「えっ、でもこの本、他のお客さんが忘れていったものじゃあ……」

 

「ちゃんと返して頂ければ問題ありません。本は読んだからと言って減るものじゃないですし。それにこれはきっと冒険者様の本ですから、ベルさんのお役に立つことが載っているかも」

 

 確かに減るもんじゃないが、さすがに人のものに勝手に手垢を着けるのは憚られる。

 ダンジョン内での危機的状況下でやむを得ず他の冒険者の死体を漁ってしまうのならともかく、本の持ち主の冒険者が取りに戻ってきた場合はトラブルになる恐れがある。

 そうやって僕が躊躇していると。

 

「ミアお母さんもこの本をお店に置いておきたくないみたいで、むしろ私たちが助かるくらいです。………それに、私もベルさんの力になりたいかな、なんて………」

 

「………」

 

「私にはこんなことしか出来ませんから。ベルさん、どうか受け取ってくれませんか?」

 

 頬を染め、おずおずといった風にシルさんは言う。

 反則だ、こんなの、断った方が悪者みたいだ。

 くすぐったいシルさんの心遣いを邪険にしたくない僕は、結局その本を受け取ることにした。

 

「ありがとうございます。読み終わったら返しに来ますので、もし持ち主が取りに来たら僕が持って行ったって話して下さい。食事、ご馳走様でした」

 

「ふふふ、はい。ご来店ありがとうございました」

 

 まぁ、御爺上も「取りに来ない方が悪い」なんて言いつつ、装飾品とか山中で死んだ人が大事そうに持ってた物は使わずに持ち帰ってたし。

 これもちゃんと返せば大丈夫だよね?

 

 そんな言い訳を心の中で考えつつ、本を受け取った僕はホームへの夜道を歩いて帰ったのだった。

 

 

 Ω

 

 

 翌日。

 神様がアルバイトに出ていった後、ホームのソファに座った僕は昨日シルさんから借りた本を手に取り、何も書かれていない表紙をめくった。

 

「なんだこれ? どこの文字だろう……」

 

 最初のページにはタイトルらしき文が書かれていたが、構成される文字は共通語(コイネー)でもどの亜人の言語でも無いものだった。

 当然、僕には何が書かれているか読めない。

 どことなく形は共通語(コイネー)に似てる気もするが、はてどこの文字だろうか。

 

「いや、でもこれどこかで見たぞ……」

 

 確か御爺上が実家の近くの林に植えた樹木に掘っていた文字も、こんな形だった気がする。他にもよく見れば見覚えのある形の文字があったし、もしかすれば御爺上の故郷から流れて来た本だったりするのだろうか。

 だとしたら、すごく気になる。

 僕はとりあえず次のページを捲った。

 

「あ――――」

 

 直後に僕が覚えたのは、本の中へと意識が落ちていくような感覚だった。

 

 

 Ω

 

 

 暗闇の中、最初に見えてきたのは黄金色(ごかねいろ)の光だった。

 

 まるで夜空の箒星のようにあたりを照らす頭上の光から、呼び声のようなものが聞こえてくる。

 

 ――呼んでいる。

 

 鈴が鳴るような神秘的な音と共に。

 

 星のような粒子が瞬きながら。

 

 音を発しながら目の前で形を成していく。

 

 それは最初は光が固まったものから、くっきりと輪郭を表していく。

 

 ――僕を、呼んでいる。

 

 それは喜びと寂しさが入り混じったような。

 

 だから僕は、手を伸ばして、掴んで。

 

 それを引き抜いた。

 

 ――『ありがとう』。

 

 どこかから、そう聞こえた気がした。

 

 

 Ω

 

 

「はは、本を開いたままソファで寝落ちするなんて、ベル君も可愛いところがあるねぇ」

 

「か、可愛いって……からかわないでくださいよ、もう……」

 

