遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~   作:レトやま

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今回はやや短めとなります。
またアンケート内容を今回から変更しています。


第19話「シューティングスター」後編

 

天雷が鳴り響く。

ネオ童実野シティ メモリアルスタジアムの上空に太陽を遮るようにそれが現れる。

 

天霆號アーゼウス

守:3000 光 機械族 ランク12

 

黄金のラインに白い筐体。

背のアフターバーナーからは溢れるような稲妻が滞留していた。

良平は圧倒的な存在感があるそのモンスターを見上げた。

 

良平「……アーゼウス……!?」

 

『ななななんだあのモンスターはァァァァァァ!!? 巨大な機械神がフィールドに現れたぞォオオ!!?』

 

マイクパフォーマンスが聞き取れないほどの歓声。

しかし井ノ神のーーーー否、フィールドに立つ決闘者の耳には入らない。

聞こえるのは己の心音と相手の息遣い。

井ノ神は口角を上げて良平と対峙する。

 

井ノ神「天霆號アーゼウスは、エクシーズモンスターが戦闘を行ったターンにエクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚できる! そして、素材を二つ取り除くことで、このカード以外のフィールドのカードを全て墓地に送る!!」

 

良平「なっ……!?」

 

井ノ神「天雷を落とせ!! アーゼウス!!」

 

天に届くように井ノ神は手を振り上げた。

天霆號は応えバチバチとエネルギーを溜め込んだ。

やがて振り下ろす。

稲妻の裁きを。

運命に抗う十二番目の鉾を。

 

刹那、良平の耳は一瞬の静寂を得る。

そして次の瞬間に凄まじい轟音と閃光を浴びた。

フィールドを縦横無尽に走る天雷がスクラップ・ドラゴンも幻獣機ドラゴサックもセットカードも。

井ノ神のフィールドにあったセイクリッドの星痕とセイクリッド・ビーハイブすらも。

全てを破壊し尽くした。

 

『圧巻!! 圧倒!! フィールドは、井ノ神歩のモンスター1体を除いて焼け野原と化したァァァァァァ!!』

 

白煙が至る所から上がる。

 

【チームHEROベンチ】

 

ベンチメンバーは全員唖然とした表情を浮かべた。

良平の優勢は変わらぬと確信していた最中の冷や水。

ここのせは井ノ神のフィールドを見上げながら声を上げた。

 

ここのせ「おいおい、なんだありゃ!!?」

 

ゆき「あぅ……フィールドが全滅しちゃいましたよぉ……」

 

眉を八の字にしてゆきは肩を落とした。

隣の亜美は前に乗り出してモンスターを睨む。

 

祭乃木「見たことないカードだわ……!! 化け物じゃない!」

 

【チームユニオン側】

 

一方のユニオン側。

こちらもフィールドを薙ぎ払ったカードを見て驚愕の表情を浮かべていた。

奥安は思わず立ち上がり半ば叫ぶように言う。

 

奥安「なっ、なんだあのカードは!」

 

ベンチから気怠げに見ていたもこも、フィールドを見上げて口をあける。

 

時松「! アーゼウス……! へぇ、なかなかいいレアカード持ってるね、とりあえず」

 

冬華「隠された切り札だねっ!! こりゃ大スクープの予感!!」

 

首からかけたカメラを切りながら冬華も口角をあげていた。

 

【デュエルフィールド】

 

フィールドに一陣の風。

焦げた匂いがたちのぼっていたのを流していく。

 

井ノ神「……僕はこれでターンエンドだ」

 

手札は一枚、セットカードはなし。

井ノ神にこれ以上できることはない。

 

井ノ神裕

LP:1700

手札1

伏せ0

フィールド:

天霆號アーゼウス

 

良平「……」

 

良平は自分の手の感覚を確かめる。

手札は一枚。

フィールドには切り札級のモンスター。

 

『ああっとォォオ!! 日和田良平、圧倒的なモンスターに立ち尽くしているぞォオオ!!』

 

マイクパフォーマンスが間を埋めるように声を張り上げる。

フィールドは劣勢。

 

【チームHERO側ベンチ】

 

ゆき「ひ、日和田さん、どうするんでしょう……?」

 

ゆきは胸の下で小さく手を握ってハラハラとした声を出す。

右隣では無表情の恵。

 

恵「……彼の手札は、幻獣機テザーウルフの1枚のみ……」

 

