遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~   作:レトやま

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ここから第二章、2クール目という形になります。
何故か文字数が多くなってしまったので地の文省略気味になってます……。



第2章 大会 本戦編
第15話「星のカード」前編


【童実野第二高校 部室(不法占拠)】

 

童実野第二高校の放課後。

夏が盛りに近づいているということでまだまだ陽は高く留まっている。

もはや無用の長物となっている地学準備室は、ヒーロー部が占拠しており、大会本戦まで出場と相なった彼らを咎めるものはいない。

そんな室内にあるソファでここのせは両手を膝に突きがっくりと項垂れていた。

 

ここのせ「ちくしょうめ……。オレはオレを生んだ全てが憎い……」

 

良平「そ、そんな落ち込むなよ。元気出せって」

 

恵「……涙拭いて……」

 

良平と恵はそんな彼の対面に座っていて俯くここのせに声を掛けていた。

ガチャリと扉が開く音がして二人がその方向を見る。

 

祭乃木「おっすー!」

 

ゆき「入りまーす」

 

入ってきたのは赤毛にポニーテールーー祭乃木亜美と茶色のショートカットーー間宮ゆきであった。

ゆきは入るや否やここのせを見て目を丸くする。

 

ゆき「こ、ここのせさんが、真っ白に燃え尽きてますぅ……!」

 

祭乃木「……ちょっとどうしたのよ辛気臭いわね! 」

 

良平「いやね、さっきから何回もデッキを回してるんだけど、どうしても上手く回らなくて……」

 

恵「……」

 

ここのせ「……オレのデッキは重たいカードが多いからやばいかなとは思っていたんだ……! だが、まさか今になって……」

 

祭乃木「そ、そりゃあ災難だったわね……。けど、アタシたちはそんなこと言ってる場合じゃないのよ!! アタシたち、本戦に出るのよ!! しっかりしなさいよ!」

 

ここのせ「オレはお前らと違って無理くりデッキを組んでるんだぜ? ただでさえ無理やり回してんのに……。 本戦、オレ役に立つのか……?」

 

祭乃木「大丈夫よ! 今までだって、何とかデッキを組んできたじゃない! 新しく採用できるカード、探しましょ!」

 

ゆき「ここのせさん、先日もらった記念パックは開けてみましたか? もしかしたら、何かデッキに入れられるカードが入ってるかもしれませんよ!」

 

ここのせ「開けてねーな、そういや」

 

答えてからここのせはカバンの中に手を突っ込んだ。

そこからショートストレージボックスを取り出して中から金色のパックを取り出した。

 

良平「そういえば俺も開けてないや」

 

恵「……私も開けていない……」

 

祭乃木「せっかくだし、みんなで開けてみようか」

 

ゆき「なんだかドキドキしますね……!」

 

各々が自分の手にあるパックを破り、中を開けていく。

中には三枚のカードが入っていてそのどれもがホイル加工を施してあった。

 

良平「3枚しか入ってないんだな」

 

祭乃木「どれどれ……?」

 

・レインボーネオス

・召喚獣メルカバー

・決闘融合-バトルフュージョン-

 

祭乃木「! なにこれ、新しいネオス……!? 攻撃力4000!?」

 

ここのせ「なんじゃそりゃ、強っ!?」

 

祭乃木「……でも、これ、どうやって出しゃいいのよ? 究極宝玉神なんてカード持ってないわよ。素材代用できないし」

 

良平「究極宝玉神って……! めちゃくちゃレアカードじゃん! 手に入らないぞ、そんなの」

 

ゆき「そんなにすごいんですかぁ?」

 

恵「……究極宝玉神のオリジナルは、デュエルアカデミア アークティック校があるスウェーデンのアンデルセン記念館が所蔵している。また同館内で限定販売されているパックにのみレプリカが収録されている……」

 

ゆき「ひゃ〜すごいですぅ」

 

祭乃木「うーん……。凄いカードだけど、わざわざスウェーデンに行くわけにもいかないし……。とりあえず大切に持っておくわ。みんなはどう?」

 

ゆき「わ、また新しい聖騎士です!」

 

・焔聖騎士将-オリヴィエ

・真紅眼の黒竜(レプリカ)

・召喚魔術

 

良平「おー、エクストラが潤うな」

 

・No35 ラベノスタランチュラ

・増殖するG

・ブラックマジシャン(レプリカ)

 

恵「……シンクロ以外のエクストラカードを入手したのは初めて……」

 

・アドヴェンデッド・セイヴァー

・召喚士アレイスター

・デーモンの召喚

 

ここのせ「……またバラバラに当たってるわ……」

 

・エヴォルカイザー・ドゥルガ

・トライホーン・ドラゴン

・転生炎獣アルミラージ

 

ここのせ「ま、そう都合よくデッキに入るカードは引けねーよな……」

 

