遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~ 作:レトやま
ここまで読んでいただいた方、お気に入りに登録していただいた方、この場を借りて御御礼申し上げます。
今後もご贔屓頂けましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
[ネオ童実野シティデュエルスタジアム 観客席]
連日続くWSCネオ童実野シティ予選は、いよいよ終盤に差し掛かっていた。
チームは残すところ4つとなり、会場は誰がネオ童実野シティ代表の座を勝ち取るのかと熱が高まっている。
会場のメインモニターには
『白く輝く龍のような肌を。KCスキンケア』
『最高級の乗り心地を今体感せよ。トヨダ自動車』
と広告が表示されておりカメラも数台配置されていた。
スタンドでは売り子が「つめたいビールはいかがでしょうか〜」と大きなビールタンクを背負って歩いている。
WSCネオ童実野シティ予選ベスト4となっているチームHEROのメンバーはそんなガヤガヤとしたスタジアムの観客席に座っていた。
亜美は大きく口をあけて、売店で売っていたホットドッグに齧り付いた。
祭乃木「あーむ! んぐんぐ……」
隣では膝の上にランチョンマットを引いて手製の弁当を食べているゆきがいる。
ゆき「あむ、もぐもぐ」
良平「もぐもぐ……間宮っていつも弁当だよね。美味そう」
さらにその隣でコンビニのソーセージパンを口に運ぶ良平がいて、ゆきの弁当に目を向けた。
ゆき「えへへ、お母さんの手作りですぅ!」
ここのせ「へぇ〜、いいな。オレは親の料理なんかしばらく食ってねぇなぁ」
あんぱんを片手にここのせは椅子の背もたれに寄りかかる。
恵「…………」
恵はというとぼうっとフィールドを眺めている。
亜美は野菜ジュースをストローから吸い上げてからふうと息をついた。
祭乃木「しっかし、まさか6回戦が不戦勝とはねぇ……。ホント拍子抜けもいいとこよ」
良平「前の試合での積み込みとカード不正使用がバレたんだっけ。それが相手じゃなくてよかったかもしれないけど…」
ここのせ「デュエル大天下のネオ童実野シティでやるとはフテェ野郎だぜ」
良平「でもエクゾディアは流石にどこでもバレるだろ」
恵「……エクゾディアのオリジナルはすでに散逸していることで有名。出回っているのはコピー品。公式戦では使用不可……」
祭乃木「ていうか、そういうのデッキ登録で弾かれるもんじゃないの?」
良平「デッキ登録の時は別のカードを登録してたらしいよ」
祭乃木「かぁぁ、あこぎなことするわねぇ」
ゆき「ま、まぁでもおかげで、こうしてお弁当をゆっくり食べることができましたし……」
祭乃木「ま、そうよね。それにスタッフが気を利かせて割といい席を用意してくれたから、次の試合もよく見えるわ」
良平「うん、これはマジでありがたいかも。何故か人たくさんいて、他は席空いてないからね」
観客スタンドを見渡して良平は言う。
広告が広告として機能できる程度には人がいて、満席とはいかないまでも荷物を横に広げるのは難しい。
ここのせ「そりゃ、集まるだろうよ。有名チーム同士の対戦なんだからな」
祭乃木「そうね。そしてこの戦いに勝った方が、たぶん予選決勝で当たる相手になるわ」
そう言って亜美は巨大なメインモニターを見上げた。
モニターには『13時より 第6試合 チームトヨダ自動車 vs チームツンドラ』と書かれていた。
寝る前決闘空間第10話
『アカデミア最強ヴァルキリーズ、チームツンドラ』
[デュエルスタジアム チームツンドラ控え室]
スタジアムの中、観客スタンドの下には選手通用ゲートと内部に通った廊下があり選手控え室もそこにあった。
中にいるのは5人の少女。
いずれも青い制服。
即ちデュエルアカデミアの最上階級ーーオベリスクブルーの決闘者であった。
???「……以上がチームトヨダ自動車のデッキになります」
黒髪のセミロングに黒縁メガネの少女がバインダーを片手に全員を見渡して言う。
彼女は服のボタンは全て締めスカートも膝丈程度である。
???「注意が必要なのは、スキルドレインが軸となるファーストプレイヤーと、そして海外先行テーマであるFAを使う登世田社長、この2名です。……聞いていますか? 藤原さん」
雪乃「お姉さん、成金のおじ様に興味ないの」
紫色のツインテールの少女ーー藤原雪乃は椅子に座って自身の爪にマニキュアを塗っついる。
???「興味ない、では困ります。我々は、アカデミアを背負ってここにいるのですよ」
唯信「放っておけ。こいつなど最初から戦力とは思っていなイ」