祭乃木「アタシが出るわ!」

 

勢いよくベンチの石段に足をかける亜美。

しかしその肩をここのせが抑えた。

 

ここのせ「待て祭乃木!」

 

祭乃木「なによ!?」

 

ここのせ「……良平のやつ、やる気だぜ」

 

祭乃木「良平……っ!」

 

ここのせにむけていた顔をバッとフィールドに向ける。

良平の背中は、まだこちらを向いていた。

 

【デュエルフィールド】

 

良平「……」

 

決闘盤を構える良平は思考を回す。

フィールドには天霆號アーゼウス、相手の手札は一枚。

良平の手札は一枚、ドローで二枚。

フィールドにカードはなし。

ライフポイントは、相手1700に対し自身は1200。

彼我のアドバンテージ差はほぼ互角。

 

良平(祭乃木のヒーローデッキに、あの化け物は重たすぎる……。ラストプレイヤーとの余力を残せなくなる。あれは俺が倒さないと……!)

 

勝ち筋は見えている。

あと一つピースが揃えば。

 

良平「俺のターン!」

 

デッキトップに手を掛ける。

願いはここに。

運命はここに。

 

『チームHEROセカンドプレイヤー、日和田良平! デュエルを続行だ!! 』

 

リョーへェェーー!!!

マイクパフォーマンスを切り裂いて高い声が聞こえて良平は振り向いた。

ベンチに見える赤い髪。

真っ直ぐな瞳。

良平が目を合わせると亜美は口をあけた。

歓声で声はよく聞こえない。

ただ口の動きでなんとなく。

"倒せなかったら承知しないんだから"

そう言っているのがわかった。

 

良平(貧乏くじを引いた、か。ここのせに言われたけど、本当にこういう星の下に生まれたのかも……)

 

予選決勝の前の日。

ここのせが良平に言ったこと。

それが今脳裏を過ぎる。

良平は再びフィールドを見上げた。

天を覆う雷霆の機神。

星が見えぬ巨大に響き渡る雷鳴。

良平は睨む。

そういう星の下に生まれたというのならば、その如くを撃ち落として見せる。

良平は誓う。

悪運を運ぶ星が宙を覆うならば、その星は必ず撃墜する。

誰よりも速く誰よりも高く。

良平は知る。

それがヒーロー部の日和田良平の役目だと。

 

良平「いくぞ! ドローッ!!」

手札1→2

 

ースタンバイフェイズー

 

デッキからカードを引き抜く。

その姿を見据えた井ノ神は肌にビリビリとくる感覚を覚えた。

決闘者の本能が伝える。

 

井ノ神(手札は2枚……乗り越えてくるのか……!?)

 

良平はデッキを喚ぶ。

なんでもいい。

機械族さえ引ければ。

 

願いを込めてドローカードを見据える。

引いたカードはーー幻獣機ライテン。

 

良平「よしっ! 幻獣機ライテンを召喚!」

 

幻獣機ライテン「ブゥゥン」

攻:1500 風 機械族 星4

 

良平「さらに、墓地のオライオンの効果発動! このカードを除外し、幻獣機モンスターを召喚する! こい! テザーウルフ!」

 

幻獣機テザーウルフ「ガルルルゥゥゥ!!」

攻:1700 風 機械族 星4

良平「テザーウルフは、召喚された場合、幻獣機トークンを作り出す!」

 

井ノ神「その瞬間、アーゼウスの効果発動!! フィールドのカードを全て墓地に送る!」

 

天霆號アーゼウスが吠える。

凄まじい天雷が轟いた。

良平は応戦するようにセメタリーボタンを押し込んだ。

 

良平「墓地のブレイクスルー・スキルを除外して、効果発動!!」

 

《ブレイクスルー・スキル》

通常罠

 

chain1 幻獣機テザーウルフ

 

chain2 天霆號アーゼウス

 

chain3 ブレイクスルー・スキル

 

三枚のカードが交錯する。

墓地からのカードにスタンドが響めく。

しかし井ノ神は驚かない。

最後まで見届けようと。

 

良平「フィールドのモンスターの効果を無効にする!」

 

突如時空を切り裂いて現れたチャフが閃光を放ち、機神がタタラを踏んで天雷を引っ込めてしまう。

その隙に幻獣機テザーウルフが分身するよう半透明のトークンを作り出した。

 

幻獣機トークン

守:0 風 機械族 星3

 