 そういって愉快そうに笑う神様に、僕は赤面する。

 ソファでシルさんから借りた本を開いたまま眠りについた僕は、バイトから帰ってきた神様に揺り起こされるまで夢の世界に旅立っていた。

 教会の隠し部屋の時計を見ると、短い針が夜の七時を指している。つまり一日の半分近くを寝て過ごしたのだ。

 

「せっかくの休日なのに……勿体ないことしたなぁ」

 

「休日の本質は体を休めることにあるんだよ? 特にここのところダンジョンに潜りっぱなしだった君は気づいてないだけで相当疲れがたまってるはずさ」

 

「うーーーーーん。でも、なんだか頭がすっきりしないような……」

 

 眠っている最中に何か夢を見ていた気もする。

 だが記憶はまるで白昼夢にあったかのようにあやふやで。残っているのは寝ている最中に何かを力強く引き抜いたような手の感覚だけだった。

 

 枕にしていた本の方を見ても、最後のページまで読み終わっていたにも関わらず、その内容は全く僕の記憶にない。

 

 まぁ、後で読み返せばきっと思い出すだろう。

 本のことを頭の片隅に追いやり、僕は神様との慎ましい夕食を済ませた後、日課であるステイタス更新のために上半身裸で寝台に仰向けになった。

 

「そういえばベル君、そろそろ君も専属の鍛冶師が欲しくなる頃じゃないかい?」

 

「せ、専属鍛冶師って、新人の僕には早すぎますよ!」

 

 突然そんなことを言われた僕は驚いてしまう。

 そりゃ、こんな僕の専属鍛冶師になってくれる人がいるなら嬉しいけれど。

 鍛冶師と専属契約を結べるのは上級冒険者になってから、というのが一般的だ。

 僕は駆け出しもいいとこなので、担当アドバイザーのエイナさんが紹介してくれた『雛鳥の鉄床(ひなどり かなとこ)』という新人冒険者ご用達のお店を利用している。

 今のお店に特に不満はないけれど、神様はどうして急にそんなことを?

 

「ふっふっふー! 実は今日ヘファイストスの奴が、《炉神の双剣(ブレイズ・オブ・へスティア)》を整備するなら自分の眷族から君に専属鍛冶師として付けてやるよ、って言ってくれてさ」

 

「まぁ、まだ候補の名前すら上がってないんだけどね」と神様は言うが、超一流鍛冶系ファミリアからのまさかの提案に僕は目を剥いた。

 

「そんなことまで……!? なんだか、そこまでしてもらうなんてヘファイストス様に申し訳ないような……」

 

「あいつは責任感も強いからねぇ。自分が丹精込めて作ったものを他所に丸投げしたくないのさ。ここはヘファイストスの厚意に甘えときなよ」

 

 神様の言葉に首肯しつつ、いつかヘファイストス様のところに双剣の事も含めてお礼に行かないと、などと思案していると、神様が僕の背中の上に乗ってきた。

 宙から血の一滴が滴り落ちると、背中の紋章が熱を持ち、身体の中が開かれた感覚を覚える。

 

「う~~~ん。ステイタスの方も段々頭打ちになってきたなぁ。『耐久』が相変わらず低い以外どの基本アビリティもSに近く………………………………ん?」

 

 僕のステイタスが最大値のSに近くなり、頭打ち(カンスト)が近くなってきたことを伝えてくると、急に神様が手を動かすの止めた。

 怪訝に思った僕が「神様?」と呼び掛けても答えず、しばらく待っていると。

 

「……魔法」

 

「え?」

 

「魔法が、発現している……」

 

 とんでもない答えが返ってきて、腹の底から仰天した僕は、大声をあげて飛び上がってしまう。

 

「へぶにゅ!?」

 

「かっ、神様ぁー!? ご、ごめんなさいっ、怪我はないですか!?」

 

 あまりの驚きに上半身を海老反りみたく起き上がらせたので、腰から神様が投げ出されて墜落した。

 

「べ、ベル君、ボクが君に何をしたって…………」

 

「ごめんなさい本当にごめんなさい神様ぁ!!」

 