ロッカーに寄りかかり腕を組み少女ーー金唯信は制服を肩に引っ掛かるように着て目を伏せている。
雪乃「あーら、ひどい言葉ねぇ、お姉さん泣いちゃいそう。でもそうねぇ、お姉さんの出番はなさそうだわ。いつもの三人で行くんでしょう? 林原さん?」
???「そうですね。相手のこれまでの戦績データやこちらのデッキレシピ、戦略を鑑みると、これまで通りファーストプレイヤー金唯信さん、セカンドプレイヤーツァンさん、ラストプレイヤー神川さんで大丈夫そうですね」
【チームツンドラメンバー マネジメント担当 林原麗華】
神川「All light! 決まりね! いつもマネジメントthanks! レイカ!」
パチンっと指を鳴らして金髪の少女ーー神川 ノエル 美優は口角をあげて麗華を称賛した。
麗華「いいえ、仕事ですから。それに校長からも貴女たちを纏めるように念を押されていますからね」
ツァン「うっ……ボクたち、問題児扱い……。べ、別に気にしてないけど!」
椅子に座っているピンク色のショートカットの少女ーーツァン・ディレは少し頬を赤く染めてぷいとそっぽを向く。
唯信「……くだらン……」
麗華「何度も言っていますが、素行はさておき、貴女たちはアカデミアでも生え抜きのデュエリストなのですから、期待を背負っているのです。ならばマネージャーとして、それを支援するのは当然のことです。……では、私は登録票を提出してきます」
それだけ言うと麗華は踵を返して部屋を出て行った。
足音が遠のいていくのを感じながらツァンは肩の力を解く。
ツァン「ありがとう。……はぁ……林原さんは真面目だなぁ……」
雪乃「あんなに目くじらたてたらシワができそうだわぁ」
雪乃は動じずに鏡を睨みながらエクステを塗り混んでいる。
神川「うら若い女子高生が言うセリフではないわネ。それより、二人ともデッキのCheckはOKね? ルール違反で失格が出たから注意して!」
唯信「……フン、言われるまでもなイ」
ツァン「大丈夫。……制限カードもちゃんと一枚だし……」
雪乃「失格なんてなったら流石に島にいられなくなっちゃうんだから、入念にお願いよ?」
そんな会話をしていると扉が開き麗華が戻ってきた。
ツァン「あ、林原さん、お帰りなさい」
麗華「はい。……審判団の準備が完了したそうです。そろそろフィールドに移動しますよ」
神川「OK! LETS!」
ツァン「う……ちょっと緊張してきた」
唯信「緊張はいらなイ。私で終わらせてヤル」
雪乃「メイク完了。うふふ、今日もお姉さんは美しいわ、自分に惚れ惚れしちゃうわぁ」
麗華「藤原さん、早くいきますよ」
5人は各々のデッキを腰につけたケースに入れて会場へと向かう。
堂々とした足取りは負けるという概念すらも忘れてしまうほどであった。
[ネオ童実野デュエルスタジアム 観客席]
祭乃木「もうそろそろかしら……?」
良平「13時からだっけ」
恵「……そう……」
ここのせ「チームツンドラにチームトヨダか……。どんなデッキ使ってくるんだろうな」
恵「……チームトヨダは、社長である登世田幸利が毎年デッキを変えている。去年は韓国先行テーマである外神を使用している。その他のメンバーは前回と変わっている……」
良平「外神か……。最近、禁止になったカードもあるし、かなりレアカードだよな」
ゆき「ブルジョアジー、ですね……」
ここのせ「ツンドラは?」
恵「……ツンドラは……」
ーーーワァァァァァァァァァァァァァ
突如としてスタンドが湧き上がる。
ゆきはフィールドの通用ゲートを指差した。
ゆき「あ! 選手が出てきましたよ!」
祭乃木「わっ、びっくりした……!すごい歓声ね……!」
良平「そうか……。やけに観客がいると思ったら、デュエルアカデミアは全校生徒が学校ぐるみで応援に来てるんだな」
ここのせ「流石はデュエリストの特待学校だな」
ゆき「トヨダ自動車側のスタンドにもたくさん人がいますよぉ!」
良平「大企業だし、こっちも会社ぐるみなんだろうね」
モニターでは『第6試合 チームトヨダ自動車 vs チームツンドラ』と表示されている。
WSCネオ童実野シティ予選準決勝の開幕である。
[デュエルフィールド]
広大なデュエルフィールドには二人の決闘者が立っている。
片方は高そうなスーツを着こなした男性。
片方は高貴な青の制服を両肩に引っ掛かている黒い長髪の少女。
トヨダ社員1「よろしくね」
唯信「フン……」
会話も程々にデュエルが開始された。
モニターには様々な演出で明点した後、先攻:チームトヨダと表示される。
トヨダ社員1「デュエル!」
LP:4000
唯信「デュエル」
LP:4000
[客席スタンド]
良平「始まった!」
祭乃木「トヨダが先攻みたいね!」