『墓地からのトラップ!! これによりアーゼウスの効果は無効となったぞォオオ!!』

 

上を取ったのは良平。

フィールドには効果を失った天霆の機神と三機の幻獣機。

攻撃力の差は歴然。

スタンドは未だ井ノ神の切り札がフィールドを制圧していると信じて疑わない。

しかし当の井ノ神は既に見えていた。

 

良平「ライテン、テザーウルフ、幻獣機トークンの3体をリンクマーカーにセット!!」

 

リンクマーカーが天空から現れて幻獣機達は宙返りして飛び込んでいく。

 

←機械族+↓機械族 +↘︎機械族=LINK3

 

良平「ーー煌めけ、極光の翼!! 」

 

開かれたゲートから黒色の軍用機が高速でロールしながら飛び出してくる。

三機の幻獣機トークンを引き連れて。

 

良平「回せっ! リンク召喚!! 何度だって舞い上がれ! 幻獣機アウローラドン!」

 

幻獣機アウローラドン

攻:2100 風 機械族 LINK3

 

幻獣機トークン

守:0 風 機械族 星3

 

幻獣機トークン

守:0 風 機械族 星3

 

幻獣機トークン

守:0 風 機械族 星3

 

手札から発動するカードはない。

井ノ神は悔しそうに拳を握って現れた幻獣機アウローラドンを睨みつけた。

しかし握った拳を解き、小さく息をついた。

 

井ノ神「……ここまでか……」

 

良平「アウローラドンの効果発動! 幻獣機トークンを1体リリースして、フィールドのカードを1枚破壊する!」

 

幻獣機トークンがミサイルに変わる。

アフターバーナーを点火させアウローラドンは直進した。

 

良平「アーゼウスを撃ち落とせ!!」

 

アウローラドンを撃ち落とそうとアーゼウスは雷を四方八方に落とす。

右左と低空を飛行して次々に回避していった。

そして一瞬の隙をついてアウローラドンはミサイルを発射。

白煙。

着弾。

爆発炎上。

天を覆っていた機神はガラガラと崩れていく。

 

『幻獣機のミサイルが命中ゥゥゥゥゥゥ!! アーゼウス、撃沈!!』

 

井ノ神は目を伏せて立ち尽くした。

フィールドはがら空き、アウローラドンのアフターバーナーは未だ消えない。

空中を旋回し指示を待つ。

 

―バトルフェイズ―

 

良平「バトル! いけ! アウローラドン!! ダイレクトアタック!!」

 

右手で攻撃目標を指し示す。

アウローラドンは宙返りして回頭。

ターゲットスコープに井ノ神を収めて突貫する。

 

井ノ神「……くっ……」

 

良平「FOX2!!」

 

良平の掛け声に呼応してアウローラドンは機銃掃射で弾丸を吐き出していく。

それらは地面を痛烈に削り取ったのち、井ノ神の身体を貫いてしまった。

 

井ノ神「…………!」

LP1900→0

 

『決まったァァァァァァァァァ!! チームHEROが2勝を先取!! これによりチームユニオンはラストプレイヤーにバトンが回ったぞォオオ!!』

 

勝負は決した。

スタジアムは騒然としていて歓声と困惑の声が交差している。

 

【チームユニオン側ベンチ】

 

 

冬華「あぁっ、リーダーが……」

 

奥安「くそっ!!」

 

チームユニオン側のベンチではカメラを構えたままの冬華が思わず声を上げ、その隣で奥安も悔しそうに自らの膝を叩く。

一方、その後方で時松もこは腰まで伸びたうねりのある黒い髪を揺らして面倒くさそうに立ち上がった。

 

時松「ハァァァァァァ……」

 

【デュエルフィールド】

 

ダルそうな足取りでゆっくりとフィールドを歩いていく。

彼女の腕には大仰なデュエルディスク。

はた目から見ても高性能とわかる。

 

 

時松「はぁ……、めんど……」

 

井ノ神「……」

 

悔しそうにたたずむ井ノ神の背中をつんとつつき声をかけるもこ。

 

時松「交代」

 

井ノ神「……いいところまで行ったんだけど、押し切られちゃった。ごめん」

 

時松「別にどうでもいい。妨害もないし、いいんじゃない? とりあえず」

 

女性としてはやや低めの声にジト目を向ける彼女に井ノ神は苦笑いを浮かべた。

 