祭乃木「あ、この召喚獣メルカバーってやつ、レベル9じゃない。アンタ使えるんじゃない?」

 

ここのせ「どれどれ……あー、出せねぇなぁ。召喚士アレイスターってやつ、もってねぇもん」

 

亜美の差し出した紫色のカードをみてここのせは眉を顰めた。

すると、恵が手の中の三枚の内一枚のカードを抜き取り差し出した。

見ると召喚士アレイスターと書かれている。

 

恵「……どうぞ……」

 

ここのせ「え!? 持ってたのか!?」

 

恵「……たった今入手した。私のカードプールでは使えない……」

 

ここのせ「おぉ……! じゃあ、代わりにこいつをやるぜ!」

 

パック内に入っていたトライホーン・ドラゴンを差し出す。

価値がいかばかりは不明だが、それなりのレアカードで等価交換に値するだろう。

恵は顔色を変えずに受け取った。

 

良平「あとは召喚魔術があれば完璧なんだけどな」

 

ゆき「召喚魔術……? これですかぁ?」

 

今度はゆきが三枚あるカードからカードを取ってみせた。

 

良平「ってあるーー!!?」

 

ここのせ「……エヴォルカイザーは間宮のデッキじゃ使えねぇし……。土下座すればいいか?」

 

ゆき「いらないですよ!? ……前に色々カードをいただいたので、そのお返しです! 受け取ってください!」

 

ゆきはカードをここのせに手渡して微笑んだ。

受け取ったここのせを亜美は肘でつつく。

 

祭乃木「優しいゆきに感謝しなさいよ、ここのせ」

 

ここのせ「助かったぜ、間宮! すげぇ……! カードが揃った……! つってもオレのデッキ、また更にイロモノになっちまったけどな……」

 

良平「いやまぁ、ここのせはよくデッキを組んでると思うよ」

 

ここのせ「オレ自身じゃカードを揃えらんねぇからな。やっぱ持つべきは運命力を持ってる仲間だぜ!」

 

良平「身もふたもないなぁ」

 

無遠慮に言い放つここのせに良平は苦笑いで後ろ頭を描いた。

 

ゆき「運命力……?」

 

恵「……運命力。学会用語Attract energyの日本語訳。カードを引き寄せる力、と言われており、デュエリストの資質を図る指針とも言われている。この時代においては、少なくとも私の世界のこの時代には正確に数値化する技術はない……」

 

ゆき「そ、そんなのがあるんですねぇ……」

 

関心するようにゆきは深く頷くので亜美は右手をひらひらとさせて声を出した。

 

祭乃木「アタシは、眉唾だと思ってんだけどね」

 

良平「間宮は小学生のときやらなかった? 検査みたいなやつ。なんかそういうのを感じ取れる人がいて、その人が高いとか低いとか言うんだけど」

 

ゆき「やったことないですぅ……」

 

祭乃木「ウチの小学校は、担任がやたらデュエル好きだったからきただけでしょ」

 

ここのせ「けっ、0って言われた奴の身にもなれってんだ」

 

ゆき「え……? こ、ここのせさん、それって……」

 

ゆきが口をあけかけた刹那、バタバタと騒がしい音が外から聞こえてきた。

時折、男性のものと思われる怒声も聞こえている。

 

良平「なんか外が騒がしいな……」

 

祭乃木「何よまったくもう」

 

さっと席を立ち亜美が扉を開ける。

廊下に身を出しつつ腰に手を当てた。

 

祭乃木「ちょっとー、何やって……」

 

言い終わる前に騒音。

バタバタと足音が複数。

廊下の遥か向こうには教師がいて慌ただしく声を上げた。

 

教員「あ! 祭乃木! その子たちを捕まえてくれ!」

 

そんな教師の足元に突如、子供サイズの人影がタックルする。

 

男の子1「やー!」

 

教員「うわぁぁ!」

 

バランスを崩した教師と少年はそのまま倒れ込む。

その隙にとばかりに少年と少女が手を繋いでーー否、少年が少女の手を引いて走ってきていた。

亜美を視界にとらえた少年は足を止めずに怒鳴る。

 

男の子2「ど、どけぇ!」

 

女の子「わぁぁぁ!」

 

しかし亜美は臆することなく手をひょいと伸ばし、彼らの首根っこを掴み上げた。

 

祭乃木「ほいっと!」

 

男の子2「うわぁっ!?」

 

女の子「ひゃあ!?」

 

二人はまるで運ばれる子猫のように持ち上げられた。

男の子の方は髪の毛は短く少しつんとしている。

一方で女の子の方は下ろした髪を二つ結びにして緑色の玉がついた髪留めで縛っていた。

 

 

教員「で、でかしたぞ……こら離れなさい!」

 

男の子1「うおー!」

 

亜美に捕らえられた少年よりも一回りか二回りほどガタイの良い少年がいまだに教師を押さえ込んでいる。

その光景に続いて部室から出てきた面々は困惑した表情を浮かべた。

 