 大慌てでベットの下に駆け寄り、もんどり打った体勢の神様を救出する。

 その間にも神様の立派な胸元が重力に逆らっているのが見えたが不敬にならぬよう必死に見ないようにしつつ、改まって神様にヘスティア・ファミリアで広まっていたドゲザで謝罪。

 僕がステイタスの詳細を知るのはかなり後の事だった。

 

 

《魔法》

【シース・オブ・イングリッド】

・詠唱式【イングリッド】

・幻影の『剣』の魂を召喚する。

 

 

「っっ…………!」

 

 出かかった雄叫びを堪えるのには苦労した。

 魔法は僕の憧れだった。なぜなら義母も義伯父も魔法を使えて、幼い頃から(主に義母から)それをさまざまと見せつけられていたのだから。

 

「魔法まで発現しちゃうなんて………しかも召喚魔法なんてレアなもの、まさか例のスキルが影響を? うーん、わからない」

 

「かっ、神様………魔法っ、魔法ですよ………!? 僕、やっとあの人たちと同じように、魔法が使えるようになりました………!」

 

『神の恩恵』を刻んでもらった時からずっと、望んでいても夢想にふけるしかなかったものが、やっと僕に宿った。

 

「……そうだね。君はずっと、魔法を欲してたからね。おめでとう、ベル君」

 

 念願叶った事で落ち着きを失ってしまう僕に対して、神様は「大げさなんて言うのは野暮だよね」と笑顔で祝福しつつも冷静に言葉を続けた。

 

「さて、知っていると思うけど、魔法っていうのはどれも『詠唱』を経てから発動させるものなんだ。『詠唱』は魔法の制作過程に必要なもので、それが完成して初めて魔法が発動する」

 

 詠唱を砲身、魔法を弾丸として捉えれば理解は容易い。つまり詠唱にかかる時間が長いほど構築される砲身の規模も大きくなり、炸裂する砲弾も大型となり威力も増すという事だ。

 逆に砲身の規模が小さい、すなわち詠唱の時間が短いほど威力も低くなるのだが、その分すぐに発動できるというメリットがある。

 

 よくおじいちゃんが食らっていたお義母さんの魔法、『福音(ゴスペル)』は、威力も射程も規模が大きいくせに詠唱がこのたった一言という、冒険者になってから改めて分かる反則っぷりであった。

 

 対して僕の【シース・オブ・イングリッド】のスロット欄に書かれている説明文はたった二つ。

『幻影の『剣』の魂を召喚』という下文に書かれた効果はさておき、上文の詠唱式に表示されている【イングリット】の一言を唱える事で魔法が発動するのだろう。

 

『超短文詠唱』。お義母さんと同じ種類の魔法であることに、不思議なつながりを感じて僕は目頭が熱くなりそうだった。

 

「じゃ、じゃあ、この【イングリ――むぐっ」

 

「待って! 迂闊に魔法を詠唱しない方がいい! まだどんな魔法かもわかってないのに、下手したらこのホームごと吹き飛ぶかもしれないんだよ!?」

 

 うっかり詠唱式を口にしかけた瞬間に神様に口を塞がれ、自分が何をしでかそうとしていたのか気づいた僕はさぁっ、と顔が青くなる。

 

 さすがに、僕も『超短文詠唱』でお義母さんのような魔法が使えるとは思ってない。

 だが、最悪の場合ホームどころか、目の前にいる神様が僕のせいで強制送還されていたかも知れない。それを想像しただけで僕は絶望で死にそうになる。

 

「いいかい?」と理解できたか確認してくる神様に僕は勢いよく頷くと、手で塞がれていた口が解放される。

 

「ぜんぶ推測だから正しい事は分からないけど………明日ダンジョンでどんなものか試してくるといい。それで君だけの魔法の正体がはっきりする筈さ」

 

「えっ、明日………?」

 

 早速今から安全な所に行って試そうと思っていたのに。

 すると神様は苦笑を向けてくる。

 

「おいおい、シャワーも浴びたのに今からダンジョンへ向かう気かい? 慌てなくても君の魔法は逃げたりしないぜ?」

 