井ノ神「もう少しやる気をだしてくれると助かるんだけどな……」

 

時松「私は、あんたたちみたいな気持ちでデュエルしてないし。単位が取れればなんでもいい、とりあえず」

 

井ノ神「でも、君もデュエリストだ。当然勝ちは狙うだろう?」

 

時松「まぁね」

 

なんでもなさげにもこは答えた。

その答えに井ノ神はうなずくと背を向けてベンチへと歩みを進める。

 

井ノ神「それじゃあ頼むよ!」

 

見送るでもなくもこはデッキをディスクにセットする。

そしてデュエルフィールドに目を向けて声を出した。

 

時松「……それで、そっちはなんかできんの? とりあえず」

 

良平「……いや、できない。ターンエンドだ」

 

時松「あっそ」

 

 

-エンドフェイズ-

 

日和田良平

LP:1400

手札:0

マジックトラップ:

なし

フィールド:

幻獣機アウローラドン

幻獣機トークン

幻獣機トークン

 

-ドローフェイズ-

 

時松「じゃあ私のターン」

手札5→6

 

『チームユニオンラストプレイヤー、時松もこのターンからデュエル再開だァァァァァ!!』

 

 

-スタンバイフェイズ→メインフェイズ-

 

引き込んだカードをちらと確認してからもこは手札のカードを持ち替えてマジックトラップゾーンへ放り込んだ。

 

時松「黄金の封印櫃を発動」

 

《黄金の封印櫃》

通常魔法

 

時松「デッキから嵐征竜-テンペストを除外。さらに除外されたテンペストの効果でミスティルを手札にそれからーー」

 

ぶつぶつと早口でディスクを操作するもこ。

良平は見落とさないように注視する。

しかし観客席からはざわめきが起きていた。

それを察して井ノ神はベンチから半身を乗り出して大声を出した。

 

井ノ神「ちょっちょっちょっ! 時松さん!! 時松さん!!」

 

時松「……なに?」

 

井ノ神「前にも言っただろ! 公式大会なんだから、相手を確認しながらやらなきゃ!!」

 

時松「……だる……」

 

大仰に破顔してもこは目を線にして溜息をつく。

 

『ここで、観客のみなさんにも解説をするぞォォオ! 黄金の封印櫃は、デッキより好きなカードを除外し、2ターン後のスタンバイフェイズに手札に加える効果だァァァ! そして除外された嵐征竜-テンペストは、デッキより風属性ドラゴン族モンスターを手札に加えることができるぞォオオ!! この効果でドラグニティ・ミスティルが手札に加わったぞォオオ!!』

 

会場のマイクパフォーマンスによって解説が加えられているのを聞いて、また深いため息お漏らす。

 

時松「だからこういうところでやるの嫌なんだよね……。だいたい、相手は何もできないんだから、いいじゃん別に……。単位貰えなきゃ絶対やってないよ……」

 

良平「俺は気にしないから自由にやってくれてかまわないけど……」

 

時松「ハァァッ……。いやどやされても面倒だし気をつけるよ……」

 

それから体勢を整えてからもこは再び、カードを握り替えた。

 

時松「……続けるよ。ドラグニティ・セナートを召喚」

 

ドラグニティ・セナート「フンッ!」

攻:1800 風 鳥獣族 星4

 

時松「セナートは、手札のドラグニティを墓地に送ることで、デッキからドラグニティチューナーのファランクスを装備するよ」

 

セナートのソリッドビジョンが咆哮を上げると後方から別のドラゴンが羽ばたきその着地する。

ドラグニティ・ファランクスである。

 

時松「そのままファランクスを特殊召喚」

 

ドラグニティ・ファランクス「ガァァァァァッ!」

攻:500 風 ドラゴン族 星2 チューナー

 

あっという間にモンスターを展開しチューナーまで用意する。

 

【チームHERO側ベンチ】

 

そんなデュエル展開にここのせは舌打ちをする。

 

ここのせ「ドラグニティかよ……! クソ、めんどくせぇ奴がラストにきやがったぜ……!」

 

実際に対戦したことこそないが、そのデッキテーマ自体の強力さは知っていた。

左隣でゆきは息を呑んで声を出す。

 

ゆき「モンスターを装備するなんて……!!」

 

焔聖騎士を使うゆきが、あまりに新鮮だと言わんばかりにいうので亜美は思わず彼女の肩に軽めに裏拳を入れていた。

 