開始と同時にアカデミアスタンドの応援団らしい集団が一斉に管弦楽で盛り上げるような曲を演奏している。
振り付けや歌詞があるのかスタンドの赤、黄色、青の制服が声を上げていた。
祭乃木「しっかしやかましいわねぇ」
良平「アカデミア名物の大応援だ。この間見た動画でもやってたね」
ここのせ「一回戦のとき、やたらうるさかったのはこれか」
[デュエルフィールド]
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
社員1「いくぞ、オレのターン!」
手札5
手札を一瞥すると素早くカードを持ち替えてカードをフィールドに呼び出した。
社員1「神獣王バルバロスを通常召喚!」
神獣王バルバロス「ウォォオオォオオォオオ!!」
攻:3000→1900 地 獣族 星8
[客席スタンド]
現れたモンスターを見てゆきは口に手を当てる。
ゆき「えっ!? レベル8のモンスターをリリースなしで召喚しましたぁ!?」
良平「妥協召喚だ。バルバロスは攻撃力を下げる代わりにリリースなしで召喚できるんだ」
良平の解説にゆきは何度もうなづいてどこから出したのかメモ帳に書き込んでいた。
ここのせ「こいつが出るってことは……スキドレ、か……?」
良平「ランク8の可能性もあるけど、この出し方はスキドレっぽいね」
ゆき「スキドレって何ですかぁ?」
恵「……スキルドレイン。永続罠カード。発動中、効果外テキスト以外のモンスター効果を無効にする……」
[デュエルフィールド]
社員1「カードを二枚セットして、ターンエンド!」
伏せカードがブゥンと音を立てて足元に裏側のカードが展開される。
ーエンドフェイズー
トヨダ自動車社員1
LP:4000
手札:2
魔法罠:2
フィールド:
神獣王バルバロス
ードローフェイズー
唯信「はっ……、そんなものカ。まぁいい。いくゾ、私のターン!」シ手札5→6
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
唯信「サイバー・ドラゴンを特殊召喚ダ!」
サイバー・ドラゴン「キィィィィィ!」
攻:2100 光 機械族 星5
フィールドには白銀の機龍が姿を現した。
凄まじい咆哮をあげている。
[客席スタンド]
モンスターが現れた瞬間、良平は立ち上がらん勢いで前のめりになった。
良平「サイバー・ドラゴン!!? あのアカデミア生、サイバー流なのか!!?」
ゆき「サイバー流?」
恵「……サイバー流。一子相伝とも言われているサイバー・ドラゴンを駆使するデュエル流派。サイバー流のカード価値は測定不能レベル……」
ゆき「そ、そんなに……」
ここのせ「あれがサイバー・ドラゴンか……。初めてみたぜ……」
祭乃木「あのクソ男のインフェルノイドと同じかそれ以上のレアカードよ」
良平「あのレベルじゃないとアカデミアでは通用しないのか……?」
[デュエルフィールド]
鋭い目つきをさらに尖らせて唯信は手札のカードをもう1枚引き抜いた。
唯信「さらに、サイバー・ドラゴン・コアを召喚! 効果発動!」
サイバー・ドラゴン・コア「キシャァァ!」
攻:400 光 機械族 星2
社員1「させない! トラップ発動! スキルドレイン!」
《スキルドレイン》
永続罠
社員1「このカードが発動している間、モンスター効果は全て無効になる!」
唯信「甘イ! 速攻魔法発動! ツインツイスター!」
《ツインツイスター》
速攻魔法
chain1 スキルドレイン
chain2 ツインツイスター
唯信「手札を1枚捨てることで、貴様の魔法、罠カードを2枚破壊スル!」
社員1「なに!?」
フィールドに突如二つの竜巻が現れ、猛烈な突風が吹き荒れた。
それらはセットされていたカードとスキルドレインのカードを巻き上げてバラバラに破壊し尽くしてしまった。
唯信「これにより、サイバー・ドラゴン・コアの能力は有効!サイバー、またはサイバネティック魔法罠をサーチスル! デッキより、サイバーリペアプラントを手札に加えル」
社員1「くっ……!」
唯信「さらに、手札からマジックカード、機械複製術を発動! 」
《機械複製術》
通常魔法
唯信「このカードは、自分フィールドの攻撃力500以下の機械族を対象とし、同名カードを二枚場に特殊召喚スル! こい! サイバー・ドラゴン!」
サイバー・ドラゴン「キィィィィィ!」
攻:2100 光 機械族 星5
サイバー・ドラゴン「キィィィィィ!」
攻:2100 光 機械族 星5
社員1「なっ……! 馬鹿な! 同名カードではないぞ!」
唯信「教えてヤル。サイバー・ドラゴン・コアは、フィールドではサイバー・ドラゴンとして扱う効果を持つ! 故に、特殊召喚可能!」
