遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~   作:レトやま

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第2話の誤字修正を上げていただいた方、誠にありがとうございます。
カード名についてはミスらないように気をつけてはいますが、見つけた場合はまたご指摘ください!
前回長かったので今回は控えめです。


第10話「アカデミア最強ヴァルキリーズ チームツンドラ」後編

【ネオ童実野シティ タワーマンション 恵の部屋】

 

興奮冷めやらぬ童実野スタジアムから出たヒーロー部は一も二もなく恵の部屋に直行した。

全員が座ると雑談をする暇も与えず亜美は机をトンと叩いた。

 

祭乃木「はい! じゃあ緊急ヒーロー部会議を始めます!」

 

良平「いやー、すごかったなツンドラ……というかサイバー流」

 

しみじみと反芻するように良平は呟く。

全員の脳裏にはあの高笑いと白銀の機龍の姿が焼き付いている。

ここのせは腕を組んで虚空を見た。

 

ここのせ「できれば、他のメンバーのデッキも見たかったが……トヨダ自動車はそれどころじゃなかったからな」

 

ゆき「あぅぅ、あんな凄いモンスターたちのデッキ……倒せるんでしょうかぁ……」

 

ゆきは肩を落とす。

その隣で姿勢よく正座している恵は誰に言うでもなく口を開いた。

 

恵「……チームツンドラは昨年の大会において、チーム煉獄に敗北を喫している。突破口はあるはず……」

 

祭乃木「寧ろ、サイバー流を下した煉獄たちも気になるわね……。ねぇ恵、確かチーム煉獄対チームツンドラ戦の映像があったわね? 流せる?」

 

恵「……ん……」

 

亜美の言葉に恵は頷くとすっと立ち上がりPCの電源を押す。

唸りをあげて本体が起動し画面が進んでいく。

 

良平「ツンドラのメンバーは、去年と一緒なんだっけ?」

 

恵「……同じ……」

 

視線をうつさずに恵はキーボードを叩きながら答える。

 

ここのせ「デッキは多少変わってるだろうけど、参考にはなりそうだな」

 

やがてカタカタとキーボードの音がとまり、恵が画面を凝視したまま固まっている。

いや固まっているように見えるだけで、次の瞬間には言葉を発した。

 

恵「……予選決勝の映像は、ダイジェストになっている。試合の全容は見られない。……流す……?」

 

祭乃木「あ、そうなんだ。ま、でもいいわ! とりあえず流して頂戴!」

 

恵「……わかった……」

 

恵がかちりとマウスをクリックするとPC画面には『熱闘! デュエルスタジアム!』と表示された。

炎が噴き出るようなタイトルロゴに去年旬だった歌手の楽器が流れている。

 

祭乃木「あ、熱闘デュエルじゃん」

 

ここのせ「夜中にやってるやつだよな、公営放送の」

 

祭乃木「アタシ、これ見逃したのよねぇ。去年のこの時期は、みんな忙しかったからさ」

 

良平「忙しかったって、高校生活に浮かれて遊び倒してただけだけどね」

 

祭乃木「言い方の問題よ! デュエル特訓だったでしょ!」

 

ここのせ「温泉旅館巡って、旅先でデュエルしまくってただけだ」

 

ゆき「あはは、楽しそうですぅ!」

 

そんな会話もほどほどに、映像では司会と思わしき女性タレントがスタジオ風のセットで語りを進めていた。

 

『さぁ、本日も熱き決闘者たちの熱闘をご紹介しましょう! 今日の熱闘は! 各地で行われたWSGの予選決勝! その様子をご覧いただきましょう!』

 

キメ顔で手を突き出すと画面がネオ童実野シティデュエルスタジアムに切り替わった。

空撮から内部映像へと変遷しワイプのなかで司会がさらに解説する。

 

『予選決勝の中で最も注目度が高い対戦カードがこちら! なんとデュエルアカデミアチーム同士の戦い!』

 

画面には煽るようにチーム煉獄 vs チームツンドラと表示されている。

当時のスタジアムの熱気を伝えるためかスタジアム全体の俯瞰映像が映る。

両軍のスタジアムにはどちらもアカデミア生が埋め尽くしている。

 

『アカデミアチームはどちらも今年が初出場! これまで出場していたアカデミアチームを凌駕する2チームだそうです!』

 