ここのせ「なんだなんだぁ? なんだってこんなお子様がいやがるんだ?」

 

ゆき「迷い込んじゃったんでしょうかぁ……?」

 

良平「犬や猫じゃないんだから」

 

恵「……ユニーク……」

 

一方亜美の手の中で男の子はジタバタと手足を振って抵抗している。

 

男の子2「は、離せよ!! くそぉ、この怪力女ぁ!!」

 

祭乃木「なんですってぇ!?」

 

亜美はギリギリと掴んだ服の首根っこを締め上げた。

 

男の子2「ぎゃぁーー!!」

 

良平「祭乃木、その辺にしとけよ」

 

あまりの哀れさに良平か嗜めると亜美はため息をつく。

 

祭乃木「ったく……」

 

それからパッと手を離し、男の子と女の子を落とした。

 

男の子2「ぐぇ!」

 

女の子「ひゃっ!」

 

尻餅をついた二人はさすりながらゆるりと立ち上がる。

 

男の子2「いってぇ〜……ってあっ! お前ら!! チームHEROだろ!?」

 

女の子「テレビと一緒だぁ……」

 

二人が顔をあげて亜美を見ると、少年の方が指をさした。

 

祭乃木「あによ、アタシらのこと知ってんの?」

 

男の子2「なぁ! お前ら、ヒーローの部活なんだろ!? 」

 

すがるように少年は亜美のスカートを掴む。

そして真っ直ぐに亜美の目を見た。

 

ゆき「え……?」

 

男の子2「だったら、助けてくれよ!! カードを……!! こいつのカードを取り戻したいんだ!」

 

ここのせ「カードを……」

 

良平「取り戻す……?」

 

 

寝る前決闘空間

第15話 『星のカード』

 

 

【童実野第二高校 部室(不法占拠)】

 

 

ゆき「はい、ジュースどうぞ」

 

教員たちを言いくるめて部室に案内する。

彼らには大きすぎる座面で足をぷらぷらと浮かせていた。

ゆきは自販機で買ってきた紙パックのりんごジュースをわざわざストローを刺して出した。

 

女の子「ど、どうも」

 

男の子1「わーい」

 

女の子の方は申し訳なさそうに会釈し、身体の大きい男の子は無警戒にストローを咥えた。

そんな彼にもうひとりの男の子が声を荒げた。

 

男の子2「お、おい! 落ち着いてジュース飲んでる場合じゃないだろ! なぁ、ホントに助けてくれんのか!」

 

「ストップ」と亜美が静止する。

ソファの対面に座る亜美は腕を組んでぴしゃりと言う。

 

祭乃木「その前に自己紹介しなさい。……アタシは祭乃木亜美、チームHEROのリーダーで、ヒーロー部の部長よ」

 

男の子2「知ってるよ、テレビで見たもん。そっちの人が聖騎士使いの間宮ゆきで、その人が幻獣機の日和田良平でしょ? そっちのベンチの二人は知らないけど……」

 

亜美の座るソファの後ろを囲うように座る面々を指差して男の子は言う。

 

ここのせ「ベンチって言うんじゃねぇよ! 決勝まではオレが出てんだよ! ……能瀬心、略してここのせだ、覚えとけ!」

 

恵「……ルイン恵、呼ぶときは恵……ひらがな3つでめぐみ……」

 

祭乃木「あんたらは?」

 

男の子2「……つかさ」

 

女の子「こかげです……」

 

男の子1「ケイジー」

 

【少年少女3人組 つかさ、こかげ、ケイジ】

 

祭乃木「つかさ、こかげにケイジね」

 

ゆき「わざわざ高校にまでくるなんて、なんだか凄いですねぇ」

 

ゆきがニコニコとしながら言うと二つ結びの女の子ーーこかげは遠慮がちにケイジを指差した。

 

こかげ「ケイジくんが無理やり……」

 

ケイジ「へへへー! とにかくやってみるのが一番だからなー」

 

言われた小学生としては身体の大きいーーケイジは誇らしげに笑っている。

 

良平「なんか祭乃木みたいな子だな」

 

祭乃木「アタシはこんな無鉄砲じゃ……ない、わよ……?」

 

ゆき「ぎ、疑問形なんですね……」

 

祭乃木「もう! そんなのはどうでもいいのよ! ……んで、何があったの?」

 

聞くと男の子ーーつかさが膝の上で拳を握り、悔しそうに俯いた。

 

つかさ「……こかげのカードを取られたんだ……。おれのせいで……!!」

 

こかげ「わ、わたし、気にしてないから……」

 

祭乃木「この子のカード?」

 

つかさ「……どうしてもデュエルの大会に出てみたくて……。でもおれ、デュエルの才能がないから……」

 

ケイジ「つかさはなー、なんでかカードを買ってもデッキを組めるカードが手に入らないんだなー」

 