社員1「な、なんだと……」
唯信「いくゾ。アローヘッド確認、召喚条件は、サイバー・ドラゴンを含むモンスター2体。サイバー・ドラゴンとサイバー・ドラゴン・コアをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!」
←サイバー・ドラゴン+ ↓モンスター =LINK2
唯信「ーー勝利の雄叫びを上げろ! サイバー・ドラゴン・ヅィーガー!!」
サイバー・ドラゴン・ヅィーガー「グギャァァァァァァァァァァァァ!!」
攻:2100 光 機械族 リンク2 ←↓右EXゾーン
唯信「さらに! レベル5のサイバー・ドラゴン二体でオーバーレイ!」
☆5×☆5=★5
唯信「エクシーズ召喚! サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」
サイバー・ドラゴン・ノヴァ「ガァァァァァァァァ!」
攻:2100 光 機械族 ランク5
唯信「ノヴァの効果を発動! 素材を一つ取り除き、墓地のサイバー・ドラゴンを特殊召喚スル! 現れろサイバー・ドラゴン!」
サイバー・ドラゴン「キィィィィィ!」
攻:2100 光 機械族 星5
社員1「も、モンスターが一気に……!」
唯信「まだダ! サイバー・ドラゴン・ノヴァ1体で、オーバーレイネットワークを再構築! エクシーズチェンジ!」
★5→★6
唯信「ーー無限なる力を今ここに現出せヨ! 恐れ戦け!」
黒いオーバーレイネットワークに稲妻がいくつも走る。
鉄板が擦れるような音と共に羽根を広げ、魔の機龍が咆哮した。
唯信「来イ、サイバー・ドラゴン・インフィニティ!!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ガァァァァァァァァ!!」
攻:2100→2500 光 機械族 ランク6
唯信「インフィニティの効果発動! フィールドの表側攻撃表示のモンスターをエクシーズ素材として吸収スル! バルバロスを飲み込め!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ギギィィィィィ!!」
咆哮を上げつつ機龍が背から触手のような機械を伸ばし神獣王を雁字搦めに締め上げる。
神獣王バルバロス「ぐ……グガァァァァァァァァ……」
成す術なくバルバロスは機龍に引き摺られて捕食されるように取り込まれてしまった。
サイバー・ドラゴン・インフィニティ
攻:2500→2700
社員1「あ……あ……ば、馬鹿な……」
唯信「呆気なかったナ。バトルフェイズ!」
ーバトルフェイズー
唯信「サイバー・ドラゴンでダイレクトアタック! エヴォリューションバーストォォ!」
サイバー・ドラゴン「ギギィ…ガァァァ!」
攻:2100
銀色の機龍が口を開き青白い閃光を放つ。
社員1「くっ、手札からバトルフェーダーの効果を発動!」
《バトルフェーダー》
社員1「このバトルフェイズを終了する!」
唯信「ムダだ!!! インフィニティの効果発動! 素材を取り除くことで、カードの発動を無効にし、破壊スル!!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「キィィィィィィィン」
サイバー・ドラゴン・インフィニティは稲妻を放つ。
男性の手元に命中しカードを焼き払ってしまった。
社員1「そんな!!? ……うわぁぁぁ!!?」
LP:4000→1900
唯信「とどめダ! ヅィーガーでダイレクトアタック! 渇望のエヴォリューションストーム!」
最後の機龍が口元にエネルギーを集約し、一気に解き放つ。
社員1「ぐぁぁぁぁああ!!」
LP:1900→0
[客席スタンド]
ゆき「え!?? もう終わっちゃったんですかぁぁ!?」
良平「後攻ワンキル……! あれがサイバー流の力なのか……!?」
ここのせ「おいおいおい……! カードパワーが段違いじゃねぇか……!」
祭乃木「ポンポン特殊召喚して、フィールドをめちゃくちゃにする……。エゲツないデッキね……」
恵「……フィールドには制圧効果をもつサイバー・ドラゴン・インフィニティがいる。チームトヨダ自動車側のセカンドプレイヤーは、フィールドになにも残っていない中、この状況で引き継がれる……」
[デュエルフィールド]
ザワザワとスタジアムが騒めいている中、チームトヨダのベンチからはセカンドプレイヤーがフィールドに歩いてきた。
表情は暗く、険しい目を唯信に向けている。
社員2「……くっ……」
LP:4000
唯信「貴様が次の敵カ? せいぜい抗う事だナ。カードを1枚セットしてターンエンド」