解説が終わると同時に、映像が切り替わり二人の決闘者が睨み合っている。

片方はピンクの短髪、もう一方は茶色の長髪。

当然、青の制服を着ていた。

 

???『デュエル!』

LP4000

 

ツァン『デュエル!』

LP4000

 

『試合は、1ターン目から動きを見せます!』

 

良平「あの子、この間の……」

 

画面に映るピンク髪ーーツァン・ディレを指差して良平が呟く。

ファミレスでたまたま邂逅した女性決闘者。

亜美は腕を組んでもう一方の女を見た。

 

祭乃木「煉獄側の女は前に街で会ったときにいたわね」

 

ここのせ「選手名が出てるな……。こいつ、寺仔リオって名前だったのか……」

 

リオ『ウチのターン! キャハッ、ウチってば小悪魔的ィ〜? トリオンの蠱惑魔、召喚!』

 

トリオンの蟲惑魔『やぁぁ!』

攻:1600 地 昆虫族 星4

 

リオ『効果発動! この娘はぁ、召喚したときホール、落とし穴罠カードをサーチするよぉ。狡猾な落とし穴を手札に加えるよー』

手札4→5

 

画面を凝視していた良平は現れたカードを見て思わず声を漏らす。

 

良平「蠱惑魔かぁ、いいデッキ使うな」

 

同じく画面を凝視していたここのせがその女を見て思わず声を漏らす。

 

ここのせ「あのギャル、めっちゃ巨乳……」

 

祭乃木「デュエルをみなさい!」

 

バシッと鉄拳制裁が下った。

 

ここのせ「とっても痛い……」

 

抵抗するでも抗議するでもなくここのせが言うとゆきが困ったように乾いた笑いを漏らした。

画面ではさらにデュエルが進む。

 

リオ『さらに、トリオンちゃん一体をリンクマーカーにセッティング〜!』

 

↓蟲惑魔モンスター = LINK1

 

リオ『リンク召喚! カモーン、セラの蠱惑魔ちゃん!』

 

セラの蟲惑魔『がんばるよぉ〜』

攻:800 地 植物族 LINK1

 

リオ『カードを1枚セットしてぇ、ターンエンドってカンジィ』

手札3

 

ードローフェイズー

 

ツァン『いくよ、ボクのターン! ドロー!』

手札6

 

ーメインフェイズー

 

ツァン『六武衆のご隠居を特殊召喚!』

 

六武衆のご隠居『ふぉっふぉっふぉっ』

攻:400 地 戦士族 星3

 

ツァン『ご隠居は、相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、特殊召喚できる! そしてご隠居を対象に速攻魔法、六武衆の荒業を発動するよ!』

 

《六武衆の荒業》

速攻魔法

 

ツァン『対象の六武衆と同じ攻撃力の六武衆をデッキから特殊召喚できる! このコで! 六武衆の影武者を特殊召喚!』

 

六武衆の影武者『ハァァッ』

攻:400 地 戦士族 星2

 

 

画面の中の少女が呼び出したモンスターを見て良平は立ち上がらんばかりに腰を浮かせた。

 

良平「六武衆!? アカデミアってやっぱすごいんだな……」

 

ここのせ「六武衆って、確かどっかの武家に伝わる呪符をモデルにしたっていうテーマカードだよな。そこの家の血筋の人間しか扱えないとかって曰く付きのカード群だろ?」

 

良平「でも、レアカードには変わらないよ。ショーケースでも見たことないし。度合いではサイバー流と変わらない」

 

ゆき「で、でも、相手のセットカードには狡猾な落とし穴が伏せられてますよぉ! すぐに破壊されちゃいますぅ!」

 

祭乃木「その割には、あっさりモンスターを展開したわね」

 

映像の中では女が口角を上げて腕を振り上げてカードを発動する。

 

リオ『キャハッ! トラップ発動! 狡猾な落とし穴! フィールドのモンスターを2体破壊するしぃ!』

 

モンスターの足元に突如落とし穴が開き、2体を吸い込んでいく。

 

六武衆の影武者『グァァァ!』

 

六武衆のご隠居『年寄りにはきついのぉ……』

 

悲鳴をあげてモンスターは砕け散る。

ツァンは苦い顔をして『ごめん、二人とも……』と漏らした。

それを無視して女が叫ぶ。

 