つかさ「……変だなって思って、一回デュエルアカデミアのオープンスクールに行って聞いてみたんだ……。そしたら、生まれつきデュエリストの資質がないって……」

 

祭乃木「……!」

 

良平「……!」

 

その言葉を聞いた瞬間、亜美と良平がここのせを見た。

 

ここのせ「……」

 

腕を組んだまま目の前の少年を見据える。

脳裏にはかつての記憶がノイズ混じりに蘇った。

『君は……運命力を持っていない』

『デュエリストになるのは無理だ。惨めな思いをする前に諦めた方が君のためだよ』

『……アンタは、それでいいの!?』

つかさは俯いたまま続ける。

 

つかさ「……だから、ずっと出てみたかった大会に出たら、もうデュエルをやめるって決めたんだ」

 

ゆき「そんな……」

 

つかさ「おれのカードじゃ、とても大会には出られないから、こかげのカードを借りて出たんだ」

 

ケイジ「こかげはなー、大会で優勝したことあるくらい強いもんなー」

 

こかげ「やめてよ………」

 

良平「……」

 

つかさ「……でもやっぱり勝てなくて……。そしたら……」

 

 

〜回想 市民体育館〜

 

つかさ『うわぁぁぁ』

LP1200→0

 

衝撃波をうけてつかさの身体が吹き飛ばされた。

デュエルディスクからはブザー音。

 

『よっしゃあ!』

 

対戦相手がガッツポーズを決める中、尻をついたつかさの周りにケイジとこかげが駆け寄ってきた。

 

ケイジ『お疲れ様ー。どんまいだったなー』

 

つかさ『あーあ、やっぱりおれには無理なんだな……』

 

こかげ『ホントにやめちゃうの……?』

 

つかさ『決めてたからさ……。やっぱり資質って大事なんだ……』

 

こかげ『で、でも……』

 

『辞めた方がいいよ』

 

急に冷たい声が降ってくる。

見ると、今まさにつかさを下した対戦相手の少年だった。

こちらにゆっくりと歩いてきている。

 

ケイジ『なんだー、急にー』

 

『前に、デュエルアカデミアで資質0って言われてよね。俺も見てたんだよ』

 

つかさ『なんだよお前! お、お前には関係ないだろ!』

 

悔し紛れに言い返す。

しかし少年は意に返さずさらに近づき、つかさが持っていたデッキに手を伸ばした。

 

『お前にそのデッキは勿体ない』

 

つかさ『なっ!? や、やめろよ!』

 

取り上げられたデッキを奪い返そうとつかさは全力で腕に取り掛かるも振り払われて地面に叩きつけられる。

 

こかげ『あ……』

 

ケイジ『どりゃー!』

 

身体の大きいケイジが突貫する。

しかし、いくら身体が大きいと言っても所詮は小学生。

 

『ふんっ』

 

二回りも体付きが違う中学生は、握った拳を容赦なくケイジの顔に振り下ろした。

 

ケイジ『ぎゃっ!』

 

つかさ『ケイジ!』

 

頬抑えて疼くまるケイジにつかさは叫ぶ。

 

こかげ『だ、だれか……』

 

『 ……才能ないやつは入ってくるなよ、デュエルの世界にさ』

 

つかさ『くそ! 返せ! それはこかげのカードなんだ!』

 

負けじとつかさもつかみかかる。

 

『うるさいなぁ』

 

しかし力は叶わず、拳を一発に踏みつけるような蹴りを貰いつかさも地面に伏せてしまった。

 

つかさ『うっ……!』

 

こかげ『やめて!! ……か、カードなら持っていっていいですから……! もうやめて……!』

 

つかさ『だめだ……! こかげ……うっ……!』

 

『最初から大人しく渡せばよかったんだよ。デュエルに負けたやつは勝ったやつの言うこと聞けばいいんだ』

 

〜回想終わり〜

 

 

事の顛末を聞いたヒーロー部の面々は眉を顰めていた。

「うーん」と良平は渋い声をだす。

 

良平「……あまり大きくない大会だとたまにそういうカツアゲみたいなのがあるって聞くからな」

 

ゆき「……前に旧サテライト区間にいたあのグールズみたいな人たちですかぁ……?」

 

つかさ「……おれがデュエルの大会に出たいなんて言わなければこんなことにはならなかったんだ……! 才能がないのにデュエルをしようとしたから……!!」

 

こかげ「そんな……」

 

今にも悔しさで消えてしまいそうなつかさ。

そんな彼が、どうしても。

ここのせは黙っていられずに声を出した。

 

ここのせ「待ちな。悪ぃ奴ってのを間違えんなよ」

 

良平「そうだよ。悪いのは取っていったそいつだろ。……取られたのは君のカードだけなの? ケイジとかのは大丈夫だったのか?」

 

ケイジ「おれはなー、にくたいはってやつだからなー。考えるより身体が動くからなー。カードは動きにくいから持たないんだー」

 