ーエンドフェイズー
金 唯信
LP:4000
手札:1
魔法罠:1
フィールド:
サイバー・ドラゴン・ヅィーガー
サイバー・ドラゴン
サイバー・ドラゴン・インフィニティ
ードローフェイズー
社員2「くっ……! ぼくのターン、ドロー!」
手札5→6
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
社員2「手札の紋章獣レオを墓地に送って、虚栄の大猿を守備表示で特殊召喚!」
虚栄の大猿「きぃぃ!」
守:1200 地 獣族 星5
社員2「さらに今墓地に送った紋章獣レオの効果発動! このカードが墓地に送られたとき、デッキから紋章獣モンスターを手札に加える! 」
唯信「フン、続けロ」
社員2「効果により、紋章獣ベルナーズ・ファルコンをサーチ!」
手札4→5
社員2「そのままベルナーズ・ファルコンを召喚!」
紋章獣ベルナーズ・ファルコン「キュォォ!」
攻:1000 風 鳥獣族 星4
社員2「ベルナーズ・ファルコンは召喚した時、フィールドのレベル5以上のモンスターのレベルを4にすることができる!」
唯信「インフィニティの効果発動。その効果を無効にし、破壊スル」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ギギィィィィィィ!」
攻:2700→2500
紋章獣ベルナーズ・ファルコン「カァァァ!!?」
サイバー・ドラゴン・インフィニティの閃光に貫かれるベルナーズ・ファルコン。
ガラスのように砕け散っていく。
社員2「くっ……! だが、これでインフィニティの効果は使い終わった! 手札から、魔法カード、ブラックホールを発動!!」
《ブラックホール》
通常魔法
社員2「このカードで、フィールドのモンスターカードを全て破壊する!!」
唯信「クククッ……! そンなものカ!笑わせル!! リバースカードオープン! カウンター罠、神の宣告!!」
《神の宣告》
カウンター罠
[客席スタンド]
良平「神の宣告……! 抜け目がなさすぎるだろ……!」
ゆき「たしか前に日和田さんに教わったカードですぅ……! 全てのカードの発動を無効にできる代わりに、ライフポイントを半分にしちゃうカードですよね……!」
祭乃木「そう。使い方を間違えれば、自分がピンチになる諸刃のカード!」
ここのせ「だが、ここでの神宣は……有効すぎる……。ゲームエンドまであるぞ……」
[チームツンドラ側ベンチ】
神川「Phew! Its cool! ユシンひとりで全部倒しちゃうわね!」
ツァン「ボクたちの出番はないかもね」
麗華「金さんは飛ばしすぎです。あまり切り札を見せてはいけません」
雪乃「あーら、委員長は手加減がお望みかしらぁ?」
麗華「そうではありません。しかし、勝ち進むためには、安易にデッキを見せびらかすのは得策ではありませんよ」
ツァン「林原さんの言うこともわかるけど、相手は優勝候補。手加減なんかしてたらボクたちがやられるよ」
神川「それにサイバー流のaceはまだまだこんなものじゃないわ! レイカも知ってるデショ?」
[デュエルフィールド]
唯信「ライフを半分支払い、その発動を無効にスル!」LP4000→2000
社員2「クソ……これは……」
男性決闘者は狼狽えつつ手札を見る。
社員2「か、カードを1枚セットしてターンエンド……」
ーエンドフェイズー
トヨダ自動車社員2
LP:4000
手札:2
魔法罠:1
フィールド:
虚栄の大猿
紋章獣ベルナーズ・ファルコン
ードローフェイズー
唯信「フッ……! 私のターン!」
手札1→2
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
唯信「そのままバトルフェイズ!」
ーバトルフェイズー
唯信「ヅィーガーでその猿に攻撃ダ! 渇望のエヴォリューションストーム!」
サイバー・ドラゴン・ヅィーガー「ギギギギィィィィ!」
攻:2100
社員2「攻撃宣言時! トラップ発動! 聖なるバリアミラーフォース!」
《聖なるバリアミラーフォース》
通常罠
唯信「インフィニティの効果発動! 発動を無効にして破壊スル!」
社員2「その効果にチェーンして、手札から幽鬼うさぎの効果発動!」
chain1 聖なるバリアミラーフォース
chain2 サイバー・ドラゴン・インフィニティ
chain3 幽鬼うさぎ
社員2「このカードは、フィールドのモンスター効果が発動した場合、手札から墓地に送ることで、そのカードを破壊する!」
幽鬼うさぎ「うさうさうらめしや〜」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ギガァァァ!」