リオ『さらに、セラちゃんの効果発動だしぃ! 通常罠が発動した時、デッキからフィールドにいない蠱惑魔ちゃんを特殊召喚できるよぉ。デッキからティオの蠱惑魔を特殊召喚!』

 

ティオの蟲惑魔『はぁ!』

守:1100 地 植物族 星4

 

リオ『ティオちゃんは、特殊召喚したとき、墓地の罠カードをセットするよぉ!』

 

ティオの蟲惑魔が妖艶に笑い、地面が不自然に盛り上がる。

見え透いてはいるものの抗うのが難しい罠の筵であった。

しかしツァンは次なる手札を構えていた。

 

ツァン『これで、妨害はなくなった! 手札から六武の門を発動!』

 

《六武の門》

永続魔法

 

ツァン『このカードは六武衆モンスターが召喚・特殊召喚される旅に、武士道カウンターが2つ乗る永続魔法! そしてボクはこのターンまだ通常召喚を行っていない! 影六武衆-フウマを召喚!』

 

影六武衆-フウマ『ハァァッ! ニンッ』

攻:200 風 戦士族 星1 チューナー

 

六武の門

カウンター0→2

 

リオ『そんな弱そーなモンスター出してどぉすんのぉ?』

 

ツァン『バカにしないで! 六武衆の力を見せてあげるよ!真六武衆-キザンは、フィールドに六武衆がいるとき特殊召喚できる! 来て、キザン!』

 

真六武衆-キザン『いざ、参る』

攻:1800 地 戦士族 星4

 

六武の門

カウンター 2→4

 

ツァン『レベル4のキザンにレベル1のフウマをチューニング!』

 

☆4+☆1=☆5

 

ツァン『ーー楽勝! 優勝! 皆勤賞! ぜーんぶいただき! シンクロ召喚!来て!! 真六武衆-シエン!』

 

真六武衆-シエン『是非もなし』

攻:2500 闇 戦士族 星5

 

六武の門

カウンター 4→6

 

ツァン『さらに六武の門の効果発動! このカードは、武士道カウンターを取り除くことで、その数に応じた効果を発動できる! ボクはカウンターを4つ取り除く! その効果はデッキから六武衆モンスターを手札に加えるサーチ効果! 真六武衆-キザンを手札に加えるよ!』

手札2→3

 

六武の門

カウンター 6→2

 

ツァン『そして、そのまま特殊召喚!』

 

真六武衆-キザン『はぁっ!』

攻:1800 地 戦士族 星4

 

六武の門

カウンター 2→4

 

ツァン『まだまだ! もう一度、六武の門の効果! 4つ取り除き、六武衆の師範を手札に加える!』

手札1→2

 

六武の門

カウンター4→0

 

ツァン『六武衆の師範もキザンと同じように特殊召喚できる! 来て、六武衆の師範!』

 

六武衆の師範『ハァァッ!!』

攻:2100 地 戦士族 星6

 

 

流れる映像にここのせは思わず声をあげる。

 

ここのせ「おいおいおい、インチキすぎんだろ!! なんだあの展開力!!」

 

良平「六武の門……。あれが六武衆攻略の鍵みたいだね」

 

 

リオ『や、やば……!』

 

ツァン『さぁ、バトル!』

 

ーバトルフェイズー

 

ツァン『キザンでティオの蠱惑魔に攻撃!』

 

真六武衆-キザン『ハァァッ!』

攻:1800

 

ティオの蟲惑魔『あぁぁ!?』

守:1100

 

黒い甲冑の侍が刃を一閃振り払い、ティオの蟲惑魔を切り裂いた。

ツァンはさらに手を突き出し追撃していく。

 

ツァン『さらに、師範でセラの蠱惑魔に攻撃!』

 

六武衆の師範『ふっ!』

攻:2100

 

セラの蟲惑魔『きゃぁー!』

攻:800

 

白髭を蓄えた老武士は素早く刀を抜きセラの蟲惑魔を切り捨てる。

セラの蟲惑魔はバリンッとガラスのように散っていく。

 

リオ『キャァァ!?』

LP4000→2700

 

ツァン『さらに、シエンでダイレクトアタック!!』

 

真六武衆-シエン『フンッ!』

攻:2500

 