良平「それはそれでどうなんだ……?」

 

恵「……不幸中の幸い……」

 

つかさ「おれたちじゃ、もうどうしようもないんだ……。大人たちも見回りするとしか言ってくれないし……」

 

こかげ「それで、ケイジくんが、強い人を知ってるっていうから……」

 

ケイジ「テレビに出てたからなー。ヒーローって言ってたなー」

 

新聞の切り抜きやローカル放送で流れたワンシーン。

確かに亜美は名乗った。

ヒーロー部と。

 

良平「ヒーロー部ってそういう部活じゃないんだけどな……」

 

祭乃木「ま、話はわかったわ」

 

ここのせ「……要するにそいつをぶっ倒してデッキを取り返せばいいんだろ。やってやろうじゃねぇか、いいだろ? 祭乃木」

 

有無を言わせぬここのせの言に亜美は鼻を鳴らして返答する。

 

祭乃木「はっ、アンタがやらないならアタシがやるだけよ」

 

ゆき「乱暴な人は許せません!……ですが、少し心配ですね……。もし喧嘩になっちゃったら……」

 

良平「大丈夫だよ。祭乃木に勝てるやつなんてそうそういない。それにここのせもいるし」

 

ゆき「日和田さんは……?」

 

良平「……いざというときの壁かな……」

 

目線を逸らして良平が言うのでゆきはあははと乾いた笑いを漏らした。

それを尻目に恵がつかさを見据える。

 

恵「……ターゲットのパーソナルデータが不足している。証言のみでの追跡は不可能と言わざるを得ない……」

 

祭乃木「その対戦相手ってのはどんな奴なのよ?」

 

つかさ「えっと……男で……おれたちよりもでかくて……」

 

ケイジ「紺色のシャツを着てたぞー」

 

こかげ「た、たしか……機械族の見たことないデッキを使っていました……」

 

三者三様の。

しかもあまりあてにはならぬ情報。

良平は腕を組んで虚空を見る。

 

良平「うーん。デッキはともかくとして、他の条件はなぁ……。これじゃ絞り込めないぞ。何の大会? 最近?」

 

つかさ「ネオ童実野シティジュニアユース大会だよ。やったのは一昨日……」

 

ゆき「本当に最近ですね……」

 

良平「ジュニアユースってことは、中学生以下ってことだけど……。大会の名簿みたいなのがあれば、すぐわかるんだけどな」

 

良平の言葉に恵はやや視線をあげて良平を見つめる。

 

恵「……ハッキングすれば入手可能……」

 

こかげ「はっきんぐ?」

 

良平「あー、そういえばできるって言ってたな……。どうする、祭乃木?」

 

以前、恵が提案したハッキング。

自称デュエルロイドたる彼女の得意技のようだが、これまで披露したことはなかった。

しかし亜美は腰に手を当てて暫く思案し、そして頷いた。

 

祭乃木「うーん、グレーゾーンだけど、アタシたちが不正をするわけじゃないし……。いいわ、恵、お願い!」

 

恵「……わかった……」

 

ここのせ「パソコンはどうすんだ、水原んとこか?」

 

恵「……あれではスペックが足りない。私の部屋のものを使う……」

 

 

[タワーマンション 23階 恵の部屋]

 

言うが早いか、ヒーロー部と依頼人の3人はさっさと童実野二高を抜け出してトップス街を歩く。

そして例のごとく豪華なマンションに入り殺風景な部屋に全員を収容する。

やはりというか当然か、それでも部屋は広く感じる。

 

ケイジ「すっっっげーーー!! 広いーー!」

 

こかげ「……綺麗な部屋……物が全然ない……」

 

少年少女たちはあまりの物珍しさに辺りを見渡していた。

亜美は慣れたようにカバンを床に置くと部屋の隅に見慣れないものがあることに気が付いて恵をつつく。

 

祭乃木「あれ? 何このマッサージチェアみたいなの? こんなんあったっけ?」

 

亜美が指さしたのはゴツい椅子みたいなもので、黒い革張りに機械の端子のようなものが複数ついている。

 

恵「……それは現在、試作途中のもの。あまり触らないでほしい……」

 

ここのせ「恵もなんか作ることもあるんだな」

 

恵「……」

 

ここのせの何気ない一言に恵は彼の顔に双眸を仕向けじっと見つめた。

 

ここのせ「な、何故睨む……?」

 

恵「……睨んではいない……」

 

つかさ「なぁ! 本当にできるのか!?」

 

焦ったそうにつかさが声を上げる。

恵はマイペースに頷くとパソコンの電源をつけた。

 

恵「……当然……」

 

すぐに立ち上がった画面を一瞥し、目にも止まらぬ速さでキーボードをタイプしていく。

次々の画面が移り変わり、黒や青のウィンドウが移っては消えていく。

デスクトップのパソコン本体は今にも燃え上がりそうなほどの熱を発し、排熱するためなのかファンが凄まじい音をあげている。

 