半透明の幽霊のうさぎがサイバー・ドラゴン・インフィニティの背後に現れ、大鎌で真っ二つに両断する。
ばりんっと音を立てて砕けるインフィニティを一瞥し、唯信は顔色も変えずに口を開けた。
唯信「フン、足掻いたナ! だが、その貧相なうさぎではインフィニティの効果は止められなイ! 聖なるバリアは無効ダ!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティの最後の力を振り絞り聖なるバリア ミラーフォースを破壊する。
障壁がなくなったフィールドにサイバー・ドラゴン・ズィーガーがエネルギー弾を叩き込んだ。
サイバー・ドラゴン・ヅィーガー「キィィィガァァァ!」
攻:2100
虚栄の大猿「ウキィィィィ!!?」
守:1200
社員2「くっ……!」
唯信「さらに、サイバー・ドラゴンで追撃! エヴォリューションバーストォォ!」
サイバー・ドラゴン「ガァァァ!」
攻:2100
社員2「うわぁぁぁぁ!!」
LP4000→1900
魔の機龍が放つ光弾は再び決闘者を貫きライフを削り取っていく。
社員2「……ッ! だが、これで、そちらの切り札を葬った! まだ勝機はある!」
唯信「切り札だト? ……くくくっ……フハハハハハッ!! 笑わせるナ! インフィニティなど、サイバー流においては雑兵にすぎナイ!」
社員2「な、なんだって!!?」
ーメインフェイズ2ー
唯信「手札からサイバー・リペア・プラントを発動!」
《サイバー・リペア・プラント》
通常魔法
唯信「このカードは、墓地にサイバー・ドラゴンがいる場合に発動可能のサーチマジック。墓地のサイバー・ドラゴンをデッキに戻すか、デッキからサイバー・ドラゴンをサーチすることができル。デッキより、サイバー・ドラゴン・ネクステアを手札に加えル!」
手札1→2
唯信「そのまま、サイバー・ドラゴン・ネクステアを召喚!」
サイバー・ドラゴン・ネクステア「シャァァァ!」
攻:200 光 機械族 星1
唯信「ネクステアは、召喚・特殊召喚に成功した時、墓地の攻守どちらかが2100の機械族モンスターを蘇生させることができル! 甦レ、サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」
サイバー・ドラゴン・ノヴァ「ガァァァァァァァァ!」
攻:2100 光 機械族 ランク5
唯信「そして、ノヴァ一体でオーバーレイネットワークを再構築! エクシーズチェンジ!」
★5→★6
唯信「再び現れロ! サイバー・ドラゴン・インフィニティ!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ガァァァァァァァァ!!」
攻:2100→2500 光 機械族 ランク6
社員2「そ……そんな……」
再び現れた切り札級のモンスターに相手決闘者は二、三歩後退する。
唯信「諦めロ!貴様に勝ち目はナイ! さぁ、貴様のターンダ!」
社員2「く、くそ! くそ!」
手札1
男性決闘者は手札を握りしめ、歯を食いしばる。
もはや打つ手はない。
背後から足音がして男は振り返る。
自分よりもワンランク、ツーランク上の灰色のダブルスーツを着こなした恰幅の良い男性がゆったりと歩いてきていた。
社長「下がりなさい」
社員2「しゃ、社長!」
社長「今からなら、何とかなるかもしれんよ。変わりなさい」
社員2「申し訳ございません! よろしくお願いします!」
[客席スタンド]
祭乃木「どうやらトヨダ側はバトンタッチするみたいね」
ここのせ「状況は一切変わらなかったな」
良平「サイバー・ドラゴン・ネクステアが棒立ちだから、殴ればダメージは通せるけど……。インフィニティとバックを処理しないと勝てないしな……」
ゆき「あ、あぅぅ……強すぎですぅ……」
恵「……」
そんな会話をしていると不意にドラムとメガホンを叩く音が段々と早くなりながら鳴り響く。
アカデミア側の応援スタンドからだった。
並んでいる生徒たちが振り付けと共にウェーブを作り高らかに歌い始めた。
ここのせ「うわっ!? 観客が歌い始めたぞ!?」
祭乃木「チャンステーマってわけね……! こりゃ、勢いに飲まれるわ……」
[デュエルフィールド]
社長「君、強いね。私もかなりプレッシャーだよ」
唯信「御託はいイ。かかってコイ」
ードローフェイズー
社長「ではいくぞ! 私のターン! ドロー!」
手札5→6
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
社長「まずは手札からサンダーボルトを発動!」