祭乃木「いやゆきは人のこと言えないでしょ」

 

ゆき「そうでしたぁ……」

 

 

【デュエルフィールド】

 

フィールドではもこが新たにカードを展開していく。

 

時松「ファランクスをリリースし、手札のドラグニティ・ミスティルを特殊召喚」

 

ドラグニティ・ミスティル「ゴガァァァァッ!」

攻:2100 風 ドラゴン族 星6

 

時松「ミスティルは、出た時効果で、墓地のドラグニティを装備できる。ファランクスを装備」

 

ミスティルが呼び込みファランクスは再びフィールドに降り立つ。

 

時松「そのままファランクスを特殊召喚」

 

ドラグニティ・ファランクス「グガァッ!」

攻:500

 

時松「セナートにファランクスをチューニング」

 

ファランクスの身体がシンクロリングとなりセナートを包み込んでいく。

 

☆4+☆2=☆6

 

 

時松「--神話の聖槍、雷の牙、とりあえず呼び出すよ」

 

カッと閃光が走りフィールドにドラゴンの羽ばたきが響き渡る。

 

 

時松「ドラグニティナイト-ヴァジュランダをシンクロ召喚」

 

ドラグニティ・ヴァジュランダ「ガァァァァァッ!」

攻:1900 風 ドラゴン族 星6

 

時松「ヴァジュランダの効果で、今度は墓地のドラグニティ・クーゼを装備」

 

良平「セナートのコストで送ったカードか……」

 

時松「そう。で、クーゼにも特殊召喚効果があるから、そのまま特殊召喚」

 

ドラグニティ・クーゼ「グォオッ!」

攻:1000 風 ドラゴン族 星2 チューナー

 

時松「レベル6のヴァジュランダとミスティルでオーバーレイ」

 

☆6×☆6=★6

 

時松「聖刻龍王-アトゥムスをエクシーズ召喚」

 

聖刻龍王-アトゥムス「グギャァァァァァ!!」

攻:2400 光 ドラゴン族 ランク6

 

時松「アトゥムスの効果発動。素材を使って、デッキからドラゴン族モンスターを攻守0にして特殊召喚する。レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン「ガァァァァァッ!!」

守:2400→0 闇 ドラゴン族 星8

 

時松「レダメの効果で、墓地のミスティルを特殊召喚」

 

ドラグニティ・ミスティル「ガァァァァァッ!」

攻:2100

 

次々と高速でドラゴンを展開していくもこ。

良平は歯を食いしばってその様子を見ていた。

 

『凄まじい展開力!! 見る間にフィールドがドラゴンに埋め尽くされていくぞォオオ!!?』

 

時松「レダメとアトゥムスの2体をリンクマーカーにセット。召喚条件は、トークン以外のドラゴン族、鳥獣族モンスター2体」

 

↙ドラゴン族+↘ドラゴン族=LINK2

 

時松「とりあえず、リンク召喚。ドラグニティナイト-ロムルス」

 

ドラグニティ・ロムルス「ガァァァァァッ!」

攻:1200 風 ドラゴン族 LINK2 EXゾーン

 

時松「ロムルスの効果発動。デッキからドラグニティマジックをサーチできる。ドラグニティ・ヴォイドを手札に加えるよ」

手札3→4

 

デッキから自動選出されたカードを申し訳程度に見せてから手札に加える。

そしてフィールドのモンスターをさして宣言する。

 

時松「クーゼはシンクロ素材になるときレベル4扱いにできる。よっと、レベル6のミスティルにレベル4のクーゼをチューニング」

 

今度はドラグニティ・クーゼの身体が四枚のシンクロリングへ姿を変えてミスティルの身体を六つの星へと調律する。

 

☆6+☆4=10

 

 

時松「--太陽神の聖なる槍、それは全て焼き尽くす」

 

 

シンクロリングに一陣の風。

青紫に白い膜のような羽根を広げそのドラゴンは高く高く鳴き声を上げる。

 

 

時松「とりあえず、シンクロ召喚。ドラグニティナイト-アラドヴァル」

 

ドラグニティナイト・アラドヴァル「グガァァァァァァァァァァァァッ!!」

攻:3300 風 ドラゴン族 星10

 

『多彩な特殊召喚コンボの先に、最強のドラゴンが現れたぞォオオォオオ!!? チームHERO、なす術なし!!』

 