祭乃木「ちょっ、ちょっと! パソコンすごい音してるけど大丈夫なの!?」

 

恵「……この時代のCPUが耐えうる限界の演算がかかっているだけ。問題ない……」

 

目線を外さずに恵は答える。

キーボードは一切見ずに画面だけを見つめている。

やがてパソコンが一際甲高い音を上げたかと思うと恵はエンターキーを押した。

刹那、画面には様々な情報が映し出された。

 

恵「……ヒットした……」

 

良平「早いな!?」

 

恵「……私にとってこの時代のファイアーウォールなど、ティッシュも同然……」

 

全員が画面を覗きこむ。

そこには対戦結果や顔写真、パーソナルデータなどが写っていた。

初戦でつかさと対戦した相手を恵はピックアップした。

 

つかさ「こいつだ!! ……す、すげぇ……。こんなことできるんだ……!」

 

ゆき「あ、あんまり真似しちゃダメですよ……?」

 

ここのせ「枡田威借(ますだいかる)……。童実野中3年……」

 

良平「この大会は優勝してるみたいだな。デッキは……あれ? 文字化けしちゃってて読めないや」

 

恵「……初めからデータが破損していた……」

 

ここのせ「これだけわかりゃ十分だぜ」

 

ゆき「こんなに簡単に個人情報が……。ネットって怖いですぅ……」

 

祭乃木「とにかく、こいつからカードを取り戻せばいいってわけね! さっそく行きましょ!」

 

亜美は勢いよく拳を握ると全員の顔を見回した。

 

良平「行くって、もう4時半だぞ。中学生はもう下校してるよ」

 

祭乃木「なら、二手にに分かれて街を探せばいいわ! 何もできずに終わるよかマシでしょ! ドミ中周辺を探すわよ!」

 

ここのせ「ぜってー見つけてやるぜ」

 

亜美だけでなくここのせまでもがやる気に満ちていて良平は肩を落とす。

 

良平「仕方ないな……」

 

ゆき「頑張って探しますぅ!」

 

祭乃木「チームは、そうね……。じゃあ、ここのせと良平と恵はつかさを連れていって! こかげとケイジは、アタシとゆきで連れていくわ! じゃあ、ヒーロー部、出動よ!」

 

拳を高く突き上げて亜美はそう宣言した。

 

 

[ネオ童実野シティ 街中]

 

亜美たちと別れたここのせと良平、恵そしてつかさは街をキョロキョロと見渡しながら歩く。

 

ここのせ「さて、どっから探す?」

 

良平「相手は曲がりなりにも大会優勝者だし、デュエルアカデミアのオープンスクールにもいたんだろ? デュエセンあたりが怪しくないか?」

 

恵「……同意する……」

 

良平の分析に恵が頷く。

つかさはいてもたってもいられずに走り出した。

 

つかさ「よし……行こう!」

 

ここのせ「ぜってぇ見つけて、ボコボコにしてやるぜ……!」

 

 

[別所 ネオ童実野シティ 童実野中学校の前]

 

全体を高い緑色のフェンスで囲まれている校舎は童実野二高からバス停1つほど離れた場所に位置している。

亜美とゆき、こかげとケイジは閑散としている中庭を遠目から眺めた。

 

祭乃木「やっぱりほとんど下校しちゃってるわね」

 

ゆき「 そうですね……」

 

ケイジ「まだ中に人がいるぞー?」

 

校庭の方を指差すケイジ。

疎ながら運動部らしき声出しが聞こえてくる。

 

ゆき「部活動ですね。でも童実中はデュエル部はありませんよね……」

 

こかげ「うーん……」

 

ケイジ「デュエル部なー、ウチの学校にもないなー」

 

こかげ「デュエル部って普通の学校にはあんまりないんじゃないかな……? 童実野二高とか童実野高校が特別なだけで……」

 

ゆき「わたしたちは、まだ非公式ですけどね……。こかげちゃんは、大会とかにも出たことがあるんですよね。中学や高校に上がったら、やっぱりデュエル部に入ったりするんですかぁ?」

 

こかげ「わ、わたしは……。つかちゃんやケイジくんがやらないなら、わたしもやめちゃおうかなって……」

 

ゆき「そ、そうなんですかぁ……」

 

こかげは眉を八の字にしてバツが悪そうに言う。

ゆきはというとネガティブな反応に肩を落とした。

 

ケイジ「それなー。もったいないなー。つかさも怒るなー」

 

こかげ「だ、だって、他の人とデュエルしても……嫌な思いさせるだけだし、わたしも嫌な気分になるもん……」

 

そういうとおさげ髪を揺らして俯いてしまった。

 

ゆき「嫌な思い、ですか?」

 