「あ、はい………そうですね」

 

「じゃ、歯磨きしてさっさと寝ようぜっ」

 

 神様の言うとおりだ。明日はまたリリとダンジョンに行くのに。

 しかし、仕事で疲れがピークに達していた神様とは反対に、一日中寝ていた僕は魔法が発現した興奮も合わさって、消灯しても眠れる気がしなかった。

 

「…………」

 

 試したい、使ってみたい。けど神様にバレたらどうしよう。 

 子供のような好奇心で悶々とする頭と、神様の言いつけを破ってしまうという罪悪感が心の中で綱引きしていた。

 

 ……魔法だけ試して、すぐに帰ればいいのでは、という悪魔の囁きのような発想が出てきたのは、神様の寝息が一段と深くなってからだった。

 

(ごめんなさい、神様……心配はかけないので!)

 

 ベットで熟睡する神様を起こさないようソファから物音を立てずに飛び起きた僕は、装備をまとめたバックパックを背負い、玄関近くの柱にベルトごとひっかけてあった《神様の双剣(ブレイズ・オブ・へスティア)》を持って何度も謝罪しながら部屋を出る。

 

(使ってみたい、今すぐ!)

 

 廃教会を出て眠らない街を駆け抜ける間も頭の中はそれ一色。完全に僕は浮かれ切っていた。

 ああ、御爺上が見れば何と言うだろうか。怖いのであまり考えないようにした。

 

 一本道を駆け抜け、白い摩天楼(バベル)の一階にある大穴に続く階段を転がるように下りた先、僕はダンジョン1階層に到着した。

 ホームからここに到着するまでにかかった時間は、たぶん最短記録を更新しただろう。

 

「…………スゥーーーーハァーーーー」

 

 緊張をほぐすため深呼吸する。

 十分に広い空間で、周囲にモンスターや人がいないことを何度も確認してから、僕は『召喚』の詠唱式を口にする。

 

「【イングリット】」

 

 途端、僕の背中の一部が仄かに熱を放った。

 それと同時に僕の足元から黄金色の光が溢れ出し、美しい光の粒子を纏った何かがそこから勢いよく飛び出してくる。

 ダンジョンの壁を金色に照らす直剣の幻影――恐らく『剣』の魂――は、切っ先を逆さにして宙に浮いた状態で僕の周囲を旋回する。

 

「これが、僕の魔法……」

 

 魔法はあっけなく発動した。だが、それ以上の感動が僕の中で渦巻いていた。

 物語の中の主人公が使うような派手な魔法ではないかもしれない。だが、それでも僕だけの魔法が実際に目の前に現れていた。

 しばらく魔法の美しさに見とれていると、ある疑問が頭に浮かんだ。

 

「そうだ。説明には『魂を召喚』ってあったけど、君はどこから来てくれたの?」

 

『――――――』

 

 魔法に質問するなんて変だとも思う。

 だが、魂というのだからきっと意思を持っているのだろう。

 想像通り、光の剣は僕の声に反応したようで、僕の周囲を旋回するのを止めてピタリと停止すると、今度は僕の顔の方にずいっと寄ってきた。

 

「な、何……? どうかした?」

 

『――――――』

 

 眼どころか眼球すら無いはずなのに見られているような感覚。

 しばらくじっと見つめ合ったまま、数秒間。

 

「僕……?」

 

『――――――!』

 

 金色を纏った剣は弾けるように飛び上がった。

 うん、何を伝えたいのか全然分からない。

 魂と言っても剣の魂なんだから口がきけないのも仕方ないか……。

 そもそも剣に魂が宿ってるってどういう事なのだろう。全ての剣には魂が宿っているのか、それともイングリッドが特別なのか。召喚魔法というものに疎い僕には分からなかった。

 とりあえずこの質問は置いておいて、次に移る。

 

「君の名前、詠唱式にある【イングリッド】でいいのかな?」

 

『――』

 

「……肯定、って事にしておくよ」

 

 イングリッドは僕の周囲を浮遊するだけだ。

 だが何となく、彼ないし彼女(剣に性別なんてあるのか?)の感情が僕に伝わってくる気がする。

 イングリッドの機嫌を損ねたら今後出てこない可能性もあるので、慎重に言葉を選んだ。

 

「……君は、何ができるの?」

 

『―――――!』

 

「あっ!」

 

 しまった、さっそく何か気に触ったか!?