 

良平「……さすがにどうしようもないな……」

 

-バトルフェイズ-

 

時松「バトル。ロムルスで、幻獣機トークンを攻撃」

 

ドラグニティナイト・ロムルス「ガァァァァァッ!」

 

咆哮とともに吶喊してくるドラゴンに幻獣機トークンは抵抗もできずに砕け散る。

ふりそそぐ破片を左手で防ぎながら良平は喉の奥を鳴らす。

 

時松「とどめ。ヴァジュランダでアウローラドンに攻撃」

 

青い竜が一旦上空に上昇し、口にエネルギーをため込んでいく。

そしてそれが一気に吐き出され光の奔流となって押し寄せる。

アウローラドンを貫き粉々に破壊した後、後方にいた良平自身をも削り取っていった。

 

良平「ぐぅっ……!?」

LP1200→0

 

 

『ここで決着ーーー!! チームHEROセカンドプレイヤーもついにダウンーーーー!!』

 

強力なモンスターによる戦闘破壊、戦闘ダメージによる決着にスタンドは一気に湧き上がっていた。

 

-メインフェイズ2-

 

時松「カードをセットしてターンエンド」

 

-エンドフェイズ-

 

時松もこ

LP:4000

手札:3

マジックトラップ:

伏せ1

フィールド:

ドラグニティナイト-アラドヴァル

ドラグニティ・ナイト-ロムルス

 

ライフが尽きた良平はフィールドを支配しているドラゴンを見上げて拳を固く握り占めた。

 

良平「……あー、くそっ……!」

 

闘志はまだ潰えていなかった。

まだ満足はしない、したくないと心が訴えていた。

 

良平(……悔しいな。もう少し余力が残ってたら3人目も相手できたのに)

 

 

祭乃木「良平!!」

 

後ろから声がして振り向く。

そこには赤い髪のポニーテール。

見るだけで心に火を注いでくれる。

良平はデュエルディスクを外した。

 

 

良平「……ごめん、祭乃木。結果的にフィールドの状況が悪化した。アーゼウスが出たときにチェンジすべきだったかも」

 

祭乃木「馬鹿ね、アンタはきっちり仕事したでしょ! あとはアタシに任せなさい!」

 

良平「二妨害だぞ、大丈夫か?」

 

フィールドに鎮座するドラグニティナイト-アラドヴァルはモンスター効果に対する強力な制圧効果を有している。

さらにフィールドにセットされたカード。

十中八九、ドラグニティナイト-ロムルスの効果でサーチしたドラグニティ・ヴォイドだろう。

カウンター罠であることはすでに確認できている。

しかし亜美は両手を腰に当て斜に構えてにやりと笑った。

 

祭乃木「はっ!アタシを誰だと思ってんのよ。チームHEROのリーダーにして、ヒーロー部の部長よ! あの程度の妨害、乗り切れなきゃヒーロー失格よ!」

 

良平「……祭乃木が言うと大丈夫に聞こえるな。……頼んだぞ、祭乃木!」

 

祭乃木「任されたわ!」

 

亜美にデュエルディスクを託す。

彼女は大きくうなずくと左腕にセットした。

 

『チームHEROもラストプレイヤーにバトンタッチだァァァァァァ!! さぁラストバトルだぞォオオォオオ!!』

 

マイクパフォーマンス。

デュエルは両者ラストプレイヤーの大詰め。

もこは鎮座するドラゴンとセットカードを擁して腕を組む。

 

 

時松「……ま、場は制圧してるし、とりあえず。今更できることなんて限られてるよ」

 

祭乃木「どうかしら!? 油断してると痛い目みるわよ!」

 

時松「やってみなよ」

 

もこの挑発に同調するように青いドラゴンーードラグニティナイト-アラドヴァルが咆哮する。

フィールドが揺れるような声。

しかし亜美は一瞬たりとも怯まない。

 

 

祭乃木「言われなくても!! いくわよ!!」

 

デッキトップに指をかけ亜美は口角を上げる。

今WSC本戦の終幕の決戦が始まった。

 

 

 




次回の前後編でVSチームユニオン戦が終幕となります。
もしよろしければ感想や評価等を頂きましたら大変励みになります。
どうぞよろしくお願いいたします。


◆次回予告
寝る前決闘空間第20話
『WSC本戦第1回戦終幕 Heroes show up late.』
デュエルスタンバイ!

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