こかげ「うん……。デュエルって、どっちかが絶対に負けちゃうから、どっちかが絶対悲しい思いをしなくちゃいけない……。それが嫌なの……」

 

ゆき「それは……」

 

勝負とは時の運。

いかに強くとも負けるときはある。

しかして、それを楽しめるかは人によるのだ。

亜美は腰に手を当てて明るい声を出した。

 

祭乃木「ま、やめるかやめないかは、デッキを取り返してから決めたらいいじゃない! ……ここにはいないみたいだし、次は溜まり場を探しましょ! この辺りで買い食いして駄弁る場所ってあるかしら?」

 

ケイジ「噴水広場の方に駄菓子屋さんがあるぜー」

 

こかげ「……そういえば、噴水広場の近くの公園は、あんまり遊ばない方がいいって……」

 

ケイジ「あれなー、カツアゲされるからなー」

 

祭乃木「ビンゴじゃない! 行ってみましょ!」

 

こかげ「だ、大丈夫かな……?」

 

祭乃木「大丈夫よ。不良がいたらアタシがぶっ飛ばしてやるわよ! ね、ゆき!」

 

ゆき「はい!……それにしても、ここのせさん、なんだか張り切ってましたね。こういうとき、祭乃木さんが二人を引っ張っているんだと思ってましたぁ」

 

別れる前にみたここのせは人一倍乗り気だったことがゆきには印象的だった。

亜美はわけ知り顔で笑みをこぼす。

 

 

祭乃木「あははっ、普段はそうよ! でもここのせのやつ、今回はスイッチが入ったみたい。きっと、つかさの姿に自分を重ねてるのね」

 

言うと不思議そうにこかげが首を傾げた。

 

こかげ「あの人が、どうしてつかちゃんに……?」

 

祭乃木「ここのせも、同じなのよ。デュエルの資質ーー運命力ってやつが0なの」

 

ゆき「え!?」

 

ケイジ「つかさ以外にもいるんだなー、そういう人ー」

 

こかげ「ちゃんと大会にも出てるのに……」

 

ゆき「それにここのせさん、ちゃんとデッキを作ってましたよ?」

 

祭乃木「アイツのデッキは、必死に集めたカードと、そしてーーーー星遺物の力を使って強引に回してるのよ」

 

ゆき「星遺物……? それって……?」

 

ゆきが深く聞こうとした刹那、亜美のスカートのポケットが揺れる。

同時にバイブ音が響き、亜美はその元凶たるスマホを取り出した。

 

祭乃木「っと、良平からだ。……どうしたの?」

 

良平『祭乃木! 見つけたぞ! 今、ここのせが相手をしてる』

 

祭乃木「マジ!? どこ!?」

 

良平『丸太公園だ。噴水広場の裏のところ!』

 

祭乃木「了解! すぐいくわ!」

 

答えてすぐに終話。

素早く全員の顔を見る。

 

祭乃木「ビンゴみたいね! いくわよみんな!」

 

ケイジ「おー!」

 

 

 

[ネオ童実野シティ街中 デュエセン前 (電話より数分前)]

 

ガヤガヤとした雑踏が多いデュエルセンターは、しかしカードをカツアゲするような悪党は見当たらず、健全なカップルや学生グループなどが利用しているのみだった。

建物の前でここのせは舌を鳴らした。

 

ここのせ「ちっ、ハズレだったか」

 

良平「思ったより人が多かったな。それに、警備員もいた。やっぱりWSCの影響で混んでるんだな。こんな中じゃあ、不良は居づらいはずだ」

 

つかさ「くそ、やっぱり無理なのか……!?」

 

焦りが苛立ちに変わり、つかさは地団駄を踏む。

その時、まるで雷に打たれたように恵がピクリッと全身を跳ねさせた。

 

恵「!」

 

良平「どうした?」

 

恵「……微弱な時空震を観測した。震源は南南東約1.23キロ、噴水広場付近と思われる……」

 

唐突に読み上げられる冗長なセリフ。

聞き慣れぬそれにつかさは思わず口を開ける。

 

つかさ「じ、時空震……? なにそれ?」

 

ここのせ「恵……。今は中二病してる場合じゃねぇぜ……」

 

呆れたような声を出す。

一方で良平は思案したのち、ここのせを振り返った。

 

良平「……いや、ここのせ」

 

ここのせ「あ?」

 

良平「行ってみよう。どうせ心当たりもないんだし。……それに、俺もなんとなく嫌な感じがするんだ」

 

恵「……私も観測した以上、現地調査に向かいたい……」

 

ここのせ「……わーったよ。いくぜ、つかさ!」

 

つかさ「お、おぉ!」

 

[噴水広場の裏手 公園]

 

日がかなり傾いており親同伴の子供は全員帰っていて公園は高学年以上の独壇場となっている。

先頭を行く恵が公園入り口で足を止めて振り返った。

 

恵「……時空震源は、この地点……」

 