《サンダー・ボルト》
通常魔法
社長「そちらのモンスターを全て破壊するぞ!」
ピシャァンと音を立てて雷が落ちる。
フィールドのモンスターを焼き払う稲妻である。
唯信「無効にしロ! インフィニティ!」
サイバー・ドラゴン・インフィニティ「ギガァァァ!」
攻:2500→2100
機龍が羽根を広げて守るようにバリアを張る。
雷はこれを突破することは能わず消えていった。
社長「これで無効効果はなくなった! 自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは特殊召喚できる!手札からSR -ベイゴマックスを特殊召喚!」
ベイゴマックス「ブゥゥゥン!」
守:600 風 機械族 星3
社長「ベイゴマックスは特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドモンスターを手札に加えることができる! SR-タケトンボーグを手札に!」
手札4→5
唯信「……」
社長「そのまま、タケトンボーグを特殊召喚! このカードは、場に風属性モンスターが存在する場合、特殊召喚できるのだ!」
SRタケトンボーグ「ビュゥゥン!」
守:1200 風 機械族 星3
社長「ベイゴマックスとタケトンボーグをリンクマーカーにセット! 召喚条件は、機械族モンスター2体!」
↙︎機械族+↘︎機械族=LINK2
社長「リンク召喚! 我が社の走りを見るがいい! リンク2! F.A-シャイニングスターG.T!」
リンクサーキットからエンジン音を轟かせ、赤と白のフォーミュラマシーンが飛び出した。
F.A-シャイニングスターG.T「ブォォォォオオン!!」
攻:0 光 機械族 LINK2 EXゾーン
[客席スタンド]
ゆき「車のカードですぅ! トヨダ自動車らしいカードですね!」
ここのせ「フォーミュラアスリート……しらねぇカードだ……」
恵「……フォーミュラアスリートは海外先行テーマの一つ。米国でも展開しているトヨダ自動車とI2社のタイアップテーマでもある……」
良平「あ、聞いたことあるぞ。有力な企業はタイアップテーマがでるんだよな。前はKC社の青眼テーマがそうだった」
祭乃木「あぁ! あのネーミングセンスのない青眼とかね! 」
[デュエルフィールド]
社長「手札からフィールド魔法、F.A.シティGPを発動!」
《F.A.シティGP》
フィールド魔法
決闘盤の端が自動でスライドし、そこにカードを滑り込ませる。
すると地響きと共に巨大なオートレース場が現れた。
社長「このカードがフィールドにある限り、メイン・バトルフェイズの間、FAのレベルは2上がる! さらに、FA魔法カードが発動したことにより、シャイニングスターGTに、アスリートカウンターが乗るぞ!」
F.A-シャイニングスターG.T「ブゥゥン!」
アスリートカウンター0→1
社長「さらに! 通常召喚! F.A.ウィップクロッサー!」
F.Aウィップクロッサー「ブンブンブゥゥゥン!」
攻:0→1800 風 機械族 星4→6
唯信「ハッ、オンボロバイク風情が、何ができル!」
社長「まだ終わらんよ! F.A.カーナビゲーターは、レベルが上昇しているFAモンスターがいる場合、そのモンスターを対象とし、このカードを手札・墓地から特殊召喚できる! そして特殊召喚時、対象となったFAモンスターの上昇したレベルをカーナビゲーターに移し替える!」
F.Aカーナビゲーター「勝利までのルートをご案内シマス」
守:0 風 機械族 星1→3チューナー
F.Aウィップクロッサー
星6→4
社長「レベル4となったウィップクロッサーに、レベル3のカーナビゲーターをチューニング!」
☆4+☆3=☆7
社長「シンクロ召喚! 走れ風のように! F.A.ライトニングマスター!!」
F..Aライトニングマスター「ギュオォオオォオオン!」
攻:0→2700 光 機械族 星7→9
F.AシャイニングスターGT「ブゥォォオオォオオン!」
攻:2700
社長「ライトニングマスターは、自身のレベルを下げることで魔法・罠の発動を無効にできる! そしてシャイニングスターGTは、カウンターを取り除くことでモンスター効果を無効にする! さらに、F.A.シティGPの効果でFAモンスターは効果の対象にならない! ここから経営再生だ!」
唯信「…………」
ーバトルフェイズー
社長「バトル! ライトニングマスターでサイバー・ドラゴン・インフィニティに攻撃!」
F.AIライトニングマスター「ブンブンブゥゥゥン!」
攻:2700
唯信「リバースカードオープン、カウンタートラップ、攻撃の無力化!」