 イングリッドは僕の眼前で突ぜん宙返りすると、光の足跡を切っ先が触れた地面に残しながらダンジョンの奥へと文字通り飛んでいった。

 慌てて後を追いかけるが、ダンジョンには当然奴らがいる。

 

「グゥ?」

 

「モ、モンスター!」

 

 イングリッドが向かった先にははぐれのゴブリンがいた。

 目に入った瞬間、僕は反射的に腰に差した双剣に触れる。

 だが、剣を抜くより早く、イングリッドがゴブリンの前でその身を翻した。

 

『―――――』

 

「グァッ!?」

 

 鮮やかな一閃。

 まるで姿の見えない熟練の使い手が振るったかのように、光の奔流を纏ったイングリッドは黄金に輝く刀身でゴブリンを斬り裂いた。

 体内の魔石が砕かれ事で黒い灰となったゴブリン。

 僕が呆然としていると、モンスターを倒したイングリッドはどうだと言わんばかりにこちらに接近してくる。

 

『―――――?』

 

「す、凄い……」

 

 溢れ出た声に、イングリッドは嬉しそうに宙を踊る。伝わってくるのは喜びの感情だ。

 その様子がまるで飼い主に狩りを褒められた猟犬のようで、僕は思わず吹き出してしまった。

 

『―――――!』

 

「ご、ごめん。でも、本当に凄いよ。まさか、自分でモンスターを見つけて倒してくれるなんて……」

 

 召喚魔法ってこんな便利なものなのか。

 発動の際に消費されるという、精神力(マインド)が減った感覚も全くない。

 

 イングリッドがいれば手が塞がった状態でも索敵と攻撃も出来る。あとは魔石回収と荷物持ちが出来るリリも加われば完璧だ。

 まるでエイナさんが言っていた調教師のようだが、この場合は僕がイングリッドの主人という事になるのだろうか。手懐けるのにだいぶ苦労しそうだ。

 

「…………」

 

『―――――?』

 

 さて、魔法は試せたから目的は達した。

 ゴブリンを倒してしまったのは不可抗力だったが、滞空するイングリッドが消える気配はまだ無い。

 黙ったまま停止する僕に、イングリッドは疑問符を浮かべているようだった。

 

「ねぇ、イングリッドっていつ消えるの? あ、消えるってのはいなくなって欲しいって意味じゃなくて、魔法の効果が消えるのがいつかって事で……」

 

『――――』

 

「分からないの? 説明文にも効果時間については書かれて無かったし……」

 

 まさか一度出たら出しっぱなしという訳では無いだろう。

 これ以上ダンジョンにいる理由はない。早くホームに戻らなければ神様に見つかってしまうかも知れない。

 だが、魔法が使えるようになった歓喜と魔法への好奇心にかられた僕は、愚かな選択をとってしまう。

 

「よし! じゃあイングリッドが消えるまで、一緒にダンジョンを探索しよう!」

 

『―――――〜〜〜〜!』

 

 どこからか神秘的な音を出しながら震えるイングリッド。

 ダンジョンの壁と天井ギリギリを跳ね回る姿は、まるで猫のようだった。

 幻影とはいえ、勝手に動き回る抜き身の剣を出したまま街を出歩くのは危ないし仕方ないよね。

 ここはイングリッドが満足して消えるまで探索するとしよう。

 

 そうして、調子に乗ってしまった僕はイングリッドと一緒に1階層を駆け出した。

 

「行けイングリッド!」

 

『―――――!』

 

「グアァァァァァァッ!?」

 