変哲もない公園。

しかしつかさは「あっ!」と声をあげて指を向ける。

見るとまさにモンスターが小学生の男の子に攻撃しているところだった。

 

 

「うわぁぁぁっ」

LP400→0

 

衝撃を受けて子供の身体は簡単に薙ぎ倒される。

対戦相手は中学生ほどの少年で負けた男の子のデュエルディスクに手を伸ばしていた。

 

???「僕の勝ちだ」

 

「や、やだっ! 離して!」

 

???「負けたやつは勝ったやつに逆らえないんだよ」

 

抵抗するも力は歴然。

見かねてここのせは、まさにデッキを取り上げようとする少年の手を掴んだ。

 

ここのせ「待ちやがれ!」

 

???「ん?」

 

ここのせ「白昼堂々、カードをカツアゲたぁ、随分なことしやがるじゃねぇか」

 

自分より一回り下の体付きの中学生ではあるものの、手をねじあげる勢いで尻餅をつく男の子から離す。

対戦相手だった男の子は一目散に逃げ出していた。

手を掴まれたまま中学生の少年はここのせを冷たい目で睨む。

 

???「何お前?」

 

そんな少年につかさは思わず声をあげた。

 

つかさ「お、お前!! カードを返せ!! あれはこかげのカードなんだ!」

 

中学生の少年がまさに恵がハッキングした情報にあったーー枡田威借であることは一目瞭然であった。

 

枡田「はぁ? お前、この間の小坊じゃん。あれはもう僕のだから」

 

つかさ「無理やり取ってった癖に!!」

 

枡田「お前がデュエルに負けたのが悪いだろ。……で、アンタら高校生は、わざわざ僕に説教しにきたわけ?」

 

再びここのせを見る枡田威借にもはや拘束は不要と手を離す。

それからここのせは右手を腰に当てた。

 

ここのせ「いいや? お前がアンティルールでデュエルすんのを無理くり止める気はねぇよ」

 

良平「……え、そうなの?」

 

ここのせ「だが、オレもお前のカードが欲しくてな。ちょっくらデュエルしようぜ。カードを掛けてな」

 

枡田「……ふぅん。……そっちのアンタは見たことあるな。WSCに出てた幻獣機使いだろ」

 

良平「……そこまで有名人になってたなんて、驚きだよ」

 

枡田「で、アンタはベンチウォーマーか。ふーん……」

 

ここのせ「控えだからって甘く見んなよ」

 

枡田は細い目をさらに細めてここのせを見つめる。

そして当然に腹をかかえて溢れんばかりの嘲笑をあげた。

 

枡田「……ぶっ……! あひゃひゃひゃ……!」

 

つかさ「な、なんだいきなり……」

 

枡田「なんだ! アンタ、運命力0かよ! 通りで控えなわけだ! ひぃーひっひっ」

 

良平「なっ……!」

 

言われたここのせよりも良平が戦いた。

初見で看破した少年にある種の恐れを感じたのである。

 

良平(こいつ……運命力を感じ取れる、のか……?)

 

つかさ「えっ!? な、なぁ、ここのせ、お前、運命力が……」

 

ここのせ「……よくわかったじゃねぇか。そうだぜ。俺は運命力なんざ微塵も持ってねぇ。デュエリストとしちゃ、致命的なほどな」

 

つかさ「う、嘘だろ……!」

 

枡田「そっちの幻獣機使いはともかく、お前が相手なら受けてあげるよ。ほら、かかってこいよ」

 

未だに侮辱するような顔つきのまま枡田威借はデュエルディスクを展開する。

 

ここのせ「はん、その減らず口、のめしてやるよ!」

 

恵「……ここのせ、これ……」

 

恵は持参していたカバンからヒーロー部のデュエルディスクを取り出してここのせに手渡した。

受け取ると腰のケースからデッキを抜き取りセットする。

 

ここのせ「サンキュー」

 

恵「……頑張って……」

 

良平「相手、結構やばそうだけど、大丈夫か?」

 

ここのせ「万が一がありゃ、お前が骨を拾ってくれよ」

 

良平「……頼りないなぁ。……とりあえず応援してるよ」

 

ここのせ「ん」

 

つかさ「なぁ、大丈夫なのか!?」

 

ここのせ「大丈夫だ。……つかさ、お前に星の力を見せてやるよ」

 

それだけ返事をするとここのせは数歩前に出て枡田と対面した。

 

つかさ「星の力……?」

 

枡田「才能がないやつがいきがるなよ」

 

ここのせ「言ってろ。いくぜ!」

 

準備は万端。

二人の少年が向かい合い、デュエルディスクはデュエルモードに切り替わっている。

一陣の風に、公園の砂が巻き上がっていた。

 




本来の予定、というか書き溜めでは前半パートにもデュエル描写があったのですが、そこまで入れると17000字を超えて長くなってしまうため次回に回しました。
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