総大将が紫色の煙を纏い、魔剣を振り抜く。

それは女の身体を貫いてライフを存分に削り取った。

 

リオ『痛ィ! マジありない!』

LP2700→200

 

大きく展開したデュエルに会場は湧き立ち拍手も聞こえていた。

チームツンドラ優勢は確実である。

画面はワイプが広がり映像が切り替わる。

 

『1ターン目で大きくリードしたチームツンドラ! さらに試合が動いたのは、煉獄側セカンドプレイヤー、黒河選手がツァン選手を下し、バトンタッチした5ターン目!』

 

切り替わった先には青い制服の男子生徒。

少し長め黒髪に童顔の男。

しかし顔は決闘者の目つきである。

 

 

黒河『金さんか……。いいだろう、こい!』

 

唯信『いくゾ! 私のターン!』

 

ースタンバイフェイズ→メインフェイズー

 

唯信『相手フィールドにのみモンスターが存在スル場合、サイバー・ドラゴンは特殊召喚できる! 来い、サイバー・ドラゴン!』

 

サイバー・ドラゴン『シャァァ!』

攻:2100 光 機械族 星5

唯信『さらにサイバー・ドラゴン・ドライを通常召喚!』

 

サイバー・ドラゴン・ドライ『キィィィ!』

攻:1800 光 機械族 星4

 

『サイバー流の申し子の猛攻が炸裂します! しかし、試合は後半からチーム煉獄に流れが向きます。チーム煉獄のラストプレイヤー阿久津剛選手が試合の流れを変えました!』

 

ゆき「………この試合、観てました……。あの時はよくわからなかったけど……」

 

祭乃木「ゆき……」

 

阿久津『ひゃはははっ! インフェルノイド・ネヘモスを再び特殊召喚!!』

 

インフェルノイド・ネヘモス『グォォォオオォオオ!』

攻:3000 炎 悪魔族 星10

 

唯信『……ぐっ……おのれェェ……!!』

 

パッとカメラが切り替わる。

そこには額から血を流している金唯信が傷口を押さえつつ、刺すように睨みつけていた。

 

祭乃木「あれ? なんか金唯信って女、やたらぼろぼろね」

 

良平「ホントだ。しかも、なんか辛そうだな」

 

ゆき「あ! そういえば、あの時の試合は途中で相手の人が倒れちゃったのを思い出しましたぁ!」

 

ここのせ「倒れた? なんだそりゃ?」

 

ゆき「はい。試合の途中で、剛さ……いえ、阿久津さんの攻撃を受けたとき辺りから、なんだか本当にダメージを受けてるみたいな吹き飛び方で……」

 

良平「えぇ?ソリッドビジョンって、確かに多少は衝撃くるけど、吹っ飛ぶほとじゃないよ」

 

ここのせ「デュエルアカデミアの演出じゃねぇのか? あそこってプロデュエル以外にも、エンタメデュエルとかもプロデュースしてんだろ?」

 

祭乃木「うーん、前に絡んできたときは、そんなエンタメするような女には見えなかったけど」

 

恵「…………」

 

『結果はチーム煉獄の勝利で幕を閉じました! では、次はアメリカスタジアムの様子をーー』

 

祭乃木「あれ? 終わっちゃった!? ちょっと! 試合内容カットされすぎじゃない!?」

 

恵「……コンプライアンスに問題があったと推測される……」

 

ここのせ「間宮の話がマジなら、怪我人がでたことになるもんな」

 

ゆき「……苦しそうにしていましたし、ご病気だったのでしょうか……」

 

良平「その割には、ファミレスで会ったときは凶暴だったけどなぁ」

 

祭乃木「真相は謎ね。はぁー、しっかし、サイバー流の攻略法は分からなかったわね。ツァンって子のデッキがわかっただけでもよかったけどさ」

 

ここのせ「サイバー流に、とんでもねえ展開力の六武衆……、そんでほかのメンバーは謎ときた……。かぁぁキチィなぁ」

 

良平「目下の問題はサイバー流だよな。俺の幻獣機は機械族テーマだし……ここのせも主力は機械族だもんな」

 

ここのせ「あぁ、ついでにオレのデッキはキーカードの依存度が半端じゃねぇ。マストカウンターがバレバレだ。正直言って、サイバー流にも六武衆にも勝てるビジョンが見えねぇ」