 何も積極的にモンスターを狩るという訳ではない。

 ただ魔法を試すだけだから、通り道にいたモンスターを僕が指示を出して倒していく。

 指示といっても、僕が出すのは先行と攻撃する時の『行け』くらいだ。

 たったそれだけでイングリッドは全てを理解したように、モンスターを迎撃してくれる。

 

 凄すぎる。使い勝手の良さだけなら義母の魔法にも勝るとも劣らないはずだ。

 だから、僕は玩具を与えられた子供のように大声で。

 

「そこだ、イングリッド!」

 

「斬り裂け、イングリッドォッ!」

 

「行けえぇぇ! イングリッドォォォォォッ!」

 

 そうやって馬鹿なことを繰り返していると。

 

『―――――…………』

 

「あ、あれ? 5階層まで来ちゃった……?」

 

 イングリッドの心配そうな音で、僕はようやく周りを見ることが出来た。

 壁の色が4階層までとは変色している。

 夢中になりすぎた、と心の中でだけ反省して僕はその場でターンした。

 

「っ、とと……」

 

『―――――!』

 

「心配しないで。ちょっとフラついただけだし……」

 

 嘘だ。本当は意識が朦朧としかけている。

 

 急な事に驚くよりも先に、この症状が話に聞いていた精神疲弊(マインドダウン)と同じであると気づく。

 体力と対を成す精神力(マインド)の過剰な消費によって引き起こされる精神疲弊(マインドダウン)は死に直結するものではない。ただ気を失うに留まるが、ダンジョンの中で無防備を曝す事は命取りとなる。

 次にいつ目が覚めるかは不明だ。その時には死体になっているかも知れない。

 

「イ、イングリッドは大丈夫……?」

 

『―――――……!』

 

「そっか……よかった……」

 

 こんな状況で魔法の心配なんかしてどうする、と僕は心の中で自嘲した。だが、もはやまともな判断力も失って来ていた。

 こうしている内にも精神疲弊(マインドダウン)の症状はより酷くなっていく。原因も、止める手段も不明だ。

 ――死への恐怖は無い。ただ今は、神様と御爺上に謝りたかった。

 

『―――――!?』

 

「あぁ……」

 

 視界が揺れる。脳が鈍化する。

 頭に自業自得の文字が浮かんだ時――迫ってくる地面を最後に、僕はあっさりと意識を手放した。

 

 

 

 

 

 




《魔法》
【シース・オブ・イングリッド】
・詠唱式【イングリッド】
・幻影の『剣』の魂を召喚する。
ベルに発現した魔法。魔力で出来た剣の幻影を召喚する。
自動で標的を狙って攻撃でき、円盤状に回転することで相手の攻撃を防ぐ盾にもなれる。
幻影のはずだが意思を持ってるようで、主のベルに敵対する存在を積極的に倒そうとする。その正体は、ミーミルの魔導書によって世界の壁を超えてやってきた、九界の終末戦争でフレイとともに消えたイングリッドの魂だけの姿。
精神力の消費量は発動自体は低めだが、姿を維持するために常に精神力を消費し続けている。攻撃などのアクションを起こす際にはさらに消費量が大きくなる。
自分の状況を正確に把握できてはいるが、未だ体系の違うこちらの魔法というものに慣れていない。
備考:前の主が女装した爺に騙されたせいで離れ離れになったりと大分アレだったため、結構嫉妬深い性格になっている。また、ベルを一時の主のアトレウスと重ねている節がある。



リリ編簡潔にするって言ったのに・・・書きたいこと全部詰めたらこんな文字数になってしまった。
当初はレルム・シフトか変身魔法が発現する予定でしたが、フレイヤ繋がりで光る楊枝に来てもらいました。これには御爺上もびっくり。そしてこんなん作ったミーミルは凄い。


前書きにも書きましたが、改めて長い間お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。2月からまともに話を書く期間が取れず、それでも更新する事が出来たのは、ずっと評価やお気に入り登録をしてくださった方々がいてくれたお陰です。
本当にありがとうございました。これからも拙作をどうぞよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。