《攻撃の無力化》
カウンター罠
社長「カウンタートラップ!?」
唯信「カウンタートラップは、カウンタートラップでしかチェーンできない。そのオンボロは何の役にも立たなイ!」
ーメインフェイズ2ー
社長「くっ……カードを1枚セットしてターン終了だ!」
ーエンドフェイズー
トヨダ自動車社長
LP:4000
手札:1
魔法罠:1
フィールドゾーン:
FAシティGP
フィールド:
F.AシャイニングスターGT
F.Aライトニングマスター
社長(モンスターの攻撃は通せなかったが、こちらのモンスターには耐性も阻害効果もある……。次のターンがくれば、この学生は突破できる……)
ードローフェイズー
唯信「私のターン」
手札1→2
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
唯信「貴様、制圧効果に効果耐性を並べて勝ったような気でいるようだナ」
社長「……なに?」
唯信「だが、サイバー流の前で無防備に機械を並べるのが、いかに愚かなことか教えてやル」
唯信がニヤリと笑うと呼応したように赤と紫の渦がフィールドに巻き起こった。
社長「な、なんだこのエフェクトは……!? 融合演出……!?」
[客席スタンド]
ここのせ「融合演出!? まだ何も発動してねぇぞ!?」
恵「……融合系カードを使用せずに融合するカード自体は、コンタクト融合や剣闘獣などが存在する。サイバー流の場合は……」
[デュエルフィールド]
渦はさらに色濃く巡り、サイバー・ドラゴンを中心にフィールドのシャイニングスターGTとライトニングマスターを吸い込んでいく。
社長「私のモンスターたちが! 融合の渦に取り込まれただと!? どういうことかね!?」
状況を飲み込めずフィールドを左右を何度も見渡している。
渦に包まれているのはそれだけではない。
サイバー・ドラゴンたちも渦に飲み込まれていた。
唯信「サイバー・ドラゴンは、全てを吸収し進化し続ける魔の機竜!! サイバー・ドラゴンとフィールドの機械族を融合させ、新たなるサイバーの力を呼び寄せるのダ!! 」
機械族 + 機械族+ 機械族+ 機械族+ 機械族
渦はさらに強く回転し全てを飲み込んだ。
そしてその中心が痛烈な閃光を放つ。
唯信「フハハハハハハッ!! 平伏せぇ! 融合召喚! サイバネティック・フォートレス・ドラゴン!!」
サイバネティック・フォートレス・ドラゴン「ゴァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
攻:0→5000 闇 機械族 星8
社長「攻撃力……5000……だと!」
ーバトルフェイズー
唯信「終わりダ!! サイバネティック・フォートレス・ドラゴンの攻撃! エヴォリューション・リザルト・アーティレリー!!!」
社長「あ……あぁ…!」
サイバネティック・フォートレス・ドラゴン「ガァァァァァァァァ!」
攻:5000
空間そのものを揺らすような稲妻が走り合体した機龍がエネルギーを集約、射出した。
成す術なく社長は身体全てで受け止めていた。
社長「ウァァァァァァァァァ!!?」
LP4000→0
ビィィッとブザー音がなった。
勝者は言うまでもなくチーム ツンドラ。
1人で3人を片づけ、相手から受けたダメージ0というほぼパーフェクトデュエルを成し遂げていた。
アカデミアスタンドは一気に沸き立っている。
[アカデミア側ベンチ]
神川「Yes! ユシンの独壇場だったわね!」
ツァン「やっぱり出番なかったね……」
雪乃「あっさり逝っちゃってつまらないわぁ」
麗華「いいえ、我々は圧倒的に勝たなければなりません。我々はデュエルアカデミアの代表なのですから」
当然とも言わんばかりに蒼き少女たちは笑う。
それは勝ったことへの喜びではなく、力を示したことへの充足であった。
後編に続きます。
なお紋章獣使いの方、F.A使いの方、やられ役になってしまい誠に申し訳ございません。
■今回は2023年4月時点の禁止カードはありません。
■余談
スキルドレインは2023年4月に制限指定されて驚きました。
でも発動されるときついし、仕方ないですよね。
地の文や台詞形式について
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今のままで良い
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台詞のみの台本形式の方が読みやすい
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小説のような形式の方が読みやすい