 

祭乃木「何弱気なこと言ってんのよ!」

 

ここのせ「弱気にもなるってもんだぜ。ポンポン出てくる制圧効果持ちに、どんなに並べても機械族ってだけで全てを無に帰すキメラティック・フォートレス……。機械族のデッキじゃ勝ち目がねぇよ」

 

祭乃木「バカね、アンタたちだけで戦おうとするからそんな弱気になるのよ! チームなんだからチームに頼る!なんたってウチには、副部長のゆきと自称デュエルロイドの恵がいるじゃない!」

 

亜美は何故か自分事のように自慢げに言い放つ。

聞いたゆきは大きな目をまん丸にしている。

 

ゆき「……へ?」

 

恵「…………」

 

良平「そうだね、流石にバトンタッチするしかないな」

 

恵「……そのことについて意見を具申したい……」

 

祭乃木「はい! 恵!」

 

珍しく自分から声をあげた恵に亜美はすばやく指差し回答権を渡す。

 

恵「……メンバーは、祭乃木亜美、日和田良平、そして間宮ゆきの3名を推奨する……」

 

ゆき「や、やっぱりわたしですかぁ……!?」

 

良平「俺も入れるのか? 恵が入った方がいいんじゃないの?」

 

良平の言葉に恵はデッキケースからカードを一枚抜き取り見せる。

フィールド魔法 アンデットワールドである。

 

恵「……確かに私のデッキはサイバー流に対し比較的有利と言える。だが六武衆が相手の場合、展開が間に合わない可能性がある。一方、日和田良平はサイバー流に対し、不利となるが六武衆に劣らない展開力を持つ。つまり私を入れても、日和田良平を入れてもチームの総合力に変化はない……」

 

ゆき「な、なるほど……」

 

恵「……また私をいれた場合に発生するアンデットワールドが及ぼす味方への損害を考慮すると、日和田良平の方がチーム戦の勝率が高いと推測する……」

 

祭乃木「なるほど! なら、ゆきと良平とアタシで決まりね!」

 

とんとん拍子に決まっていくスターティングメンバーにゆきはアワアワとしながら口をあけた。

 

ゆき「わ、わたし、本当に出るんですかぁ!? 相手はアカデミアの人ですよぉ!?」

 

相手は日本中ーーいや世界中の高校生の中で最強の決闘者集団。

オベリスクブルー。

ゆきは自分の戦績や経験を振り返る必要すらないほどに差は歴然だと思った。

ここのせは渋い顔をしつて腕を組んでいる。

 

ここのせ「サイバー流相手に楽に二枚抜きされるわけにはいかねぇからな……。間宮には悪いが頑張ってもらうしかねぇぜ」

 

ゆき「あぅぅ……」

 

そうまで言われるとゆきはもう自分以外に出る人間がいないと肩を落とす。

そんな様子に亜美は笑ってゆきの肩を叩いた。

 

祭乃木「あはは、大丈夫よ! アタシたちもついてるんだから!」

 

良平「それで、順番はどうする? トヨダ戦では金唯信が先発だったわけだけど……」

 

祭乃木「うーん、難しいところよね。これまで良平が先発だったけど、サイバー流が先発だと対面不利だしねぇ」

 

ここのせ「さっきの映像じゃツァン・ディレってやつが先発だったな。どっちもありえるってわけか」

 

祭乃木「でもこっちはこれまでずっと良平が先発だったわけだし、アタシが相手だったらサイバー流をぶつけたいって考えるわ」

 

良平「流石に、サイバー流と初手に対面するのは避けたいなぁ」

 

祭乃木「となると……」

 

話の流れから亜美はゆきに目を向けた。

ゆきは蒼白になりながらビクリと肩を跳ねさせる。

まさかーー。

 

祭乃木「ゆき!先発、お願い!」

 

ゆき「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

人生初の。

決闘者として初の。

公式戦。

それがあのデュエルアカデミア。

オベリスクブルー。

ついでに先発。

間宮ゆきは齢17にして人生の中で最大量の声を張り上げた。

 




■熱闘! デュエルスタジアム!について
要するに熱闘甲子園です。

次回 寝る前決闘空間第11話
『不肖間宮ゆき! 特訓します!』
デュエルスタンバイ、です!

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